| 「あの時 早くよくなぁ〜れ って言ってくれた?」
「うん…」
「やっぱり…(笑) ずっと起きてたわけじゃないんです… 寝ている方が長くて…夢の中のことだったのか 現実のことか…よくわかんなかったんですけど… 朝 目が覚めた時 恭子さんが 手 握っててくれたのをみて ああ アレは現実だったんだな…って」
「それで ずっと デコキス だったの?」
「ええ…まぁ…」
「言ってくれたらよかったのに…」
「いやぁ…」
「ねぇ…」
「ん?」
「これからも ずっと デコキスだけ?」
「えっ?」
「この手も ぜ〜んぜん動かないし…」
胸の上に置いた手を軽くたたきながら コウちゃんに覆い被さった…
コウちゃんは 意を決したように 小声でひとこと…
「何もかも ぜ〜んぶ 恭子さんが はじめてで めっちゃ ドキドキしてます…」
それを聞いて 私の中のスイッチが入った。
「コウちゃん…」
「はい?」
「力 抜いて…」
あとは 私がコウちゃんにしたいと思ったこと
コウちゃんにしてほしいと思ったことを繰り返し…
人と肌を重ねて こんなに満ち足りた気持ちになったのは初めてだった。
コウちゃんの腕枕の中で 思わず 涙が出てしまった。
コウちゃんは 気がついているはずなのに 何も言わず 黙って 私の髪をなでていた。
そして そのまま…寝つき良過ぎっ! でも…寝付きの良さなら 私も負けていない…
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