ビアンエッセイ♪

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■20601 / inTopicNo.21)  - 135 -
  
□投稿者/ Y 一般♪(15回)-(2008/02/22(Fri) 03:22:05)
    「先輩、もう少し寝といて下さい。

    いくら寝てもちゃんと私ココにいますから。」


    『時間が勿体ないけん寝たくなぃ……。』


    ベット脇に座った私が
    きっと困った顔で笑ったのだろう


    『はぁい。。。』


    と言って
    頭まで布団に潜り込むまなみ。




    しばらくすると
    そっと目だけを出して


    『1時間したら起こしてね…?』


    と言うと
    目を閉じてまた眠りについた




    さ…私ももう一眠りするかな。




    ソファーに深々と座り
    足も手も組んで
    ゆっくりと墜ちてくこの感じ……




    もうすぐで現実世界を遮断する…
    という瞬間に





    トントン……


    『おはよ〜さん♪』


    ノック音とともに
    清水ナースの朝を告げる爽やかな声




    手には朝食のトレーを持っていた。


    「おはようございます。」


    ソファーから立ち上がり、トレーを受け取ると


    『なんね!?

    櫻井さんそんな所で寝たんね?!

    簡易ベットあるの分からんやった?(笑)』


    「あ、いや。

    さっきまで簡易ベットで寝かせていただいてました。

    ソファーは二度寝です…苦笑

    というか、宿泊許可本当にありがとうございました!」


    『いやいや、許可出したんは先生やけん私はお礼言われる筋合いないよ!

    まなみちゃん、喜んどったやろ?』


    「はい…想像以上にはしゃいでました。

    昨晩も興奮してるのかずっと喋っていたんで、実はまだ彼女そんなに寝てないんです(笑)」


    『私からしたらずっと喋っとーのはいつもと一緒やけどね!(笑)

    まなみちゃんは最初人見知りするタイプやけん、私以外のナースともなかなか打ち解けれんでねぇ。

    私が周りのナースにまなみちゃんには櫻井さんの話ふってみ!
    って教えて、実行してみた所大正解(笑)

    ただお陰様で、普段は寝ても起きても櫻井さんとの惚気話★

    独身のナースがね、櫻井さんなら格好いいけん私も抱かれた〜い♪…なんて冗談で言った時なんか…まなみちゃん真に受けちゃってそりゃも〜大変やったんばい!!!』


    そんなに毎日話に上がる程の話題性なんかないと思うねんけどな、私。


    「なんか…

    すみません。(笑)」


    すると
    清水さんは笑いながら


    『それまなみちゃん起きたら食べさせといて!

    あ、あと薬も忘れずに★』


    と言って部屋を出た。




    …………………




    「起きてるの知ってますよ、先輩。」

    (携帯)
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■20605 / inTopicNo.22)  - 136 -
□投稿者/ Y 一般♪(16回)-(2008/02/22(Fri) 04:25:31)
    顔は出さずに


    『やっぱり…?』


    という小さく籠った声だけが聞こえる




    そっと布団をめくってみると




    照れたような笑顔を見せて、起き上がった。


    「ご飯、食べれそうですか?」


    『んぅ〜…まだ入らんかな。。

    ちょっと気持ち悪くて……。』


    「え…大丈夫ですか?」




    まなみの横に座り、背中を擦ると




    頭を私の胸にコテン、と寄せて


    『なんで好きな人の手って楽になるんやろう。。。

    すごく楽……ありがとう。』


    「朝飯前ですよ。」


    『………ぷっ。

    颯もそんな事言うんやね(笑)』


    「あの…ボケたわけちゃうんで、そのスベッたフォローみたいなコメントやめてくれます?」


    『ふふ。

    あ〜幸せな朝……。』


    しばらく擦っていると、大分気分も良くなった様で




    スープを少しと
    果物を食べて、薬を飲んだまなみ。




    えらいえらい、と頭を撫でると




    一瞬
    してやったり顔をした後に、くしゃっと笑った。




    窓を開けると気持ち良い風が吹いてきて




    まなみを見ると
    遠い目で空を眺めていた。


    「先輩、散歩に行きましょう。」


    歩くというまなみを半ば強引に車椅子に乗せ




    病院の中庭へとやって来た。




    『気持ちいぃぃぃ〜!!

    やっぱ外はよかね〜♪』


    向日葵みたいな顔で笑うまなみ。




    自販機で買ったコーヒーと苺ミルク




    草の上に並んで座り
    やっぱり朝はこれでしょ、なんて言いながら幸福な時間を味わう。




    まなみの膝に頭を乗せて寝転んでみる。




    優しく頭を包み込んでくれる手




    まなみの匂い




    ご機嫌そうに鼻歌を歌うまなみの澄んだ声が、たまらなく耳に心地良く響く。




    「愛してる。」




    この世界で一番優しい歌が途切れない様に
    心の中でそう言うと




    鼻歌を終えたまなみが


    「私も愛してるよ、颯。」




    と言って私の頬を撫でた。




    究極の愛しい想いは
    言葉なくしても伝わるもんなんや……


    「ありがとうございます。」


    まなみを見上げると




    笑顔のまんま
    泣いていた。




    きっとこの涙には幸せと不安がぎっしり詰まっていて




    どうした?と私が聞いた所で




    言葉なんかじゃ説明できない心境だろう。




    今はただ
    何も言わず




    このまま抱き締められていよう。

    (携帯)
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■20606 / inTopicNo.23)  - 137 -
□投稿者/ Y 一般♪(17回)-(2008/02/22(Fri) 06:36:44)
    『颯。』


    「はい。」


    『今、私の事考えてる?』


    「はい。」


    『私も、颯の事考えよるよ。』


    「はい。」


    『ねぇ…颯。』


    「はい。」


    『死にたくない。』


    「…………うん。」


    『足りない、時間。』


    「うん。」


    『颯が、違う誰かを愛したら嫌だ。』


    「うん。」


    『耐えれんよ。』


    「うん。」


    『苦しいね。』


    「うん。」


    『不公平やね。』


    「うん。」


    『ひどいよね。』


    「うん。」


    『怖いね。』


    「うん。」


    『離れたくないね。』


    「うん。」


    『颯…寂しい?』


    「うん。」


    『毎日思い出す?』


    「うん。」


    『絶対忘れない?』


    「うん。」


    『颯がおばあちゃんになったら、私が迎えに来るけんね。』


    「うん。」


    『それまで、絶対死んじゃいかんよ?』


    「うん。」


    『せめて……』


    「うん。」


    『せめて、もう女の子とは付き合わんで。』


    「うん。」


    『本当に?』


    「うん。」


    『私、最後の女ってやつ?』


    「うん。」


    『ハワイ行きたいね。』


    「うん。」


    『でも、しょうがないけん別府温泉でもいいや。』


    「うん。」


    『外出許可出たら行こうね。』


    「うん。」


    『約束。』


    「うん。」


    『颯ってバイクの免許とか持っとーと?』


    「うん。」


    『中免?』


    「うん。」


    『へぇ〜!初耳!!

    んじゃ、私のバイクあげるよ。』


    「…うん?」


    『イカツいよ(笑)』


    「うん。」


    『ビックリしたい?』


    「うん。」


    『私、そのバイク半年前に衝動買いしたんやけど…まだ乗った事ないっちゃん。』


    「うん。」


    『だってね。』


    「うん。」


    『私、バイクの免許持っとらんもん。』


    「………うん。笑」


    『今、バカにしたやろ?』


    「うん。」


    『やっぱり!

    でもい-もん、後ろ乗れれば♪』


    「うん。」


    『私以外の女の子乗っけたら呪うよ?』


    「うん。」


    『嘘だよ。(笑)』


    「うん。」


    『愛してる。』


    「うん。」


    『愛してる?』


    「うん。」


    『そろそろ黙って欲しいやろ?』


    「うん。」


    『じゃあ…黙らせてみて。』


    「うん。」









    『キス……

    上手になったね。』

    (携帯)
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■20607 / inTopicNo.24)  - 138 -
□投稿者/ Y 一般♪(18回)-(2008/02/22(Fri) 07:26:28)
    いつの間にか
    もう太陽は高々と昇っていて




    部屋に戻り
    時計を見てみると
    もう11時を過ぎていて




    お腹が空いたので、病院の中にあるコンビニでサンドイッチを買ってきた。




    もうすぐまなみにも昼食が運ばれてくるだろうから




    そしたら一緒に食べよう。




    他愛もない会話を続けていると、部屋の扉がノックされた。


    『は〜い。どうぞ?』


    「お邪魔しま〜す!

    お〜まなみ〜♪
    ご機嫌いかが〜?」




    めっっっっさ
    聞き覚えのある声




    振り返ると
    そこにはおかんと森田さんの姿があった。




    『颯ママ!!
    来てくれたんや!!』


    「はい、これお見舞いな〜♪
    ど-せ病院食なんてまっずいやろうから、お昼ごはんにど〜ぞ。

    ここのカツサンドはイケるで〜!!」


    『わぁ〜ありがとう♪

    嬉しいね、颯!!』


    「おかん今から仕事?」


    『今日は検診してきたんや。』


    「どこで?」


    『ここでやんか。

    まさかまなみが入院してる病院が同じやとは思わんかったわ〜!

    これから検診の度に顔出すからな♪』


    「おかん通ってんのもここやってんや。

    ど-なん?弟は順調?」


    『毎日蹴られまくってるわ(笑)

    あんたん時は全く動かへんかったから初体験にビックリしてる!

    あ、せや。
    まなみ、この人が私の新しい旦那さん♪』


    「あ…颯から話は良く伺っていて、会いたいとずっと思ってました。

    初めまして、早川 まなみです。」


    『こちらこそお会いできて嬉しいです!

    森田です!!』


    「颯ママの事幸せにして下さいね?

    てか…颯の弟くん、もう7ヶ月やんね?!
    予定日はいつ??」


    『10月7日やで♪』


    「10月かぁ〜!

    見れるといいなぁ。。♪」




    一瞬……
    部屋の空気の間が崩れる




    「……あ…っ…ごめんなさい!!」


    一番に口を割ったのはまなみ


    『見れますよ。』


    とだけ言った私に
    まなみは

    「颯が見れるって言っとーけん、見れます♪」


    と、2人に笑いかける。


    そこからいくつかの取り留めのない会話をし、おかんと森田さんは笑顔でまたね〜、と帰って行った。




    (携帯)
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■20609 / inTopicNo.25)  やったぁ(^O^)
□投稿者/ いち 一般♪(2回)-(2008/02/23(Sat) 01:40:06)
    Yさん、更新ありがとうございます♪もう3回読み直しましたよo(≧∀≦)o
    続きが早く読みたい☆でも、終わってしまったら寂しいので、やっぱりYさん、ゆっくり更新してください(笑)

    (携帯)
完結!
引用返信/返信 削除キー/
■20610 / inTopicNo.26)  いちサン♪
□投稿者/ Y 一般♪(19回)-(2008/02/23(Sat) 05:01:17)
    ありがとうございます♪

    かなり書く気まんまんになりました(*^_^*)

    結末まではまだまだ時間がかかりそうです(笑)

    これからも色んな展開を考えつつ飽きられないように頑張ります☆

    これからも颯とまなみを宜しくお願いします(・ω・)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20611 / inTopicNo.27)  - 139 -
□投稿者/ Y 一般♪(20回)-(2008/02/23(Sat) 05:55:48)
    『気使わせちゃったな。。』


    と軽くヘコんでいるまなみに


    「あの人は少し位気を使う練習しなあかんから良いんです、人の親になんねんから。

    でも先輩、一つだけ。

    先輩は死なせません。

    どんな未来を描いたっていいんです。

    どんな希望を持ったっていいんです。

    私が必ず叶えてみせますから。」


    『もう人の親やんっ…!

    確かになんか颯の方がお母さんっぽいけど(笑)

    颯の言葉ってさ、温かいね。

    私、本当に怖くなくなるんよ?』




    固く、固く手を繋ごう




    いつか一つになれてしまうんじゃないかっていう位キツく。




    そして
    おかんが持ってきたカツサンドを2人で食べながら




    生まれてくる新しい命の話をした。




    『颯に似てるかな?』


    「ん-…どうでしょう。

    ハーフじゃない訳やし、元々私は母親似じゃないですからね。」


    『じゃあ似てないかな。(笑)

    森田さん…優しそうな人やったね。』


    「はい、おかんに絶対服従する日本犬って感じです。」


    『そう言えば…犬顔やね。』


    「顔ちゃいますよ。笑」


    『颯…一人で寂しくない?』


    「寂しいですよ。

    一人だからじゃなくて、先輩がいてないからですけどね。」


    『フランス人や…。』


    「甘いですか?」


    『うん、でも颯が言うと何故かいやらしくないというか…自然っちゃんね。』


    「そりゃ本音ですからね。」


    照れたのか




    食べかけのカツサンドを一気に頬張るまなみ




    案の定、噎せて




    顔を真っ赤にしていた。




    昼下がりの時間はゆっくりと流れて




    部屋に差し込む暖かい光があたるソファーで話しているうちに




    いつの間にか2人して昼寝をしていた




    肌寒くなって起きると




    外は赤一色で




    肩にもたれているまなみの顔に触れると、少し冷たくなっていた。




    タオルケットを取りに行こうと、頭をそっと上げてみたが




    目を覚ましたまなみが小さなあくびを漏らしながら




    寝ぼけ眼で私の名前を呼ぶ


    「ごめんなさい、起こしました?

    体が冷えてたんでタオルケット持って来ようと思ったんですけど、どうせならベットに移動しましょうか。」


    『くっついてたい。

    それにもう、眠たくないよ?』




    ふいに後から抱き付かれ




    時間差でまなみのぬくもりと香りがやってくる。

    (携帯)
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■20612 / inTopicNo.28)  - 140 -
□投稿者/ Y 一般♪(21回)-(2008/02/24(Sun) 04:06:40)
    背中から静かに




    ゆっくりと流れ込んでくる愛




    部屋中が幸せで満ち足りているのが分かる




    言葉なんていらない




    例えば
    目がみえなくなっても




    あなたの声が聞ければいい




    例えば
    耳が聞こえなくなっても




    あなたの顔が見えればいい



    もし
    どっちも失くしたとしても




    あなたと私がいればいい




    触れられれば
    それでいい




    本当にあなた以外なら
    自分の何を失ってもいいんだ




    「まなみ。」




    『………ぇ?

    今、まなみって……。』




    「愛してる。」




    『―……私も。

    心から愛してる。』




    私は振り返り
    強く抱き締める。




    その反動で
    一つに縛っていた髪が解けて




    まなみは床に落ちたゴムを拾い




    座って…と、私をベット脇の丸椅子に腰掛けさせたかと思うと




    いつかの様に
    手櫛でまとめ上げてくれた。




    ずっとずっと昔の様




    『よし、できた♪』


    「ありがとうございます。」


    『いいなぁ〜…颯はオールバックが似合って。

    私は富士額やし、おでこ広いしなぁ。』


    ベットの上で不満気な顔を浮かべるまなみ


    「オールバックって…。

    先輩も似合いますよ。」


    今度はまなみを丸椅子に座らせ
    予備でいつも腕につけていたゴムで同じようにまとめてみる。




    整った顔が良く見えて綺麗なのに




    なかなか目を見てくれないまなみに


    「こっちもめっちゃ綺麗ですよ。」


    と言うと


    『嘘やぁ…。』


    と更に俯く




    いつもの柔らかいフェミニンな感じもまなみによく似合っていて素敵だけど




    こういうクールな感じもそれはそれで本当に良い




    肝心な時に口下手なのは辛い。




    私は携帯を開き、カメラを起動させると




    「笑って。」
    と、まなみの横にならんでレンズを向けた




    カシャ…




    撮れた写真を見ると




    そこには
    慣れない堅い笑顔の私と
    照れ笑いのまなみが
    顔をくっつけていた。


    「ほら、綺麗でしょう?」


    『そうやかぁ…。

    変じゃない?』


    「全然。

    本当に素敵です。」


    『ん〜…颯がそう言ってくれるんやったらいっか♪』


    「そうですよ。」


    ここだけの話


    まなみは気にしているけど、この広いおでこが私は大好きだったりする。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20622 / inTopicNo.29)  - 141 -
□投稿者/ Y 一般♪(22回)-(2008/02/25(Mon) 17:04:39)
    今日は昼間に
    病院の夕食を抜いてもらう様に頼んでおいたので




    病院近くのお弁当屋さんで買って来た




    そして
    それを例の屋上のベンチで食べた。




    こんなに一日中喋っているのに
    なぜ話が尽きないのだろう。




    私はまなみと出逢ってから既に、去年一年分以上の言葉を発しているだろう。




    大阪の人間も熱いけど




    九州の人間もかなり温かい




    ほんまに、素敵な所やと思う。




    あまりに綺麗に浮かんだ三日月を見つけて




    二人に訪れた心地良い静寂




    ふいに私のパーカーの袖を掴んだまなみ




    その振動で
    手に持っていた煙草の灰が落ちる




    隣のまなみを見ると
    袖を持ったまま
    目を閉じている


    「どうしました?

    具合悪いですか?」


    『ん-ん、全然平気。

    なんか…なんでか自分でも良く分からんっちゃけど、颯が。。どっかに消えてしまいそうな気がしたと……。』


    「私がですか?」


    『うん……何故か今も嫌な予感みたいな感じで心臓がやけにドキドキしとって。。

    怖い…。

    どっこも行かんで…

    颯…どっこも行かんでね……?』


    そう話しながら
    まなみの手が小さく震え出し




    その内
    体全体を激しい震えに襲われている




    息も少し乱れ出して




    もはや一人では座っていられない状態に……




    私はまず
    まなみを膝に乗せてしっかりと抱き締め
    背中を擦りながら深呼吸をする様に誘導した


    「先輩、大丈夫ですからね。

    私ここにいますから。

    一緒に呼吸しましょう

    はい、ゆっくり息吸って…

    はい、全部吐いて…

    上手ですね
    すぐ楽になりますからね。

    もう一度ゆっくり息を吸って?
    吐いて……。

    もう一度…

    もう一度…。」




    徐々に震えがおさまり




    呼吸が整って




    『颯……。』




    と私を呼びながら
    ぐったりとしている





    私は、焦る自分を必死に抑えつけて
    出来るだけ穏やかな声でまなみに話しかけながら




    抱いたまま立ち上がり、急いで病室へと戻った。




    ベットに寝かせ
    ナースセンターに行って清水さんを探した。




    ちょうど巡回から帰ってきた清水さんが私に気付き




    どうしたと…?と私の顔を覗き込むなり、事態を察知して
    こちらの返答も聞かずにまなみの病室へと走り出した。


    (携帯)
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■20701 / inTopicNo.30)  NO TITLE
□投稿者/ みー 一般♪(1回)-(2008/03/04(Tue) 13:35:51)
    初めまして。楽しく読ませて頂いてます(^O^)楓がめっちゃかっこいいなって思いながら読んでます。
    これからも頑張って下さい(・ω・)応援してます

    (携帯)
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■20709 / inTopicNo.31)  みーサン♪
□投稿者/ Y 一般♪(23回)-(2008/03/05(Wed) 11:59:45)
    初めまして!
    コメントありがとうございます(*^_^*)

    颯が好きだと言ってもらえて嬉しいです♪

    なかなかの亀更新ぶりですが、気長にお付き合い下さい笑

    (携帯)
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■20713 / inTopicNo.32)  - 142 -
□投稿者/ Y 一般♪(24回)-(2008/03/06(Thu) 20:21:57)
    部屋に入り、手首を持って脈を取った清水さんは




    小さく息をついて
    私の方を振り返り




    『大丈夫よ。

    今は落ち着いて寝とるだけみたいやけん心配せんでよかよ。』


    そう告げた後
    念の為に血圧を測り、正常を確認すると
    部屋を出て行った。




    良かった……




    胸を撫で下ろしたはずなのに
    まだ頭に心臓があるかの様にバクバクいっている。




    私はまなみに近付き
    ベットに腰掛けて




    そっと一回頭を撫でた




    手が震えている




    心も同じように震えている




    私が猶予だと思っている【半年】なんてものは、あってないようなもので




    冷静に考えれば




    人間は皆
    明日を迎えられる保証なんてないのに




    少なくとも
    どこかであと半年は…なんて想いに固執して




    今2人が置かれている状況を受け入れる事を拒んでいたんやろう。




    それと同時に




    病気になってからの数年間
    ずっと一人で色んな葛藤と闘い続け




    毎日…また一つ新しい朝を迎えられた喜びをかみ締めて生きてきたまなみを




    私を必要だと言ってくれるまなみを




    愛してくれるまなみを




    今、この時を一緒に生きてくれているまなみを




    本当の意味で支える事なんて、きっとできていなかったんだろう。




    「ありがとう。」




    顔を近付けて
    唇が触れ合う寸前




    まなみの息が私の顔にかかる




    「……ありがとう、先輩。」




    目は開けたまま




    私達は重なる




    唇から伝わる温度




    柔らかい感触




    甘い匂い




    静かな息の音




    あなた独特の味




    五感全てがまなみで埋め尽されていく幸せ




    『……ん…っ。』




    うっすらと目を開いたまなみが




    更にまたその目を細めて微笑んだ後




    もう一度閉じる




    唇を離すと




    『もう終わり?』




    大人びた声が聞こえたかと思うと




    体の奥まで熱くなるキス




    『私…どんぐらい寝とった?』




    「ほんの少しですよ。」




    『本当に??

    ごめんね…今飲みよる薬、眠くなるっちゃん。。』




    「私、先輩の寝顔見るの好きですよ。」




    『……………

    寝込み襲うの好きですよ、の間違いやないと?笑』




    「誰かさんがエロい顔してるからでしょ。」

    (携帯)
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■20760 / inTopicNo.33)  あれ…?
□投稿者/ Y 一般♪(25回)-(2008/03/30(Sun) 06:47:04)
    \にコメントくれた方ホ

    文字化けしちゃってるので、良かったらもっかい時間がある時にでもコメント下さい

    (携帯)
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■20763 / inTopicNo.34)  ごめんなさいm(_ _)m
□投稿者/ いち 一般♪(1回)-(2008/03/30(Sun) 22:33:24)
    あの文字バケのメッセージは私ですホ
    いたずらじゃないので、Yさん、お気を悪くしないでくださいね!
    あの後もメッセージ入れたんですが、何故か文字バケばかりして…(+_+)
    PCサイトから入れてみます(^-^;
    颯とまなみの素敵な物語を楽しみにしていますので、Yさん、これからも頑張って下さいね!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20767 / inTopicNo.35)  いちサン♪
□投稿者/ Y 一般♪(26回)-(2008/04/05(Sat) 05:02:42)
    ありがとうございます(*^_^*)

    物語りに飽きられないように頑張ります★笑

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20824 / inTopicNo.36)  Yさんへ
□投稿者/ いち 一般♪(1回)-(2008/05/11(Sun) 01:52:49)
    お久しぶりデス!しつこい様ですが、更新、気長に待ってますので頑張ってくださいね(^∀^)ノ

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21115 / inTopicNo.37)  NO TITLE
□投稿者/ あき 一般♪(1回)-(2008/09/21(Sun) 00:43:56)
    続きが読みたいデス

    (携帯)
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■21150 / inTopicNo.38)  あきさんへ♪
□投稿者/ Y 一般♪(1回)-(2008/10/07(Tue) 01:58:37)
    今日本当に久しぶりにここに来たら、まだ読んでもらえてる事に驚きました(笑)

    ぼちぼちまた書いてみます☆

    コメありがとうございました(^-^)/

    (携帯)
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■21151 / inTopicNo.39)  - 143 -
□投稿者/ Y 一般♪(2回)-(2008/10/08(Wed) 09:03:15)
    そんな軽いジョークを交わしながらも、私の心の中はまだ薄暗い雲がモヤモヤしていた




    あんな風に少しの乱れでもこんなに心が騒ぐ




    もっと…もっと強くならなきゃな。




    『どうしたの?』



    心配そうな顔で覗いてきたまなみに




    「何でもありませんよ?」




    と笑顔を返すと




    『今日も颯のベットで一緒に寝たいなぁ…』




    なんて言いながら恥ずかしそうに俯いたまなみの照れ笑いが、少しこのモヤモヤを鎮めてくれる。




    でもさすがに昨日からまとまった睡眠を取れていないまなみの体が最優先。




    「風邪ひくといけないんでね…先輩。
    でも先輩が寝るまで必ず隣にいますから。」




    まなみが必要に心配されるのを嫌がっている事は知っているけど、私はまだどこかで奇跡を信じていたりする。




    万が一ドナーが見つかってくれたら…の時を考えても、これ以上体力を減らす様な事は避けたい。




    そんな私の全ての感情を悟ったかの様に、まなみは私を静かに胸に抱き寄せ、穏やかな声で言った。




    『颯がおってくれとるけん、私負ける気がせんよ?

    ありがとう。』




    私は何も言わず




    頷きもせず




    ただ大きく息を吸って、体中にまなみの匂いを流し込んだ。




    そして、まなみが羽織っていた桜色の薄手のカーディガンを脱がせ、ベットに寝かせてから、自分もその脇に腰をかけてまなみの頭に軽く手を置いた。

    (携帯)
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■21152 / inTopicNo.40)  - 144 -
□投稿者/ Y 一般♪(3回)-(2008/10/08(Wed) 10:03:43)
    二人の間に会話はない。




    お互いがお互いの愛を感じて、その気持ち良い苦しさの中にいた。




    いよいよ寝そうになったまなみの小さな頭が、私の膝に乗ってきて




    綺麗な横顔と、細い首筋にドキっとした。




    目を閉じたまま
    たった一言




    『幸せな夢が見れそう。』




    と、つぶやいたまなみは
    すぐに規則正しい寝息を立て始めた。




    私はまだしばらく
    その小さな頭の重みと温度を感じながら




    窓の外に白く浮かんだ下弦の月を眺めていた。




    気がつくと朝で




    下を向くと、寝る前と何も変わらず
    まなみの顔は膝に埋もれたままだった。




    まだ深い眠りの中にいるまなみの頭をそっと持ち上げ、枕に戻して布団をかけ直し、一服する為に屋上へ向かう。




    今日は少し風が強い




    ライターの火がなかなか点かずにいると




    『あの、良かったらこれどうぞ。』




    と、突然背後から声が聞こえて驚いた。




    振り返ると、そこには同じ年位の女の子がライターを差し出して微笑んでいた。

    (携帯)
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