ビアンエッセイ♪

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Nomal 漆黒の夜 /Kaoru (09/04/07(Tue) 13:54) #21349
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Nomal 感想 /みさ (09/04/27(Mon) 10:42) #21394


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■21349 / 親階層)  漆黒の夜
□投稿者/ Kaoru 一般♪(1回)-(2009/04/07(Tue) 13:54:34)


    この話は実話にフィクションを混ぜたお話です。

    ストーリーの進行状により一部少しだけ男性のような方が出てきますがトランスだと言う設定ですのでご了承下さい。


    kaoru

    (携帯)
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■21350 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(2回)-(2009/04/07(Tue) 13:55:39)




    キャバクラとは無縁だと思っていた。


    自分は、戸籍上女だし入れるわけがない。


    だけど、あの日ボーイが開け放った重いドアの向こうに、君は居た。


    夢と現実を分からなくさせる魅力の地。


    何も、男だけがキャバクラに魅了されるとは限らない。


    そんな僕と君の出会い。


    僕は


    君に


    恋をした。

    (携帯)
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■21351 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(3回)-(2009/04/07(Tue) 13:58:46)


    特別ルックスがいいわけでも、器用に生きてるわけでもない。

    仕事は会社員で、真面目に働き生き甲斐は、休日に友人と遊ぶこと。


    ボイリバ:ユズキ(22)


    それが僕で、僕と言っても体も顔も女だ。


    唯一、他人と違うのは僕がビアンだと言う事だけ。


    そんな、平凡な僕がキャバクラなんていう華やかな仕事に触れたのは、ある会社での飲み会だった。


    「ユズキ〜飲んでるか?」


    先輩のタツヤさんが絡んでくる。


    僕は笑顔で頷き、瓶ビールをお酌する。


    「こんな会社の飲み会なんてかったるいよな〜」


    タツヤ先輩は笑いながら何かを閃いた。


    「キャバクラにでも行くか?」

    この一言が僕の人生を変えた。

    元々、男勝りな僕はタツヤ先輩には薄々ビアンだと気づかれていた。


    僕は苦笑いしながらも期待していた。


    『先輩の奢りなら行ってみたいですね〜』


    「よし!決まりだ。社員50人も居たら二人くらい抜けても分かんないしな」


    タツヤ先輩がまず、宴会場から出て、5分後に僕が出た。


    既に二人はほろ酔いでテンションも高かった。


    「俺の行き着けでいーよな?」

    『任せますよ』


    宴会場である店から約10分であるビルに到着。


    エレベーターで5Fボタンを押し機械的な音を立てながら上へあがる。


    ここまでくると、さすがに緊張してくる。


    昔テレビで放送されていた水商売特集。


    キャバ嬢やホストがぶっちゃけトークをしたり、店の料金説明や店内を映し出す映像。


    お金がすごくかかる場所。


    その事が思い出される。


    「可愛い仔たくさん居るからなー惚れんなよ?」


    『ははっ。仕事じゃないですか〜営業には騙されませんから』

    「最初はそう思うんだよね〜営業課の田中はハマッてるらしいぞ〜」


    えぇ!?田中さんが?


    仕事は真面目だし、ルックスもそこそこで女子社員からもモテるのに!?


    キャバクラにハマる男は、モテない奴だけかと思っていた僕の方程式は見事に崩れた。

    (携帯)
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■21352 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(4回)-(2009/04/07(Tue) 13:59:52)


    「いらっしゃいませー」


    エレベーターが開くと同時に黒スーツに身を包んだお兄さんが笑顔で出迎える。


    「お二人様ですか?」


    タツヤさんは手慣れた感じで、指名はユウコでと告げた。


    ボーイが頷くとピンマイクで内容を伝達すると重たそうなドアを開く。


    薄暗い店内、ざわついた声。


    緊張はピークに達し、鼓動は早くなる。


    足を踏み入れると、中に居た別のボーイが先導しボックス席に案内された。


    「少々お待ち下さい。」


    周りを見渡すと華やかなドレスに身を包んだ女の子たちが楽しそうに客と話している。


    テーブルには様々なボトル。


    うわ〜マジで来ちゃった。


    そわそわしているとタツヤ先輩が、笑っていた。


    「俺は指名だけど、ユズキはフリーで入ったしたくさん代わる代わる女が横に座るから」


    フリーは、特定のキャバ嬢を持たない事。つまり誰でもいいよって感じかな。


    店にもよるが、たいていは10分〜15分で女の子が代わるらしい。


    そうこうしている内に、キャバ嬢が二人近づいてくる。


    「失礼しまーす」


    一瞬、香水の香りが鼻をかすめた。


    ユウコさんらしき人はタツヤさんの隣に。もう1人が僕の隣に座った。


    「ご指名ありがとうございまーす。会いたかったですよ〜久しぶりじゃないですか?」


    ユウコが笑顔でタツヤさんを見つめる。


    優しそうな雰囲気で、メイクはバッチリ、モロキャバ嬢。


    「初めまして〜マイカです。」

    僕の隣で見つめるキャバ嬢はマイカ。


    爽やかなイメージで、声もややハスキー。


    『よろしくです』


    「これ、名刺です。」


    渡された名刺の裏にはアドレスが書かれていた。


    「良かったらメールください」

    「あー、マイカちゃんこの子女だから営業してもダメだよ」


    タツヤ先輩が笑って手を横に振る。マイカは驚いて僕の胸を触る。


    「本当だ!」


    苦笑いしながら僕は会釈する。

    『先輩に連れられて来ました』

    「そっかぁ〜、水割りでいいかな?」


    僕が頷くと手際よくグラスにアイスを入れ鏡月を注ぐ。


    マドラーでカランカランと混ぜると出来上がり。


    差し出された焼酎を飲んだ。

    (携帯)
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■21353 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(5回)-(2009/04/07(Tue) 14:01:05)


    「どんなお仕事してるんですか?」


    『運送ですね』


    「え〜キツそうなイメージ」


    『毎日ヘロヘロですよ』


    マイカと仕事の苦労話に花が咲いた頃、黒服がマイカさんお願いしますと声をかけた。


    「今日はありがとうございます楽しかったです♪」


    ポーチを片手に持ちマイカは席を立つ。


    そういうことか。


    次に来たのは清楚な感じのキャバ。


    先ほどと同じように名刺を受け取り水割りを作られる。


    名刺にはアイと書かれていた。
    この時点で6杯くらい飲んだかな。


    酒に強くない僕はボーっとしていた。


    「大丈夫ですかぁ〜?」


    アイが僕の顔の前で手をひらひらさせる。


    『少し酔ったみたい』


    おしぼりで顔を冷やし、ぼやける視界を押さえた。


    「アイも実はお酒弱くって(笑)」


    『水商売してても強くない仔いるんですね〜』


    「たくさん居ますよ♪」


    『普段あまり飲まないし、でもせっかく作ってくれるからって…ついついペース上がっちゃって』


    「そんなことしてたらダウンしちゃいますね〜お酒作るの仕事だから気にしなくていいよ」


    アイは表情がコロコロ変わって楽しい。


    ユリカみたいだな…。


    僕はほんの少し昔を思い出し苦笑いした。


    「そろそろお時間なんですが、ご延長は如何なさいますか?」

    タツヤ先輩はチェックと言い会計を済ませた。


    一時間で二人、13500エン


    高いなぁ〜やっぱ。


    この時はそう思った。


    タツヤ先輩とは別のタクシーに乗り込み帰路に着くと時刻は午前一時を回っていた。


    水商売にハマったら終わりだろうなぁ〜。


    まぁそんな余裕もないか。

    (携帯)
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■21354 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(6回)-(2009/04/07(Tue) 14:06:46)


    毎日毎日仕事をして、帰るのは夜の22時過ぎ。ご飯を食べて眠るだけの生活リズムが僕にとってストレスだった。


    そんな折り、ビアン仲間のハイジ君から電話がかかる。


    「ユズキー?いつ暇?」


    『夜ならいつでも』


    「じゃあさ、明日飲みにいこ」

    『まさかキャバクラ!?』


    「いやいや、そんな高いとこ行かないから(笑)ラウンジだよ」

    ラウンジは指名とかが無く、ボトル入れれば何時間でも居れるらしい。


    キャバクラは時間制だから、ラウンジの方が安い。


    「お気に入りの子紹介するよ」

    最近僕の周りは夜の店に入り浸る人が多くなっていた。


    みんな、寂しいんだろうな。


    電話を切った後、何故かアイを思い出した。


    ユリカみたいに笑顔が可愛くて、見てるこっちが楽しくて仕方ない。


    また会いたいな…。


    いやいや、何を思ってるんだ僕は。


    これじゃあ営業課の田中さんと一緒じゃないか。


    その夜僕は中々眠れなかった。

    (携帯)
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■21355 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(7回)-(2009/04/07(Tue) 14:08:42)


    「よっ!」


    『こんばんわ〜』


    ハイジ君と合流したのは夜22時過ぎ。


    街のネオンが光り、僕らを眩しく照らす。


    幸いにも、平日のせいか人はまばらであった。


    「行きますか!」


    ハイジ君はスタスタと歩き、路地裏に入り込む。


    その背中を追い、僕も路地裏に消えた。


    繁華街から離れたその場所に、ひっそり佇む『ラウンジ・渚』があった。


    「いらっしゃい」


    ドアを開けると、ママが優しく笑いかけていた。


    店内は小さめでカウンター6席にボックスが二つ。


    僕らはボックスに案内された。

    「ママ、ミチルちゃんは?」


    ハイジがニタニタ笑っている。

    キモッ笑


    「居るわよ〜。ミチルー!ハイジちゃん来てるわよ」


    ママが呼ぶとカウンター奥の部屋から綺麗な女性、恐らくミチルが現れた。


    「ハイジ〜来てくれたん?」


    「おう!久しぶり」


    「お隣はお友達?初めまして、ミチルです」


    僕は軽く会釈して、笑ってみせた。


    「この子はユズキ。うちのダチだから仲良くしてあげて」


    「了解♪ミチルの名刺良かったらもらって下さい」


    ミチルから僕は名刺を受け取り財布に閉まった。


    キャバクラと違って雰囲気は優しく落ち着いていて僕は楽だった。


    酒が進んだ頃、話題は他店の話になった。


    「ハイジたちは、ミチル以外のお店に行くの〜?」


    「うちは行かんよ(笑)ここ気に入ってるからさ」


    ミチルはありがとう〜とハートマークをたくさん飛ばしながらハイジに抱きつく。


    『僕はこないだ会社の付き合いでキャバクラに行きましたよ』

    「マジか!何処の店?」


    ハイジが目をキラキラさせて聞いてきたのでアイの話をした。


    「それミチル知ってるわ!club ナインでしょ!」


    『うん』


    「ナインのアイちゃんとミチル仲良しだよ〜アイリちゃん喜ぶよ!お気に入りって知ったら」

    「おぉ!ユズキやったなぁ〜」

    意外に繋がってしまったことに世間の狭さを実感した。


    「また飲みに行ってあげて♪」

    また………か。


    もう会うことはないと思っていたアイ。


    もう一度会いたいと思う。


    ユリカに似てるから好きなのか?


    アイが気になるのか?


    もう一度確かめたい。

    (携帯)
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■21356 / 1階層)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(8回)-(2009/04/07(Tue) 14:09:35)


    「ユズキ!ユリカを越えろ!」

    ベロベロになったハイジが肩に腕を回す。


    「ユリカ?」


    ミチルが不思議そうに僕を見る。


    『昔の恋人ですよ』


    ハイジの頭を殴り、酒を煽った。


    「ごめん、ユズキ」


    普段のハイジならユリカの名前を絶対口には出さない。


    それはタブーだから。

    (携帯)
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■21394 / 1階層)  感想
□投稿者/ みさ 一般♪(1回)-(2009/04/27(Mon) 10:42:07)
    続きがみたいです♪
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