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■19670 / inTopicNo.1)  TIME ∞ LAG -U-
  
□投稿者/ Y ちょと常連(84回)-(2007/08/07(Tue) 18:14:41)
    2007/12/17(Mon) 02:39:33 編集(投稿者)

    こちらは続編になりますので、初めての方は

    【TIME ∞ LAG】

    のスレからお読み下さい(*^_^*)

    もうご存じの方は、引き続きお楽しみ下さい♪♪♪


    Y

    (携帯)
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■19671 / inTopicNo.2)  - 67 -
□投稿者/ Y ちょと常連(85回)-(2007/08/07(Tue) 18:32:37)
    『ほな、行ってくるわ♪
    まなみゆっくりして行きや〜?』


    と言ってルンルンで出て行くおかんに


    わけもわからず


    『行ってらっしゃ〜い………?』


    と見送るまなみ


    『お母さん、こんな時間からどこに行ったと?』


    「愛する人の元です。」


    『じゃあ、今の私と一緒だ。』


    そう言って、背伸びでキスをしてくる。


    『ケーキありますけど、食べますか?』


    とさっきもらったケーキの箱を開きながら聞くと


    『わーい!食べる〜。』


    と言って覗きこんできた。




    まなみは
    苺のタルトとモンブランでしばらく悩み、苺のタルトを選んだ




    私は食べる気がなかったのだが




    あまりにもまなみが悩んでいたから、モンブランをお皿に乗せてテーブルに運んだ。




    幸せそうに食べるまなみ




    私もまなみが気を使わないように一口、二口だけモンブランを口に入れて残していたら




    案の定




    【もう食べんと?】
    と、聞かれたので
    食べない意思を示すと、勿体ない!とペロっと食べ終えてくれた。


    『私ね、実はコーヒー苦手やったっちゃん。』


    「そうなんですか?」


    『うん、颯がさ、この前海で缶コーヒー買ってきてくれたやん?

    あの時から、飲める様になったと。』


    「食わず嫌いやったんですかね?」


    『ん〜…どうやか?

    今でもね、1人じゃ飲みきらんと。

    颯がおって、颯の淹れてくれたコーヒーはめっちゃ美味しいし落ち着くのに…

    今日、1人で飲んでみたらやっぱりダメやった。。。』


    「そうですか。」


    『私、颯と一緒なら好き嫌いなくなりそうやね!(笑)』


    「良い事じゃないですか。」


    『うん、嬉しい♪
    ありがとう、颯。』


    「いえ、私何もしてませんけど。」


    『あと。。』


    と何かを言いかけて、下を向くまなみ


    まつ毛…長いな。


    なんて考えながら、次の言葉を待っていると


    『これも…ありがとう。』


    と言って、さっき記入して確かテーブルに置いたままにしてあった臓器提供意思カードを差し出す




    その目はすごく穏やかで、幸せに満ち溢れていた。




    微笑み返して
    受け取ったカードを良く見ると、保護者同意記入欄にも署名と捺印がされていた。




    ……きっと
    さっきベランダに出てまなみと電話で話してた時にでも書いておいてくれたのだろう。

    (携帯)
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■19673 / inTopicNo.3)  - 68 -
□投稿者/ Y ちょと常連(86回)-(2007/08/07(Tue) 22:17:55)
    そして




    嬉しかったのは




    おかんが黙って書いてくれていた事よりも




    手渡されたカードに重ねられていた




    もう一枚の




    おかんの名前の臓器提供意思カードだった。




    いつの間に……




    もう一度見たまなみの長いまつ毛は濡れていて




    こぼれ落ちる雫がキラリと光る


    『泣き虫ですね。』


    と言うと


    『…虫じゃないもん。』


    と返ってきた。


    『否定する場所間違えてますけど。』


    「いつも颯が泣かせるんやん。」


    『泣いてる顔も可愛いですよ。』


    「やだよ、泣いたら目が腫れてガチャピンに似てるって言われるもん。」


    『ガチャピン、私好きですよ。』


    「これ、何の話?(笑)」


    やっと、笑った。




    でもやっぱり不安なのかな?




    いつもの笑顔よりは元気がない。


    『颯の顔見れて良かった…

    明日からの入院の準備せないかんけん、そろそろ帰ろうかな。』


    「そうですね。」


    顔色悪いな…先輩


    『浮気…せんでね(笑)』


    「できませんよ。」


    『颯、自覚ないみたいやけど…
    モテるんやからね。』


    「誰にですか。(笑)」


    『一年生とか、隠れファンクラブあるんやけんね。』


    「物好きもいるもんですね。

    あ…先輩もか。」


    『違うもん!』


    「大丈夫です。

    先輩しか見てませんし、見えません。」


    『今の颯、フランス人。』


    そう言って
    また力なく笑った。




    車が出発する時




    運転席の窓を開けてキスをした




    唇が離れて




    まなみが私の腕を掴む




    その力が次第に強さを増していくまなみの手




    その手を取って
    強く握り締めたまま




    もう一度




    深く、深く




    お互いの愛を味わうような、甘いキス。




    まなみの手は
    震えていた


    『先輩、私達は大丈夫です。』


    「……ん…っ。」


    『コレ、付けておいて下さい。』


    そう言うと
    私の腕につけていた時計を外して
    まなみの腕につけかえる。




    不思議そうな顔をしてそれを見つめるまなみ


    『これは、私です。

    私の生きている時間です。

    先輩にこれからの私の時間、全部あげます。

    一緒に生きましょう。』


    「…………颯。」


    まなみは何度も何度も【ありがとう】と言って泣いている




    やっぱり泣き虫。


    (携帯)
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■19674 / inTopicNo.4)  NO TITLE
□投稿者/ A 一般♪(1回)-(2007/08/07(Tue) 22:24:24)
    良すぎてまた感想書きたくなりましたッ!!笑))
    毎日読むの楽しみにしてますッ。頑張ってくださいッ。

    (携帯)
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■19675 / inTopicNo.5)  Aサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(87回)-(2007/08/07(Tue) 22:58:27)
    ありがとうございます(^O^)

    嬉しいです!!

    また書き込んで下さいね★

    (携帯)
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■19678 / inTopicNo.6)  - 69 -
□投稿者/ Y ちょと常連(88回)-(2007/08/08(Wed) 00:06:42)
    そしてまなみは




    自分が付けていた腕時計を外して
    今度はそれを私の腕につけた。


    『これでいつも一緒やね。』


    「そうですよ。

    せやから、怖がらなくて大丈夫です。」


    安心したのか、まなみは【また明日】と言って車を発車させて行った




    まなみがくれたシルバーチェーンの大人っぽい腕時計を触ると




    愛しさとともに
    言い表せぬ不安も襲ってくる




    本当に、検査入院なのだろうか。




    本当に、すぐ帰って来れるのだろうか。




    その時計が秒を刻むごとに、まなみが生きれる時間は減ってゆく。




    嫌や




    嫌や…




    失いたくない




    この時計の針を止めるわけにはいかない




    だから、絶対に離さない。




    震える体を
    むりやり煙草で静める。




    しっかりしろ、私。




    寝る前に
    一言だけの短いメールを送信する




    【送信メール】
    宛名:早川 まなみ
    件名:また明日。

    本文:愛してます。








    次の朝起きると
    まなみから返信メールが帰ってきていた




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :おやすみ★

    本文 :私の方が愛しとるもん♪
    颯、本当に色々ありがとう。
    もう、颯がおらん生活なんて考えられんよ(>_<)
    責任とってね☆(笑)




    はい、もちろんそのつもりですよ。




    学校に着くと、すごく久しぶりな気がした




    この週末が
    人生をガラっと変える程の濃い時間やったから




    夏休み明けの感覚に近いものさえ感じる




    教室に向かう廊下で




    奏音が後ろから飛び付いてきた


    『さくらおはよ〜!
    久しぶりやね!!』


    元気で何より。


    『はよ。』


    「今日試合見に行くけんねっ♪」


    『自分の試合あるやろ。』


    「だってぇ…先輩に会いたいもんっ!!」


    恋する乙女ってやつですか


    でもね、奏音ちゃん


    『先輩、今日から入院してはるから見に来てもおらんで。』


    「へ?!…入院?!



    『そ、入院。』


    「なんで…っ…?!
    亜也先輩、事故ったと?!」


    『事故ちゃうよ、検査入…………。』


    ……………………ん?




    今、この子なんつった?




    私の耳が正しければ




    確か




    【亜也先輩】




    って聞こえたんですが?

    (携帯)
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■19702 / inTopicNo.7)  NO TITLE
□投稿者/ れん 一般♪(6回)-(2007/08/08(Wed) 00:46:54)
    再再再再度言いますが、Yさん最高です!!


    何年振り?ぐらいの感動受けました!!

    そこら辺の小説や映画より断然いいです(≧∇≦)


    全然脱字とか気にしなくて大丈夫ですよ!!


    Yさんが納豆出来る作品が出来上がると良いですね。
    応援しています♪




    (携帯)
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■19711 / inTopicNo.8)  れんサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(89回)-(2007/08/08(Wed) 01:25:16)
    テストお疲れ様です♪

    そんなに褒めていただけるなんて思っていなかったのでカナリやる気が出ちゃいましたv(`∀´v)(笑)

    これからも引き続きお楽しみ下さい♪

    (携帯)
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■19712 / inTopicNo.9)  - 70 -
□投稿者/ Y ちょと常連(90回)-(2007/08/08(Wed) 02:02:54)
    『ちょっとさくらっ?!

    先輩どうしたと?!

    ねぇ!!』


    ちょっと待て




    整理してみよう。




    確かに私と奏音は
    お互いに好きな先輩の名前は使わずに




    【先輩】




    という名称で話を進めていた。




    奏音にライバル宣言をされた日




    『昨日2人きりやったんやろ?』
    と奏音に聞かれた私は




    てっきりその前日の夜にまなみと会った事やと思っていたけど




    奏音が言っていたのは
    おそらく、中止になったはずの朝練でたまたま2人きりになった亜也との事を言っていたんやろう。




    とにかく




    私は奏音もまなみの事が好きと思っていて




    まなみは私が亜也を好きだと思ってたんや。




    ははっ…
    そゆ事ですか。


    『ちょっとさくら〜!

    笑ってないで教えてよ!!!』


    「なぁ。」


    『何!?』


    「私と奏音の好きな人、違うと思うねんけど。」


    『…………え!?』


    「奏音が好きなんって、亜也先輩やろ?」


    『ちょっと…!!

    皆まで言わんでょ…っっ!!!』


    「あー…ごめんごめん。」


    『て事は…さくらの好きな人は違うん?』


    「違うで。」


    『そぉなん!?
    なんだ〜…凹んで損したっ。(笑)

    てか、じゃあ誰なん???』


    「まなみ先輩。」




    お互いの誤解を解いて




    私は、今のまなみとの状況を軽く話した




    話していて分かったんやけど




    どうやら
    奏音は、まだゆう先輩と亜也先輩が付き合った事は知らないみたいだ




    私がここで言うべきなのか…




    考えている内に


    『コノヤロウ、おめでとう!!!』


    と言って奏音は走っていってしまった。




    まるで自分の事のように嬉しがってくれていた奏音の笑顔を見ると




    何となく…胸が締め付けられた。




    恋愛は理屈じゃないし




    告白も本人同士の問題やから




    私がどうにかしてあげられる事ではない




    奏音がこれから歩こうとしている茨の道




    そして奏音がこれから背負う傷




    頑張れるだけ頑張って




    でも、それでもダメで




    羽がボロボロになってしまったその時が来たら




    やっぱり私は何もできないけど




    一緒に泣いて




    一緒に騒いであげよう。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19713 / inTopicNo.10)  - 71 -
□投稿者/ Y ちょと常連(91回)-(2007/08/08(Wed) 03:02:50)
    球技大会ってやつは




    言わば同じチームに
    経験者もいれば未経験者もいる、フリーマッチのようなもので




    そのチームの中でも
    【経験者】という立場の人間に9割の責任を委ねられて、同時に未経験のチームメイトからは絶大な信頼を得る。




    試合と言っても、相手チームに経験者がいなければワンマンショーみたいなもんやし




    フォーメーションなんてお構いなしで




    パスを出しても速攻でボールが戻ってくる




    まぁ、未経験者に何人がかりでマークされても抜けるからいいねんけど




    ボール触るの怖い〜なんて言って、ゲームが始まってから明らかに動いていない人もおる。




    そんな試合、私なら退屈過ぎて見るに耐えないのに




    ゴールを決める度に
    周りからは異常なほどの黄色い声が上がる




    それにしても
    一言物申す。




    【ディゾン先輩かっこい〜!!】


    【ディゾン先輩頑張って〜!!】


    【ディゾン先輩ナイッシュー!!】




    私の名前は違います。




    しかも良く見たら、亜也までもが爆笑しながら調子に乗ってディゾンディゾン言っている。




    そんな亜也を横目で睨むと、亜也はさっと柱の陰に隠れて
    手を合わせて【ごめん】のジェスチャーをしながら、いたずらな笑顔を浮かべた




    その隣では、見た事のないボーイッシュで小さい人がニコニコしながら手を叩いて笑っている




    あの人がゆう先輩かな?




    ペコっと頭を下げてみると




    両手をぶんぶん振って笑顔で頑張り〜!と言ってくれた。




    顔も雰囲気も
    確かに全然似てないけど




    子供みたいな笑顔は
    どことなく似ていなくもないな、と思った。




    試合は順調に勝ち進んで学年優勝した。




    一番何もしてなかった人達が、頑張って良かったね〜…と言いながら泣いていた。




    私は嬉しくも楽しくもなかったので、きっと無表情だったと思う。




    気持ちは、早くまなみの所に行きたい一心やったから。




    終わって
    優勝したチームで打ち上げするから来て、と誘われたが断った。




    一年生の子らが、何人かで携帯を持って
    【一緒に写真撮って下さい!】
    とやって来た。




    これか?まなみが言ってたのって…?




    それならやっぱり心配いりません。




    私の頭の中は
    あなたのものですから。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19714 / inTopicNo.11)  - 72 -
□投稿者/ Y ちょと常連(92回)-(2007/08/08(Wed) 05:37:25)
    学校を出る時に携帯を確認すると




    4通のメールが届いていた。




    一通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :颯♪

    本文 :おはよう!
    今病院に着いたよm(_ _)m
    今から早速検査やぁ〜。




    二通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :(T_T)

    本文 :なんやらかんやら沢山注射されて痛かった〜↓↓
    でも、これで午前中の検査は終わり♪
    颯は今頃試合かな??
    頑張ってねo(^-^)o




    三通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :………。

    本文 :病院食まずい……
    颯のご飯が食べたいょ。。(・_*)
    早く球技大会終わらないかなぁ…
    あ、そうだ!
    入院しているのは○×病院の503号室やけん♪




    そして四通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :無題

    本文 :今から詳しい検査するとこやけんまだ分からんけど……

    入院ちょっと長引くかも。。。




    というものだった。




    入院が長引く……?




    すぐにメールで理由を聞きたいけど




    なんか嫌な予感がするので




    とりあえず出来る限り早く病院に向かった




    無我夢中で走ってきたもんやから
    お見舞いの品を買うのを忘れた事を病室の前で思い出したけど




    一刻も早く顔が見たかったので
    とりあえずそれは後回しにして




    まなみの名前が書かれたプレートがあるのを確認し、ノックをした




    返事がない




    もう一度してみたけど




    やっぱり、ない




    ………そーっと引戸を開けると




    まなみは、白くて狭いベット眠っていた




    窓が開いていて




    入ってきた暖かい風に髪がなびいている




    お昼と夕方のちょうど真ん中




    黄色い光に包まれたまなみは




    昨日の夜と何も違わないのに




    腕に繋がっている点滴の管や




    心拍数を示す機械の音があるだけで




    なんだか急に弱々しく見えた。




    きっと私からの返信メールをずっと待ってたんやろう……




    手には、携帯を握り締めたままだった




    ごめんな。




    寂しかったやんな。




    ベット脇にある小さな丸椅子に座って




    そっと頭を撫でてみる




    触れた瞬間に
    喉の奥が熱くなって
    涙が出そうになった。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19715 / inTopicNo.12)  - 73 -
□投稿者/ Y ちょと常連(93回)-(2007/08/08(Wed) 06:45:52)
    でも
    もし今、私が泣いてしまってまなみが起きたら




    きっとビックリさせてしまうやろうから




    きっと不安にさせてしまうやろうから




    ぐっとこらえて、撫で続けた




    起こしたくはないけど




    まなみの声が聞きたい




    まなみの手は温かいし




    まなみの心臓が動いてくれてるのは、機械音が教えてくれているから




    生きているのは分かってる




    分かってんねん…




    分かってんねんけど………




    今すぐに




    まなみの少し茶色い目を見ながら【愛してる】と言いたい




    まなみの甘くて落ち着いている声で【愛してる】と言ってほしい




    想いが伝わったのか




    まなみが目を覚まし
    私を見て微笑む


    『ただいま。』


    私がそう言うと


    『おかえり。

    待ちくたびれて、寝ちゃった。』


    と笑う、いつものまなみがそこにいた。




    まなみの声は




    世界で一番優しい音。




    きっと
    どれだけ傷ついたって




    まなみがいてくれれば
    ただそれだけでも、傷みは和らいでいくだろう。


    『具合は、どうですか?』


    「まぁまぁ、かな。」

    『苦しいですか?』


    「うん…

    颯の事が好き過ぎて、苦しい。」


    『それなら

    私も先輩と同じところが苦しいですから、ここに入院させてもらえませんかね?』


    「そしたら、私達すぐ退院できるね(笑)」


    『そうですね。

    入院…長引きそうなんですか?』


    「そうなんよ。

    やっぱり今、あんまり良くないみたいっちゃん………。

    颯にドキドキしすぎて、刺激が強過ぎたんかな?(笑)」


    『最近、連日私が遅くまで付き合わせてしまってましたもんね。

    …すみません。』


    「なんで颯が謝るとよ?!
    違うけん…!!」


    『退院したら、お詫びとご褒美でハワイ連れて行きますよ。』


    「本当?!
    うわぁ〜俄然やる気出たっちゃけど♪」


    『だけど、先輩。

    頑張り過ぎないって約束して下さい。

    あと、隠し事はナシですからね。』


    「はぁ〜い!

    ねぇねぇ♪颯の水着って何色〜??
    私さぁ〜黒が着たいっちゃんね♪退院したらキャナルに買いに………」


    ま〜喋る喋る……




    本当に分かってるんだか。。。。(苦笑)




    まぁ…でも
    愛する人が嬉しそうな顔を見るのは




    この上ない幸せだろう。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19716 / inTopicNo.13)  - 74 -
□投稿者/ Y ちょと常連(94回)-(2007/08/08(Wed) 08:25:15)
    時間は
    あっと言う間に過ぎて



    面会時間の終わりが刻一刻と近付いていた。




    まなみからもらった時計で時間を確認していると




    まなみも腕につけている私があげた時計を見て微笑んでいる




    食べたい物を聞くと




    【颯のお弁当】




    と言ったので




    明日は、学校が終わって一回家に戻り
    お弁当を作ってくる約束をした




    面会終了時間10分前




    2人の甘〜い時間に
    すべり込む様に病室に入ってきたのは




    今日、笑顔で手を振ってくれたゆう先輩だった。


    『よ♪ねーちゃん生きとる??(笑)』


    とま〜えらい軽い感じで登場するなり


    『あ!ディゾンちゃんや〜ん♪(笑)

    あれ、おいらお邪魔しちゃった感じ?(笑)』


    と、一瞬にして病室の空気が変わる。


    「結希…。

    ディゾンじゃない!
    颯やけん!
    そして邪魔!!」


    『お、それプリンを買ってきたおいらにも言える?(笑)

    それにしても颯ちゃん…近くで見たら余計綺麗やね〜!!』


    と、私の顔をえらい近くで覗き込みながら




    プリンを持った手を
    まなみの前でブラブラさせている




    まなみはそのプリンを奪って


    『それとこれとは別!!』


    と言ってプリンを抱き締めた




    私は黙ってそのやりとりを眺めていた。


    『ごめんね…。』


    とまなみが謝ってくる


    『いいえ。』


    と頭を横に振りながら笑っていると


    『ねーちゃん、今日の球技大会での颯ちゃんばりかっこよかったけん♪

    一年生に写メ撮られまくりのキャーキャー言われまくり!!

    しかも、優勝☆」


    すると、まなみは一瞬不安そうな顔を浮かべて私を見て


    『やっぱりぃ……。

    ほら、私の言った通りやったやん…。。』


    と、いじけている。


    『キャーキャー言われてたのは私じゃなくて【ディゾン】でしたけどね。』


    と言うと、結希が


    『確かに!』


    とケラケラ笑っていた。




    すると、見た目40代手前位のナースが病室に入って来て


    【はい、面会終わりよ〜。】


    と、私達に告げた。


    『は〜い…

    あ、清水ちゃん!
    この子がさっき言ってた颯だよ!!』


    と言って、突然まなみが私をそのナースに紹介する。


    『あ〜ら、本当に美人さんやね〜♪
    初めまして、まなみちゃんの担当ナースの清水です、よろしくね。』

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19719 / inTopicNo.14)  Re[2]: NO TITLE
□投稿者/ a passer 一般♪(1回)-(2007/08/08(Wed) 23:05:14)
    確かに読みやすくて,
    読者の喜ぶ…展開,主人公のキャラ,容姿…ですけど,
    そこら辺の小説には勝てないと思いますけどね。
    そこら辺といってもプロはプロ,
    お金になる文章書いてる人です。
    この掲示板で努力していけばプロになれそうかな,と思うのは,
    果歩さん,つちふまずさん,あおい志乃さん,れいさん,
    辺りなんじゃないかなァ。
    自分が思うには。

    ディゾン好きなんで楓は応援してるけど。
引用返信/返信 削除キー/
■19720 / inTopicNo.15)  - 75 -
□投稿者/ Y ちょと常連(95回)-(2007/08/08(Wed) 23:25:08)
    『初めまして、櫻井 颯といいます。

    あの…、まなみ先輩を宜しくお願い致します。』


    と、軽く挨拶をして




    私とゆう先輩は帰る事に……




    【またあした、のキス】




    したかったんやけどな。。。




    まぁ…しょうがないか。




    帰り道に、結希から聞いた話だが




    まなみが【清水ちゃん】と呼んで慕っていたあのナースは




    まなみが初めて16歳で入院した当初からの担当ナースらしい。




    日の暮れた帰り道




    ゆう先輩は腕を組みながらゆっくりと歩く




    私は、その一歩後ろを歩く




    『颯ちゃん。』


    「…はい?」


    『最近ばり幸せそうばい、ねーちゃん。』


    「そうですか。」


    『ありがとう。』


    「とんでもないです。
    こちらこそまなみ先輩には感謝しきれない位です。」


    『あのさ。

    言おうかどうか迷ったっちゃけど…』


    「なんですか?」


    『今回の入院さ…

    本当は検査入院じゃないとよね。』


    まなみの笑う顔を見て
    どこかに消えていた【嫌な予感】が、一瞬にして蘇って




    足が止まり




    バクバクと心臓の音が頭に響く




    聞きたくない




    でも…聞かなければ。




    少し離れた結希との距離を埋める様に、少し早足で歩く




    また一歩後ろの位置まで戻って来て


    『全部、聞かせて下さい。』




    意を決した




    結希は一回こっちを振り返って私の目を見て




    私も逸らさずにその目を真っ直ぐ見る




    結希は小さく笑ってまた前を向き直して




    少しハスキーがかった声で
    静かに話し出した。


    「ねーちゃんさ、そろそろ限界近いみたい。

    発作の回数とかも増えとるみたいやし、安静にしとってもいつ何があるか分からんけん入院になったらしか。

    やけん…退院できる予定は、ない………っちゃん。

    ドナーも見つかる気配すらないし

    半年って言われよるけど……

    それも、多分……

    難しい。

    やけん颯ちゃん、心の準備はしといた方がいい。」


    そこまで言って結希は話すのをやめた。




    返す言葉が見つからない




    というか、まず




    理解ができない




    だから、涙も出ない




    例えまなみの命が半年と言われようが
    それよりも短いと言われようが




    愛する人がいなくなる心の準備なんて




    永遠にできるわけがない。

    (携帯)
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■19722 / inTopicNo.16)  a passerサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(96回)-(2007/08/08(Wed) 23:33:57)
    お気を害してしまったのであればすみません…m(_ _)m

    初めて文章を書くど初心者もので、確かにお見苦しい部分も多いかと思います…。

    ただ、作者としましてはプロを目指している訳でも、どなたかと張り合っているわけでもなく、ただ純粋に書きたい事を綴っているだけなので…どうか暖かい目で見守って下されば幸いです(^_^;)

    貴重な御意見、ありがとうございました。

    (携帯)
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■19725 / inTopicNo.17)  初めまして!
□投稿者/ かなっぺ 一般♪(1回)-(2007/08/09(Thu) 00:12:32)
    物語を読んだ感想は人それぞれだと思いますが、誰が何と言おうが私はこの物語が大好きだし、毎日更新を楽しみにしています!
    そしてきっと、私の他にもそんな人が沢山いると思います!
    ずっとロムってたんですが、私の思いも届けたくて書き込んでみました。
    心ない言葉なんかに落ち込まず、頑張って下さいね☆
    楽しみにしています!!
引用返信/返信 削除キー/
■19726 / inTopicNo.18)  - 76 -
□投稿者/ Y ちょと常連(97回)-(2007/08/09(Thu) 01:30:57)
    返事ができないまま




    2人の間には無言の時間が続く


    『じゃあ、おいらこっちやけん。』


    「あ、はい…すみません。」


    『ごめんね。』


    「なんでゆう先輩が謝るんですか?」


    『分からんけど…なんとなく。』


    「謝らないで下さい。」


    『うん、じゃあ。』


    またゆっくりと離れてゆく後ろ姿を




    ただぼーっと眺めていた。








    『あの…!』


    私は先輩を呼び止めて




    暗闇の中、街灯が照らすわずかな灯りの下でゆう先輩が振り向く




    『私、心の準備とかできません!

    というか、しません!

    私…諦めませんから!

    まなみ先輩が生きたいって頑張ってるのに、私が諦めたりできません!

    だから、ゆう先輩も諦めないで下さい!』




    こんなに大きい声を出したのは、一体どれくらいぶりだろう…




    少し間を置いて




    『そうやんね!ごめん!!じゃ〜ね〜!!』




    と言って結希は再び歩き出して行った




    暗くて、どんな顔をしているのかは分からなかったけど




    きっとゆう先輩も苦しいんやろう




    私は一人っ子やから
    姉を失うかもしれない辛さは分かってあげられへんけど




    でも




    大切な人を大切だと想う気持ちは




    万人に共通しているモノやろう。




    【愛】にはいろんな形があるというけど




    結局、元を辿れば
    【愛】は一つで




    だからこそ
    誰と誰が愛し合おうが




    それは自由なんやと思う




    固定観念なんて
    捨て去ってしまえばいい。




    だから




    【私とまなみに残された時間は少ない】




    なんていう前提で考えるのもやめよう




    気付いたら、走っていた




    弱気な自分を振り払うように




    ひたすら走って
    家まで帰った。






    (携帯)
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■19727 / inTopicNo.19)  かなっぺサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(98回)-(2007/08/09(Thu) 01:33:51)
    ありがとうございます☆

    最後まで書き上げますので、ぜひお付き合い下さい(*^_^*)

    (携帯)
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■19728 / inTopicNo.20)  NO TITLE
□投稿者/ あきら 一般♪(1回)-(2007/08/09(Thu) 02:13:48)
    ホントに文章力があってすごく読みやすいです!私も今先輩と付き合い始めて、こんなふうに愛せたらなって思います。すごく勇気づけられました☆

    (携帯)
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