ビアンエッセイ♪

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■22329 / 親記事)  すこしづつ…V-1
  
□投稿者/ 桃子 一般♪(44回)-(2018/07/21(Sat) 12:58:12)
    3か月後…

    ミカのお父さんは 突然「南郷君に家に来てもらいなさい」と言った。


    バイトから帰ったコウちゃんに

    「南郷さん 明日 ミカのお父さんに会うって…」

    と報告したら コウちゃんは

    「なんか…自分の時のこと 思い出しました。
     南郷さん 今夜 眠れないかもしれないですね…」

    「大丈夫だよ! 南郷さんだって 心の準備はしてたと思うし…」

    「ですよね(^^♪」

    「でね…明日なんだけど…遠出のドライブ 次回にしてもいいかな?」

    「はい(^^♪」

    「理由聞かないの?」

    「気になって ドライブどころじゃないでしょ(笑) 日曜日はミカさんとお食事会?」

    「何でわかったの? ミカに訊いた?」

    「まさか(笑)」

    「南郷さんから連絡あった?」

    「ミカさんの携帯番号は知ってますが 南郷さんと番号の交換はしてませんよ(笑)」

    「じゃ どうして?」

    「ミカさんの記念すべき日を 恭子さんが無視することはないだろうなって…
     明日は 南郷さんやご家族と過ごすだろうから…声かけるとしたら 日曜日かなって…」

    「うん…コウちゃん ごめんね…」

    「何が?」

    「友人を優先して(笑)」

    「恭子さんが そこを蔑ろにする人になったら 困ります(笑)
     早起きの予定が変わった分 今夜は 夜更かし出来ますね(^^♪」

    「ふたりの前祝い やっちゃう?」

    「いいですね(^^♪」


    食事の後 2人で ゆっくり過ごした。

    ソファに座って…窓から夜景を見ながら…

    「なんか ドキドキしてきた…」

    「うん」

    「コウちゃんが ウチに来てくれた時だって ここまではドキドキはしなかったのに…」

    「そうなんですか?」

    「うん(^^♪」

    「どうして?」

    「だって…あの時 コウちゃん 電話で 大丈夫 って言ってくれたでしょ…
     それと…恭子さん 一人で泣かせるわけにはいかない って…だから…安心してた…」

    「覚えててくれたんですか…」

    コウちゃんは 少しはにかんだ。

    「バカ…忘れるわけないじゃない …」

    コウちゃんの胸に顔を埋めた。

    「コウちゃん…」

    「はい」

    「あたし あれから ひとりで泣いてないよ…
     うれし泣きはあるけど(笑) あの時のような涙は流してない…」

    コウちゃんは 黙って私の髪を撫でている。

    「ねぇ…コウちゃんは?」

    「ん?」

    「1人で泣いてない?」

    「泣いてないっすよ(^^♪ いつも 隣に 大好きな人が居るから…」

    「うん…」

    コウちゃんが言ってくれた「大好き」のひとことが 嬉しかった。

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■22330 / ResNo.1)  すこしづつ…V-2
□投稿者/ 桃子 一般♪(45回)-(2018/07/21(Sat) 13:05:21)
    ミカから 結婚式の招待状をもらったのは 春の声が聞こえてきた3月だった。

    式は GWに決まったとのこと。

    封筒の宛名は 私とコウちゃんの連名だった。

    コウちゃんに招待状を見せた。

    「めっちゃ嬉しいです(^^♪」

    その時 インターフォンが鳴った。

    「どうぞ! カギ開いてるから 入ってきて!」


    ミカと南郷さんが入ってきた。

    「このたびは お招きいただきありがとうございます」

    コウちゃんが かしこまって挨拶した。

    「そのことについて 坂本さんにお願いがあって来ました」

    南郷さんが 切り出した。

    「単刀直入に言います。披露宴の司会を引き受けて頂けないでしょうか?」

    「へっ?」

    コウちゃんが 私の顔を見た。

    コウちゃんの驚く顔を見るのは 3度目だ…

    ミカが説明してくれた。

    「結婚式は どうしても 花嫁がメインになるでしょ…
     南郷君も そんなカンジで あたしの好きなように…って言ってくれたのね…
     でも…2人の式だから…南郷君の希望も聞かなくっちゃ って思って…
     何かある?って訊いたの(^^♪ そしたら…ひとつだけある って…で…何?って訊いたら…
     披露宴の司会を どうしてもお願いしたい人がいるって…」

    「僕…自分が披露宴をする時は 自分達のことを知っている人に頼みたいって ずっと思ってたんです。
     それを 坂本さんにお願いしたいんです」

    南郷さんは言い切った。

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■22331 / ResNo.2)  すこしづつ…V-3
□投稿者/ 桃子 一般♪(46回)-(2018/07/21(Sat) 13:16:22)
    「南郷さんのお気持ちは嬉しいですが…冷静に考えて 本当にそれでいいんですか?
     大切な門出のお披露目ですよね? それを 何の経験もない若造に任せて…後悔しませんか?
     それに…ミカさんのお気持ちは?…」

    「あたしは…最初…正直言って…式場の人に任せてもいいんじゃないかなって思ったのね
     いくら何でも 坂本クンには 荷が重いって…」

    ミカは 言葉を続けた。

    「でも…南郷君は 頼むだけ頼んでみるって言って 一歩も引かなくて…(笑)
     直接本人に訊いて それでダメだったら諦めるって…それで 2人でお願いに来たの…
     だって…本音言うと あたしだって 坂本クンにやってほしいもん(笑)」

    「ミカさんのご両親・南郷さんのご兄弟は何て?」

    「我が家は 大賛成(^^♪」

    「ウチは 兄も弟も 最初は驚いてましたが…僕たちが決めたことなら…って…
     香織の友人なら 大丈夫だって…」

    「その友人が まだ大学生だってことは…?」

    「兄は それがどうした と…」

    「もうひとつお伺いしてもいいですか?」

    「はい」

    応える南郷さんは 真剣そのものだ。

    「披露宴の司会を ご自分達でセットすること 式場の方は…」

    「相談したら 何の問題もないって…二次会ではなく披露宴の司会だと念を押しましたが 大丈夫です」

    「ずいぶん 手回しがいいですね(笑)」

    「坂本クンなら そう言うだろう って香織が言うので 2人で手分けして 確認取りました」

    コウちゃんは 小さく息を吐いた。

    「どうやら 断る という選択は残されていないみたいですね(笑)」

    「それじゃ…」

    「正真正銘の未熟者ですが 精一杯務めさせて頂きます」

    南郷さんは 本当に嬉しそうだった。

    その顔を見つめるミカも ホッとした表情だった。

    「よかった〜…恭子は 大丈夫って言ってくれたけど…ドキドキした〜」

    「恭子さん 知ってたんですか?」

    「うん…ゴメン…今日の昼休みに…」

    「あたしが 恭子から頼んで って言ったら…そういうことは引き受けられないって…」

    「だって…」

    「それは 恭子さんが正解です(笑)」

    南郷さんが 笑いながら言った。
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■22332 / ResNo.3)  すこしづつ…V-4
□投稿者/ 桃子 一般♪(47回)-(2018/07/21(Sat) 13:20:07)
    2人が帰ったあと コーヒーを飲みながら

    「なんか すごいことになってしまいましたね…」

    「ホント…(笑) でも あたし コウちゃんは 断らないって思ってた…」

    「どうして?」

    「なんとなく(笑)」

    「その根拠の無い自信は どこから湧いてくるんですか?(笑)」

    「わかんない(笑)」

    「でも…ミカさんも南郷さんも ホントは 大変だったんじゃないかな…」

    「えっ?」

    「式場とのやりとりは そう珍しいパターンじゃないかもしれないから 無難に進んだと思いますが…
     ご両親やご兄弟には…寝耳に水 だったハズだから…」

    「そうだよねぇ…でも…ミカのお母さんは コウちゃんに会ってるし…」

    「とは言え…ミカさんのお父さんは あの教授ですからねぇ…
     南郷さんのご兄弟にも ご挨拶した方がいいのかなぁ…まっ その辺は もうちょっと考えますっ(笑)
     恭子さん!」

    「何?」

    「お風呂…一緒に入りましょう(^o^)」

    「うん 先に入ってて…すぐ追いかけるっ♪」
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■22333 / ResNo.4)  Re[1]: すこしづつ…V-5
□投稿者/ 桃子 一般♪(48回)-(2018/07/21(Sat) 13:23:47)
    私は バスタブの中で コウちゃんに後ろから抱えられるのが好きだ。

    体を洗ったあと コウちゃんに背中を向けてお湯に入る。

    コウちゃんの手が 前に回る。その上に 自分の手を重ねる。

    それだけで 1日の疲れが取れる。


    いつものように バスタブに体を沈めたら

    突然

    コウちゃんの唇が 私の首筋を這い始めた。

    すぐに 体が反応した。

    首から背中へと コウちゃんの唇が移動する…両手は いつの間にか 私の乳房を弄んでいる…

    こらえ切れずに 声が出る…コウちゃんは 止まらない…

    体の向きを変えて コウちゃんの唇を追いかけた。

    長いキスのあと

    「コウちゃん…ベッド…いこ…」

    体を拭く時間がもどかしかった。

    バスローブを羽織って 寝室に入った。
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■22334 / ResNo.5)  すこしづつ…V-6
□投稿者/ 桃子 一般♪(49回)-(2018/07/21(Sat) 13:27:35)
    コウちゃんは 私を ベッドに寝かせると 静かに 覆い被さって 私の顔全体に キスをする。

    額・鼻筋・両頬・顎・耳朶…

    コウちゃんに触られた胸は 既に限界まで硬くなっている。

    コウちゃんの右太腿が私の中心を静かに刺激しているのを感じながら

    コウちゃんのキスに焦れていた。

    漸くコウちゃんの唇が 私の唇に触れた…

    「離れないで…」

    私は コウちゃんにしがみついたまま 体を入れ替えた。

    コウちゃんの全身に 舌を這わせた。

    「恭…子…さ…」

    コウちゃんの息が続かない。

    コウちゃんの両腿を開き 顔を近づけて 一気に舐めた。

    普段 アルトボイスのコウちゃんの声が 1オクターブ高くなった。

    コウちゃんの蜜は 吸っても吸っても 尽きることなく溢れてくる…

    「ここ…擦られるのが 好きなんだよね…」

    耳元で囁くと 私の指に合わせてコウちゃんの腰が浮き始める…

    呼吸が荒くなる…

    頂点に達する寸前に指を抜いた。

    そして…コウちゃんに自分を重ねた。

    あとは 本能に任せるだけだった…

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■22335 / ResNo.6)  すこしづつ…V-7
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(50回)-(2018/07/21(Sat) 13:29:52)
    お互いの呼吸が整うのに どれくらいかかっただろう…

    「フフフ」

    「何ですか?」

    「いや…コウちゃん 可愛いなって思って( *´艸`)」

    「どういう意味です?」

    「普段は 冷静沈着なのに…あたしだけが知ってる顔だよね(^^♪」

    「当たり前ですっ」

    「あたしだけが知っている声…だよね(^^♪」

    「今更 そんな確認しないでくださいっ」

    コウちゃんが照れた…

    「そっか…あたしだけかぁ〜」



    シャワーのお湯が 体を流れるのを見ながら ふと思った…

    コウちゃんは いつか 私のことを『恭子』と呼んでくれるのだろうか…

    多分…一生『恭子さん』だろうな…

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■22336 / ResNo.7)  すこしづつ…V-8
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(51回)-(2018/07/21(Sat) 13:36:13)
    寝室は ベッドのシーツが 取り替えられて 先刻までの熱気も 消えていた。

    コウちゃんの足音が 静かに 寝室を通り過ぎた。

    (あっ…リビングに行ったな)

    ゆっくりと追いかけた。

    「コウちゃん…」

    「ん?」

    「シーツありがとう…」

    「あのままでもよかったんですけどね(笑) コーヒー飲みます? アイスですけど…」

    「うん ありがとう…」

    コウちゃんが グラスを渡してくれた。

    「ねぇ…飲ませて?」

    「何言ってんですか(笑)」

    「だって…」

    言い出した手前 引っ込みがつかなくなってしまった…

    「今夜だけですよ(笑)」

    コウちゃんが 私の頭をポンポンとたたきながら言った。

    そして グラスのアイスコーヒーを口に含むと 私の顎を少しだけ持ち上げた。
     
    コウちゃんの口から 注意深く コーヒーが流れてきた。

    (これ…クセになるかも…でも…コウちゃん 今夜だけって言ってたから…)

    「もう1回!」

    (コウちゃん どうするかな?…)

    コウちゃんは 頷きながら 同じようにしてくれた…

    「アイスがアイスじゃなくなりますね(笑)」

    「ううん…そんなことないっ」

    思わずムキになってしまった…

    コウちゃんは 優しく微笑んで 残りのコーヒーを飲んだ。

    私のグラスが 空になったのをみて

    「そろそろ休みます?」

    「うん…」

    洗いたてのシーツが 肌に気持ち良かった。

    隙間が無いくらい コウちゃんにぴったりとくっつきながら

    「ねぇ…さっき…どうして…コーヒー飲ませてくれたの?」と訊いた。

    「あのまま 拒否し続けたら 恭子さん 困っちゃうでしょ?(笑)」

    (わかってたんだ…)

    「じゃあさっ…どうして 2回目…」

    「それは…」

    コウちゃんが 私の目を見て言った。

    「1回目が 気持ちよかったからです(笑)」

    「うん…」

    それ以上 言葉が出なかった。

    「さっ ホントに寝ないと…恭子さん 明日 早番でしょ?」

    「うん…おやすみ」

    「おやすみなさい」
引用返信/返信 削除キー/
■22337 / ResNo.8)  すこしづつ…V-9
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(52回)-(2018/07/21(Sat) 13:39:57)
    アイスコーヒーの所為か それとも まだ コウちゃんの余韻が残ってるのか なかなか 寝付けなかった。

    その気配を感じたコウちゃんが

    「眠れない?」

    「うん(^^; コーヒー飲んだからかなぁ…」

    「眠れるおまじない してあげましょか?(笑)」

    「そんなのあるの?」

    「あるんです(笑) 静かに目をつぶってください。
     大きく息を吸って…吐いて…ハイ もう1度…」

    言われるままに深呼吸をして 肺の空気を出し切った瞬間

    コウちゃんの唇が 私の唇に触れてスグに離れた。

    「そのまま 目を開けずに 心の中で ゆっくり100まで数えてください…」

    少し眠くなってきたような気がした…でも…まだ…

    気付いたら 朝になっていた。


    アラームが鳴る前に ベッドから出た。

    いつもの時間に コウちゃんが起きてきた。

    ふたりで 朝食の支度をしながら

    「あれから 眠れましたか?」

    「うん…50くらいまで数えたのは 覚えてるけど…あとは…気が付いたら 朝だった(笑)」

    「それは よかったです(^^♪」

    「ねぇ コウちゃん ひとつ訊いていい?」

    「なに?」

    「昨夜の…あの…深呼吸の後のキスって必要なの?(笑)」

    コウちゃんは 真顔で

    「恭子さんには不要だったかもしれませんが 自分には必要だったんです」と言った。

    「バカ…コウちゃんのキスが不要なわけないでしょ!」

引用返信/返信 削除キー/
■22338 / ResNo.9)  すこしづつ…V-10
□投稿者/ 桃子 ちょと常連(53回)-(2018/07/21(Sat) 13:46:36)
    4月になった。

    コウちゃんは 大学4年生になった。

    履修科目は 殆ど3年間で取ったらしい。

    今は ミカ達の結婚式の準備の手伝いをしている…



    ミカのご両親と南郷さんのご兄弟に会ったのは 春休みに入ってすぐだった 。

    お宅に伺うのがいいのか 電話にするか…アレコレ考えて

    「時間差で『駅裏』に来て頂くことにしましたっ」


    最初に会ったのは ミカとミカのご両親…

    コウちゃんとの関係は ミカが説明した。

    黙って聞いていた教授は

    ひとこと

    「よろしく」…は ミカからの報告。

    南郷さんのお兄さんと弟さんにも 正直に打ち明けたらしい。

    お兄さんは「弟が『坂本クン』と言うから てっきり…」と笑い

    弟さんには

    「兄貴の話を聞いて 若いのに ずいぶんしっかりした子がいるんだなぁと思っていました」 と言われたらしい。

    ミカによると(笑) お兄さんも弟さんも 「よろしくお願いします」 と言ってくれたそうだが…

    「何かトラブったの?」

    恐る恐る訊いてみた。

    「そういうわけじゃないけど…(笑)」

    「なに? 勿体ぶらないでよ!」

    「奥さん達が『坂本さんってイケメン!』で盛り上がってた(笑)
     あの二人も坂本クンのファンになるよ( *´艸`) 」



    1日で ミカのご両親・南郷さんのご兄弟に会ったコウちゃんは さすがに疲れた顔で帰宅した。

    「大変だった?」

    「そんなことはなかったんですが…緊張しました(^^; 」

    「ミカが 色々報告してくれたよ…」

    「ご両家から 『やっぱり代わりの人を』って?…」

    「どちらも 『よろしく』 だって(^^♪」

    「そうですか…ちょっと ホッとしました」

    そう言って コウちゃんはソファに寝転んだ。

    私は 食事の支度中だった包丁を置いて 上から被さった。

    「お疲れ様でした(^^♪」

    「うん…」

    そのまま…ハグ…

    「よっしっ エネルギー充電 完了(笑) お腹空きましたっ 今日のメニューは?」

    「チキンのクリーム煮」

    「久しぶりっすね(^^♪」

    「もうすぐ出来るから ちょっと待ってて!」

    「はいっ」
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