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Nomal 破壊的衝動【1】 /響 (10/03/07(Sun) 23:20) #6218
Nomal 破壊的衝動【2】 /響 (10/03/08(Mon) 00:00) #6219


親記事 / ▼[ 6219 ]
■6218 / 親階層)  破壊的衝動【1】
□投稿者/ 響 一般人(1回)-(2010/03/07(Sun) 23:20:06)
    「はぁッく・・・・・ン・・・・・ッ」



    蜜がたらりと太股を伝うのでさえ快楽で、身震いした。
    静かな深夜の部屋にやけに響くモーター音も、また快楽で。
    冷たい蔑むような目でじっと見つめられるのも、自分だけ熱に浮かされるのも。
    ・・・・・例え相手が、何もしてくれなくて自分で行為をしていても。
    全て、今の自分の脳と身体には快楽としか伝えられない。



    「・・・・・んなに楽しい?」



    相手の腹部に跨って自分で愛撫を施すその姿を見て、どう思ってるんだろうか。
    緑の畳の上に寝転んだ相手の上で帯を解いて着物の前を開いて誘う。
    そんな自分の淫らで変態な醜態に、相手は少しでも心動かされているんだろうか。
    ちらりと見やった相手の顔は、やっぱり冷ややかで無表情な顔のままだった。
    それが余計にそそられる、というか、興奮材料に成り代わる。
    自分でも呆れるほどに穢れた厭らしい身体なのは、百も承知だけれど。



    「ねぇ・・・・も、ヤってよッ・・・・・」


    「面倒臭いからヤダ」


    「お願いッ・・・・もう限界なの・・・・ッ!!!」


    「はぁ・・・・ったく、ちょっとは自重とか自制とかってモンを覚えたら!?」



    何十分も自分1人で煽ろうと奮闘していたのが実を結んで、相手が折れた。
    頭がゴツッと音が鳴るぐらいに思い切り回転させられて、畳に押し倒される。
    押し倒された畳は、ずっと相手が寝転んでいた場所だから生暖かくて。
    それも何だか気持ちが良くて、また奥の方から新しい蜜が滲んだ。

























    情事後、荒い呼吸と火照った身体を落ち着かせるように、2人で畳の上に寝転ぶ。
    さっきまでいた場所は温かくて気持ちが悪かったから、端の方へとずれて。
    代わりに、さっきまでいた場所には脱ぎ散らかした自分の着物と帯が放ってある。
    赤い着物と赤い帯をしばらくの間見つめて、また隣の方へと視線を向けてみる。
    そこには仰向けで、瞑想をするように目を瞑った安らかな寝顔のような顔があった。
    実際は寝てなんかないことは分かっていたし、また寝れないのもまた分かっている。



    「・・・・疲れた。歳かな」



    自分は乱れていないくせに、そんなことを低く呟く相手に笑みが自然と零れた。
    一生懸命喘ぎ過ぎたせいでひりひりとした違和感を抱える喉は、多分声が掠れたことを知らせる。
    身体のあちこちが痛くて、ああ自分も若くないんだなあ、と密かに思った。
    自分とは違ってきちんと洋服を着ている相手から視線を外して、木の天井を見上げる。



    「激し過ぎでしょ、身体痛い・・・・」


    「誘うそっちが悪いでしょ、」



    相手――――亜希にそう文句を言うと、そうやって答えが真横から返ってきた。
    確かに、亜希が外から帰ってきた瞬間に抱きついてキスして誘ったのはこっちで。
    申し訳ございませんね、と言うと、全然申し訳なくない、と返ってきた。
    そんな亜希にもつい自然と笑みが零れて、くすっ、と小さく口元だけで笑った。
    亜希はそんなこっちの様子をじっと見つめていて、眉間に薄い皺を寄せた。



    「・・・・・何」


    「ううん、何でもないんだけど」


    「・・・・・変なの」



    まだ眉間に皺を寄せてむっとした顔をしている亜希の方を向いて、首に腕を絡めた。
    突然の出来事に口が半開き状態の亜希に笑いかけて、顎を引いて上目遣い。



    「またシたくなっちゃった」


    「だから、ちょっとは我慢ってモンを身に付けなさいって、」



    はあーと呆れた顔で溜息を吐いてくる亜希も、別に嫌ではなさそうな顔をしている。
    微妙に乗り気で自分の顔の横に両手を付いて上に被さってくる亜希に笑いかけた。


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▲[ 6218 ] / 返信無し
■6219 / 1階層)  破壊的衝動【2】
□投稿者/ 響 一般人(2回)-(2010/03/08(Mon) 00:00:54)
    「ッ、ふぅッ・・・・もっとッ・・・・あきぃ・・・ッ!!」


    「うっさい、煽んな馬鹿」



    そう言われてガリッと噛み付かれたのは、再び亜希に組み敷かれている自分の鎖骨。
    首の後ろに両手を回しているせいで、鎖骨が通常よりも浮き上がっているから。
    容赦なく熱を持った熱い口内で噛み付かれて舐められた鎖骨は、他の場所よりも熱を灯す。
    赤い歯形を付けた亜希は満足そうににやりと唇を吊り上げて、更に奥の方へと指を侵食させた。
    亜希にじっと見つめられるだけで感じる身体は、嬉しそうに指を3本も飲み込む。



    「ハッ、とんだ淫乱だね」


    「あ、きにだけっ・・・・・あああああッ!!!!!」



    軽蔑されたような、身体と心とは反対に冷たい目で見下ろされて、呆気なく果てる。
    果てて、また犯されて侵食されて刻まれて、また果てて、犯されて侵食されて刻まれて。
    繰り返し続ける、別に子供が出来るわけでも何もない無意味で無駄なその行為。
    これが男と女なら子供が出来るだろうけど、生憎女と女では子供を残せない。
    それでも2人で夜中に、朝を迎えるまで貪るように貪欲に求め合って続けていく。
    いつの間にか気を失ったのか寝てしまったのか、目を覚ますと朝になっていた。
    親切に毛布が掛けられた隣には、既に出掛けて行ったらしく亜希はいない。



    「・・・・亜希」



    亜希と同棲し始めてもう1年以上、もうすぐ確か2年目ぐらいになってしまうと思う。
    付き合い始めてならもう3年はなるのに、未だに亜希が昼間何をしているのか分からない。
    絶対主婦や浮気ではないんだろうけど、帰りが夜遅くなったりするのもしばしば。
    そんな亜希を仕事をしていない自分が昼間にじっと1人で待つのが、恋人としての役割的なこと。
    掃除や洗濯をして、自分の昼食を作って、買い物をして、亜希の分と2人分の夕食を作って。
    亜希が帰ってくれば一緒に夕食を食べたり、テレビを見たり、一緒にお風呂に入ったり。
    それでまた夜に昨日と一緒なように愛し合ったりすることが、週に約5回はある。





    起き上がって身体中痛みを感じながらもダイニングに行けば、朝食があった。
    朝食はいつも早く出て行く亜希が作ってくれるのが、自然と当たり前になっていた。
    ラップの中で冷め切ったテーブルの上の洋風の朝食を食べている、着物を着た和風の女。
    自分でもすごく可笑しくて変な光景だろうとは思うけど、変える気は全く皆無。
    食べ終わって汚れた皿をキッチンで洗うと、ぼうっと雨が降る外を眺めた。
    しとしとと鬱陶しい、じめじめする細い雨を眺めていると、こっちまで何だか暗い気分になる。
    視線を慌てたように外すと、窓から離れてすることもなく何となくでテレビを付けた。



    『今朝5時半過ぎ、南座総合病院で女優の今井桃香さんが28歳という若さで亡くなりました・・・・・』



    難病だったか何だったか忘れたけど、病気で長い間入院していた女優が亡くなったらしい。
    写真や出演していたドラマや映画の映像が流れるテレビを眺めながら、亜希を想った。
    リビングのテーブルの上には、忘れたらしい亜希がいつも吸っている銘柄の煙草の長方形の箱。
    その上に置かれた一緒に忘れられたらしい銀のZIPPOを手に取って、何度も火を点ける。
    真っ赤に揺らめく炎を見つめながら、煙草を吸って煙を吐き出す亜希の姿が浮かんでくる。
    そんな頭の中が亜希だらけ、亜希しかいない自分は相当惚れ込んでいるんだと思う。



    「・・・・ありえない」



    自分に呆れながら、まだ眠たくてソファーに寝転がってそっと目をきつく瞑った。




















    『続いてのニュースは、人気モデルの中条絵里さんが入籍していたニュースです・・・』
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