| 2006/07/19(Wed) 21:59:35 編集(投稿者)
「どうしたんですかぁ?二人して遅刻なんてー」 さゆと圭ちゃんはまだ息の荒い二人に対して優しく声をかけながら近寄った。 吉澤もその後に続いて申し訳なさそうに俯く二人に何と声をかければいいだろう?と考えていた。
「心配したんですよぉ!なにかあったんじゃないかって」 「イテッ!ごめん。」 さゆは麻琴にかる〜いパンチをお見舞いし、圭ちゃんはそれを見て笑ってたけど梨華ちゃんはマジメな顔で辺りを見回すと 「本当にごめんなさい」 と頭を下げ謝った。 麻琴も同じようにおじぎをする。
「何があった?」 「あの、えっと」 「待って、私が説明するから」 梨華ちゃんは麻琴の言葉を制すると私たちに話し始めた。
「あの、恥ずかしいんですけど私寝坊しちゃって…たまたままこっちゃんが私に用事があって電話かけてきたんです。それで私話の途中、寝坊しちゃったよーってまこっちゃんに言ったら現場行く中だったのに引き返してくれて…」 「え?!やっ、違っ!」 (シーッ!) ……梨華ちゃんウソついたな…… 「だからよっちゃん、まこっちゃんの事怒らないであげて」 「石川気をつけてよ、それに遅れるなら連絡しなさい。もう何年もこの仕事やってんだから」 「すみませんでした」 なんか昔を思い出すなぁ…圭ちゃんが梨華ちゃんの指導係だった頃よくこんな風に怒ってたっけ…私もごっちんと二人で正座体勢でこれでもかって怒られた時には母親より怖い存在を始めて知りましたよ(涙) でも今吉澤は先輩って言う立場になったけどさ、相変わらずのほほんなわけで…まだまだ後輩にあまいんだよなぁ
「小川。」 「はい!」 「何が言いたいかわかるな」 「はい、すいません吉澤さん…」 多くの言葉を並べなくても麻琴なら分かってくれると思う。 それに遅くなった理由は別にあるみたいだし…
「小川ー」 「あ、安部さんおはようございます。遅れてすいません!」 「やっと来たねー次、うちらの番だから行こっ」 「私の相手って安部さんですか?」 「嫌なの?」 「いえ!大歓迎です!」 「ぷっ!何、歓迎って(笑)」 麻琴はなっつぁんと歩きながら後ろを振り向くと梨華ちゃんに手を合わせて口パクでごめんなさいを言って 梨華ちゃんの方は手を振ってイイヨーって笑った。 私は本当の理由までは聞かないでいた。 なにか言うことがあるなら梨華ちゃんの方から相談してくる 今までだってずっとそうしてきたしこれからだってそのつもりだ 四期同士の暗黙の了解
私は梨華ちゃんにニカッて笑うと 「祐ちゃんに怒られるぞー」とおどけて言った。
そんな私達をごっちんがずっと見てたなんてこの時の私には分からなかった…。
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