| 第十三話 昨夜は先生との初めての夜を迎えるはずだった。 ずっと憧れていた先生。 先生も私の気持ちを分かってくれていた。 でも名門高校のスキャンダルを心配する先生は慎重だった。 「卒業してから、おつきあいしましょう」 そう言って、周りを気にしながらキスされたのは、誰もいない音楽室だった。 卒業して、初めてのデート。 キス以上の事を、期待して出かけた。 待ち合わせは、シティホテルのロビーだった。 スーツ姿の先生が私を見つけて、手を振ってくれた。 きれいで、ハンサムな先生。 最上階のレストランで、フレンチのコースを予約してくれていた。 「大人の女になるのだから」 と勧めてくれた、赤ワイン。 幸せでとろけてしまいそうだった。 チェックインして、部屋に向かうエレベータの中で先生は私を抱き寄せた。 キスをしようとした時、エレベータが止まり、ドアが開いた。 あわてて、体を離したが、乗り込んで来た人達に見られたと感じ、顔が赤くなる。 恥ずかしさでうつむいた時、首にチクリとする痛みを感じた。 そこで、気を失ったようだ。 気が付いたのは、ベッドの上で首輪をつけられていた。 隣では先生が同じように、首輪に繋がれて、心配そうに私を見つめていた。 「私達何をされるの」 いろいろな事が想像されて、不安と恐怖から二人で震えた。 長い時間が経ち、泣き出した私を慰める先生の声も涙声になっていた。 ドアの開く音がして作業服姿の女が、リードを手に部屋に入って来た。 その後ろで、水着姿の若い女性が3人いた。 驚いたことに、3人とも首輪をつけられ、リードで繋がれていた。 水着姿の女の子達はドアの近くで、正座し、作業服の女が近づいてくる。 女の話は、信じられない恐ろしい話だった。 「狩り」をされる。 水着姿の女性の一人が、みんなの前で先生をレイプしようとする。 30分間逃げとおせれば、何もせずに解放される。 逃げ切れずに、レイプされて、感じたら、私もレイプされる。 そんな、信じられない。 なんで、こんな目に合うの。 私も先生も、自分たちの運命が信じられなかった。 リプリーと呼ばれた水着姿の女性が首輪を外され、近づいてきた。 ハーフだろうか、彫の深い顔と抜群のプロポーションをしている。 先生の首輪も外され、作業服の女の前に立たされた。 作業服の女が黒い鞭とストップウオッチを持って二人の間に立つ。 リプリーはプロポーションがいいだけでなく、肩の筋肉が盛り上がり、腹筋が割れている。 でも、先生もきれいなだけの女性ではない。 空手の有段者で、凛々しい黒帯姿は女子の生徒達の憧れだった。 闘って、逃げ切って、私を守ってください。 私は、祈るしかない。 先生の犯されるところを、見たくない。 作業服の女が、ストップウオッチを見て、鞭を床に振り下ろした。 「よし、始め」 先生が、逃げ、リプリーがそれを追い始める。
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