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Nomal 爽やかな風 /慈雨 (09/07/10(Fri) 22:46) #6052
Nomal 爽やかな風 /慈雨 (09/07/10(Fri) 23:10) #6053
  └Nomal 爽やかな風 /慈雨 (09/07/10(Fri) 23:17) #6054


親記事 / ▼[ 6053 ]
■6052 / 親階層)  爽やかな風
□投稿者/ 慈雨 一般人(1回)-(2009/07/10(Fri) 22:46:47)
    広大な面積の深い森林、コバルトブルーの透き通った湖、澄んだ清々しい青空。
    それらの綺麗な自然に囲まれて怪しげに聳え立つ、白い壁と青い尖った屋根の城。
    頑丈そうな赤レンガと黒い鉄格子で出来た塀で区切られている。
    しかし、そこだけが空気が周りとは違い、暗く神秘的な雰囲気を醸し出していた。














    ーーーー魔法学術師。略して魔術師。
    研究は懸命にされているが、どんな科学者でも誰でも、未だに解明できない。
    もう既に100年以上、人間たちは研究と実験を重ねてきた。
    しかし、色々な説があるものの、真実も何も解き明かされてはいない。




    彼女たちは『魔術師』と呼ばれる。
    特徴は大きく分けて2つ。1つ目は女性にしかその力は使えない事。
    もう1つは誰でもその能力があるわけではなく、親の遺伝でもない事。
    偶然と運命によって、彼女たちはその能力を死ぬまでずっと、持ち続けるのだ。














    さて、話は戻り。
    城が校舎であるという変わった学校(もう場所からしておかしい)の名前は、
    『私立魔法学術専門夜神学園』。難しい名前なので、よく『夜神学園』と言われる事が多い。
    名前の通り、魔術師専門、専用の学園の事で、一般の普通庶民は入れない。
    普通の人が暮らす世界とは隔離されたそこは、完全寮制。完全に浮いている場所だ。















    簡単にその学園について説明しておこう。



    学年は全部で3学年。なぜなら舞台となる『夜神学園』は高等部だから。
    初等部や中等部、大学はかなり離れた場所に建てられているが、全て『夜神学園』だ。
    同じようなつくりの校舎で、それら4校を結ぶと四角形が出来上がる。
    北、西、東、南にそれぞれ建てられているからだ。



    クラスは火星・水星・木星・金星・土星の5つ。惑星になぞらえてつくられた。
    毎年クラス替えがあり、くじ引きで決められるのだ。
    クラス対抗で行われる体育祭や文化祭、音楽祭などのイベントもある。
    特にどのクラスがどうたら、という事はない。










    魔術師達は基本、2つまでの能力しか持てない。1つか、2つかだ。
    2つであったとしても、どちらかが弱く、片方の能力を主に自分の属性とする。
    だから、その片方の弱い属性の魔術は普段はあまり使わない。
    稀に両方の属性が均等に強い魔術師もいるが。




    魔術の属性、と先ほど説明したが、属性は以下のものがある。
    火術、水術に地術、雷術、氷術、治術。そして特異術。
    特異術とは、他のどれにも当てはまらない属性の魔術の属性だ。
    治術は治療の能力で、医者に多い属性である。
    他も話の中で分かる人も、字を見て大体は分かる人もいるだろう。






















    最後にーーーーこれは、魔術師の世界と学園を舞台にした話である・・・・・・・。







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▲[ 6052 ] / ▼[ 6054 ]
■6053 / 1階層)  爽やかな風
□投稿者/ 慈雨 一般人(2回)-(2009/07/10(Fri) 23:10:03)
    ざわざわとざわつく学校内、綺麗な花びらが美しく咲き誇る3本の桜の大木。
    森林の木の中にも、鮮やかな花や実を付けている木もある。



    4月の雲1つない青空の下、高等部の入学式が行われていた。
    今頃、初等部や中等部、大学の入学式も行われている頃だろう。
    みんな穏やかに、嬉しさと期待と不安を抱えながら頑丈な高等部の門をくぐる。
























    「もー、聡希!貴女遅刻しちゃうわよ!」





    そんな中、約2名が慌しく高等部へと向かっていた。
    どちらも魔術師なのか、魔術師なら誰もが出来ないと魔術師ではない魔術、飛術で向かっている。
    飛術とは空を自由に飛べる術で、他にはちょっとした物を浮かばせたりできるが、簡単な事しかできない。
    他の大技は、1つ前の話に入れ忘れていた風術の属性の魔術師が使える。







    1人は薄いグレーのパンツスーツに、胸元には鮮やかな赤い薔薇のコサージュ、黒いタイツに綺麗な新品の白いハイヒール。
    細かいウエーブをつくっている背中までの茶髪、茶色い瞳。格好からして母親らしい。
    名前は篠槻御影【シノツキ ミカゲ】。34歳の若さで美人ママである。



    もう1人は制服である黒いブレザーに、淡い青いシャツに、胸元には赤いリボン。
    グレーを基調としたチェック柄のスカートに、黒いニーハイとローファー。
    母親譲りなのか、茶髪の癖のあるセミロングに茶色い瞳。
    名前は篠槻聡希【シノツキ サトキ】。15歳、今日から高校生だ。









    急いでスピードをかなり出して飛び、何とか式には間に合った。
    ギリギリで体育館に入り、自分の席を見つけて座った。母親たちは後ろでカメラやビデオを構えている。












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▲[ 6053 ] / 返信無し
■6054 / 2階層)  爽やかな風
□投稿者/ 慈雨 一般人(3回)-(2009/07/10(Fri) 23:17:03)
    式では初等部から歌っている校歌や、校長が校則や伝統や方針を適当に簡単に述べる。
    あまり普通の学校とは変わらない入学式だ。








    来賓の挨拶や祝辞の紹介、新入生と在校生の挨拶や教師の話が終わると、遂にくじ引き・・・・クラス決めだ。
    1人1人がくじを引いて、後で各自自分の教室に向かうのだが、教室に入るまで担任教師は秘密にしてある。
    生徒数も多いため、かなり時間をかけて決められる。








    聡希が引いたのは、火星。初等部からの付き合いの人が多く、特に緊張もしない。
    誰と一緒なんだろう、マシな奴がいいなって思うくらいだ。








    長い長い入学式が終わった後、聡希は火星の教室、高等部1年生の教室が並ぶ、1番奥の教室に向かった。

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