青い果実
沙羅さんからの投稿です。
今回は第一章。
主人公の先生、
綾乃って名前にしてくれたんです。
うれしいな♪
後ろから優しく抱きしめて、
そっとキッス・・・
・・・レズビアンって、す・て・き・・・
私もこんなビアンしてみたいなぁ♪
*第一章*
「すごくきれい・・・・・」
窓際からみえる夜景をみながら
梢はささやいた。
さっき生まれて初めて飲んだ
ブランデーのせいか
顔がほてってるように熱かった。
ソファに優雅に脚を組んで
腰をおろしていた綾乃が、
ゆっくり立ち上がるのが、
暗い窓ガラスに映って見えた。
「こうするともっときれいよ。」
綾乃の声が聞こえたとたん
部屋の中が暗くなった。
彼女が居間の明かりを消したのだ。
「ほんとため息がでるくらい、きれいですね。
こんなところで暮らしている先生がうらやましいです。」
梢が目の前に広がっている
夜の街を見渡しながら、
少女らしい感嘆の声を漏らした。
30階建てのマンションの
最上階からみる夜景は
梢を感激させるには
十分の美しさだった。
「気に入った?」
突然、綾乃の声が梢のすぐ後ろから聞こえた。
その吐息が、梢のうなじをかすかにくすぐった。
いつの間にか綾乃は、梢の背後から
寄り添うように近寄っていたのだ。
「あなたさえ良ければ、
いつでもこの部屋に
遊びにきてちょうだい。」
綾乃がどこか唄うようにささやくと
再びその吐息が、
梢のうなじをくすぐった。
その熱さからすると
綾乃の顔はさっきよりも、
梢に近寄ってきているようだ。
綾乃のつけている香水の香りが
梢の鼻孔に漂ってきた。
梢はかすかに身体を
こわばらせながらも、
この香水の香りに
ロマンチックでうっとりとした
気分に誘い込まれている
彼女自身に気づいていた。
綾乃の両手が、彼女の肩にそっと置かれ
梢はその身体を、
いっそう固くこわばらせた。
「あなたと一緒に、ここでこうして
夜の街を眺めることができるなんて、
思ってもみなかったわ。
凄く素敵な気持ち・・・・・
ねぇ、これからも、ちょくちょく
この部屋に遊びにきてちょうだい」
「かまわないんですか?」
梢がベランダ越しに夜の街の明かりを
見下ろしたまま、いかにも
可憐な少女といった風な、
か細い声で訊いた。
「もちろんよ。
あなたとお話できて、
私とっても楽しかったわ。
あなたは?」
「私もとっても楽しかったです。
本当を言うと、
今夜、先生からここに
遊びにくるように言われた時、
凄くうれしかったんです。」
「そう、良かったわ・・・・・
私もね、あなたが入部してきた時から、
一度、こんな風に打ち解けて
お話がしてみたいなって
思っていたの。
教師と生徒という、
堅苦しい壁なんか取り払って、
女同士としてね・・・・・」
綾乃の胸が、
いつの間にか梢の背中に
ピッタリと密着してしまっていた。
初めての味わう
柔らかな女性の胸の感触に
梢は顔を赤らめた。
「でも良かった、
今夜、お話してみて
あなたがとっても可愛くて、
素直な女の子だって
わかったんですもの。」
梢の肩に置かれていた
綾乃の手が、
半そでのブラウスを着ている
梢の腕を優しくなぞるようにして
下に滑り、手を包み込むようにして握った。
「ねぇ、あなた、
わたしをどんな風に
思ってくれてたの?」
「わ・私、先生に凄く憧れていたんです。
いえ、これは私だけじゃぁなくって、
テニス部の人たちみんな
そうだと思うんです・・・・・」
梢は身体をこわばらせたまま、
かすかに震えを帯びた
かすれ声で言った。
「だって、先生はとっても
エレガントで美しいのに、
きさくで優しいし、
私たち新入生だけじゃぁなくって、
学園中の人たちが
先生に憧れていますわ。」
「あら、あなたって
お世辞が上手なのね。」
綾乃の唇と熱い息が
梢の耳をくすぐった。
それと同時に
梢のほっそりした身体に
激しいおののきが走りぬけた。
「お世辞なんかじゃありません。」
「そう、嬉しいわ。
でも私は、あなたがテニス部に
入ってきたときから、
ずっと、あなたに憧れていたのよ。
なんてチャーミングで、
きれいな女の子なんだろうって・・・」
綾乃の手が、梢の手を
一層強く握り締め、
梢も無意識のように
おずおずとその手を握り返していた。
「だから私、今夜は凄く
感激しているの。
ほら、私の胸、
こんなにどきどきしているのが
わかるでしょう?」
綾乃は、梢の両手を握り締めたままで、
彼女の身体を後ろから
抱き包むようにしながら、
豊満な胸を、梢の背中に
強く押し付けてきた。
「あぁ・・・先生、
感激しているのは
わたしのほうです。」
梢は震えた声でそういうと、
綾乃に抱き包まれているその身体を
もう一度小鳥のようにおののかせた。
綾乃の唇が、今や
彼女の耳を軽やかにくすぐり続け、
背中に強く押し付けられた
豊かな乳房の感触と共に、
梢の身体の奥底に
夢見るような妖しいざわめきを
巻き起こしたのだ。
「本当に感激してくれてるの?」
「はい・・・」
「本当? うれしいわ。
ねぇ、私たち、今日から
仲のいいお友達同士になりましょうね。
学校やテニス部では、
教師と生徒。
でも、そんなことは関係ない、
ただの仲の良いお友達どうし。
・・・かまわないでしょう?」
「先生とわたしが、
友達同士だなんて・・・」
「お願い、いやだなんて言わないで。」
「そんな・・・なんだか
夢をみているようで
信じられないんですよ。」
「夢なんかじゃないわ。
あなたを今抱いているのは
間違いなく私よ・・・
ねぇ、この部屋にいるときは
梢って呼び捨てにしてもいい?」
目を閉じた梢は、
あるかなきかの感じで
小さくうなずいた。
「まあ、あなた、振るえているのね。
可愛いわぁ・・・
それに、身体が
こんなに熱っぽい。」
梢の細っそりした身体を、
背後から力一杯抱きしめた綾乃は
もう感に堪えられないような
熱っぽい震え声で、
「あぁ・・・梢・・・
返事をしてちょうだい。
梢・・・?」
と耳元にささやいた。
「は・い・・・」
梢が消え入るような
可憐な声で応えた。
綾乃は、そんな彼女の頬に手を添え、
その顔を優しく背後に振り向かせた。
「あぁぁぁ、先生・・・」
梢は小さくかぶりを振って、
何かを訴えようとしたけれど、
綾乃は、彼女にもうそれ以上は
言わせなかった。
綾乃の唇が、
梢の唇を塞いでしまったのだ。
唇が塞がっても、しばらくの間、
梢は弱々しくかぶりを振り続けていたけれど、
やがて、その動きも止まってしまった。
綾乃はそんな彼女の
固くこわばっている唇を
優しくむさぼり続けながら、
巧みに、その震えている身体を振り向かせ
力いっぱい抱きしめた。
震え続けている梢の身体が、
綾乃の腕の中でグッタリとなってしまった。
もし、綾乃が抱擁の力を抜いたなら、
可憐な少女は、そのまま膝から
崩れおちてしまいそうだ。
「今までに、キスしたことあるの?」
唇を離した綾乃は、
梢の顔を覗き込むようにしながら、
優しくささやいた。
明かりを消された部屋の、
暗がりの中にぼんやりと
浮かび上がっている梢の顔が
ためらいがちにかぶりを振った。
「じゃぁ、こんな風にキスされるの
私が、はじめてなのね?
嬉しいわ♪」
再び綾乃は、梢の唇に
彼女の唇をゆっくり重ねていった。
唇がまさに重なろうとする瞬間、
梢は、かすかに抵抗のしぐさをしめしたが
唇が重なってからは、もう
綾乃の唇を逃れようとするような気配は
全くみせなかった。
それどころか、梢は綾乃との接吻に
おずおずと応え始めたばかりでなく、
綾乃が彼女の唇の間に舌先を差し入れると
それを痛いくらいに強く吸い上げるのだった。
暗い窓際に立って、
抱き合った女性同士の接吻は
たちまちのうちに、
恋人同士のような
情熱的なディープキスに
変わってしまっていた。
「可愛い子・・・梢」
綾乃は、いとおしむ様に、
梢を強く抱きしめ
可憐な少女の唇を
求め続けていった。
ふいに梢は、
甘やかな喘ぎ声を漏らし始めた。
綾乃の手が、ブラウスの上から
彼女の乳房をゆっくり
揉みしだきはじめたのだ。
Continue