□投稿者/ ゆい 一般♪(2回)-(2020/11/11(Wed) 15:37:37)
| 《A面》 パスタのお店はいつもより混んでる。料理がくるまで多分あと十分以上かかる。 スマホの着信もない。最悪。 Kが私の顔をジッと見てるから、落ち着かない。 それに何でいつも楽しそうなんだろう。 Kみたいな性格だったら、私も少しは楽に生きてる。 多分、Kは何も考えてない。 私の方から何か話そう。黙って二人で料理を待っているのも不自然だし。 「ここのお店、デザートも美味しいよ。」 デザートはあまり頼まないけど一応言ってみた。 「やっぱり!スパが来たら頼みます。先輩は何が好きですか?」 「全部好き。」 適当に答えた。私の好みを聞いて何の意味があるの?。 多分、私は彼からの返信がこないからイライラしてる。 Kには関係ないのに。Kの顔を見た。 やっぱり、楽しそうな顔をしてる。 ごめんね。まだ、人間できてないな私。
《B面》 先輩はボンゴレ。あたしはナポリタン。 食べてる姿も恰好良いな。仕事をしてる時も恰好良いけど。 何か話したいな。でも今日の先輩、機嫌が良くない感じ。 どうしよう。どうしよう。でも、話しかけてみよう。 「外食が多いんですか?」 フォークを止めて、あたしの目を見たからドキドキした。 「多い。料理が上手じゃないの。」 「意外。Yさんは上手な感じがするから。」 「この前ね、普通の卵焼きを作ろうと思って、」 先輩のスマホが点灯して、先輩はそっちを見てる。 「どうぞ。」 誰からなんだろう。画面を見てる先輩の表情は変わらない。 「あ、ごめん。卵焼きも失敗した位、料理は下手。」 スマホを置きながら、先輩が言った。 ここで勝負を挑まなくていつ挑む。 「今日、仕事が終わったらあたしのうちに来ませんか?ご飯はあたしが作ります」 「…。いいの?ご家族の方がいるんでしょう?」 「一人暮らしです。先輩に来て欲しい。一人で食べるの好きじゃないし。」 「そうなんだ。じゃぁ、ご馳走してもらおうかな。」 その後に頼んだデザートの味は全く記憶にないけど、あたしはそれでいい。 早く17時にならないかな。嬉しいな。
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