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その後、咲希と落ち着いて少し話した。
お互いのこと、これからのこと。 正直に感じていることを正直に、咲希に話した。
歳の差は関係ないって、簡単に言う人はいるけど・・・。 いつか、同じくらいの若い子のほうが魅力的だと感じて別れが来るんじゃないか、 いつか、歳の差が二人の心に距離を作ってしまうのではないか、 そんなことはない!大丈夫!って自分に言い聞かせても、不安で仕方ないこと。 咲希の将来を私が遮ってしまっているんじゃないか、 女の子と付き合ったことがない私にとって、周囲の人間にも大っぴらに言えない関係・・・ 色々な場面で寂しさや苦しさが付きまとうのではないかと、自信がなくなること。
咲希は黙って聞いていた。 そして、真剣に私の目を見て言った。
歳の差が心の距離を作るんじゃないと。 どんなカップルにも、その二人にしかわからないことがある。 外見だけで判断すると、どう見ても釣り合わないカップルなんて世の中にはたくさん存在する。 でも、なぜ幸せそうなのだろう? それは、その愛し合っている二人にしかわからない何かがあるのだろう。 その何か・・・を、他人に説明する必要など更々ない。
「先生は、私に想われていると感じる?」
「・・・うん」
「そう感じる気持ちが真実なんだよ」
自分がどう感じるか、感じている心を素直に信じることが大切なんだと、咲希は言った。
お互いの不安は、その都度二人で解決していこうと、約束した。 絶対に一人で悩まないこと、悲しいとか寂しいという気持ちも隠さず正直に伝え合おうと。 どちらか片方の機嫌が悪かったり、包容力がない態度しか出来ない時は、 もう片方が大人な対応が出来るように努力しようと。
簡単にいかないことはたくさんあるかもしれないけれど、 そんなことは、男女のカップルでも同世代同士のカップルでも、有り得ることに違いない。
今、必要とし合っている二人の気持ちを大切にしようと、約束した。
「先生、明日は仕事だよね?」
「うん。明日が仕事納めなんだけどね」
「仕事終わったら、デートしない?」
「うん。夕方以降になるけど、いい?」
「終わったら電話して。迎えに行くから」
「うん」
「先生・・・ところで、キスはしていいの?」
「えっっ!?」
「エッチは卒業までダメなんでしょ?」
「・・・・だって。。。(><)」
咲希はいつも唐突だから戸惑ってしまう。 安心させてくれたり、ドキドキさせたり・・・
どうしよう・・・と、考えた末、 背伸びして咲希のほっぺにチュッてした。
「・・・これで、いい?(><)」
「・・・先生、小学生じゃないんだからね(笑)」
「も〜・・・ひどい。。。(><)」
咲希は私の顔を引き寄せて、唇を合わせた。
「んっっ・・・!!」
力が抜けてしまう程、息も出来ないくらいの深いキスだった。 咲希にされると、キスだけで感じてしまう。。。
「先生、そんな顔しないでよ」
「えっ?!ヤダ〜。。。変な顔してた?(泣)」
「感じてる顔してる」
「えっ!!してない!」
「してるよ。私をもっと欲しいって顔してる」
「してない!!」
「(笑)」
咲希に強く抱きしめられた。
「先生、これ以上は我慢出来なくなるから、そろそろ帰るよ(笑)」
「も〜・・・(><)」
「明日、仕事終わったら連絡してね」
「うん」
咲希はそう言って帰って行った。
手首には、咲希がくれたブレスレットがついていた。 部屋の隅には、ブレスレットが入っていたんであろう紙袋と、その中に空の箱が入っていた。
キスだけで我慢出来なくなりそうなのは、私のほうだよ。。。 明日は仕事終わりにデートだって。
私、こんなに幸せでいいのかな。
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