■13881 / 1階層) |
LuxurySpa★4
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□投稿者/ ひより 一般♪(4回)-(2006/03/13(Mon) 21:49:06)
| またも追いかけようと思ったけど、今度は怪しまれてしまいそうだから、 私はほんの少しだけサウナで頑張り続けて、そして、サウナを出た。 案の定、彼女の姿はもうなくて、‘当たり前か…’そう思っていた。
落ち着いた色合いの館内着に着替え、私はここで朝を迎えようと決めた。 給料日前の平日。 たぶん、リラックスルームも空いてるはず。
予想通り、チェアも空席が目立った。 私は一番後方の一番端のチェアに身をうずめる。 大き目のチェアは体をすっぽりと包み、ゆっくりと眠れそう。
でも…。 … 眠れない。
彼女の肌、手の温もり。 優しい笑顔。 目を閉じても、彼女のことで余計頭がいっぱいになってしまう… 彼女を思うと、だんだんと熱くなっていくカラダ。 その叶えられない熱を断ち切りたいが為に、何度も強く瞼を閉じるけれど、 その想いとは裏腹に熱くなる私のカラダ。
‘この場所なら誰にも気づかれない…?’ こんな所で、ハシタナイ事をしてしまいそう…。 そんな気持ちを抑えるべく、館内用のウエアの胸元をグッと握り、ギュっと強く目を閉じた。 …その時だった。
熱くなった頬をスっ…と触れる冷たい指。 「 っェ?!! 」 思わず、小さく声を漏らすと、あの彼女が全てを見透かしたような瞳で小さく微笑みながら、私を見下ろしていた。
「…?!! 」
飛び出しそうな心臓を抑えるべく、私は自分の口を両手で抑えた。 一気に顔が熱く火照る。
「 …… 」
彼女は人差し指を口元にあて、小さく‘静かに’と合図すると、 その艶やかな唇をそっと動かした。
‘ o i d e … ?? ’
おいで… ?
彼女は不思議顔の私にまた笑顔を見せた。 あまりの事に驚いて、身動きが取れない私をよそに、彼女はすっと、その場から立ち去っていく。
私の口元を覆っていた両手からは一気に汗が噴出してきた。 でもすぐに、嬉しさから口元がだらしなく緩む。 今度はその喜びを抑えるべく、両手で口元を覆いながら、ニヤケ顔の私は急いで、彼女の後を早足で追った。
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