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■7909
/ 親記事)
義姉 (ご挨拶)
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□投稿者/ Honoka
一般人(1回)-(2016/12/14(Wed) 12:13:18)
2016/12/14(Wed) 17:28:26 編集(投稿者)
2016/12/14(Wed) 16:03:24 編集(投稿者)
2016/12/14(Wed) 12:20:54 編集(投稿者)
初めまして、Honokaと申します。
人に読んでもらうための小説を書くのは初めてです。
ですので、矛盾や描写の不足など至らない点が多々あるかと思います。
ご指摘、ご感想などいただけましたら幸いです。
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■7910
/ ResNo.1)
Re[1]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(2回)-(2016/12/14(Wed) 12:14:06)
2017/01/26(Thu) 16:24:30 編集(投稿者)
2016/12/14(Wed) 17:28:58 編集(投稿者)
2016/12/14(Wed) 12:24:47 編集(投稿者)
「えっと、衣類はこれで良しと。後は…。」
部屋の真ん中に座って纏めた荷物を指差しつ呟く。
壁にかけたハンガーに吊るされた真新しい高校の制服。
私の名前は笹山 唯、4月から高校生そして寄宿舎での生活が始まる。
ママと二人で生活してきたこの家に染み付いた匂いとも後三日。
独り立ちといえばかっこいいのだけれど、ママと別々に生活するのはやはり寂しい。
荷物の整理の手を止め、ぼんやりと眺める窓の外。この景色ともさようなら。
二階から見える公園の桜はちらほらとほころび始めていた。
トントンと階段を登って来る足音に部屋の中に意識を引き戻される。
「唯、準備は出来たの。」
「まだ、でもあと少し。」
「もう高校生だものね、この間までヨチヨチ歩いていたのに。」
「一体いつの話をしてるの、ママ。」
二人の笑い声が響くのも後三日。
改まったように、真顔になり座りなおしたママの様子に手を止める。
「あのね唯、一つだけ話しておきたいことがあるの。」
「なに、いまさら改まって。」
「あっちの家からの勧めなんだけどね、ママ結婚しようと思うの。」
あっちの家―――
ママを囲っていた男の家、三年前に亡くなったその男が私の父親。
華族の流れを引く旧家でこの地方の有力者。
私たちの生活費は全てあの家から出ているし、私の進学先もあの家から指定されたお嬢様学校。
私が拒否したところでどうせママの結婚は押し切られることになる。
だからママを安心させようとありったけの笑顔で答えた。
「私は大丈夫だから、ママの好きにすれば良いよ。」
高校の三年間そして大学に進学すればさらに四年間は寄宿舎暮らしになるのだし、
ママが良いのならそれで構わない。
「ねえねえ、どんな人。」
「内緒。でも優しくてかっこいい人だから大丈夫よ。」
結局それ以上詳しいことは聞かずに三日後に私は高校の寄宿舎へ入った。
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■7911
/ ResNo.2)
Re[2]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(3回)-(2016/12/15(Thu) 10:54:29)
入学式はお嬢様学校にありがちな堅苦しいものだった。
国歌斉唱から始まって校長先生の長い祝辞と続く。
式が進むに従い其処此処で舟をこぐように頭が前後に揺れる。
あと少しと欠伸をかみ殺した。
「続きまして、在校生を代表して生徒会長から歓迎のご挨拶。」
司会進行の言葉に退屈な式ももうすぐ終わりだと姿勢を正す。
そのとき後から微かなざわめきが聞こえた。
何かあったのかと盗み見るように振り返って息を呑んだ。
すぐ脇をハニーゴールドの髪を揺らして颯爽と長身の美人が通り抜けていく。
真っ直ぐ前を見詰めて歩く其の姿はまるでランウェイを歩くモデルのように自信に満ちていた。
退屈な入学式の空気ががらりと変わり、私も含め新入生全員が演壇に向かう生徒会長の姿に目を奪われた。
演壇に上がった生徒会長はマイクの前に立ち青い瞳でゆっくり私達新入生を見渡してから、
「新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
生徒会長のイリーナ・ミロノワです。
……。」
ありきたりの挨拶なのに誰一人として欠伸などせず演壇に見入った。
入学式が終わった後教室へ移動する間、生徒会長のことで持ちきりだった。
式が終わった直後に誰某が生徒会長を追いかけようとして先生に怒られたとか、聞こえてくる。
午後は寄宿舎の規則などの説明のあと同室の先輩との顔合わせ。
そして各部屋へ散って各自の荷物の整理。
私が同室になったのは二年生、斉藤 由梨先輩。
自己紹介と雑談の後、荷物を整理しながら先輩に生徒会長のことを聞いてみた。
「彼女の父親は北欧出身のロシア系実業家。
日本に来てから生まれたそうよ、だから日本語も英語も話せるの。
親が多額の寄付をして三年前新しく理事に加わったらしくて、
そのうえ成績はダントツのトップ、運動能力も抜群であの容姿。
だから先生達からの信頼も厚くて、異例の二年生での生徒会長なの。
スーパーウーマンって言うところかしら。」
それから声を潜めて教えてくれた。
「渾名は『女神様』、万能で近寄りがたいから。彼女に言っちゃだめよ。」
確かに、入学式のあの姿は女神様の降臨そのものだと納得した。
何事もなく始まる平凡な高校の生活そして…、
ゴールデンウィーク明けにクラスの子が怪しい噂を聞きつけてきた。
「ねぇねぇ、この学校って百合が多いみたいで、私たち一年生が上級生や先生から狙われるらしいの。」
「え、それどういうこと?」
「だから女同士の恋愛やもっと過激なこと。肉体関係とか。」
「うそ〜っ。」
「その情報ほんとなの?」
「私の叔母さんがここの卒業生なの。十年ほど前なんだけど結構あったって言ってた。」
「ぇーっ、いやらしい。」
「でも、美人の先輩なら良いかなぁ。生徒会長とか…。」
「「あんたじゃ無理っ!」」
全員がいっせいに突っ込んだ。
「でも、唯みたいにおとなしくて可愛い子は狙われそうよね。」
「ぇ、私?」
「そうそう、数学の先生にしつこく質問されてたしね。」
「ああ、あれは私が間違えるから…。」
「意外と狙われてる…?、かもね。」
「「あははは、」」
談笑の輪の中に居たけれど、私は関係ない、そう思っていた。
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■7912
/ ResNo.3)
Re[3]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(4回)-(2016/12/16(Fri) 12:34:18)
6月に入ったばかりのある日の午後、授業が終わり廊下に出たところで上級生に呼び止められた。
「笹山 唯さんですね。」
「あ、はい。」
「生徒会室に来てください、生徒会長が待ってます。
確かに伝えましたからね。」
それだけ言うと、ぽかんとする私を残し背を向けて去っていく。
生徒会長が私に何の用…、思い当たる事は何一つない。
でも、名指しでの呼び出しには何か理由があるはず。
クラスの友達には用事が出来たと伝えて生徒会室へ急ぐ。
頭の中は混乱するばかり。
生徒会室の前で、とにかく落ち着こうと深呼吸してから扉をノックした。
「笹山です。」
「待っていたわ、どうぞ。」
返ってきた生徒会長の声。
口から心臓が飛び出しそうになるほど緊張して扉を開けた。
「失礼します。」
「扉はちゃんと閉めてね。」
部屋には生徒会長だけ。
女神様の微笑みが私を出迎えた。
窓からさす日差しに金色のオーラを纏った碧眼が私を値踏みするように見詰める。
「これから宜しくね。」
何のことだか判らず固まった。
「ぇ、ぁ、あの…。何の、ことでしょうか。」
おずおずと尋ねれば、青い瞳に笑みを湛えたまま、
「あら、ご自宅からご連絡が届いていると思ったのですが。」
問うように零された言葉に、はっと気づく。
昨日届いたママからの手紙をまだ開封していない。
「思い当たることがおありのようね。確認していただけませんか、私は暫くここ居ますから。」
ほとんどパニックだった。生徒会室を後にしたとき扉を閉めたかどうか記憶にない。
途中で誰かに声を掛けられたような気もするけれど其れどころではなかった。
寄宿舎の部屋へ戻り机の引き出しに仕舞っていたママから届いた封書を取り出す、
その手が震えていた。
引用返信
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■7913
/ ResNo.4)
Re[4]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(5回)-(2016/12/16(Fri) 12:37:03)
ママの手紙は衝撃的な内容だった。
『唯、元気にしていますか。
唯が家を離れる直前に話した結婚の話が正式に纏まりました。
式の日取りは7月21日です、だから夏休みに入ったらすぐに帰ってきてください。
それから新しい家族の名前を連絡します。
父親 ロラン・ミロノワ 47歳
長女 アンナ・浅間 23歳 既婚
次女 ライサ・ミロノワ 20歳 大学三年生
三女 イリーナ・ミロノワ 16歳 高校二年生 (唯と同じ高校です。)
勉強頑張ってね。
綾乃 』
青天の霹靂、頭の中は真っ白。
あの生徒会長が、私のお姉さんに…、なる。
もう一度読み返してから手紙を引き出しに押し込み、すぐに生徒会室へ取って返す。
彼女にどう返事するかなど考える余裕もなく生徒会室の扉をノックした。
「笹山です。」
「どうぞ。」
返事の言葉が終わらぬうちに扉を開け、部屋の中に滑り込んだ。
生徒会室の中へ二三歩足を進めててから慌てて戻り扉を閉める。
先ほどと同じ女神様の微笑みが待っていた。
「母から手紙が届いていました、宜しくお願いします。」
真っ直ぐ見つめる青い視線に耐えられず、耳まで真っ赤にして頭を下げ床に視線を落す。
「頭を上げてください、堅苦しいことはやめましょう。」
穏やかな声で促されて頭を上げた。
「はいっ。」
其の後の会話は上の空、しどろもどろだったこと以外さっぱり覚えていない。
用事を終えて生徒会室の扉を閉める其の隙間から小さく聞こえた生徒会長の声。
「可愛い…。」
生徒会室の扉の脇の壁に凭れて落ち着こうと深呼吸していてはたと気づいた。
クラスの皆に知られたら大騒ぎになる…。
ど、どうしよう。
引用返信
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■7914
/ ResNo.5)
Re[5]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(6回)-(2016/12/17(Sat) 13:34:25)
そのうち皆に知れ渡ることはどうしようもない。でも、今はダメ。
とにかくママの結婚式が終わるまでは隠し通そう。少なくとも夏休みまで…。
其れまでは私が口を滑らせなければバレない、そのはず。
そう心に決めて重い足取りで寄宿舎に向かった。
部屋へ戻るとすぐに布団にもぐりこむ。
具合が悪いのかと同室の先輩が気を使ってくれたけれど、疲れただけだからと体を丸めた。
頭の中で女神様の微笑みがぐるぐる回る、眠れるわけがない。
やっと寝付いたのは明け方近く、翌日の授業はほとんど耳に入らなかった。
「唯どうしたの。具合でも悪いの?」
隣の席の子が気づいて心配そうに声を掛けてくれた。
無理やり笑顔を作り、
「大丈夫。ちょっと疲れただけだから。」
私の様子に先生も気づき保健室へ行くように勧められた。
寝不足なのは間違いないから先生の勧めに従って保健室で休むことにした。
ベッドに横になり悶々としているうちに睡魔に誘われいつの間にか眠りに落ちた。
目を覚ましたのは保健室に西日が差し始めた頃。
気配を察したのか、担任の先生の顔がカーテンの隙間からそっと覗く。
放課後に私の様子を見に来てくれたのだそう。
「笹山さん、大丈夫?」
「はい。ゆっくり休めたのでずいぶん楽になりました。」
申し訳なさに目を伏せたまま返事した。
口をつぐんでいるわけにもいかず、ママの結婚の話だけ先生に伝えた。
「そうだったの。」
納得したような先生の言葉にほっとして保健室を抜け出した。
それからの毎日は教室の隅で静かにすごすようになり、
うっかり口を滑らせないよう口数も減った。
生徒会長ともあれ以来顔を合わせていない。
しかし生徒会室での女神様の笑みが頭を離れない。
だから勉強に身が入るわけがない。
結局一学期の成績は散々で、赤点すれすれの最悪の結果。
担任の先生から補習を受けることを勧められたが、ママの結婚式があるからと辞退した。
「勉強を教えて上げるからいつでもいらっしゃい。」
先生の優しい言葉に生返事をして職員室を逃げ出す。
明日から夏休み、何とか一学期を乗り切った。
でも、二学期が怖い…。
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■7915
/ ResNo.6)
Re[6]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(7回)-(2016/12/18(Sun) 13:04:46)
久しぶりに家に帰ってママの顔を見たとたん涙が溢れた。
抱きついた私に面食うママ、私の涙を見て抱きしめてくれた。
しかしママの最初の言葉は、
「一学期の通知表を見せて頂戴。」
一瞬で顔が青ざめた。
おずおずと差し出した通知表を見てママの顔が見る間に険しくなる。
それからしばしお説教タイム、小言が終わるまでじっとうなだれた。
ひとしきり怒られた後、生徒会長のことを説明したら、
「あら、素敵なお姉さんね。勉強教えてもらえば良いじゃない。」
あっけらかんと言われて二の句が継げなかった。
其処へさらに追い討ちがかかる、
「ママは新しいパパと暫く海外に行くから、新しいお姉さん達と仲良くしてね。
あなたが大学を卒業する頃には戻ると思う。」
唖然。
( わ た し は ど う す れ ば い い の … )
それから結婚式までの4日間は怒涛のような忙しさ。
主を失うこの家は、あっちの家のほうで処分するそうだ。
新しい父親や姉達との顔合わせは生徒会長が気を使ってくれて、
とても和やかな雰囲気で終わった。
ものすごいお金持ちで美男美女ばかり、絵に描いたようなセレブ。
私が其処に加わるのはあまりにも場違いに思えた。
当然、結婚式は信じられないほど豪華。
あっちの家のほうからも参列し全て取り仕切っていた。
これが政略結婚なのだと納得した。
結婚式が進む宴会場の外でビジネスの話が平行して進んでいた。
式の終わった後、控え室でママと話をしていれば其処に加わって来る生徒会長ことお姉さん。
「イリーナさん、唯を宜しくお願いします。」
「はい、こちらこそ。」
「もしよろしかったら唯の勉強を見てやっていただけないかしら。
一学期の成績がねぇ酷かったの。」
楽しそうに話ながら、ちらとこちらを向くママの視線に目が泳いだ。
「唯さん、夏休みのご予定は決めておられるのかしら。」
「いえ、何も…。」
そう首を横に振れば、お姉さんの顔が嬉しそうに綻ぶ。
女神様の笑みだ。
「私は別荘で過ごす予定なの、唯さんも一緒に来ませんか。
宿題のお手伝いも出来ると思います。」
「まぁイリーナさん、ありがとうございます。
唯、素敵なお姉さんにしっかり教えてもらいなさい。」
私が返事をする前にママに決められてしまい仕方なく、
「お姉さん、宜しくお願いします。」
そう答えて頭を下げる。
嫌な予感がした…。
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■7916
/ ResNo.7)
Re[7]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(8回)-(2016/12/19(Mon) 12:50:16)
2017/01/22(Sun) 15:35:12 編集(投稿者)
二日後、ママは新しいパパと一緒に海の向こうに旅立って行った。
私は姉と一緒に一旦寄宿舎に戻り、荷物を纏めてから別荘へ向かうことにした。
翌朝、黒塗りの車が学校の裏門の前で待っていた。
「おはようございます、お嬢様。」
紺色のワンピースの女性が車の脇に立ち頭を下げる。
「おはよう木下、妹も一緒だから宜しく。」
「はい、伺っております。」
着替えを詰め込んだ鞄を彼女が車のトランク運んでくれた。
姉に促されるままに後部座席に収まれば、ゆっくりと走り出す。
「木下はうちのメイド。別荘に居る間は彼女が掃除洗濯から料理まで全てしてくれるわ。
だからのんびりすごしましょう。唯の勉強は私がみてあげるから。」
今までとはまるで違う世界へ足を踏み入れたのを実感した。
高速道路へ入りスピードを上げる車、スモークの入った硝子越しに見える山々。
つい無口になって景色を眺める私を見詰める青い瞳。
私の緊張を解そうと他愛のない話をしてくれるものの、姉はまだ女神様だった。
日が傾き始めた頃に着いたのは高原にある素敵な別荘、周りの景色は最高。
周囲は大自然、本当の山奥。
メイドが恭しくドアを開けてくれる。
「お疲れ様でした、お嬢様。
山奥ですのでお出かけの場合はお申し付けください。
それから出来るだけ建物の外へお出にならないようお願いします。
熊が出ますので、特に夜はご注意ください。」
熊の一言に固まる。
後で聞いたのだけれど、お隣まで山道を車で30分掛かるらしい。
当然スマホは圏外で繋がらない。
「唯、景色を見に行きましょう。」
姉に手をとられて別荘の中に足を踏み入れれば広い吹き抜けのロビーになっていた。
脇の階段から二階へ上がり広いリビングを抜けて連れて来られたバルコニーは以前の私の部屋より広かった。
其の向こうに広がる壮大なパノラマ。
「凄い…。」
景色に見惚れて手すりに体を預けた私に。
「下を見て御覧なさい。」
「きゃっ。」
下を覗いて思わず手すりから一歩飛び下がった。
別荘の裏は真っ直ぐに落ち込んだ崖で、深い渓谷になっていた。
くすくすと声を上げて笑う姉に思わず頬を膨らませれば、
「ごめんなさい、そんなに驚くとは思ってなかったの。」
姉の屈託のない笑顔に釣られるように笑った。
二人で一緒にお風呂で汗を流し、向かい合わせに夕食のテーブルにつく。料理は美味しかった。
美しい容姿に気後れはするものの、次第に私の中で女神様は姉へと姿を変え始めていた。
夕食のあと少しだけ宿題を見てもらい何事もなく一日が終わるはず…だった。
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■7917
/ ResNo.8)
Re[8]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(9回)-(2016/12/20(Tue) 12:35:33)
2017/02/21(Tue) 21:01:37 編集(投稿者)
2016/12/20(Tue) 13:14:56 編集(投稿者)
時計は夜10時を指していた。
「そろそろ休みましょう。
荷物は寝室に運んであるから。」
姉に案内された寝室はキングサイズの豪華なベッドが一つだけ。
部屋の隅には姉と私の荷物が置かれていた。
「そっちのクローゼットを使って。私はこっちを使うから。」
「あ、あの。このベッドで、一緒に…?」
「そうよ、寝室はこの部屋だけだから。」
目が点になった。
私が姉と同じベッドで寝るということ。
それって、百合…。
クラスでの噂話を思い出すだけで耳が熱くなる。
「どうしたの、顔が赤いわよ。」
「え、ぁ、大丈夫…です。」
姉に背を向け、鞄を開いてパジャマを出し着替え始める。
視界の端でふわりと霞のようなものが揺れ、思わず姉のほうを見て…固まる。
薄いネグリジェに透ける見事なプロポーション。其処に下着はなくお尻の谷間までくっきりわかる。
「唯、どうかした?」
「あの、下着は…着けないんですか。」
「ええ、いつも裸で寝てるわ。今日は唯と一緒だからこれだけでも着てみたの。」
くるりと優雅に回る見事な肢体。ふわりと薄絹が円錐形に開く。
( わ っ ! )
こちらを向いた姉の股間も乳首も透けていた。
「あら、そんなに気にしなくても…。それとも、見たいのかしら。」
「い、いえそんな…。」
慌てて後ろを向いた私の背後でさらりと姉が呟いた。
「私は学校でも下着は着けてないの。だって締め付けられるのが嫌だから。
入学式の挨拶のときも、唯を生徒会室へ呼んだ時もそう。」
絶句。
( 女神様のイメージが … こ わ れ る 。 )
後ろを向いたままできるだけ意識しないようにして、パジャマに着替えたものの、
ベッドへ行こうとすれば、横たわる見事な肢体がどうしても目に入り視線のやり場に困る。
面白がるようにじっと私を見詰める姉の顔に浮かぶ女神様の笑み。
視線を逸らしたままベッドに上がり、背を向け端っこで丸くなる。
「可愛い…。」
背後から聞こえた小さな呟き。
「そんなに隅にいないで真ん中にいらっしゃい、落ちるわよ。」
そっと袖を引かれたが、背を向けたまま隅っこで眠りにつく。
案の定、夜中にベッドから落ちた。
引用返信
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■7918
/ ResNo.9)
Re[9]: 義姉
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□投稿者/ Honoka
一般人(10回)-(2016/12/20(Tue) 19:58:26)
翌朝、寝室に差し込む朝日の眩しさに目覚めた。
午前中は宿題を見てもらいながら、私の判らないことを姉に教えてもらう。
理解できていないポイントを丁寧に説明してもらい、目から鱗が何枚も剥がれ落ちる。
こんなつまらないところで躓いていたのかと頭を抱えた。
午後は車で少し遠出して景色の良い川縁でちょっとしたピクニック。
別荘に戻ってきたのは日が傾き始めた頃。
「唯、先にお風呂に入って、私もすぐ行くから。」
「はい、お姉さん。」
一足先に浴室のシャワーブースでのんびり汗を流す、気持ちよかった。
浴室の入り口に背を向けていたのとシャワーの水音で姉が入ってきたのに気づかなかった。
気配を感じて振り返ったときにはシャワーブースの前に姉が立っていた。
色素の薄い均整の取れた肢体を隠そうともせず、女神様の微笑みが私を見詰める。
其の股間は私と同じく無毛で、幼女のようにつるんとしていた。
大人の色香と幼さのなまめかしさを兼ね備え、
蠱惑のオーラを纏って青い瞳に熱を浮かべ。
「私ずっと妹が欲しかったの。だから唯が妹になってとっても嬉しい。」
思わず後ずさりした背中が堅い壁に突き当たる。
シャワーの中へ踏み込んくる見事な白い肢体。
「唯、抱きしめさせて。」
長い腕に腰を絡め取られ、お湯に濡れた白い肌が柔らかに押し付けてくる。
間近に迫って来る美しい顔は金色に縁取られ、それが僅かに傾ぐ。
ファーストキスだった。
重なる柔らかな唇の感触は、
心まで蕩けてしまいそうなほど艶かしかった。
( 女神様に、く ち び る を う ば わ れ た )
間近に見える女神様の笑みに浮かぶ誘惑の色、
思考も意思もショートしてしまい何も考えられない。
押しのけようと両手を肩口に押し付けるものの力が入らない。
離れる唇、触れ合う鼻先。
「やめて、お姉さん。」
「可愛い、唯。」
頬を撫でる吐息はどこまでも隠微。
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■No7917に返信(Honokaさんの記事) > 2017/02/21(Tue) 21:01:37 編集(投稿者) > 2016/12/20(Tue) 13:14:56 編集(投稿者) > > 時計は夜10時を指していた。 > > 「そろそろ休みましょう。 > 荷物は寝室に運んであるから。」 > > 姉に案内された寝室はキングサイズの豪華なベッドが一つだけ。 > 部屋の隅には姉と私の荷物が置かれていた。 > > 「そっちのクローゼットを使って。私はこっちを使うから。」 > 「あ、あの。このベッドで、一緒に…?」 > 「そうよ、寝室はこの部屋だけだから。」 > > 目が点になった。 > 私が姉と同じベッドで寝るということ。 > それって、百合…。 > クラスでの噂話を思い出すだけで耳が熱くなる。 > > 「どうしたの、顔が赤いわよ。」 > 「え、ぁ、大丈夫…です。」 > > 姉に背を向け、鞄を開いてパジャマを出し着替え始める。 > 視界の端でふわりと霞のようなものが揺れ、思わず姉のほうを見て…固まる。 > 薄いネグリジェに透ける見事なプロポーション。其処に下着はなくお尻の谷間までくっきりわかる。 > > 「唯、どうかした?」 > 「あの、下着は…着けないんですか。」 > 「ええ、いつも裸で寝てるわ。今日は唯と一緒だからこれだけでも着てみたの。」 > > くるりと優雅に回る見事な肢体。ふわりと薄絹が円錐形に開く。 > ( わ っ ! ) > こちらを向いた姉の股間も乳首も透けていた。 > > 「あら、そんなに気にしなくても…。それとも、見たいのかしら。」 > 「い、いえそんな…。」 > > 慌てて後ろを向いた私の背後でさらりと姉が呟いた。 > > 「私は学校でも下着は着けてないの。だって締め付けられるのが嫌だから。 > 入学式の挨拶のときも、唯を生徒会室へ呼んだ時もそう。」 > > 絶句。 > ( 女神様のイメージが … こ わ れ る 。 ) > > 後ろを向いたままできるだけ意識しないようにして、パジャマに着替えたものの、 > ベッドへ行こうとすれば、横たわる見事な肢体がどうしても目に入り視線のやり場に困る。 > 面白がるようにじっと私を見詰める姉の顔に浮かぶ女神様の笑み。 > 視線を逸らしたままベッドに上がり、背を向け端っこで丸くなる。 > > 「可愛い…。」 > > 背後から聞こえた小さな呟き。 > > 「そんなに隅にいないで真ん中にいらっしゃい、落ちるわよ。」 > > そっと袖を引かれたが、背を向けたまま隅っこで眠りにつく。 > > 案の定、夜中にベッドから落ちた。
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アップ可能拡張子=> /
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.jpg
/
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/.txt/.lzh/.zip/.mid
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