| 「そうなんだ…ねっ きっかけは 何だったの?」
「私が 押しかけました(^-^)」
「ホントに? さっきの話 ホントのことだったの?」
「はい…」
「何処がよかったの?」
「どこって…」
「だって…アレだよ(笑) マイペース過ぎるほどマイペースで…愛想もない…」
お姉さんの目は なかなか厳しい…
「私…図書館に勤めているんですけど… 3年前 そこで ヒロ君を見かけたのが最初でした… はじめは 同僚たちと『カッコいい人が来た〜』って 陰で盛り上がってたんです… で…気がついたら…いつも 目で追いかけてました。 だけど…親しくなるキッカケなんて 何処にもなかったんです… ただ 見てるだけで… それが変わったのは… 去年の春 ヒロ君が 私の隣の部屋に引っ越ししてきてからです… それから『駅裏』で アルバイトしていることを知って… 少しづつ …押し切りました(^-^)」
「そうだったんだ…あの子 口数少ないでしょ? それが気になって…」
お姉さんの目には コウちゃんは どんな風に映っているんだろう…
「私のおしゃべりに ヒロ君が 合せてくれてます(笑) それに…」
「なに?」
「ヒロ君との沈黙は 心が落ち着くと言うか…安心出来るんです」 「そう…」
お姉さんが 初めてホッとしたような顔になった。
「今度『駅裏』のぞいてみたらいいわよ(^.^) ウチでは見せたことのない顔してるから…」
Madamが 助け船を出してくれた…
「ガキんちょが ひとり暮らし始めて最初の冬に こんなステキな人と 帰って来るとは… 31歳と29歳 何やってんだろ…完全に 先を越されてしまった…」
お姉さんの言葉が 微笑ましかった…
「言いたいコト言って…って呆れてる?」
Madamが 笑いながら訊いた。
「いえ…ヒロ君が 末っ子扱いされているのを見て ちょっと安心しました… 普段は 一匹狼 ってカンジですけど(笑) 」
「あの子 外では 狼の毛皮をまとった狼 ってカンジだもんねぇ」
お姉さんも Madamの言葉に納得しているみたいだ。
(まんま 狼 って(>_<) )
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