| 2016/11/09(Wed) 14:57:45 編集(投稿者) 2016/11/09(Wed) 14:57:06 編集(投稿者) 2016/11/09(Wed) 14:56:21 編集(投稿者)
席を立ったコウちゃんの背中に
「ねぇ コウちゃん… 今夜 帰りたくない って言ったら困る?」
コウちゃんは 振り向きながら
「別に困りはしないですけど…」
続けて
「ウチ お客さん用のお布団しか用意してないんで 恭子さんは 自分と一緒のベッドになりますがそれでもいいですか?」
「えっ?」
「だって 恭子さんは お客さん じゃないでしょ(笑)」
「バカ…」
会話が途切れ 心地いい沈黙が流れた。
それを破ったのは
「ボチボチ休みますか?」
コウちゃんの気負いのないひとことだった。
「うん」
先に立ったコウちゃんに 声をかけた。
「コウちゃん!ありがと…やっぱ 今夜は帰る…」
コウちゃんは 驚くことなく
「そうっすか…」
「怒った?」
「いや全然 (^-^) 」
「…明日も会える?」
「ドアのカギはいつでも開いてます (^-^)」
「うん…」
玄関まで見送ってくれたコウちゃんに
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ドアノブに手をかけた時
「ちょっと待ってください」
「ん?」
コウちゃんは 何も言わずに 私を抱きしめて 耳元で囁いた。
「おやすみ のハグ っす」
「ハグだけ?」
少し からかいながら言うと…
コウちゃんは 私を離し そのまま…額に…
目が笑っていた。
「あたし 小学生の子どもじゃないんだけどなぁ…」
「すみません。当方 コレが精一杯のお子ちゃまなんで…」
「バカ…お子ちゃまに あんな優しいキスはできないよ」
軽く小突いてから部屋に戻った。
「ドアのカギはいつでも開いてます」
コウちゃんのこの言葉にウソは無く 本当に 開いている。
いつの間にか 私は 連絡も入れずに
「ただいま」と言いながら リビングに 入っていくようになった。
返ってくるのは 必ず
「おかえりなさい」
一緒に帰る日も 一旦 自分の部屋に戻ってから 必ず コウちゃんの部屋で お茶を飲むようになった。
帰る時は 「ハグ」と「おやすみのデコキス」…
コウちゃんの目は 笑っている…
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