ビアンエッセイ♪

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■16524 / inTopicNo.41)  Re[25]: うさぎ病>可南子の嘘
  
□投稿者/ れい ちょと常連(96回)-(2006/09/18(Mon) 00:45:59)
    可南子がなんだかおかしいとは思っていた。

    でも、まさか、そうくるとは。

    その発言に対して、私はどう反応していいのかすらわからなかった。

    今日の私の恋愛運は絶好調とでもいうべきか。

    それともトラブル注意とでも出ていたのだろうか。


    「あなた、だって…彼氏は?」

    「え…?」


    彼女の驚いたような反応に、苛立ちを覚えた。


    「え、じゃないでしょう。マサヤ、だっけ」


    怒りがこみ上げてきて、口の端が曲がりそうになる。

    彼女は私があの時どれだけ傷つけられたのか、全く分かっていないに違いない。

    彼女は、そんなに軽い気持ちで私と付き合っていたというのか。


    しかし、その私の言葉に彼女が傷ついたように反応を示した。


    「そんなの…嘘だよ。淳子さん、あたしがビアンだって知ってるでしょう」


    可南子のその反応は、あまりに意外で、

    私は頭の中がいっぱいになるような錯覚を覚えた。


    ちょっと待って。

    よく分からない。彼女の発する言葉の意味が。

    なんで彼女は私に嘘をつく必要があったのだろう。


    「…どういうこと?あなただって確かに私にそう言って…」

    「……」


    可南子は手元の在庫表に視線を落としたまま、何も言わずにじっとしていた。

    何か、あるというのだろうか。彼女に。


    「じゃあ、この話の続きは、夜に」

    「うん」


    仕事中にエキサイトするわけにも行かない。

    もやもやしたものを抱えつつ、私は彼女との話し合いを夜に持ち越した。



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■16583 / inTopicNo.42)  お久しぶりですね
□投稿者/ 昴 ベテラン(206回)-(2006/09/22(Fri) 01:23:24)
    もうすぐラストなんですか?それはちょっと寂しい気もしますが…

    なんだか最近お互いに本来のマイペースのようで…。
    お忙しいご様子ですが体調は…無理なさっていませんか?


    お題小説…すいません
    m(_ _)m
    きっと本当の『ふみきり』だったのでしょうが…
    何故か違う『ふみきり』で引き継いでしまいました(爆)

    ゆっくりと無理をなさらないで、れいさんのペースで更新して下さいね

    (携帯)
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■16586 / inTopicNo.43)  昴さんおひさしぶりです
□投稿者/ れい ちょと常連(99回)-(2006/09/22(Fri) 15:34:29)
    お元気ですか?

    私は今月が仕事のヤマなんですよ…。

    更新が停滞していて申し訳ない限りです。


    一回の更新文量を減らせばいいのかなとおもうのですが、

    なかなか難しいのが現状です。

    とろとろ更新していきますので、

    飽きずにお付き合い戴ければ嬉しいです。



    お題小説ですが、楽しく拝見させて戴きました。

    お題小説、自分の予想つかない形で

    どなたかが書いてくださるのが楽しいですよね。

    私こそ超長文になってしまって…(-_-;)


    また昴さんの作品を

    (携帯)
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■16701 / inTopicNo.44)  Re[26]: うさぎ病>可南子の過去話1
□投稿者/ れい 常連♪(100回)-(2006/10/02(Mon) 00:39:58)
    あたしが常に寂しさを心の奥底に抱えているようになったのは、高校生の頃からかも知れない。


    あたしの両親は二人とも、中学の終わり頃に亡くなっている。

    原因は、交通事故。一人っ子だったから、兄弟もいない。


    合格していた私立有名進学高校を入学辞退して、

    地方にある祖母の家に預けられて、地元の公立高校に通うことになった。

    追加募集で合格したその高校のレベルは、吐き気がするほど低くて。

    学校に行く気にもならなかったあたしは、毎日祖母に行ってきますを告げて

    学校に行くフリをしてバイトに明け暮れた。

    勉強は、家に帰ってから独学でやった。


    あたしにとっての家族は、バイト仲間で。

    萌ちゃんという3つ上の大学生ととりわけ仲が良かった。

    あたしはいつも萌ちゃんにくっついてシフトに入っていた。


    萌ちゃんは大人しいけれど頭が良くて優しいお姉さんで、

    色々苦労をしてきたらしく、あたしの良き相談相手になってくれた。

    萌ちゃんだけが、そのときのあたしを理解してくれていた。



    萌ちゃんのことが恋愛対象として好きだと認識したのは、出会って早々だった。

    実家の祖母とも上手く行っていなくて、

    萌ちゃんだけがあたしの寂しさを癒してくれる唯一の存在だった。


    あたしにとっての一番が萌ちゃんだから、

    萌ちゃんにとっての一番もあたしになりたい。


    そう思って、毎日萌ちゃんのそばにいた。

    バイトの帰りも一緒に帰ったり、萌ちゃんちに泊まったりした。

    そうしてたくさんの時間を過しているうちに、

    あたしの感情は今までの友情と過度の独占欲から、

    萌ちゃんを自分だけのものにしたい、という今まで以上の独占欲と

    萌ちゃんに同じくらい愛されたいという感情、

    そして、萌ちゃんを抱きしめたい、キスしたい、という欲求に変化していた。

    でもそんなことを表に出せるはずが無く。

    あたしはただただ萌ちゃんがあたしのそばにいてくれることが嬉しくて、

    いい友人、いい後輩のフリをし続けていた。

    関係が壊れることが何より恐ろしくて、あたしはひたすら自分の気持ちを隠していた。



    萌ちゃんに彼氏ができた、という話を聞いたのは、高校2年の夏だった。

    その頃のあたしは、彼女が好きだという感情を抱き続けて1年以上が経過して、

    より一層彼女を好きだという想いが募って、どうしようもなくなっていた頃だった。

    あまりにも好きで、彼女を想像の中でも犯すことが躊躇われて、

    彼女とできない代わりに、夜毎遊んでいたビアン友達とセックスを重ねていた。

    アルバイトをしていたから、お金なら余裕はあった。

    お酒なんてしょっちゅう飲んでいた。

    萌ちゃんから彼氏の話を聞いたのも、萌ちゃんちでお酒を飲んでいるときだった。


    萌ちゃんの相手は同じバイト先の先輩。

    オンナ癖が悪くてバイトの間では有名な人。

    萌ちゃんからその人と付き合うことにした、という報告を聞いて

    あたしの中で真っ先に沸いた感情は、強烈な嫉妬だった。


    「どうして!?萌ちゃん、どうしてあの人なの?」


    はっきりそう聞いたことを今でも覚えている。

    あの人と付き合って、彼女が幸せになれるなんてとても思えなかった。

    相手だって、たぶんゲーム感覚で萌ちゃんを落としたのは明らかだった。

    あいつがよくバイト中に、今狙っている女の子をいつ落とせるかなんて

    賭けをしていたのをあたしは知っていたから。


    そうして萌ちゃんは真っ赤になって、消え入りそうな声で言ったのだった。


    「だって、わたしまだ初めてだから…。初めての人は、慣れている人のほうがいいんでしょう」


    その言葉に、あたしは頭を殴られたかのようなショックを受けた。

    あまりにもその発想が衝撃的だったから。

    はじめから、萌ちゃんはあいつとやるつもりで付き合う気だったから。


    「ねえ、慣れてれば、誰でもいいわけ?」


    そう言い出したあたしは、相当酔っていたんだろう。

    萌ちゃんは「そういうわけじゃ、ないけど…」と否定するのが精一杯のようだった。


    「ね、萌ちゃんも気持ちよくなりたいんだ?」

    「え…あ、それは…」

    「ね、自分でやったりもするの?」

    「可南ちゃん、そんなこと…」


    「そんなに初めてが怖いならさ、あたしがやってあげる」

    「え、ちょっ…!可南ちゃん!?」

    「大丈夫、あたし慣れてるし、たぶんあいつよりも萌ちゃん気持ちよくさせてあげられる自信あるから」

    「やっ…!ちょっと、かなちゃ…!?」


    抵抗する萌ちゃんをベッドに押し倒して、萌ちゃんの唇を奪った。

    下唇にそっと舌を這わせていって、口角を刺激すると、

    全身を拒否反応で固めていた萌ちゃんがびくんと震えた。

    少し唾液で唇のすべりを良くして、唇を唇と前歯で噛むように刺激すると、

    彼女の女っぽい吐息と共に、口がすこし開いた。



引用返信/返信 削除キー/
■16802 / inTopicNo.45)  Re[27]: うさぎ病>可南子の過去話2
□投稿者/ れい 常連♪(101回)-(2006/10/10(Tue) 20:40:33)
    2006/10/10(Tue) 20:46:34 編集(投稿者)

    「はぁっ…あああ、あ、あ、ああっ…い、いくぅぅーー、あ、ああああ!!」


    萌ちゃんは、処女だと言った割にはすぐ濡れて、

    萌ちゃんは、処女なんて信じられないくらい私の指をあっさり飲み込んで、

    萌ちゃんは、処女とは思えないほどものすごい声を出して、

    驚くほどあっけなく、いってしまった。


    乳首を舐めて楽しめたのは、ものの5分くらい。

    彼女はすぐに下を責めて、とおねだりをし、

    胸や腰や背中など、他の部分に愛撫を加えようとすると

    私の腿に彼女の秘部をこすり付けるようにして刺激を求め、

    私がそれに応えるととにかく私の指と舌を求めて腰を振りまくっていた。


    「あ、あっ、はあぁん…き、きもちいいぃよぅ…!もっと、あッ、あ…もっとぉ!」


    最初はものすごく興奮したけれど、3度ほどいかせてもまだまだあたしの指を求めて

    「足りないの」「もっとちょうだい」を繰り返されると、さすがのあたしも少し引いてしまった。

    とても初めてになんて見えない。信じられない。

    もう少し、初々しくてもいいじゃないか。


    「本当に、初めて…?」


    思わず聞いてしまった。今まで経験がないなんて、とても信じられない。

    今まで抱いた女性たちの中でも、この慣れっぷりは

    歳の割には上の方に入るのではないだろうか。


    「してもらったことは、ないよ…。ビデオを見て、勉強は、したけど…」


    大人しそうで、そんなものを見たことがなさそうな萌ちゃんから

    そんな言葉が出てきたから、驚いた。

    彼女の乱れっぷりを見た今となっては、容易に信じられるけれど。


    「どうやって?やってみてよ」

    「そんなの、恥ずかしいよ」

    「間違ってるかもしれないじゃない。見られてやる方が気持ちいいよ」


    もっともそうなことを言って、彼女を唆した。


    「じゃあ…可奈ちゃんのも見せてくれる?」

    「いいよ」


    見せる気なんてなかったけれど、そう言った。

    すると彼女はベッドサイドの引き出しを探り、何かを取り出した。


    ピンクのローターと、バイブ。


    彼女はバイブに唾液をしっかりとつけると、

    開脚したまましっかりと膝を抱え込み、ゆっくりと挿入した。

    そうしながら、電源を入れたローターをクリトリスの周りに這わせている。


    「あ、あああ、いいっ、あああん」


    そうして彼女はあっという間にバイブを咥えこみ、出し入れを開始した。


    「あああぁ、くぁあん、あ、あああ、いいっん!ふぁあぁぁ…」


    じゅぽじゅぽと湿った音が耳に入ってくる。

    萌ちゃんは気付くと口の端から涎を垂らしていた。


    とにかく快感を追い求める萌ちゃんの姿に、あたしは引いてしまった。


    萌ちゃんは、そのまますぐに絶頂を迎えた。

    その日以降、あたしは萌ちゃんのうちに行くことは無かった。

    その後すぐにバイトを辞めた。以降萌ちゃんに会うことは無かった。



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■16803 / inTopicNo.46)  可南子の過去話2   れいさんへ
□投稿者/ ゆらら ちょと常連(55回)-(2006/10/10(Tue) 20:46:16)
    すごい・・話なんですけど☆ごっくん☆楽しみです☆
引用返信/返信 削除キー/
■16804 / inTopicNo.47)  ゆららさん、すばやい感想ありがとうございます
□投稿者/ れい 常連♪(102回)-(2006/10/10(Tue) 20:49:45)
    書ききってないのにうっかりUPしてしまいました。
    27をちょっとリテイクして長くしたので確認してみてくださいね。
    書き直している間に感想ついててびっくりしたれいでした。
引用返信/返信 削除キー/
■16806 / inTopicNo.48)  すばやい感想・・・・(照)☆
□投稿者/ ゆらら ちょと常連(56回)-(2006/10/10(Tue) 21:27:54)
    おっ、うささん続き〜と読み出したら

    今まさに官能シーンだったので、ついつい反応しちゃいました☆

    でも性に素直に身をゆだねてしまい、自分を解放しきって乱れ咲きして

    喜悦した萌えちゃんが、逆に引かれてしまって〜なんか可哀想でした・・☆

    もちろん、またしっかり読み直し、しましたよ〜☆
引用返信/返信 削除キー/
■17262 / inTopicNo.49)  お元気ですか?
□投稿者/ 昴 大御所(277回)-(2006/11/19(Sun) 01:36:36)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
    お仕事のヤマはまだ続いていますか?
    体調は崩されていませんか?
    まるで、手紙みたいな書き出しですが(笑)

    若くないチームは(一緒にするなと叱られそうだ 笑)
    ボチボチゆっくり書ける時に書きましょうよ

    とか書きながら実は二人のハードなシーンを待ってたりして

    寒くなって来ましたので体調に気をつけて下さいね
引用返信/返信 削除キー/
■17321 / inTopicNo.50)  Re[28]: うさぎ病>可南子の過去話3
□投稿者/ れい 一般♪(1回)-(2006/11/25(Sat) 02:39:25)
    今思えば、萌ちゃんになんてひどいことをしたのだろうと思う。

    でも、当時高校生だった私にとって、

    ずっと好きだった大人しそうな女の子の予想外の乱れっぷりは、

    恋する気持ちを吹き飛ばしてしまうくらいショックだったのだ。


    今までそんなに乱れる姿を見たことがなかったから、

    彼女に経験こそないにしろ、ちょっと裏切られた気分だった。


    萌ちゃんはあの後どうなったのだろう、

    あの彼氏とはどれだけ続いたんだろうか。

    今となってはそんな疑問すら沸いてくる。


    当時は携帯なんてない時代だったし、

    あたしは萌ちゃんちに入り浸っていたけれど

    萌ちゃんをうちに招いたことはなかったから

    彼女と連絡を切断するのは、訳無い話だった。





    正直に言おう。



    あたしは寂しかった。


    そして傷ついていた。



    せっかくの心の拠り所だった彼女が、

    ただセックスが上手いからという理由で男にあっさりと攫われてしまった事実。


    あたしと一度体を重ねてみると、嫌がっていたのは最初だけで、

    あとはただ、快楽を貪っていた彼女の虚ろな瞳。


    彼女を快楽に導いているのはこのあたしだったはずなのに、

    彼女はきっと、彼女の膣を満たしてくれさえすれば

    あたしでなくても良かったんだろう、その極めて高い可能性。



    彼女を求めるあまり、

    自分自身を必要として欲しいあまり、

    あたしは、自分自身で、自分の存在意義を放棄してしまった。





    こうしてあたしは、

    あたしの心を埋めてくれる、当時唯一の存在を、

    失ったのだった。








引用返信/返信 削除キー/
■17322 / inTopicNo.51)  辛うじて生きてます。
□投稿者/ れい 一般♪(2回)-(2006/11/25(Sat) 02:46:18)
    昴さん

    おげんきですか。わたしは何とか生きています。

    最近はお休みすら無くなりかけていて、

    体力的にそろそろ限界かなと思っています。


    コメント、嬉しかったです。ありがとうございます。

    久しぶりにここを開いたら、昴さんからコメントが来ていて

    びっくりしました。昴さんもお元気そうで何よりです。


    1話だけ、更新しました。

    お読み頂ければ幸いです。

    また機会がありましたら感想聞かせてくださいね。
引用返信/返信 削除キー/
■17335 / inTopicNo.52)  Re[29]: うさぎ病>可南子の過去話4
□投稿者/ れい 一般♪(3回)-(2006/11/26(Sun) 00:41:01)
    つまるところを言えば、あたしは、あたしを見てくれる人を、

    あたしの内面だけを求めてくれる人を探していたのだと思う。


    体じゃないの、


    顔でもないの、


    あたしを見て。


    あたしの心に気付いて。



    …あたしはそれなりにスタイルも良くて、

    そこそこ可愛かったから、

    その気になれば女性には不自由しなかった。


    寂しい時は、その場で女性を拾って帰った。

    帰る家が無いときは、そうして拾った女性の家を泊まり歩いた。


    あたしはいつも周りに気を配って、

    人の気持ちを図っていたから、

    心の支えを求めている寂しい女性に対して

    求めている言葉をかけてあげることは、容易いことだった。



    それが欲しいのは、あたしのほうだったのに。



    みんな、自分のことに手一杯で、

    あたしのことなど見る余裕がないようだった。

    あたしは人の心は埋められても、

    自分の心は埋められなかった。

    あたしの心を埋めてくれる人は、現れなかった。





    求められるばかりで、

    与えることにも疲れて、


    自暴自棄になりかけていた頃。




    淳子さんと出会ったのは、そんな時だった。


引用返信/返信 削除キー/
■17480 / inTopicNo.53)  Re[30]: うさぎ病>可南子の過去話5
□投稿者/ れい 一般♪(4回)-(2006/12/15(Fri) 21:10:15)
    2006/12/24(Sun) 16:39:19 編集(投稿者)

    淳子さんに最初に抱いた感想は。

    ちょっと怖そうな上司が来たな、

    でも仕事ができそうだし、頼りになりそう。

    あたしの仕事も楽になるかな、くらいだった。


    女性の上司は初めてだったから、ちょっと緊張した。

    上手くやれるか心配だったから。

    女が何かと面倒なのは、経験上分かっていたから。

    その面倒さが私は結構好きだったりもするのだけど。

    仕事では全く別だ。仕事で面倒くさいのはごめん被りたい。


    淳子さんは、あたしの予想通り、仕事のできるいい上司だった。

    何より、仕事に感情を持ち込まず、てきぱきやってくれるのがいい。

    人のプライベートにも踏み込まなかったし、

    頼まれごとは嫌な顔一つせず引き受けてくれた。

    怒るときはしっかり怒ってくれ、感情を引きずらなかった。

    さばさばしていい距離感を保てる、数少ない女性のうちの一人だった。

    あたしは上司に恵まれたと思った。


    それまで人を頼ることに慣れていなかったあたしでも、

    いつしか自然と淳子さんを頼るようになっていった。


    この人ならあたしを受け入れてくれるかもしれない。


    人に寄りかかりたい、というあたしの抑えられてきた願望が、

    淳子さんに寄りかからせてもらいたい、という気持ちに変わっていくのに、

    そう時間はかからなかった。

引用返信/返信 削除キー/
■17576 / inTopicNo.54)  Re[31]: うさぎ病>可南子の過去話6
□投稿者/ れい 一般♪(5回)-(2006/12/31(Sun) 10:40:15)
    「上条。もっと私に寄りかかっていいんだからね?

    そのために私がいるんだから。」


    「そんなに頑張らなくて大丈夫だよ」、という言葉と一緒に、

    淳子さんにそう言われたのは、

    淳子さんのことを好きだと自覚して数ヵ月後。

    営業時間終了後、倉庫で淳子さんと二人で

    棚卸しの残り作業をしていた時だった。


    そんなことを言い出した淳子さんは。

    ちょうどテニスラケットの型番と本数を確認し終わったところで。

    あたしは返品に必要な書類を記入しているところだった。


    あまりに唐突だったので、あたしは思わず「え?」と聞き返してしまい。

    淳子さんは照れくさそうに同じ言葉をもう一度

    あたしの前で繰り返したのだった。


    「いつかタイミングみて言おうと思っていたんだけどさ。

    あなた本当いい子すぎ、頑張りすぎだから。

    そんなに一人でなんでもやろうとしなくていいんだよ。」


    そんな言葉をかけられて、あたしは正直どう反応していいかが分からなかった。

    そんな言葉、かけられたことなかったから。

    かけてもらいたいという気持ちは心の奥底にずっと眠っていた。

    でも、実際そうなったときにどうやって対応すればいいのかなんて、

    考えたこともなかった。


    「でも…あたしは社員だし、」

    「でも、上条より経験豊富なパートさんだっているでしょう」

    「でも…あたしなんかまだ仕事を時間内にちゃんと終わらせられないし…」

    「自分で全部をやろうとするからよ」

    「……」


    何もいえなかった。確かにあたしは全部自分でやろうとして抱え込んで、

    結局自滅寸前まで行ってしまうことがままあった。


    「一人で出来る量には限界があるの。上手く人を使うことを覚えればいいわ。

    そのために、あなたは人を頼れるようにならなきゃだめ。

    頼ったら迷惑、なんて言い訳よ。


    あなたは私やアルバイトの子たちを信じられないの?」


    淳子さんの少し傷ついたような眼差しにどきっとした。


    「あたしは、あたしは…淳子さんに迷惑を掛けたくなくて」

    「迷惑?」

    「あたしが淳子さんに頼ったら、」

    「迷惑なわけ、ないでしょう」

    「……」


    「上条、私、そんなに頼りないかな…?」


    はっとして、目を上げると、淳子さんの悲しそうな表情に行き当たった。


引用返信/返信 削除キー/
■17577 / inTopicNo.55)  年越しのごあいさつ
□投稿者/ れい 一般♪(6回)-(2006/12/31(Sun) 10:45:21)
    ごぶさたしております、れいです。

    今日はもう大晦日ですね。

    来年一年間が皆様にとってすばらしいものになりますよう、

    お祈り申し上げております。


    来年は、もっとココを更新できるといいなあ。

    がんばります。


    れい
引用返信/返信 削除キー/
■17845 / inTopicNo.56)  れいさんへ
□投稿者/ ぽむ 一般♪(1回)-(2007/02/01(Thu) 22:38:28)
    はじめまして。
    コメントさせていただくのは初めてで緊張してしまいます(^^;)
    お仕事お忙しいのでしょうね。
    私、れいさんの書く物語 とても好きです。
    できれば完結していただきたいと思っています。
    応援していますので、頑張って下さい。
    寒さもまだまだ厳しい折ですので、お体に気を付けてお過ごし下さいね。

引用返信/返信 削除キー/
■17853 / inTopicNo.57)  ぽむさま
□投稿者/ れい 一般♪(9回)-(2007/02/03(Sat) 22:05:56)
    コメントありがとうございます。

    れいでございます。


    久しぶりに覗いたらうさぎ病が上がってて

    びっくり半分、嬉しかったです。

    ぽむさん、ありがとうございます。


    前回書いた日からもう一か月経ってたんですね。

    …(*_*)一か月、早いなあ。

    明日には更新できるよう頑張ります。

    ぽむさん、勇気を出して書き込んで

    くださってありがとうございました。


    本当に嬉しかったです。


    まだまだ忙しい日が続き、

    なかなか更新ができませんが

    うさぎ病は必ず書き上げますので

    気長に楽しみにしていてくださいね。


    ありがとうございました。




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■17854 / inTopicNo.58)  Re[32]: うさぎ病>可南子の過去話7
□投稿者/ れい 一般♪(10回)-(2007/02/04(Sun) 16:36:33)
    その顔は、ひどく寂しそうで。

    そして、自分を責めているようで。


    「そんなことないですよっ!」


    慌てて淳子さんの言葉を打ち消すのに、あたしは必死だった。

    淳子さんの存在がどれだけあたしの支えになってくれているのか、なんて

    困ったことに、この人はどうやら全く自覚がなかったらしかった。


    このあたしは、精神的に依存するどころか、

    この人に恋までしてしまっているというのに、だ。



    「あたしがどれだけ、淳子さんに助けて貰ってると思ってるんですかっ!」


    積もった想いが、そんなことを言い出す淳子さんに対して

    投げる言葉をとげとげしくさせた。


    「あたし、本当に淳子さんには、感謝してるのに…

    どうしてそんなこと言うんですか。

    どうして分かってくれないんですか…!」


    ああ、違うのに。

    そうじゃない。あたしは淳子さんを責めたいんじゃないのに。


    あたしが言いたいのは。

    淳子さんに伝えたいのは。


    そんなひねくれた言葉じゃなくて。


    ああ、もう本当に。


    この自分の素直になれない感情が厭だ。


    さっき淳子さんにあんなことを、

    ずっと欲しかった言葉を言われたせいで、

    あたしの心の中はぐちゃぐちゃにパニックを起こしていた。


    あたしの動転具合に、淳子さんは驚いていて。


    「ご、ごめんね、上条。逆に気、遣わせちゃったよね。ごめんね」


    仕事の手を止めて、あたしのそばに寄って来てくれた。


    あたしは…



    そうじゃなくて、あたしは…



    「淳子さん…」


    感情が振り切れてしまったみたいで。

    あたしの目からは涙が溢れていた。


    馬鹿みたいだと思う。

    勝手に動揺して、勝手に自滅して。


    淳子さんは、そんなあたしの肩を、「ごめんね」と言いながら撫でてくれた。

引用返信/返信 削除キー/
■17858 / inTopicNo.59)  お忙しい中…
□投稿者/ ぽむ 一般♪(2回)-(2007/02/04(Sun) 23:58:48)
    有言実行で更新してくださり、私の方こそ嬉しいです♪
    本当にありがとうございました。
    今後の2人の行く末が気になりますね。

    なんだか、コメントしたことで
    逆にれいさんに負担をかけてしまったのではないでしょうか?
    申し訳ありませんでした…。
    一ファンとして気長に待ってます。
    完結まで見守っていきますので、頑張ってくださいね。

    お仕事が忙しいようですが、お体に気を付けてください。
    どんなお仕事でも、身体が資本ですからね!
引用返信/返信 削除キー/
■17923 / inTopicNo.60)  ぽむさま
□投稿者/ れい 一般♪(11回)-(2007/02/14(Wed) 20:47:43)
    ご無沙汰しております。
    れいでございます。

    再度コメント、ありがとうございました。
    本当に嬉しかったのですよ。
    タイミング的にも間空きすぎだったので良かったです。

    なかなか更新がままならず、ご迷惑をお掛け致しますが、
    これからも出来れば末長く(笑)よろしくお願い致します。

    なるべく早く更新頑張ります。


    今日はバレンタインですね。
    ぽむさまが素敵なバレンタインを過ごせますこと、お祈りしております。


    (携帯)
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