ビアンエッセイ♪

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■21629 / 親記事)  歳の差から生まれる心の距離はありますか?
  
□投稿者/ zoo 一般♪(1回)-(2012/09/08(Sat) 23:29:59)
    江藤りこ、35歳、独身。

    見た目には一応気を遣ってる。
    女性らしさを失わないように、お化粧や美容室での手入れなど、怠らないようにはしている。
    背は153センチと小柄だけど、いつもヒールを履いて160センチくらいにはなっている(笑)。



    そんな私は女子高で英語の教師をしている。
    手のかかる生徒もいるけど、基本的には皆よい子ばかりで、毎日充実している。


    プライベートでは、友達の紹介で知り合った同い年の彼がいる。付き合い始めて1年くらい。
    彼を好きかどうかと聞かれると、好きなのかな・・一緒にいて落ち着くし、優しい。
    でも、昔からの友人は私の恋を、ドキドキがなくて刺激がないのはつまらないって言う。


    ドキドキかぁ・・・そんな歳でもないしなぁ。
    結婚も考える年頃だし、やっぱり一緒にいて落ち着けて信頼関係を築けるような相手がいい。



    そう思ってた。
    なのに、私は大きく動揺していた。
    ある一人の存在に。




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■21630 / ResNo.1)  2
□投稿者/ zoo 一般♪(2回)-(2012/09/08(Sat) 23:32:40)
    私が受け持つクラスは、卒業を目前にした高校3年生。
    その私のクラスに、私を動揺させる存在がひとりいた。



    彼女の名前は、藤井咲希(ふじいさき)。
    他の生徒に比べて、落ち着いた大人の雰囲気。
    肩より少し長めのサラサラの黒髪ストレート。
    切れ長の綺麗な目で、人の心を見透かしているような視線。
    背は165くらいなのかな?スラッとしていて、綺麗な女の子であり、クールでカッコよくもあって、影ながら咲希に憧れている子は多い。


    3年生のクラス替えで、咲希の担任になった。
    無邪気にペラペラとお喋りする他の生徒と違って、咲希はいつも冷静で物静かだった。
    私からも必要以上に話すことはなかった。


    それに、他の人に対しては笑顔を向けるのに、私には笑った顔を見せたことがない。


    私って、咲希に嫌われてるのかも・・・


    手のかかる生徒よりも、咲希のほうが担任にとっては扱いにくい生徒だ。



    そんな彼女から突然、学校帰りの誰もいない教室の廊下で話しかけられた。





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■21631 / ResNo.2)  3
□投稿者/ zoo 一般♪(3回)-(2012/09/08(Sat) 23:35:07)
    「先生、最近何かあった?」


    「えっ、えっ?どうしたの急に?!」


    急に話しかけられた私は、驚いて動揺していた。
    二人きりで話したことなんてなかったし、まさか咲希のほうから話しかけてくるとも思ってなかった。


    そんな動揺している私に、咲希はまた同じことを聞いてきた。



    「何かあったの?」


    「何かって?別に何もないけど・・・私、どこか変??」


    「別に。」


    「・・・・・」


    「何かしんどいことでもあるのかと、気になっただけ。ごめんね呼び止めて。」


    「あ、ううん・・ありがとう。何もないよ」


    「そっか。じゃ。」


    「あ、うん。気をつけて帰ってね」



    突然のことで驚いた。
    しんどいことかぁ・・・なんで咲希にはわかったのかな?疲れた顔してるのかな・・・
    生徒に気づかれるなんてダメだなぁ・・・
    教師失格。。。


    実は、付き合っている彼から、結婚を考えて欲しいと言われた。
    彼の仕事が転勤になる関係で、結婚するなら、仕事を辞めてついてきて欲しいと言われている。教師なら、また別の場所でもやろうと思ったら出来るし・・と。


    本当に彼のことが好きなら、迷うことなんてないはずなのに。


    決断出来ないでいた。




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■21632 / ResNo.3)  4
□投稿者/ zoo 一般♪(4回)-(2012/09/08(Sat) 23:37:09)
    数日後、咲希から小さなメモを渡された。


    教室で、生徒がそれぞれ提出する課題を教壇に持ってくる時だった。
    咲希は提出物と一緒に、折り畳んだメモを黙って置いて行った。


    私は他の生徒に見られないように、そのメモをそっとポケットへしまった。



    今度は何?!
    他の生徒もいる手前、私は冷静を装いながらも、また動揺していた。
    咲希は全く何もなかったように知らんぷりしている。


    職員室に戻りメモを開いてみた。



    「放課後、少しだけ時間を下さい。
    みんなが帰った後の教室で。」



    何?!何?!
    何か相談?!
    この間のこともあるし、また何か聞かれる??


    はぁ〜・・・気になるなぁもう。
    それに、みんなが帰った教室って、何時頃に行けばいいんだろう。



    とにかく、放課後になればわかるよね。。。



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■21633 / ResNo.4)  5
□投稿者/ zoo 一般♪(5回)-(2012/09/08(Sat) 23:40:24)
    放課後。
    少し時間をあけてから教室に向かった。
    教室には誰もいなかった。


    早すぎた?遅かった?
    それとも、もしかして、からかわれただけ?
    少し待ってみよう。


    しばらくして教室のドアがガラッと開いた。
    振り向くと咲希が立っていた。



    「待たせてごめんね」


    「ううん、それよりどうしたの?何かあった?」


    「とりあえず、コーヒー飲むの付き合って」


    「えっ?・・・あ、うん」



    よくわからないまま、缶コーヒーのプルダブをカチッと開けて手渡された。



    「ありがとう。あっ、お金払うね!」


    「コーヒー代なんていらないよ  笑」


    「ありがと・・・」


    「・・・・」


    何か私から話すべきなのかな?
    咲希から話すまで黙っているべき?
    どうして教師である私のほうが動揺しているの。。。


    「コーヒー好きなの?」


    「うん、好きだよ。」


    「・・・・」


    「・・・・」


    「・・・急にメモくれたから、びっくりした。何かあった?」


    「別に。先生と話したかっただけだよ。」


    「えっ?」


    「呼び出したりしてごめん。予定あった?」


    「ううん、大丈夫。」



    何だかよくわからないまま二人の世間話は続いた。
    気がつくと、教師である立場を忘れそうになるほど、ただ楽しく話している自分がいた。


    「先生の笑った顔が見れて良かったよ。そろそろ帰ろっか。」


    「あっ、うん・・・本当に、何か悩みとかあった訳じゃないのね?」


    「悩みかぁ・・・あるとしたら、先生の笑顔がなくなってたことかな 笑」


    「えっ?」


    「帰ろっか」


    「ねぇ!もしかして、私を元気にする為に呼び出したの?」


    「・・・そうだって言ったら?」


    「・・・・」


    咲希に真っ直ぐ見つめられて、今の私、きっとすごく赤面してる。
    自分の生徒相手に何ドキドキしてるの?!
    おまけに、咲希は女の子だし。
    しっかりしなきゃ、りこ!!


    気持ちを切り替え、教師らしく対応しないと!



    次の瞬間。



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■21634 / ResNo.5)  6
□投稿者/ zoo 一般♪(6回)-(2012/09/08(Sat) 23:49:16)
    あのさ、そういう顔されると意地悪したくなるんだけど」


    咲希の腕が私の腰を引き寄せた。


     「ちょっ・・!☆●◇▽※★」



    キスされそうなくらい近い顔と顔。
    どうしよう!!心臓の音が伝わってしまうくらいドキドキしてる。
    咲希の腕に触れてる自分の手が震えていることに気付いた。


    「先生」


    「っっなに?!」


    顔を上げれなかった。
    だって顔を上げたら、キスしちゃうくらいの距離だから。



    「先生、顔真っ赤だけど」


    「っっっ離して!!」


    私は無理矢理、咲希の腕を払いのけて背を向けた。
    自分でもわかるくらい赤面してる。
    心臓が壊れそうなくらいドキドキしてる。


    咲希の目は危険。
    見つめられると、全て見透かされてしまいそう。
    落ち着いた色気のある声でささやかれると、変な気分になってしまう。
    私は教師のくせに何考えてるの!!
    別に、引き寄せられただけで、抱き締められた訳じゃないんだし!



    「コーヒーありがとう。帰るね。」


    それだけ言い残して、私は背を向けたまま急いで教室を後にした。



    年甲斐もなく本気で動揺していた。







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■21635 / ResNo.6)  7
□投稿者/ zoo 一般♪(7回)-(2012/09/09(Sun) 09:42:26)
    翌日、なんとか咲希を意識せずに一日を過ごすことが出来た。
    自分は教師なんだから!と言い聞かせて。


    でも、正直言うと、昨日はほとんど眠れなかった。
    だって今まで私には笑った顔も見せない、必要なこと以外は話しかけてもこない咲希が、私の心配?
    咲希の考えてることがわからない。


    生徒にからかわれてるだけ?


    咲希の方は、昨日のことなんか何もなかったかのような素っ気ない態度。


    でも、私を元気づける為に気を遣ってくれたことは事実。
    何より、元気がなくなっている理由をとやかく聞いたりしない所が、咲希の大人な部分だったりする。
    気付いているのに気付かないフリする優しさが、咲希の魅力。


    ふと我に返ると、咲希のことを考えている自分に愕然とする。




    誰に対しても、あんなに慣れた手つきで抱き寄せたりするの?
    私をドキドキさせたのは、ただの意地悪?


    咲希の私生活って?
    恋人は?


    ダメ。。。
    私、何考えてるんだろう。


    自分の生徒でもある、しかも女の子に心が揺れてる!?


    その時、彼女がまた現れた。




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■21636 / ResNo.7)  8
□投稿者/ zoo 一般♪(8回)-(2012/09/10(Mon) 09:08:05)
    「先生、ちょっとわからない所があるんだけど、放課後、聞きに行っていい?」


    英語の授業終わり、他の生徒がいる前で言われた。
    授業についての質問なのかはわからなかったけど、他の生徒達もいるし、OKと伝えた。


    昨日のことがあったから、またまた内心では動揺していた。



    放課後。
    職員室に咲希は現れた。
    教科書とノートを持って、明らかに勉強の質問のようだ。


    昨日のことが何もなかったかのように、勉強に対する質問だけだった。
    普段、優秀な咲希なら質問なんて有り得ないのだけど。
    何だか、勉強に対する質問だったことで、気が緩んだ。
    咲希の真面目な姿が少しかわいいと思った。



    「勉強、ありがと。じゃ。」

    「あっ、うん。気をつけて帰ってね。」



    咲希はあっさりと帰ろうとした。



    が、その時、咲希がこちらに一歩近づいた。
    咲希の唇が耳に触れるくらいの距離。



    「今度さ・・・デートしない?」


    「えっ!?!?」


    「・・・・」




    咲希にジッと見つめられる。
    動揺する私を咲希は黙って見ている。


    必死で返す言葉を探した。



    「なに〜急に(笑)。びっくりするじゃない(^-^) も〜先生をからかわないでよね(笑)」


    「・・・・」


    「も〜あなたが冗談なんて言うと、ほんとびっくりするんだから(笑)」





    「・・・・・
     今週末、空いてる?」


    「え?」


    「迷惑?」


    「あ、えっと・・・、急に・・どうしたの?」


    「迷惑?」


    「えっと・・迷惑とかそういうことじゃなくて・・」


    「じゃ、土曜日、空けといて。」


    「・・・・・
     えっ、あっ!ちょっと待って!」




    咲希は振り返ることなく帰って行った。



    一体どうなってるの?!
    デートって、本気で言ってるの?!
    必死で冗談ぽく振る舞ったけど、あんなに吐息が伝わるほど耳元でささやくなんて、ずるい。
    どうしよう。。。自分の生徒にドキドキして振り回されるなんて。


    デートって、どこへ??
    咲希ならデートする相手くらいたくさんいるだろうに、どうして私??
    この間から、からかわれているだけ?!
    休日に特定の生徒と外で会ったりしていいの?!


    頭がパニックでもうダメ。


    今日って、何曜日?
    火曜日・・・か。


    とりあえず、明日また学校で話をすることにしよう。







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■21637 / ResNo.8)  9
□投稿者/ zoo 一般♪(9回)-(2012/09/10(Mon) 09:10:21)
    次の日、進路相談など含めて、クラスの一人ずつと面談をする予定があった。
    咲希はもう進路が決まっていたから、本来は特別話すこともないのだけど。
    昨日のことを話す為に、他の生徒と同じように時間を取った。


    面談をする部屋は、教室と違って小さな会議室のようなスペースで行っていた。
    咲希の順番になり、部屋に入ってきた。



    「あなたはもう進路が決まっているから、特別言うことがないわね。あなたからは何か言っておきたいことはある?」


    「いえ、特に」


    「そう、それなら良かった。」


    「・・・じゃ、次の人呼んでこようか?」


    「待って。」


    「・・・・」


    「昨日言ってたことなんだけど」


    「うん」


    「あれは冗談?」


    「生徒が先生とデートしたいって言ったら変?」


    「ううん、そうじゃないけど・・・どうして私なの?あなたなら、デートする相手がいっぱいいると思うんだけど」


    「いるよ。」


    「・・・あっ、そうだよねっっ・・」


    「先生とデートしたいだけなんだけど」


    「う、うん・・」


    「先生、土曜日は桜川駅に13時ね。来る来ないは先生の自由だしね。でも、待ってる。」




    ジッと見つめながら、そう言うと咲希は席を立って出て行ってしまった。


    本気で言われてるんだよね・・?
    土曜日、言われた通りの待ち合わせ場所に行くべき・・?





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■21638 / ResNo.9)  10
□投稿者/ zoo 一般♪(10回)-(2012/09/10(Mon) 09:12:43)
    2012/09/10(Mon) 12:50:06 編集(投稿者)
    2012/09/10(Mon) 12:49:35 編集(投稿者)

    翌日。



    相変わらず、みんなの前では私に対して冷たい態度の咲希。
    必要以上に話さないし、ほとんど笑顔も見せない。


    二人になると、強引だけど優しいくせに。


    私って教師のくせに、からかわれてるだけなのかな?
    デートの相手が他にもいることは否定しなかったし・・・



    咲希のことは、軽い気持ちで考えよう。
    年頃の子が色々なことに興味を示すのは普通だ。
    ただ、他の子達より大人びたミステリアスな咲希に、少し動揺しただけのこと。
    大人げないなぁ〜教師のくせに。
    そう考えると、少し冷静になれた。


    彼との結婚についてもそろそろ決断しないといけない時期だし、ね。




    一日の仕事が終わり、そろそろ帰宅しようと駅に向かって歩いていると・・・


    ちょうど誰かの車に乗り込む咲希を見かけた。
    少し離れた場所からだから、咲希は私に気づいてない。
    運転しているのは、咲希より年上の女性?

    その女性は、咲希に優しく微笑み、そっと咲希の髪を触った。
    咲希は、髪を触っていた女性の手を掴み、女性の耳元で何かささやいた。
    それが合図のように、女性は微笑みながら車を発進させた。



    咲希の恋人・・?
    ただの知り合い・・?
    二人の雰囲気は、何だか恋人同士みたいだった。


    何、動揺してるんだろう私。


    デートの相手くらいいるって知ってるのに。


    二人が恋人同士のようだったから・・?
    相手が綺麗な人だったから・・?
    私にもしたように、耳元でささやいたりしたから・・?



    これって、嫉妬?!




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