| 《病院 デートから2日後のこと》
一昨日から忍の抗癌剤治療が始まった。 1週間近くずっと点滴を付けていなければならない。 どこへ行くのにも、ガラガラと点滴台と一緒だ。 夜は寝れないし、点滴台は重いしで不便だと思っていたけど・・・ 看護師さんが点滴の交換をしたり、様子を見に来ないといけないので、松下さんや他の看護師さんと話す機会が増えたので忍は嬉しかった。 そして幸いなことに薬が体に合っているのか、嘔吐などの症状はほとんどなかった。
「忍〜お見舞い来たよ〜ん♪」
「ホントいつもありがとね〜☆」
「私も来たくて来てるんだからいぃよ☆それに明日から夏休みだし〜♪」
「じゃぁもしや毎日来るの!?(-∀-;)」
「いや・・毎日は来ないから安心して(笑)まぁ2日に1回ぐらい?」
「それも多いけどね;;でもあかりが来てくれて本当に嬉しいょ☆」
「あ!そう言えは・・・この前外出してたんだよね?家に帰ってたの?」
「えへ・・違うょ〜♪イィ人どデートしてたの(〃∇〃)」
「あ・・イィ人とデート・・・・良かったね(*^∀^*)」
「でしょ?実はさ・・・海に連れってくれてさ、その後も」
「って別に話さなくてもいぃよ。それよりさ・・」
あかりは忍のデートの話を聞きたくなくて、思わず遮ってしまった。
「あ、話途中で終わらせてゴメン」
「いやイィよ☆誰もノロケ話なんて聞きたくないもんね・・・」
淋しそうに忍が言ったのを見たあかりは、盛り上げないと、と思い明るく振舞った。
「え、あ、そぅだょ。私も恋人がいれば忍のノロケ話ぐらいいっぱい聞いてあげるけどさ、フリーな私にはその話題は淋しくなるんです(`ε´*)」
「あは、ゴメンゴメン☆じゃぁあかりも恋人出来たらノロケでもグチでもイッパイ話そうね」
「だね☆」
コンッコンッ
「本城さん調子どぅ〜???ってあかりちゃん久しぶり〜♪」
今日の忍の担当は森さんではないのに、まるで担当のような顔をして森さんはやってきた。 あかりに会いに来たのだろう。
「あ、この前はどぅも☆」
「いえいえ、こちらこそ☆」
『?』
忍は2人の会話が分からなくて森さんに尋ねた。
「この前って・・・何かあったんですか?」
「ちょうど帰りが一緒になったから、ちょっとそこまで一緒にね」
「あ、そぅですか・・・あ!ちょっとトイレに行きたくなってきたから行ってきまぁす」
森さんとあかりを2人っきりにしたかった忍は、行きたくもないトイレへと向かった。
|