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「バッカじゃない?」
『はぁ?』
とある休日に久しぶりにミカを呼び出しカフェレストランへと出向いた。
そして第一声がこれ。
「メールで説明されたけど、何で会わへんの?」
『いや、会っても仕方ないかなって。何話たらいいか分からへんし』
「会わな何も解決せんやん」
『そやけど、どう誘っていいか分からんし』
久しぶりに顔を見たかと思えば怒り剥き出しのミカ。
私はタジタジだった。
「歩美さんも、こんな、なよなよした奴嫌になるわなぁ〜」
『なよなよって……』
「啓!あんたほんまに歩美さん好きなんか?」
『そんなん当たり前やん!』
「だったら…ちゃんと向き合えるんちゃうか?逃げてるだけじゃ大切なもの見失うで」
ミカの目は私を見据えて、力強く訴えていた。
逃げてる…。
ミサトに言われた言葉があまりにも悲しくて、向き合えなかった自分。
その言葉を口にすれば離れてしまうと感じていたから、歩美には話せずにいた。
結局、歩美からも、現実からも逃げていたのは私だけ。
(携帯)
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