ビアンエッセイ♪

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

[ 最新記事及び返信フォームをトピックトップへ ]

■21041 / inTopicNo.41)  初めまして♪
  
□投稿者/ 加奈 一般♪(1回)-(2008/08/06(Wed) 21:26:53)
    いつも見てました♪♪
    続編が出ると思わなかったので、すごく嬉しいです♪のんびりでいいので、更新お願いしますね(*^_^*)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21044 / inTopicNo.42)  加奈さんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(32回)-(2008/08/07(Thu) 14:37:42)
    コメントありがとうございます(^-^)/
    読んで頂ける事が書き手にとってはパワーになります♪

    啓と歩美の行く末を
    マイペースですが…書かせて頂きます。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21046 / inTopicNo.43)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(34回)-(2008/08/07(Thu) 15:43:31)


    「何で今まで言わなかったのかな〜?啓!答えなさい」


    昼休みの屋上は、自由気ままな生徒達で賑わっていて、その一角で私は説教を受けていた。


    『……ごめんなさい』


    「親友じゃないの!?大事な事じゃないの!?」


    『本当にごめん。ミカの思いを壊したくなくて』



    松音茜の彼氏が、歩美を苦しめていた事、松音茜が私に告って来た事を隠していた。


    それは、大ファンであるミカのイメージを壊させない為。


    でも、大学の情報屋が持ち出したのは、松音茜の彼氏の存在…。そこから彼氏の素性なんかが分かり、芋づる式に松音茜がバイである情報までが表になったのだ。


    そして…私は松音茜に告られたとして一躍有名人になり、ミカの耳に入ってしまった。


    「大体ね〜、茜さんは大ファンだけど、啓の方が好きなんだからね?心配するじゃん!」


    『ありがとう。ミカマジごめんね』


    「それより!啓がこんなに有名になったら…」


    ミカはそこから耳元で話し始めた。


    「啓が女の子好きなのもバレちゃうんじゃないの?」


    確かに…あれだけ親が事件をもみ消したのにも関わらず情報屋は何処から見つけるのか、的確な情報を流す。私がそういう人間だと言うがバレるのも時間の問題だ。



    『ま、いいんじゃない?もう隠すのもめんどくさい』


    これが、私の意見。


    他人に何を思われても関係ない。今は歩美の事ばかりが頭を渦巻いているのだから。


    「もぅ〜…本人がこんな脱力系じゃ、心配して損した〜」


    『でも…もしバレたら私とは離れてなよ?ミカも変な風に見られてしまうんやから』


    「バーカ!そんなんで離れるかい!最後まで付き合わせろ!」

    ミカはあっかんべーをして、笑っていた。


    何だかとても心強い。


    ミカが居てくれるから、私はこんなにも堂々としていられるんだよ?


    ミカありがとう。


    心の中で呟いた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21047 / inTopicNo.44)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(35回)-(2008/08/07(Thu) 15:45:32)


    蝉が鳴き続ける夏が来た。
    大学の夏休みは二ヶ月間。


    私は大半がバイトで埋もれ、その中で数少ない休みはほぼ歩美との遊びで埋めた。


    「啓〜?15日なんだけどさ」


    週一回の歩美宅での夕飯中、歩美が重そうに口を開いた。


    『何?』


    「会社でバーベキュー大会があってね、知り合いとか連れてきていいらしいんだけど…良かったらいかない?」


    『……いいけど、KYにならないかな?全然関係ないのに』


    「大丈夫!それに後輩とかは啓と同じ歳だから話も合うだろうし!」


    『なら、いいよ?断る理由もないからね(笑)』


    明るい笑顔を見せると、不安気な顔が一転、遠足に胸をトキメかせる幼稚園児のような顔をした。


    「楽しみだね〜♪」


    私は、頷き歩美を見る。


    今私は幸せだ。


    でも、歩美はどうなのかな?


    私の告白で、悩んだりしているのかな?


    私は答えなんていらない。


    本当は欲しいけど、この関係が崩れるなら。。


    このままでいい。


    今はそう思えた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21048 / inTopicNo.45)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(36回)-(2008/08/07(Thu) 15:47:31)


    バーベキュー大会当日は、晴天で日差しが強いのがネックだけど、雨よりかはマシ。


    歩美も楽しそうに、車に乗り込んでいた。


    『そんなにはしゃいで、子供みたいだね♪』


    「いいんだもーん。お腹いっぱい食べれるんだもん」


    『そんなに大食いしてたらモテないよ〜』


    あんまり言いたくない言葉だけど、冗談だし…ね。


    「大丈夫〜♪今回は女性社員限定なのでーす」


    『マジ!?』


    「だからたくさん食べれるよ〜」


    それを聴いて心底安心した。


    なんたって今日の歩美は露出が多めで、男ならイチコロな気がする。


    会場のビーチはあんまり、有名じゃないため閑散としていた。

    居るのはサーファーくらい。


    「ミサト〜連れてきたよ〜」


    歩美がミサトと呼ぶ女性は、とびきりの笑顔でこちらへ駆け寄る。


    「お久しぶりです♪」


    それは、少し前に居酒屋で出会った歩美の友人。


    『混ぜて頂いてありがとうございます。ご迷惑じゃなかったですか?』


    「ぜーんぜん♪そ・れ・よ・り!一緒に野菜切るの手伝ってくれない?人手足りなくて」


    私はミサトに腕を引っ張られ、食材のある方へ連れて行かれた。


    「歩美も〜早く〜」





    ミサト以外にも、三人の女性社員が器用に野菜を切っていた。

    「歩美の友達の啓ちゃん♪みんな仲良くしてあげて下さい♪」

    私が会釈すると、三人は手を止め礼をしてくれた。


    「よろしく〜あたし未央♪」


    右端に居たセミロングの女性が自己紹介をしたので続けて左隣の人が口を開く。


    「友里です♪」


    「彩です♪」


    全員の紹介が終わり、ミサトと歩美は再び食材を切る。


    「啓ちゃんって女の子ですよね〜?男の子みたーい」


    未央が、やたらベタベタくっついてくるのであたふたしてしまう。


    『よく…言われますね』


    「彼氏とか居るんですかー?」

    彩が人参片手に問う。


    『居ないですね〜』


    「そこ、質問責めしないの〜!啓ちゃん困ってるじゃん」


    友里が、二人を止め質問ラッシュはすぐ終わった。


    「何か溶け込んでいいじゃーん♪さ、早くしないとみんな来ちゃうよ!」


    ミサトは先輩なのだろうか、その一声でみんな黙々と作業を始め、午後三時。


    バーベキューは始まった。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21049 / inTopicNo.46)  待ってました!
□投稿者/ S 一般♪(3回)-(2008/08/07(Thu) 20:24:40)
    こんなに早く読めるなんて、嬉しいです(^-^)
    でも無理しないで下さいね!ゆっくり更新してもらう方が待ってる楽しみもあるし、少しずつ動いて行く2人の気持ちがよく分かっていいかもと思い始めたトコですし(´∀`)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21055 / inTopicNo.47)  Sさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(38回)-(2008/08/08(Fri) 17:15:17)

    マイペースに更新させて頂いてますφ( ̄∇ ̄o)


    二人の行く末はゆっくり
    交わりさせていきますよ♪


    駄文ですがどうぞ最後まで
    おつきあい下さい。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21056 / inTopicNo.48)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(39回)-(2008/08/08(Fri) 17:16:47)


    「お疲れさま♪ありがとう」


    歩美が缶ビールを手にパラソルに近づいてきた。


    バーベキューが始まった頃、慣れないメンバーとの食材切りに疲れて涼んでいた。


    『ありがとう』


    「仲良くなるのうまいよね〜♪人見知りしないんだ?」


    『いや、めっちゃ人見知りしてるって!だから疲れてるやん(笑)』


    缶ビールを飲み、プハッと息を吐く。


    「そんな風に見えなかったよ〜?でもごめんね?」


    『いや、疲れたけど楽しい。こんなに大勢でバーベキューしたの何年振りって感じだし』


    歩美は不安気な顔をするので、頭を撫で、腕を引っ張った。


    『肉!取られちゃうから早く行こう♪』


    その時の歩美の顔は、今でも忘れられなかった。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21057 / inTopicNo.49)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(40回)-(2008/08/08(Fri) 17:18:21)


    バーベキュー大会に啓を誘うのは、ミサトの提案だった。


    「あたしもう一回啓さんに会いたいな♪」


    『………へ?』


    「歩美に告るなんて度胸あるよねぇ〜。」


    『どういう意味よ!』


    「性別の壁を越えて想いを伝えるってすんごい勇気やん?それに歩美鈍感だから気づかなさそうやし。」


    『確かにすごいって思うよ』


    ミサトはボールペンを回し、ひらめいたようにあたしを見た。

    「肝試しやらない?あの海の近くに心霊スポットがあるらしいんだよ!」


    『無理無理無理無理無理!!』

    「どんだけ拒否ってんの!(笑)啓さんの男前な所見てみたいわ〜♪意外に怖がりやったりして」


    ドSのミサト降臨や…。
    こうなったミサトは止められない。。


    そんな経緯で、啓を誘う事になってしまった。


    まぁ、啓も休みだって言うし、いいんだけどさ。


    それにしても肝試しは無理!!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21070 / inTopicNo.50)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(41回)-(2008/08/11(Mon) 12:00:09)


    「お腹いーっぱい」


    午後7時。


    夕日が海に沈み、辺りは薄暗くなっていた。


    ミサトや、彩、友里は肝試しの準備にかかり、残りの未央、啓、歩美、その他10名の女性社員が片付けをすることに。


    『ほんま、無理〜』


    「怖がりだな〜(笑)」


    啓は笑ってちゃかすけど、あたしはマジで幽霊は無理!


    「歩美先輩って〜幽霊信じちゃうんですね?カワイイ〜^^」

    未央が、啓の隣で笑う。
    何か腹が立つ。


    『大丈夫だもん!そこまで怖くないから!』


    と、何故かムキになってしまった。


    「あ、そうですかぁ〜?じゃあ、あたし怖いんで啓さんと回ります^^歩美先輩は一人で回れますよね?」


    未央は、嫌みたらしく啓の腕に腕を絡ませていた。


    『ええ〜大丈夫ですよ!一人で行けるから』


    「歩美、無理すんなって。怖いんだろ?一緒に回ろう?」


    『大丈夫!!そこまで言われたら先輩として負けらんない!』

    何を隠そう、あたしは大の負けず嫌いなのだ。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21071 / inTopicNo.51)  10
□投稿者/ Kaoru 一般♪(42回)-(2008/08/11(Mon) 12:02:01)


    「じゃあ〜、とりあえず二人一組になって〜?」


    ミサトがみんなに言うと、友里・彩ペア。ミサト・歩美ペア。
    啓・未央ペアという事になった。


    「コースは、この山道をただひたすら登るだけ。途中で行き止まりだから、Uターンして終わりね。」


    その後、行く順番を決め、あたしとミサトは最後から二番目になった。


    「あたしらは最後みたいです〜♪」


    どうやら、未央と啓が最後みたいだ。


    「あ、ちなみにあたしはUターン地点でみんなが無事たどり着いたか見張る役だから、歩美!一人で回ってね♪」


    『えぇ!?ミサト居ないの?』

    「怖くないから大丈夫よ♪」


    そんな………泣


    「歩美先輩♪頑張って下さいねぇ〜?」


    未央のその一言で、あたしの心に火がついた。


    やってやろうじゃない!


    「歩美、気をつけてね?怖かったら無理しなくていいんだからね」


    啓は優しくあたしの頭を撫でる。心配してくれている。


    『大丈夫よ…何ともないんだから♪』


    内心はドキドキで、ぶっちゃけ逃げ出したかった。


    でも、未央にあんなにバカにされたら。。


    やるしかない!!


    順番は刻一刻と迫り、あと一組出発したらあたしの番だった。

    「あ、啓さん?あたしトイレ行ってきますね?怖くなって来ちゃって。」


    「うん、気をつけて?」


    未央は小走りに、トイレがある方へ向かっていった。


    「歩美、ふるえてない?」


    『え??』


    「やっば怖いんじゃん´`」


    『怖くないって!』


    「でも、足…」


    啓に指を指されたあたしの足は生まれたてのバンビのように震えていた。


    『これは…恐怖じゃなくて…その…』


    「歩美負けず嫌いだったんだね?意外だな♪」


    啓は私の体をギュッと抱きしめ、また頭を撫でる。


    「この山は、別に心霊スポットでもなんでもないよ?普段は山菜とかを採りに来るふつうの山だから。何も出ないよ」


    そうして、あたしの体をさすった。


    「あ、帰ってきた。歩美の番だよ?無理しないでね。」


    ポンっと背中を押され、あたしは体が軽くなった気がした。


    『ありがと!!』


    よっしゃー!!
    幽霊なんて怖くない!!


    どっからでもかかってこーい!


    ……いや、出来るなら会わないで(泣)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21072 / inTopicNo.52)  11
□投稿者/ Kaoru 一般♪(43回)-(2008/08/12(Tue) 15:52:48)


    「歩美先輩遅いですね〜?もう帰ってきてもいい頃なのに」


    未央が心配そうに私を見る。
    うん、明らかに時間がかかりすぎている。


    『様子見てくるよ!未央さんはここで待ってて下さい』


    私は、夜の闇に包まれた山を見上げ、走り出した。


    嫌な予感がする……。



    山道は、石ころが転がっていて歩きにくい。


    何処かで転んで動けなくなっているのかな?


    一本道しかないこの山に、歩美はどこに居るんだろうか。


    『歩美〜!!聞こえたら返事してー!!』


    ザワザワと揺れる木々の音が妙に不気味に感じ、嫌な予感が次々と浮かび上がる。


    「啓ちゃん!!」


    『ミサトさん!!』


    「あれ〜?歩美は一緒じゃないの?てか未央は?」


    『どれだけ待っても歩美が降りて来ないんで私だけで探しに来たんです。ミサトさんも歩美見なかったんですね?』


    「うん…舗装された道はこの道しかないと思うんだけど…何処かで迷子とか?」


    それはマズい。
    この山は崖に繋がる道があったはず。もしそこへ迷い込んだら…。


    『ミサトさん!!下に居る人に呼びかけて探そう!崖に落ちたらヤバい!』


    「わかった!何かあったら携帯で連絡して!」


    私とミサトは別れ、私は草が生い茂る道へと足を踏み入れた。

    『歩美ー!!歩美ー!!』


    答えてくれない。
    マジでどこに居るんだよ!!


    『歩美ー!!歩美ー!!』


    答えてくれ!!


    歩美ー!!


    「…………けぃ………」


    ―――――!?



    『歩美?居るんか?居るんやったらもう一回返事して!』


    「……………けぃ………」


    微かな歩美の声。


    その声を頼りに草をかき分けて行く。。


    『はぁはぁ…歩美!』


    草むらの中でうずくまる歩美の姿が見えた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21073 / inTopicNo.53)  12
□投稿者/ Kaoru 一般♪(44回)-(2008/08/12(Tue) 15:54:56)


    『大丈夫か??足やったんか??』


    「……痛い…足…」


    見ると右足から大量の血が見えた。


    私は無我夢中で、シャツを脱ぎ、出血している足にシャツを巻いた。


    「………っん!!」


    『ごめん、我慢して。ほら乗って』


    背中を差しだし、歩美を乗せる。


    振り返ると、少し先は崖で、地面がゆるんでいた。


    『もう、大丈夫やで』


    「迷惑かけてごめんね」


    『ほんまや』


    「……なっ」


    『負けず嫌いも大概にせんと、死んでからじゃ遅いんやで!』

    「啓、怒ってるん?」


    『別に』


    「怒ってるやん!」


    『そら、怒るわボケ!あんな後輩の挑発間に受けて怖い癖に一人で行って挙げ句に怪我かい!世話やけるっちゅーねん!』


    「ごめんって。あたしほんまドンクサイなぁ」


    しょんぼりしてるんだろうな。
    言い過ぎたかな…。


    『でも、怪我だけで良かった。崖に落ちてたりしたら、私一生後悔してた』


    「泣いてるの…?」


    『泣いてない!』


    目からは溢れる滴。
    めっちゃダサい。。


    私、ほんまに歩美を連れ去りたい。


    私のもんにしたい。。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21079 / inTopicNo.54)  13
□投稿者/ Kaoru 一般♪(45回)-(2008/08/18(Mon) 12:49:22)


    「歩美ー!大丈夫!?」


    「歩美先輩!!」


    山を降りると、ミサトや後輩たちが心配して駆けつけてくれた。


    『ちょっと怪我してるから、車で病院行きますわ』


    「……分かった。あたしもついて行くよ」


    ミサトは、他の同僚や後輩に後片付けを頼み、車に乗り込んだ。


    病院に着くと、歩美はすぐ診察室に入り治療を受けた。


    大した事ありませんように…


    神様に私は祈った。


    「啓ちゃん、歩美助けてくれてありがとうな」


    ミサトさんが待合室のソファーに腰かけた私の隣に座り話し出した。


    「あの子どんくさいけど、あれでも一生懸命やねん。あんま責めんたって。何より肝試し提案したのはあたしなんだし」


    『分かってます。運んでる途中で思い切り叱ったんで♪』


    「啓ちゃんは、ほんまに歩美好きねんな?」


    『…え?』


    「歩美の話になったら顔ふにゃふにゃやで?クールな顔が台無しや♪」


    ミサトさんは、私の頭を優しく撫で、ほほえむ。


    「……歩美の事、諦めてくれへん?」



    『………はぃ?』


    「歩美に聴いてん。啓ちゃん歩美に告ったんやろ?別に軽蔑とか偏見ちゃうで?ただあの子の家庭複雑やねん」


    『複雑?』


    「母親は幼い時に蒸発して、父親が代わりに育ててた。その父親も病気であんまり働けないんやって。そんな父親に孫の顔見せたいって前言ってた。」


    『……そうなんですか』


    「子供も作れんし、周りの目もある。あの子は幸せにならなあかんねん。啓ちゃんはまだ若いんやし、また好きな人出来るよ」


    『……』


    「だから……諦めて?」


    『…それは歩実と話してから決めます。すいません』


    「諦めることも愛の形やで。」

    ミサトは、そう言ってソファーから立ち上がり、診察室へ向かった。


    歩実が出てきたようだ。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21080 / inTopicNo.55)  14
□投稿者/ Kaoru 一般♪(46回)-(2008/08/18(Mon) 12:50:23)


    「歩実〜大丈夫なん??」


    「ごめん、軽い捻挫と切り傷と打撲で済んだみたい」


    「そっかぁ〜良かったぁ!心配かけさせて〜」


    「ほんま、ごめん!啓ちゃんもごめんなぁ」


    『うん…』


    歩実は元気そうだ。

    良かった…。



    「バーベキューは時間も時間だしお開きにしたから、歩実はこのまま自宅で安静にね?」


    「うん…分かった」


    「啓ちゃん、歩実送ってあげて?あたしは近くでタクシー拾うからさ」


    『分かりました。』


    私は、歩実の方に視線を送り車へと促した。


    車に乗り込みエンジンをかける。


    未だ二人は無言状態だ。


    「啓ちゃん…怒ってへん?」


    『怒ってないよ?大したことなくてよかったなぁ』


    私の声に覇気は無く、ただ会話していた。


    「うん…ほんまありがとう」


    どうしてだろう、もっと歩実に聴きたいことがあるのに、口から言葉が出ない。


    それから歩実のマンションに着くまで無言が続いた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21090 / inTopicNo.56)  15
□投稿者/ Kaoru 一般♪(47回)-(2008/09/05(Fri) 07:51:11)


    「今日はほんまありがとう。あと迷惑かけてごめん」


    『気にしないで?それより怪我早く治してな?』


    見つめ合う視線は絡み合い、ただ切なくなる。


    『歩美、しばらく、いや怪我が治るまでは会わへんわ。』


    「何で?」


    『歩美の為に。じゃあ』


    私は未だに不思議がる歩美を無視して車を発車させた。


    こんなに悲しくなる別れ方はイヤだ。


    ほんまはキスして、抱きしめて怪我して心細い歩美の傍に居たかった。


    だけどそれは私がする事じゃない気がした。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21091 / inTopicNo.57)  16
□投稿者/ Kaoru 一般♪(48回)-(2008/09/05(Fri) 07:51:59)


    啓の様子がおかしい。

    いつもあんな別れ方しないはずなのに。

    理由が分からない。
    あたしが心配かけたから?

    あたしが啓に対して何かしたのかな?

    考えれば考える程、苦しくなった。

    いつも隣で笑顔を絶やさない啓。

    今日は怒った啓をみた。

    あのレイプ未遂の日以来。

    そして冷たい態度の啓。

    初めて見た。

    怖い。

    あたしの知らない啓に出会う事が。

    友達なら距離を置けば自然に戻れるのに

    啓は戻れない気がした。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21093 / inTopicNo.58)  NO TITLE
□投稿者/ ぱるぷんて 一般♪(1回)-(2008/09/06(Sat) 23:34:00)
    2008/09/06(Sat) 23:36:07 編集(投稿者)


    『戻れない気がした。』のフレーズかなりヤバイです。

    自分なりに彼女の将来を考えて、二度と会わない、会えないと覚悟を決めて別れを切り出した事を思い出します。


    よくわかんないけど、なんか‥ありがとうございますm(__)m

    啓さん、歩美さんに会えてよかったです。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21096 / inTopicNo.59)  ぱるぷんてさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(49回)-(2008/09/11(Thu) 17:20:12)


    好きな人の為に別れを切り出す勇気って中々出来ない事ですよね。


    自分的には歩美と啓はくっついて欲しいんですけど…ノンケ相手なので中々手ごわいです(笑)

    そんな風に言ってくれて嬉しいです。


    マイペースではありますが
    引き続き読んで頂ければ幸いです。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21097 / inTopicNo.60)  17
□投稿者/ Kaoru ちょと常連(50回)-(2008/09/11(Thu) 17:21:30)


    夏休み後半に差し掛かり、お盆が過ぎ、季節は秋に向かい涼しい風が流れ出す。


    バイトも忙しくて、課題も今一つ手をつけていない。


    いや、歩実が気になって何もできないんだ。


    バイトをいつもより増やしたのは歩実に会えない時間を埋めたいから。


    一人になればずっと考えてしまうから。


    歩実は怪我治ったのかな?


    会社でヘマしてないかな?


    未央と仲良くできているのかな?


    そんないらない心配ばかり。


    あれから連絡のない歩実。


    自分でしばらく会わないと言ったのに、気になる自分がイヤだ。


    もう私は歩実の友達にすらなれない気がした。


    そう思うだけで胸が苦しくて泣きたくなる。


    今までこんなに人を好きになった事があるだろうか?

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/

<前の20件 | 次の20件>

トピック内ページ移動 / << 0 | 1 | 2 | 3 | 4 >>

[このトピックに返信]
Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -