| 『かすみと仲良くしてやってくれ』 一言残し、父もまた仕事漬けの日々へ身を翻して行く。 そういう人とは知ってるが、今日位、かすみの為に居たら良いだろうに 思わず溜息をついた
かすみは黙って俯いて部屋の隅にいた 可哀相な子… 親の都合に振り回されて、いきなり連れて来られてもとまどうよね…
「かすみちゃん?お腹空いてない?」 笑顔で聞いてみる 「…お腹空いた」可愛い声で小さく呟いた
可愛い。色白の小さな顔にくりっとした茶色の瞳 そして小さな紅い唇
そっと近づき、頭を撫でてあげると一瞬笑顔が浮かんだ
可愛い私の妹
「私お姉さんの名前知らない」 見つめていると、かすみに不意に言われ我に返った 「私?私は梨華。名前言ってなくて御免ね」 「ううん、宜しくお願い致します」 丁寧にお辞儀をされ、思わず吹きだした 「かすみちゃん、私は家族になるわけだから堅苦しい挨拶はなし。お昼だから美味しいの食べにいこっか」 気分転換も兼ねて、海辺の小さなカフェに連れて行った
(携帯)
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