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■22122 / 2階層)  みはるとサツキ3
□投稿者/ いちこ ちょと常連(73回)-(2016/11/03(Thu) 12:22:58)

    「どうしたの?よくここがわかつたね。」
    「うん。中入ってもいい?」
    「あっ、いいよ。どうぞ。」

    みはるが横を通るとき、みはるの髪の香りがサツキの鼻腔をくすぐる。
    その途端、忘れようとしていた想いが蘇ってくる。
    サツキが二人分のコーヒーを淹れている間、
    みはるはローテーブルの前で神妙な面持ちで座っている。
    サツキが両手にマグカップを持ってきて、みはるの前にそのひとつを置いた。

    「で?」
    「……あ、な、なんか久しぶりだね。」
    「うん、そうだね。で?」
    「その前に、飲まない?ワイン買ってきたんだ。」
    「いいけど。実家に帰らないの?」
    「うん、親と喧嘩しちゃって。泊めてもらってもいいかな?」
    と、上目遣いでサツキを見つめる。くそっ、かわいい!!
    「べ、べつにいいけど。」

    それからサツキが簡単な食事とつまみを作り、
    食べながら高校時代の話で盛り上がった。
    みはるはよく食べ、よくしゃべり、よく飲んだ。
    みはるの話に、サツキが涙を流して笑っていると、急にみはるが真顔で

    「あ、あたしね、大学を辞めるかもしれないの。」
    「えっ、どうして?」
    「うん‥‥‥実はできちゃって。」
    と下腹をさするみはる。
    「ええ〜!彼は知ってるの?」
    「うん、ほんとに俺の子か?って。」
    「なにそれっ、ふざけてる!」
    「あたし、一気に幻滅しちゃって。別れてきちゃった。
    もともと無理して付き合ってた感じだったし。」
    「でも、子供はどうすんの?それじゃ都合のいい女だよ。」
    「そうなんだよね。親は下ろせって言うの。それで喧嘩しちゃって‥‥‥
    でもこの子には罪はないと思うの。」
    「なに言ってんの。無理に決まってるよ。」
    「そう、頭では分かってるけど‥‥‥」
    「なら‥‥、中途半端な気持ちで産んだら子供も可哀想だよ。」
    「大変なことはわかってるの、でも命なんだよっ!」

    みはるが目に涙を溜めている。サツキは言葉を失う。

    「自分の都合で、失くしてもいいのかな?ねぇ!」

    とうとう泣き出したみはる。なぜこの娘がこんな目に。
    サツキは怒りを覚えるとともに、みはるを守りたいと思った。
    みはるは涙を拭い、努めて明るく言った。

    「ごめん、せっかくの再会なのに。忘れてっ!飲もう!」
    「うん、でも大丈夫なの?その‥‥」
    「お酒は今日で最後にする!それより暑いねー!」

    と、みはるがワンピースを脱いで下着姿になった。

    続く









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