□投稿者/ 慈雨 一般人(2回)-(2009/07/10(Fri) 23:10:03)
| ざわざわとざわつく学校内、綺麗な花びらが美しく咲き誇る3本の桜の大木。 森林の木の中にも、鮮やかな花や実を付けている木もある。
4月の雲1つない青空の下、高等部の入学式が行われていた。 今頃、初等部や中等部、大学の入学式も行われている頃だろう。 みんな穏やかに、嬉しさと期待と不安を抱えながら頑丈な高等部の門をくぐる。
「もー、聡希!貴女遅刻しちゃうわよ!」
そんな中、約2名が慌しく高等部へと向かっていた。 どちらも魔術師なのか、魔術師なら誰もが出来ないと魔術師ではない魔術、飛術で向かっている。 飛術とは空を自由に飛べる術で、他にはちょっとした物を浮かばせたりできるが、簡単な事しかできない。 他の大技は、1つ前の話に入れ忘れていた風術の属性の魔術師が使える。
1人は薄いグレーのパンツスーツに、胸元には鮮やかな赤い薔薇のコサージュ、黒いタイツに綺麗な新品の白いハイヒール。 細かいウエーブをつくっている背中までの茶髪、茶色い瞳。格好からして母親らしい。 名前は篠槻御影【シノツキ ミカゲ】。34歳の若さで美人ママである。
もう1人は制服である黒いブレザーに、淡い青いシャツに、胸元には赤いリボン。 グレーを基調としたチェック柄のスカートに、黒いニーハイとローファー。 母親譲りなのか、茶髪の癖のあるセミロングに茶色い瞳。 名前は篠槻聡希【シノツキ サトキ】。15歳、今日から高校生だ。
急いでスピードをかなり出して飛び、何とか式には間に合った。 ギリギリで体育館に入り、自分の席を見つけて座った。母親たちは後ろでカメラやビデオを構えている。
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