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■21689
/ ResNo.30)
Re[25]: 25
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□投稿者/ miya
一般♪(5回)-(2012/11/12(Mon) 01:20:04)
更新、ありがとうございます<(_ _)>
”手首にキス”
思わずネットで調べてしまいました
情熱的(#^^#)
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■21690
/ ResNo.31)
26
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□投稿者/ zoo
一般♪(27回)-(2012/11/15(Thu) 00:01:17)
翌日、夕方から彼と会うことになった。
今のままじゃ結婚なんて考えられない。。
きちんと彼には伝えよう。
家を出るまでの時間、昨日のことを思い出していた。
“ 欲情 ”
気になって携帯で検索した結果。
手首にキスするのは、欲情を示す合図。
咲希は何食わぬ平気な顔で私をドキドキさせる。
でも、自分から求めて手を繋いだりして、私のほうが欲情してたのかも・・・
とにかく、昨日限定の恋人だったから、あんな大胆なことが出来たのかも。
なんて・・・咲希の気持ちを知ってるのに、私ってひどい。
それでも、自分の立場を考えると、そうやって気持ちにブレーキをかけるしかない。
咲希なら若いし魅力的だから、すぐにまた好きな人くらい出来るだろう。
夕方、気の進まないまま彼と会った。
彼が予約してくれていた個室のお店で、夕食をした。
久しぶりに会って、嬉しそうな顔をする彼に、なかなか言い出せないでいた。
「りこ、今日はこの後もう少し一緒にいられる?」
「あっ、うん・・・でも、明日は朝早いから早めに帰るね」
「りこに触れたい」
「・・・うん」
「抱きたい」
「・・・・」
真剣な顔で見つめられて、言葉がすぐに出てこなかった。
そんなに愛しそうにされると、どうしたらいいのかわからなくなる。
でも、
心は変わらなかった。
気持ちを落ち着かせてから、彼に打ち明けた。
仕事を辞めるなんて考えられないこと、だから結婚は出来ないこと、それから・・・好きな人がいること。
彼は黙って聞いていた。
しばらく沈黙の後・・・
「・・・そいつに、もう抱かれた?」
「あの、そういう関係じゃないの・・・ただ、私が好きなだけだから。」
「・・・待つよ。」
「えっ?」
「今はめちゃくちゃ腹立ってるけどね。でも、りこを他の奴に渡したくない。」
「・・・・」
「そんな困った顔するなって。俺が勝手に待つだけだから(^_^)」
「だって・・・」
「勝手に待つくらい、自由だろ?」
「でも。。。(>_<)」
「何かあった時は頼ればいいからさ」
彼はほんとお人好し過ぎる。
幸せになって欲しいのに。
全部、私のせいだ・・・。
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■21692
/ ResNo.32)
27
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□投稿者/ zoo
一般♪(29回)-(2012/11/15(Thu) 00:13:04)
週末の疲れが取れないまま、新しい一週間が始まった。
いつもと変わらない忙しい学校生活。
受験を控えている3年生のラストスパート。
生徒指導や学校行事で、時間はあっという間に過ぎていった。
咲希はあの日以来、冷たい。
というより、おそらく普段通りなんだと思う。
私がバカみたいに咲希を意識しているだけなんだと思う。
あれから必要最低限の会話以外は交わしてない。
これで元通りになったんだから、良かったんだよね・・・
咲希のことを考えないようにと、仕事を増やして遅くまで頑張った。
咲希と最後のデートをしてから、1ヶ月近く過ぎた。
連日の残業続きに疲れていた。
そんな週末、一緒に仕事で残っていた前川さゆりからご飯のお誘いがあった。
「江藤先生、最近残業続きですね。明日は休みだし、この後、ご飯でも行きませんか?」
「あっ、うん。ありがとう。前川先生は金曜日なのに予定ないの?(笑)」
「ひどいですね〜江藤先生とご飯行けるかと今、期待してるのに(笑)」
「・・(笑)。わかりました。じゃ、少し終わるまで待ってね。」
「はい、ゆっくりどうぞ(^_^)」
そうしてさゆりと一緒に学校を出て食事に行った。
お互いお酒も好きだし、同じ教師同士で共通の話題も多く、楽しい時間だった。
ふと、財布に入れていた名刺に目がいった。
行ってみたいけど、一人で行く勇気はない・・・。
それに、行ったところで咲希に会うのも気まずいような・・・。
普段学校で顔見れてるしな・・・
でも、会いたい。。。
ピアノを弾く咲希を見てみたい。
迷いに迷って、さゆりに言ってみた。
正直に、生徒がバイトしているお店なんだと。
でも行ったことがないし、一人で行きづらいことを素直に伝えた。
さゆりは何の迷いもなく、即OKしてくれた。
着いたお店は、カウンター越しのバーにBOX席、テーブル席、薄暗い照明の落ち着いた場所だった。
お店の奥には、グランドピアノが置かれ、演奏スペースになっていた。
店内にいるお客は、年齢層が少し高めの大人が目立った。
私とさゆりは、あまり目立たないBOX席を選んで座った。
適当にお酒を注文して、店内を見回した。
2杯目のお酒を口にしようとした時、咲希が演奏スペースに現れた。
私の鼓動が早くなった。
一緒に演奏すると思われる男性が2名、ドラムとベースの位置についた。
咲希は全く客席を見ていない。
そして自然と演奏は始まった。
ピアノジャズらしい。
上手・・・
ピアノを弾く咲希の綺麗な指。
繊細な音。
さゆりが傍にいることも忘れて、思わず見とれてしまいそうになる。
何曲か演奏しつつ、近くに座っているお客さんと話したり、リクエストに答えたり、何だか咲希が大人に見えた。
演奏が一旦終わり、咲希が客席に目を向けた。
手を振るのもバカみたいだし・・・と思いつつ、目が合った時に軽く微笑んだ。
咲希は、気付かなかったかのように、すぐに違う場所へ視線を逸らした。
そして、咲希の傍に歩み寄って馴れ馴れしく話す女性がいた。
あっ、たぶん、前に駅で咲希を車に乗せた人だ・・・
咲希に触ってる。
ズキッと胸が痛んだ。
来なければ良かった。。
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■21693
/ ResNo.33)
28
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□投稿者/ zoo
一般♪(30回)-(2012/11/15(Thu) 00:26:00)
「あの子ですね、江藤先生のクラスの子」
「あっ、うん」
「彼女はどこかミステリアスというか、目立ちますよね」
「うん、そうね」
「江藤先生、彼女とそんなに親しかったんですか?意外ですね〜」
「一応、担任だから・・・」
さゆりの話すことがほとんど耳に入ってこなかった。
こんな場所まで来たりして、私ったらバカみたい(>_<)。
すぐにお店を出ようかと思ったけど、何だか少し酔っていた。
おまけに私に対する咲希の態度が冷たくて、辛かった。
すぐに立ち上がる気力もなかった。
「もう1杯だけ飲んでいい?」
「私は構いませんけど・・・大丈夫ですか?」
「・・・うん。あと1杯だけ飲んだらすぐ帰る」
「わかりました」
さゆりは近くを通ったウェイターに注文してくれた。
1軒目から数えると、今日は結構な量を飲んでいるかもしれない。
咲希はお客さんのリクエストを聞き、また演奏を始めた。
薄暗い店内は、みんなそれぞれ周りなんて見ていない。
BOX席なんて特に見えずらい空間になっている。
隣りに座っているさゆりが、そっと手を繋いできた。
咲希にされている訳じゃないのに、さゆりのクールな雰囲気が咲希と重なってしまう。
「前川先生は、付き合ってる人とかいないの?」
「いないですよ」
「モテそうなのに」
「江藤先生なら、恋人にしてみたいけど」
「も〜モテる人はみんな口がうまいんだから(笑)」
「本気で言ってます」
耳元で囁かれた。
さゆりは、繋いでいた指をゆっくり絡めるように触れた。
「・・・あのっ、前川先生・・・誰かに見られたら困るわ。。(>_<)」
「誰かって?」
「・・・」
「そろそろ出ましょうか」
「あっ、うん」
演奏が終わったところで、私たちは席を後にした。
咲希とは全く話せなかった。
私は何を期待してたんだろう。
おまけに見たくもない光景まで見てしまって。
酔ってるせいで、少し足がふらつく。
私の体を自然と支えるように、さゆりが背中に手を回した。
清算を終えてお店を出ようとしたところで、咲希に呼び止められた。
「こんばんは。お店に来てくれたんですね。ありがとうございます」
咲希は礼儀正しく前川先生に言った。
そして私のほうを見て、言った。
「もう仕事終わるから少し待ってて。車で送るよ」
「ううん、前川先生が一緒だし電車で帰れるから」
「送るから。少しだけ待ってて」
有無を言わせず、咲希は一旦その場から消えた。
どうしよう・・・さゆりとそのまま帰るほうがいいよね。
結局、さゆりは気を遣って、自分は電車で帰ると言って咲希の車には乗らなかった。
久しぶりに咲希の車で二人きり。
何を話したらいいのかわからなかった。
「なんでそんなに酔うまで飲んでるの?」
冷たい言い方。
「ごめんなさい・・・酔っぱらって生徒に送ってもらうなんて教師失格ね」
「あのさ、先生の彼氏って、先生には合わないんじゃない」
「何、急に・・・」
「先生みたいな無防備でスキだらけの人を放ったらかしにしてるんだからね」
「・・・私、頼りないよね」
「前川先生だっけ?あの人に手握られたりして、感じた?」
「何、言ってるの・・・」
「あの人も今日限定の恋人か何か?」
こんなに機嫌が悪い咲希は初めてだった。
ショックで何も言えなかった。
会いたかっただけなのに。
バカ。。。
マンションの前に着いた。
「送ってくれて、ありがとね」
「・・・・」
「気をつけて帰ってね」
それだけ言って車を降りた。
咲希はまだ機嫌が悪い。
ふらつく足取りでマンションのロビーまで歩いた。
今にも涙がこぼれてしまいそうだった。
気付くと、咲希が車を止めてエレベーターのところまで追いかけてきた。
やだ・・・泣きそうな顔を見られたくない。(>_<)
咲希の顔を見ないように背を向けた。
咲希は私の手を繋いで開いたエレベーターに乗った。
「部屋まで送るだけだから」
咲希はそう言った。
バッグから鍵を出して部屋を開けた。
玄関を入ったところで、咲希は謝った。
「ごめん、ひどいこと言って」
「ううん、私が頼りないだけだから」
咲希は私の顔を手で触れて、親指で私の唇をそっとなぞった。
それだけだった。
「・・・おやすみ」
「・・・うん」
出ていこうと背を向けた咲希を引き止めるかのように、私は後ろから咲希の手に触れた。
「・・・・気をつけてね」
声が震えてしまった。
咲希は私のほうを振り返り、泣きそうな顔で目を合わせない私を抱き寄せた。
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■21694
/ ResNo.34)
Re[28]: 28
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□投稿者/ miya
一般♪(6回)-(2012/11/18(Sun) 01:40:51)
更新、ありがとうございます^^
なかなか揺れ動きますね。
今は、みんな切ない・・
更新、心待ちにしています。
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■21695
/ ResNo.35)
29
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□投稿者/ zoo
一般♪(31回)-(2012/11/20(Tue) 23:50:29)
「先生・・・」
強く抱き締められる。
「先生・・・あんまり無防備にならないで」
「・・・・」
咲希に抱き締められたまま、泣いているのを知られないように、うんうん、と黙って頷いた。
そんな私の顔を見るように、咲希は抱き締めていた腕をゆるめた。
私は慌てて顔を見られないよう、クルッと咲希に背を向けた。
「遅くまでごめんね。気をつけて帰っ・・・!」
言い終わらないうちに、後ろから咲希に抱き締められた。
「先生・・・諦めようって思ってるのに、好きで仕方ないよ・・・」
「・・・・」
「子どもだって思われるかもしれないけど・・・先生のこと、自分のものにしたい」
「・・・・」
「嫉妬で頭が変になりそうだよ・・・」
私を抱き締める咲希の腕が震えていた。
全て素直に言ってしまいたかった。
咲希を好きになってしまったこと、会いたくてお店まで行ったこと、彼には結婚出来ないと伝えたこと、その他にも色々話したいことはあった。
でも、教師であることや歳の差、性別、色々考えると、ダメだと自分に言い聞かせるしかなかった。
苦しい。
「先生・・・」
「・・・・」
「先生の心が欲しいよ・・・」
咲希が愛しくて仕方ない。
もう嘘ばかりつけない・・・
私は咲希に向き直って言った。
「もう・・・心はだいぶ前からあなたに惹かれてるわ」
「・・・・」
咲希はじっと私を見つめた。
「でもね、私は頼りないけど一応教師だから・・・一人の生徒を特別に考えちゃダメなの」
「・・・・」
「それに歳だって違いすぎるわ。あなたは若くて魅力的だし、それに・・」
咲希はまた私を強く、今度は振りほどけないほどに抱き締めた。
「・・・苦しいよ」
「先生、部屋入っていい?」
「えっっ!?」
「お邪魔します」
「えっ!!ちょっと待って!!」
咲希は靴を脱いでさっさと部屋に入って行った。
私は一瞬のことに、我に返ったような焦りぶりだった。
慌てて靴を脱いで、咲希のいる部屋へ行った。
「あの、えっと・・・、部屋片付けてないのに(>_<)」
「いい部屋だね」
咲希は部屋を見回して言った。
「散らかってるのに・・・も〜ヤダ(>_<)」
っていうか、どうしたらいいの!!
二人っきりになると危険だってわかってるのに。
心臓が壊れそうなくらいドキドキしていた。
咲希は何考えてるの?!
強引なことはしないって言ったのに。。。
頭がパニック。お酒の酔いなんて一気に吹っ飛んでしまった。
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■21696
/ ResNo.36)
30
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□投稿者/ zoo
一般♪(32回)-(2012/11/20(Tue) 23:57:44)
「・・・えっと、とりあえずコーヒーでも淹れるねっっ!」
とにかく咲希の傍から離れようとした。
が、簡単に咲希の腕に捕まってしまった。
今度は、切なくなるくらい、優しく抱き寄せられた。
「コーヒー淹れるから・・・」
「いらない」
「・・・・」
「先生・・・やっぱり靴脱ぐと小さいね(笑)」
「も〜!ひどい!」
「・・・キスしていい?」
「ダメっ」
「絶対?」
「・・・・とにかく、ちょっと・・っっ!」
咲希はそっとキスをした。
「・・・ダメってば(>_<)」
「先生、黙って」
咲希はまたキスをした。
「んっっ!・・・」
歯列をなぞるようにゆっくり、かと思えば舌を絡めて息が出来ないような深いキス。
咲希の手が腰から背中を撫でるように動いた。
「あっ・・・ダメっ」
言葉とは裏腹に体が反応して、咲希にしがみついた。
そして、咲希は私の耳から首筋にかけて、唇が触れるか触れないくらいの焦れったいキスをした。
私の体の感触を味わうように、首から鎖骨、次は・・・腰、背中・・・咲希の綺麗な細い指で順番に愛撫されていく。
もうその場に崩れ落ちるかのように、力が入らなかった。
咲希はそんな私の体を支えて、耳元で言った。
「ベッド行く?」
「ダメ。これ以上はダメ(>_<)」
「・・・・」
「お願いだから・・・」
「先生のこと、抱きたい」
「ダメ!・・・あなたにはもっと若くてふさわしい子が・・・」
「もう黙って」
「本当にダメっ(>_<)」
「我慢出来ない」
「お願い(>_<)・・・卒業まで待って」
「卒業したら、抱いていいの?」
「・・・・(>_<)」
つい・・・勢いあまって、卒業したらOKのような言い方をしてしまった。
もうどうしたらいいのかわからない。。。
「あのね・・・あなたのことは、好きよ・・・」
「恋愛対象として?」
「・・・・きっと」
「じゃあ、」
「えっとね、傍にいるだけじゃ・・・ダメ?」
「・・・」
「心が繋がってるだけじゃ、ダメかな・・・」
「先生がしたくないなら我慢するよ」
「そういう意味じゃなくて・・・」
「もういいよ」
「怒らないでよ。。。」
「別に怒ってないよ」
「怒ってるくせに・・・(>_<)」
「あのさ、先生の気持ちが決まるまで待つよ。でも、卒業までは待てないかもしれない。だから、あんまり焦らさないで。」
「そんなに怒らないでよ。。。」
「先生、あのさ・・・もっと私のことをちゃんと一人の人間として見てよ。立場の違いとか歳の差とかさ、そんなことばっかり言われると、子ども扱いされてるみたいで悔しいよ」
咲希は吐き捨てるように一気にそう言うと、目も合わせることなく部屋から出ていった。
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■21697
/ ResNo.37)
Re[30]: 30
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□投稿者/ miya
一般♪(7回)-(2012/11/26(Mon) 19:27:43)
更新、ありがとうございます^^
切なさ全開になりつつありますね。
続きを楽しみにしています。
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■21699
/ ResNo.38)
31
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□投稿者/ zoo
一般♪(33回)-(2012/12/04(Tue) 22:46:27)
あれから数週間、咲希とは学校での必要最低限程度しか話さなかった。
そろそろ2学期も終わりに近づき、冬休み前のテスト期間になった。
街はクリスマスの雰囲気でいっぱいの時期だ。
恋人同士がアクセサリーを一緒に見ていたり、相手を思い浮かべながらプレゼント選びをしていたり。
なんとなく、街歩く人がみんな幸せそうに見えた。
ひとり、デパートをふらついていると、ふと目に止まったものがあった。
レザーのシンプルな手袋。
一目惚れするくらい、心が惹かれた。
咲希に似合いそう・・・
無意識に咲希のことを考えていた。
クリスマスプレゼントかぁ。。。
でも、
渡すタイミングもないし・・・
第一、恋人でもないし・・・ね。
「プレゼントですか?(^_^)」
店員さんに笑顔で聞かれ、咄嗟に否定した。
見ず知らずの人に、バカ正直に答える必要もないのに。
結局、買わずにその場を離れた。
期末テストが終わり、慌ただしい12月も半ばを過ぎ、終業式。
生徒は皆、嬉しそうにクリスマスの予定や冬休みの話をしながら帰宅した。
学期終わりは毎回、教師にとっては忙しい時期。
帰宅時間も遅くなる。
今年はクリスマスの時期が3連休かぁ。。
。
別にクリスマスなんて気にする歳でもないんだけど・・・
でも、咲希が誰かと過ごしたりするのかな・・・なんて、気になって仕方ない。
素直に会いたいって、言える立場なら良かったのにな・・・。
クリスマスイブの日曜日。
特別な予定もない私は、朝からゆったりした時間を過ごし、美容室へ行って気分転換した。
外を歩くと、寒い中を寄り添って歩くカップルが目につき、なんだか寂しくなった。
美容室だけ行くと、さっさと家に帰ってきた。
一人でワインをあけ、観ないで放置していたフランス映画のDVDをつけた。
ただ、ぼ〜っと観ていた。
12月25日、クラブ活動の生徒以外はいない学校へ、教師は普段通り出勤した。
仕事納めの忙しい時期。
結局、学校を出たのは、夜18時を過ぎていた。
明日もう一日頑張れば、今年の仕事は終わり。
あと一息。
学校を出る直前、さゆりに声をかけられた。
「江藤先生、今日は彼氏とデートですか?」
「・・・ううん」
「あっ、もしかしてもうクリスマスデートは済んだ後でしたか?(^_^)」
「・・・(笑)」
適当に笑ってごまかした。
ご飯のお誘いを頂いたけど、体調があまりよくないからと、丁重に断った。
別に体調が悪い訳じゃない。ただ、気分が乗らなかった。
とにかく、早く家に帰って一人になりたかった。
家に着くと、昨日と同じようにワインをあけ、大して興味もないフランス映画をつけた。
夜22時過ぎ、電話が鳴った。
“ 着信 咲希 ”
胸の鼓動が早くなった。
出ようかどうか、迷った。
しばらく携帯は鳴り続けた。
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■21700
/ ResNo.39)
32
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□投稿者/ zoo
一般♪(34回)-(2012/12/04(Tue) 22:50:22)
「・・・もしもし」
「先生?」
「うん」
「遅くにごめん。・・・今、何してる?」
「別に何もしてないよ」
「今、ひとり?」
「うん」
「行っていい?」
「・・・・」
「会いたい」
「うん・・・でも、もう今日は遅いし、」
「少しだけでいいから・・・時間貰えない?」
「・・・わかった」
「じゃ、すぐ行く」
咲希はそれだけ言うと、すぐに電話を切った。
電話が切れた後、私は我に返ったように慌てて着替えをして、軽く化粧をした。
咲希が来るまでの間、何をしていいのかわからず、落ち着かなかった。
少しして、部屋のチャイムが鳴った。
玄関のドアを開けると、咲希が立っていた。
「遅くにごめんね」
「ううん・・・寒かったでしょ?入って。」
うまく咲希の顔を見れなかった。
「お腹減ってない?」
「大丈夫」
「じゃあ、コーヒーでいい?」
「うん」
この間のことがあったせいか、咲希が部屋にいるだけでドキドキしてしまって落ち着かない。
そんな私とは対照的に、咲希はいつもと変わらずクールで冷静。
私が淹れたコーヒーを静かに飲んだ。
「・・・・」
「・・・・」
「間に合って良かった」
「ん?」
「手、出して」
「えっ?」
咲希は、戸惑っている私の手を掴んで、手首にブレスレットをつけた。
「昨日と今日は、バイト先が忙しくてさ」
「・・・・」
「でも、日付が変わる前に間に合って良かった」
「・・・・これ、私に?」
「うん」
「・・・・」
「ごめん・・・気に入らない?」
首を振った。
何て言ったらいいのかわからなかった。
「こんなの、貰う資格ないよ・・・」
「・・・彼氏の前でつけなかったら問題ないでしょ」
「違うの、そういう意味じゃなくて・・・」
「ん?」
「えっと・・・彼とは別れたの」
「え?」
「・・・好きな人がいるから、結婚出来ないって伝えたの」
「・・・・」
「会えると思ってなかったから、プレゼント、何も用意出来ていないの。だから、私だけこんなの貰ったら・・・っっ!!」
咲希に抱き締められた。
「・・・先生の好きな人って?」
「・・・・」
なかなか素直に言えなくて、咲希を抱き締め返した。
「先生、勘違いして・・・いいの?」
「勘違い・・・なんかじゃないよ」
「私のものだって、思っていいの?」
「・・・うん」
咲希に長い間、抱き締められていた。
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■No21700に返信(zooさんの記事) > 「・・・もしもし」 > > > 「先生?」 > > > 「うん」 > > > 「遅くにごめん。・・・今、何してる?」 > > > 「別に何もしてないよ」 > > > 「今、ひとり?」 > > > 「うん」 > > > 「行っていい?」 > > > 「・・・・」 > > > 「会いたい」 > > > 「うん・・・でも、もう今日は遅いし、」 > > > 「少しだけでいいから・・・時間貰えない?」 > > > 「・・・わかった」 > > > 「じゃ、すぐ行く」 > > > > 咲希はそれだけ言うと、すぐに電話を切った。 > > > 電話が切れた後、私は我に返ったように慌てて着替えをして、軽く化粧をした。 > 咲希が来るまでの間、何をしていいのかわからず、落ち着かなかった。 > > > 少しして、部屋のチャイムが鳴った。 > 玄関のドアを開けると、咲希が立っていた。 > > > 「遅くにごめんね」 > > > 「ううん・・・寒かったでしょ?入って。」 > > > > うまく咲希の顔を見れなかった。 > > > 「お腹減ってない?」 > > > 「大丈夫」 > > > 「じゃあ、コーヒーでいい?」 > > > 「うん」 > > > この間のことがあったせいか、咲希が部屋にいるだけでドキドキしてしまって落ち着かない。 > そんな私とは対照的に、咲希はいつもと変わらずクールで冷静。 > 私が淹れたコーヒーを静かに飲んだ。 > > > 「・・・・」 > > > 「・・・・」 > > > 「間に合って良かった」 > > > 「ん?」 > > > 「手、出して」 > > > 「えっ?」 > > > > 咲希は、戸惑っている私の手を掴んで、手首にブレスレットをつけた。 > > > 「昨日と今日は、バイト先が忙しくてさ」 > > > 「・・・・」 > > > 「でも、日付が変わる前に間に合って良かった」 > > > 「・・・・これ、私に?」 > > > 「うん」 > > > 「・・・・」 > > > 「ごめん・・・気に入らない?」 > > > > 首を振った。 > 何て言ったらいいのかわからなかった。 > > > 「こんなの、貰う資格ないよ・・・」 > > > 「・・・彼氏の前でつけなかったら問題ないでしょ」 > > > 「違うの、そういう意味じゃなくて・・・」 > > > 「ん?」 > > > 「えっと・・・彼とは別れたの」 > > > 「え?」 > > > 「・・・好きな人がいるから、結婚出来ないって伝えたの」 > > > 「・・・・」 > > > 「会えると思ってなかったから、プレゼント、何も用意出来ていないの。だから、私だけこんなの貰ったら・・・っっ!!」 > > > 咲希に抱き締められた。 > > > 「・・・先生の好きな人って?」 > > > 「・・・・」 > > > なかなか素直に言えなくて、咲希を抱き締め返した。 > > > 「先生、勘違いして・・・いいの?」 > > > 「勘違い・・・なんかじゃないよ」 > > > 「私のものだって、思っていいの?」 > > > 「・・・うん」 > > > 咲希に長い間、抱き締められていた。 > > > > >
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