□投稿者/ うぃあ 一般♪(3回)-(2015/01/03(Sat) 21:05:25)
| 2015/01/03(Sat) 21:09:55 編集(投稿者)
第2話
「ごめん、めぐみ。 色々考えたんだけど、私達……」
先生の声は落ち着いていた。
「やめて!言わないで」
目頭が熱くなる。 こんな展開になるなんて、思ってもみなかった。
「状況が変わったのよ、 めぐみだって分かるでしょ?
教師と生徒とのスキャンダルなんて、 そんなリスク……私には負えない」
諭すように、先生は言葉を続ける。
「めぐみも…大人になったら分かるわ。 何かを得るためには、 何かを切り捨てなければならないこともあるの」
私の頬に、涙の筋が走る。
「せ、先生は…… 私より世間体が大事ってこと?」
「そうね、これが私の答えよ。
別れましょう」
ただ呆然と、 泣きつくすことしか出来ない私。
カフェ内の客が、 私達の席に視線を散らしてくるのが分かる。
「めぐみ、泣かないで。
とりあえず、場所を変えましょ。 最後の思い出をあなたにあげるわ」
先生はそう言うと、 ハンドバックのポケットから何かを取り出した。
「これって…」
血走った目で視線を移す。 そこには、赤い1枚のカード。
「近くのホテルをとっておいたわ。
この意味、分かるわよね?」
|
|