ビアンエッセイ♪

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■21206 / 3階層)  ラストスマイルはもう響かない
□投稿者/ 香月 一般♪(4回)-(2008/12/28(Sun) 00:54:19)
    先へと進む香織の後ろを小走りで亜輝はついていく。たどり着いた先はカラオケだった。
    受付を済ませ、部屋に向かって歩いた。場所は階段を上って2階の奥の部屋。平日のわりにたくさんの利用客がいたが、幸いにぎやかな団体から離れた静かな所の部屋にあてがわれた。
    部屋に入るとドアを閉め、香織はすぐに照明を落とした。
    亜輝は内線で飲み物を注文すると、すぐにマイクとリモコンを香織に渡し、テーブルをはさんだ向かい側の椅子に腰を下ろした。
    “先に歌いなよ”
    香織はリモコンを亜輝につきつけた。亜輝は首を横に振ってリモコンを返したが、香織はそれを聞き入れなかった。
    仕方なく先に歌うことにした。去年流行った映画の挿入歌を入力して、マイクを握って歌い始めた。
    香織は3人がけのソファに横たわり、黙って亜輝の高く澄んだ歌声を聴いていた。
    久々に香織の前で歌う事に緊張感をおぼえ、やや震え声になる。香織は無表情のままである。
    歌の途中で飲み物が運ばれてきた。あまりお酒を飲んでいなかった亜輝は間奏の時にグラス半分のカクテルを飲み込んで勢いをつけて、やっとの思いで最後まで歌いきった。
    香織も続いて曲を入れ、歌い始めた。昔と変わらない、低く綺麗な声で歌うバラードを亜輝はじっと聴いていた。
    3曲目は亜輝が歌い、その後曲は途切れた。
    “歌わないの?”
    亜輝の問いかけには答えなかった。香織はしばらく携帯をいじっていたが、テーブルの上にそれを置くと亜輝を見つめた。
    “誰かここに呼んでもいい?”
    その言葉を投げかけられた亜輝はうつむいた。やっぱり私といるのはつまらないのだ・・・と思ったが、香織の提案に同意つもりはまったくなかった。
    亜輝は首を横に振ると香織は黙って亜輝を見つめ続け、相手が顔を上げる機会を待っていた。
    しばらくして、ようやく顔を上げた。そんな亜輝に対して、香織は隣に来るよう手招きをした。
    躊躇いながらゆっくりとソファに歩み寄り、少し間を空けて香織の隣に腰を下ろした。
    “どうして呼んだらいけないの?”
    香織は腕を亜輝の後ろに回した。しかし直接触れず、ソファの背もたれに腕を乗せて亜輝を囲い込むような形で、体を斜めに動かした。
    亜輝は動揺を隠すように顔をそむけ、震える声で答えた。
    “・・・私、香織さんと二人でいたいから”
    “どうして?”
    自分を見る香織の視線が気になり、亜輝は香織を見た。
    二人の目が合った。まっすぐ香織に見つめられていることがたまらなく恥ずかしくなり、亜輝は先に目をそらした。
    “どうして二人でいたいの?”
    亜輝の横顔に質問を再び投げかけた。その時、自分の奥底に今まで閉じ込めていたものが
    溢れて露になり、目を閉じて重い口を開けた。
    “迷惑・・・かもしれないけど、私・・・やっぱり香織さんのことが・・・好き”
    消え入りそうな声で言い終えると、思わず亜輝は香織の胸に顔を埋めた。
    するとすかさず香織は亜輝の体を包み、強く抱きしめた。亜輝も腕を香織の背中に回し、しがみついて繰り返し香織の名前を呼び続けた。
    次第に息苦しくなり、亜輝はそっと体を離して息をつこうとするが、その暇を与えることなく香織はすぐに顔を近づけて亜輝の唇にそっと自分の唇を重ねた。
    軽く触れるだけのキスから少しずつ深くなり、気づけばお互いの舌を絡ませていた。
    亜輝は小刻みに震え、その体から力が少しずつ抜けていく。香織は唇を離してそっと亜輝の体を押し倒した。
    香織は亜輝の胸元のリボンをほどき服の中に手を差し入れると、体をやさしく撫で始めた。
    亜輝の口から吐息がもれる。香織はさらにブラジャーのホックをはずし、胸の先を指先で転がし始めた。
    “あ・・・っ”
    小さな悲鳴を上げ、息が荒くなる。香織はその声を消すように再びキスをする。
    そして唇を重ねたまま愛撫していた手を下に伸ばし、スカートの中に手を入れる。太ももに指先を這わせると、ビクッと体をすくませた。そこが感じる所であることが分かると執拗に愛撫する。
    与えられる快楽と口の自由を奪われる苦しみで、亜輝の目に涙が滲む。それを見た香織は
    空いている手で亜輝の長い髪を撫でた。
    “んん・・・っ”
    亜輝の中から少しずつ理性が薄れていく。
    閉じていた足がほんの少し開いた。香織はすぐに手を動かし、下着の上から亜輝の割れ目をなぞる。すでにそこは濡れていたが、さらに指先でくすぐるようにゆっくりと撫でた。
    耐えられなくなり、首を軽く振って香織の唇を離してあえぐ。
    “ああ・・・っ!あっ・・・”
    香織の指使いが激しくなり、亜輝は香織の肩をつかんで身悶える。
    “香織さん、香織さ・・・っ”
    荒い息をつきながら必死に訴える亜輝の顔をしばらく見つめ、愛撫する手を止めた。
    ようやく乱れた息を整えることができ、ぐったりとソファの上に横たわる。香織は再び亜輝の髪を撫でた。
    “続きは後で。一緒に私の家に帰ろう”
    そう言うと亜輝の手を取り、体を起こした。亜輝は小さくうなずいて服を直そうとしたが、香織がすぐに手を伸ばして元通りに直してくれた。
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Nomal ラストスマイルはもう響かない / 香月 (08/12/06(Sat) 01:40) #21191
Nomal Re[1]: ラストスマイルはもう響かない / 香月 (08/12/08(Mon) 21:32) #21195
│└Nomal Re[2]: ラストスマイルはもう響かない / 香月 (08/12/17(Wed) 22:27) #21203
│  └Nomal ラストスマイルはもう響かない / 香月 (08/12/28(Sun) 00:54) #21206 ←Now
│    └Nomal Re[4]: ラストスマイルはもう響かない / 香月 (08/12/31(Wed) 12:43) #21210
Nomal 感想 / ペンペン (08/12/12(Fri) 01:40) #21198
  └Nomal Re[2]ありがとうございます / 香月 (08/12/28(Sun) 01:09) #21207

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