| 2008/08/06(Wed) 22:20:30 編集(投稿者)
「すっごい広いっすね、ここ!」
吹き抜けからカウンター階が見渡せるベンチ。 待ち合わせた彼女の第一声がこれ。 「そう?」 「いやだって、これがほんの一部で、チケットないと入れない部分がこれよりはあって、で、もういっこターミナルってあるんじゃないでしたっけ?なまら広いでしょー!?」 うーむ、私も初めてここに来た時にはそう思ったのかなぁ? 海外に行くのにも、この空港にもすっかり慣れちゃったから、もう覚えてない。 はて。 「…あれ?海外初めてじゃないって言わなかったけ?」 「あ、ありますよ。ちょっこーびんだったんで、ここには来てないです。」 だから、すごい新鮮です、と彼女は少し冷静に戻って言った。
少し買いたすから付き合って、と言って立ち上がった。 ごろごろごろごろごろ……二人並んで大きいスーツケースを転がし歩く。 「そういえば、よかったんですか?」「え、何が?」 「フライト10時だから、こんな時間から来なくてもよかったんじゃないのですか?仕事、きついとか言ってたのに。」 「ん?大丈夫だよ」 「え〜信用できないですよ」 「そしたら、数時間は一人でいることになってたんだよ?」 「それはそれでかまわなかったですよ。帰ってからまたハードになったらせっかくのリフレッシュの意味ないですよ。」 「大体は片づけたから。」「それならいいのですが…」
半分、嘘。 彼女の成田着が結構早めだと知り、半ば強引に休みを一日プラスした。 だってさ、たまにしか会えないキミとのせっかくの旅行。 『たかが数時間』でもそっちのほうが大事だよ。
「とりあえず、買い物が終わったら、フライト前に一杯!」 「やっぱり和食にする?」「いいですねー日本酒でいきましょう。」 ごろごろごろごろ……
次は、「たなばた」で。
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