| 2013/08/21(Wed) 14:25:56 編集(投稿者)
開発室の春奈から手伝ってくれないかと言われて気楽にOKしたんだけど、結構大変な仕事らしい。 開発室の「絶対秘密」って赤字で書かれた部屋に入ると、様々なよくわからない機械やメーターに埋もれた中に、細長い卵のようなカプセルがあった。 全身体験型の「ヴァーチャル・ヒストリー・メーカー」ってゲーム機らしい。 カプセルの中には濃い塩水が入ってて、そこに裸になってぷかぷか浮かぶ。 蓋を閉めるとただの暗黒。 手足は浮遊状態ですべての刺激が消えてしまう。 そこに特殊な電波で脳波を直接刺激すると、用意されたストーリーをまさに自分がそこにいるかのように体験できるんだという。 で、このゲームの醍醐味は、自分自身が歴史上の実在の人物になりきることができるってこと、だと春奈は熱く熱く語るんだけど…… 「で、なんで私が適任なの?」 「だって、由芽ちゃんって、歴女じゃない。こちら側が用意できるのは大まかなプロットやストーリーだけであって、本人の知識以上の発展はないわ。これまでの被験者は歴史のシロウトばっかりだったから、用意されたストーリーを変えることなく安全にこっちの世界に帰って来れたの。でも本当に歴史に詳しい人がここに入ったらどうなるか、まだ試せてないんだよね。お願い、やってみて」 上司の命令でもあるし、仕方なく水着に着替え、カプセルに入ってみた。 すぐに扉は閉められ、暗黒になった、と思った瞬間だった。 私はバスチーユ監獄にいた。 名前はジェスティーヌ、この間まで貴族の娘。 他の女囚と同じように裸で石の壁の前に立たされているのだった。 灯りは天井と壁からの陽の光のみで、女達の白い裸が亡霊のように浮き上がっていた。 私の足首には鉄の足かせが重く、いくつもの傷を作っていた。 気がつけば全身には鞭のあとがあり、焼けるように痛かった。 看守のロジーヌが若い女の子を私たちの前に引きずり出した。 ロジーヌは体重150キロはあろうかというデブで、カバそっくりの年増だった。 「おい、ここで身体を隠すのは?」 ロジーヌがスザンヌに聞いた。 ベテランのスザンヌは女囚でありながらロジーヌの女で、牢名主的な存在だった。 「御法度だよ。脱獄用の道具を隠してるかもしれないからね」 「だよね。ところがこの小娘ときたら……」 「ご、誤解です、そんな」 女の子は泣いて抗弁したけれど、おそらく無駄だろう。 泣けば泣くほどロジーヌやスザンヌの劣情を刺激するだけだ。 こういうときは素直に罪を認め、ギロチンにかけてもらうのが一番なのだ。 この時代、美しく生まれついた貴族は、その美しさという罪の故に、人間の最も醜い劣情の生け贄となる運命なのだ。 「この草むらの中に隠してるんだろ。ほら、手をどけてみろ」 「い、いやです、そんな」 「隠すのは、そこに道具を隠してるからだろ」 かわいそうに、新入りの貴族の娘なんだろう。 少し前まで着飾って高級なサロンに出入りしてたろうに、今や丸裸に剥かれて最底辺の女の慰みものだ。 この女の子の受難が一刻も早く終わることを祈らずにはいられない。 けれど、それは無駄な祈りというものだ。 もはやロジーヌやスザンヌはこの子を獲物として扱っている。 「はやく手を頭の上にやるんだ」 女の子は泣きじゃくりながらいうとおりにした。 端正な乳首と黄金の絹玉のような縮れ毛が現れた。 「中も、もちろん検査するんだろうな」 とスザンヌがけしかける。 「もちろんだよ。奥の奥まで……な。ほら、脚を開いて、ケツをこっちに向けな」 「で、出来ません、そんなこと」 「仕方ないな、ほら」 ロジーヌが目配せすると、スザンヌや、そのほかの手下たちが女の子を押さえつけた。 女の子はテーブルを抱くような形に拘束された。 こちらからは女の子の最も隠したい部分が丸見えになっていた。 「さて、まずは女の隠れたポケットの中を検査しようかね」 キャァァア、と女の子の絹を裂くような声が上がった。 女の子はロジーヌが検査と称する拷問を続ける間、ずっと叫び、許しを請い続けた。 そこにいたならず者以外、皆、この苦しみが一刻も早く去ることを願っていた。 検査を終えたロジーヌの手は肘まで血まみれになっていた。 「もう一つ穴があるだろ、女と男共通の」とスザンヌが言った。 「私ゃ、クソまみれはイヤなんだよ。あんたはそっちが趣味だろ、あんたに任す」 「ありがとよ。久しぶりにケツを破られて死ぬ若い女の声が聞けるよ」 スザンヌの期待に反し、女の子は責めそのものでは死なず、そこに拘束されたまま二日間生死の境を彷徨って、恐ろしい形相のまま亡くなった。 引きずり出された子宮と腸にハエがたかり、耐えがたい腐臭を発していた。 ちょっとまって、何か変よ。 と思った瞬間、カプセルの扉が開けられ、私はこの世界に戻ってきた。(今回はハードにいくよ。心臓の弱い子は読まないで)
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