| 一週間前の帰り道で、裕は涼子に対してある命令を下していた。 『これから一週間オナニーしないこと』 それと、してないことの確認のためにカーテンは常時あけておくこと。
別に四六時中見張ってたわけではないが、いつ見られているかわからないため抑制効果はある。 それに、していてもしていなくても、裕には実のところどっちでも良かった。
しかし、涼子はちゃんと我慢していた。 あの日の出来事は確かに恥辱には違いないが、思い出せば身体を疼かせる。
頭のどこかで、命令どおり我慢すればまたあの快感をもらえると期待していた。 そしてその方がより大きな快感を得られるとも。
なによりもそんな淫乱な自分がはずかしかったのだが。 「うん・・・・・・。してない・・・」 羞恥心よりも、一週間暖めてきた性欲が勝った。
裕はそれを聞いてにっこり笑ったようだった。 鞄から何か丸いものを取り出すとそれを右手で持ち、涼子の股間に当てた。
ブブブッ。
突然ソレが震えた。振動が涼子を襲う。 「ぁ・・・・・・!」 かすかに声が漏れてしまった。
「しぃーーー。いいっしょ・・・ローター。御褒美だよ」 どうやらリモコン式のようで、裕が左手に隠し持っているリモコンで操作している。
断続的で不定期な振動が、絶え間なく涼子を追い詰めていく。
「・・・・・・っ!・・・はぁぁ・・・」
確かに気持ちいいのだが、布越しからの刺激では昇り詰めるには物足りない。 その思いを見透かしたように、裕の手がパンティの中に侵入した。
同時にローターも直接、涼子に触れるようになる。 勃起したクリトリスに当て、スイッチを入れっぱなしにする。 微細な振動が神経を刺激し激しい快感を涼子にもたらす。
「・・・・・・・!・・・っっ!!は・・・・・・・・・っ!」
声にならぬ声。久しぶりなこともあって一気に昇り詰めていく。 しかし、もうイク、というところで突然振動がストップした。
すがるような眼で裕を見る涼子。 裕は涼子に視線を返しながらローターを涼子の奥深くに埋めてしまった。 寸止めされたクリトリスは快感の行き場をなくしてピクピクと痙攣している。
裕はそのまま手を抜く。指についた愛液を、舌を出して挑発的に舐め上げた。 涼子は荒い息をおさえつけながらじっと裕を見ている。
「今日はソレ、入れて帰るんだよ」
言い終わると同時にまたローターが震え始める。
裕がローターを設置したのは一週間前涼子の反応が一番良かったところだ。 クリトリスを攻められたときとは種類の違う快感が涼子を襲い、またもがき始める。 しかし、涼子は中ではまだイケない。
「んんぅ・・・・・・・・っ!お、・・・お願い・・・」
精一杯おねだりする。裕の右手を掴んで導こうとした。 しかし、裕はその手を涼子の求める場所にはやらず、涼子の口の中に指を差し入れた。 まずは、自らの愛液の匂い。裕の指に染み付いている。それと裕の唾液の味。 裕が指で口内を掻きまわす。 舌の裏側、歯茎と歯の付け根、上あご、頬の裏側・・・ あらゆる場所を丁寧に辿っていく。
「んふぅ・・・・・・」
最後に唇をなぞって、裕は指を抜き、ローターも停止させた。 途中止めにされた涼子がどうにか自分を取り戻そうとしているうちに、どうやら上映が終了したようだった。 照明がつき、シートが起きてくる。
幸いにも裕たちがしていたことに気づいた客はいないようだった。 涼子が息を整えながら裕を見ると、裕は何食わぬ顔で大きく伸びをした。 「さっ、帰ろっか?」
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