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■14986
/ ResNo.30)
僕の居場所22
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□投稿者/ チョビ
一般♪(29回)-(2006/06/13(Tue) 12:39:45)
朝、あいつが起きてくる前にコテージを出て、
ホームルームが始まるまで校舎の外を散歩する。
授業が終わると、屋上で空を眺めて、
夕方になったらコテージへ戻って、デュークに薬を塗って寝る。
時々麻衣子と屋上で一緒に昼食を食べたりした。
そんな生活の繰り返しで、あいつと二人で顔をあわせることはほとんどなかった。
たまに顔をあわせても、あいつが一言二言命令してくるだけで、
僕はあいつをにらみつけて、無言で立ち去ることが多かった。
前よりも、あいつと二人でいる空気に耐えられない。
そんな二人の関係を知っていたのは、たぶん麻衣子だけだったと思う。
すごく驚いていたけど、そのとき彼女は、
僕とあいつの関係を深く追求してこなかった。
いろいろ聞かれないことが、ありがたかった。
だから、麻衣子と一緒にいるのは、嫌じゃなかった。
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■14987
/ ResNo.31)
僕の居場所23
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□投稿者/ チョビ
一般♪(30回)-(2006/06/13(Tue) 13:00:27)
デュークは少しずつよくなって、
2週間もすると、包帯もとれて、朝や夕方、一緒に散歩するようになった。
デュークと散歩するのは楽しい。
僕はデュークにいろんな話をした。
父さんと母さんのこと、学校のこと、麻衣子のこと。
もちろん、デュークは犬だから、言葉では返事ができないけど、
でも、僕の気持ちをわかってくれる。
言葉なんて、必要なかった。
コテージで、僕はデュークのそばに座り込んで、頭を撫でる。
珍しく早く帰ってきたあいつは、今は風呂に入っている。
こうしてデュークと一緒にいると、少しずつ、穏やかな気持ちになれた。
「元気になったな〜、デューク。よかった〜。」
尻尾を振りながら、僕に擦り寄ってくるデュークを抱きしめる。
本当によかった。
火傷も見違えるようによくなったし。
これは・・・一応あいつのおかげなのかな・・・。
あいつのことは大嫌いだけど、
でも、デュークを助けてもらったことには変わりないし。
一応・・・な・・・。
風呂からあがったあいつが、デュークのそばに座り込んでいる僕に向かって言う。
「あなたももう寝なさい。
明日も学校があるのよ。
宮嶋グループの一員として、遅刻なんてみっともない真似、許さないわ。」
相変わらず、むかつくやつだ。けど・・・
「おいっ・・・」
あいつの方へ顔だけあげると、声をかけた。
僕から話しかけるなんて、いつ以来だろう。
あいつは寝室に行こうとして、立ち止まった。
「ひとつだけ言っておく。
・・・デュークのことに関しては・・・
お前のおかげで、助かったのかもしれないから・・・礼を言う。
・・・ありがとう。」
あいつの背中にそういうと、僕ももう寝ることにした。
何か言い返されるかと思ったけど、何も言われない。
振り返ることもなく、あいつはそのまま立っていた。
まあ、いいや。いうことは言ったし。
「おいで、デューク。部屋に行こう。」
そういって、デュークと寝室へ入った。
前はリビングの床でデュークを一緒に寝ちゃうことが多かったけど、
あいつが、床で寝るのはみっともないとか言うから、
用意された寝室で寝るようにしてる。
デュークと一緒にベットで寝ることに対しては、何も言わなかった。
あいつも自分の目に入らないところでなら、気にならないんだろ。
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■15004
/ ResNo.32)
Re[2]: 僕の居場所23
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□投稿者/ T
一般♪(2回)-(2006/06/15(Thu) 02:14:55)
待ってましたよ〜〜(≧∇≦)
続きが観たくて毎日チェックしてたんだけど、なかなか更新されてなくて、あきらめてたんですよ〜〜!
よかった〜〜〜♪
チョビさんの小説、本当におもしろくて続きが早くみたくてワクワクしてるんですよ!ストーリーの内容もわかりやすく、背景もイメージしやすいしね!
これからどんな展開になっていくのか楽しみにしてます♪
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■15057
/ ResNo.33)
Tさん
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□投稿者/ チョビ
一般♪(31回)-(2006/06/20(Tue) 00:16:00)
待っていただけるなんて嬉しいですね〜、ありがとうございます。
ストーリーがわかりやすいのは、作者が単純なせいだと思います(^^;)
これからどんな展開になっていくのか・・・私にもわかりません(爆)
当初はもっとラブラブな予定だったのですが、、、
なぜか友情路線を突っ走りつつあります(汗)
懲りずに長い目で見てお付き合い下さい。
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■15058
/ ResNo.34)
僕の居場所24 side悠稀
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□投稿者/ チョビ
一般♪(33回)-(2006/06/20(Tue) 00:24:19)
あの子が寝室のドアを閉める音を確認してから、ほぅ〜とため息がでる。
握り締めた両手から、意識して力を抜く。
あんなこと言われるなんて・・・返す言葉が見つからなかった。
あの子は、大切なご両親を悪く言う私を、憎んでいるはずなのに・・・。
私なら、憎い相手がなにをしてくれても、利用しようとしか考えないわ。
あの子がすぐ寝室へ行ってくれてよかった。
きっと私は、真っ赤な顔をしていただろうから。
こんなところ、見せるわけにはいかない。
あの子は私を憎んで、私への憎しみで、動いているのだから。
あの時・・・
暗闇でうずくまるあの子を、抱きしめて、決めたことなのに。
あの子が私のことを憎んで、それでも生きていてくれるなら、
それで良いって思っていたのに・・・
あの子をコテージに連れてきたとき、どういう形であれ、
あの子のそばにいられるならって思ったわ。
いつかあの子が、憎しみ以外のことに気持ちを注ぐことができて・・・
たとえそれが私じゃなくても、それで良いと思っていたのに・・・。
それなのに・・・
あの子が見せる優しさに、もっとふれたいと願ってしまう自分がいる。
自分で決めたことなのに、
あの子の笑顔が、私に向けられたらって思ってしまう。
屋上で楽しそうに友人と話をするあの子を見ていると、
あの場所に私もいられたらどんなにいいかって思ってしまう。
・・・駄目ね、こんなんじゃ。
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■15061
/ ResNo.35)
チョビ様へ
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□投稿者/ 麻莉菜
@
一般♪(2回)-(2006/06/20(Tue) 12:32:24)
http://fhp.from.jp/marinakt/
side悠稀更新♪゛
毎回楽しく読んでます(e^□^e)続きが気になるッッ☆★
自分のペースで更新頑張ってくださいね!!応援してます♪
(携帯)
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■15134
/ ResNo.36)
麻莉菜さん
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□投稿者/ チョビ
一般♪(34回)-(2006/06/25(Sun) 00:32:55)
レスありがとうございます。
楽しみに読んでくださる方がいらっしゃって
嬉しい限りです(^−^)
更新は超スローペースですが、
こうして感想をいただけることが何よりの励みになります。
ぼつぼつと話は進みますので、ゆっくりお付き合い下さい。
引用返信
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■15290
/ ResNo.37)
駄犬のつぶやき
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□投稿者/ チョビ
一般♪(35回)-(2006/07/12(Wed) 12:12:54)
ようやく少し更新できそうですが、
まだまだ上手く表現できないです。
文章って難しい(=_=;)
季節が変わってしまう前に、話を進められたらいいなあと思います。
引用返信
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■15291
/ ResNo.38)
僕の居場所25
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□投稿者/ チョビ
一般♪(36回)-(2006/07/12(Wed) 12:37:35)
「各部の活動報告をしてほしい。」
朝、あいつに言われた。
どうでもいいことだけど、やっぱりな・・・。
毎日ぶらぶらしてたけど、一応活動してる部活は覗いてきたし、
あとは、あの空手部だけだな。
あの部長には会いたくないけど、ちょっと窓から覗くくらいならわからないだろ。
それに、一応・・・あいつの頼みでもあるし・・・
何もしないっていうのもな・・・
放課後、大抵の部活はもう始まってるだろうから、
覗きに行くにはいい時間だろう。
そう思って、道場へ行った。
窓から中を覗き込むと部活は始まってるみたいだ。
あれ?部長は今日はいないのかな。
まあ、いないほうが何かと面倒がなくていいか。
「おいっ!なにを見ている!」
そう思った矢先、声をかけられた。
部長だ・・・かっちりと道着を着てる。外にいたのか。
覗いてるところを見られたりして、まずかったかな・・・。
「お前は・・・」
僕の顔を見るなり、部長が睨み付けてくる。
前にも睨まれたけど、今回は殺気立ってるって感じだ、どうしたんだろ?
「お前・・・悠稀様のコテージで暮らしてるっていうのは本当か!」
ああ・・・そのことか。
別に隠していてもそのうちわかることだから、仕方ないね。
「ああ、そうだけど。」
そう言ったとたん、襟首を掴まれる。
「お前、あれほど悠稀様に近づくなといったのに、まだわからないのか。
お前みたいなクズが悠稀様のそばにいるなんてなんておこがましい!」
そのまま僕の首を絞めにかかる・・・なんなんだ、こいつは・・・。
「操さん」
そのとき、あいつの声がした。
一瞬部長の手が緩んだので、僕は慌てて絞められていた手を振り解いた。
ててっ、これは首にあざが残るな。
「その子は、私の意思で一緒に住まわせているの。」
そういうあいつに、部長が驚いた顔でいう。
「そんな・・・そんなどこの馬の骨ともわからないやつが、
悠稀様と一緒に暮らすなんて、考えられません。
後援会だって納得しませんよ。」
悠稀様ね、神様みたいな扱いだな、笑っちゃうよ。
「両親を亡くして身よりもない子に、施しをしているだけよ。」
へぇ〜・・・そうか・・・
「ですが、なにも・・悠稀様のおそばに置かなくても・・・」
「使用人のようなものよ。
まだ何もできないけれど、教えていくことも必要でしょ。
かわいそうな子じゃない。」
そうか・・・
あいつはやっぱりそういう風に僕を見てたんだよな・・・使用人ね。
「お先に失礼しますよ、お嬢様。」
そう言い捨てて、僕はその場を後にした。
待ちなさいってあいつの声がしたけど、相手なんかしてられるか。
イライラする・・・
あいつに使用人って呼ばれたことがそんなにショックだったのか?
単なる気まぐれか、くだらない世間体で
僕をそばに置いときたいだけだろうに・・・
そんなことはじめからわかってたのに・・・
今更なんで僕はこんなにイライラするんだ・・・。
学内の小道を歩く。クリーム色の垣根の中に、鮮やかな花達が咲いていた。
その色が、眩しくて・・・余計に僕の神経を逆なでした。
立ち止まって、垣根を蹴りつける。
バキっと音がして、垣根が一箇所砕けた・・・
あ〜、イライラするな・・・
デュークが待っていたけど、そのままコテージに戻る気にはなれなくて、
久しぶりに学校の外へ出た。
葬式以来・・・だな。
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■15292
/ ResNo.39)
僕の居場所26
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□投稿者/ チョビ
一般♪(37回)-(2006/07/12(Wed) 13:59:14)
学園を出ると、閑静な住宅街、この辺も金持ちが住んでるんだろうな。
開けた場所があったと思ったら、公園だった。
そろそろ暗くなる時間だったから、誰もいないみたいだ。
ベンチに腰を下ろす。
昔は、よく父さんと母さんと近所の公園に来たっけ。
この町は、前に僕がいた町とは全然違うな・・・
うつむいて、地面を見ると、干からびたミミズをアリたちが運んでいた。
こんなところは同じなのにね・・・。
少しずつアリたちが移動するのを見ていて、
公園に人が入ってきたことに気がつかなかった。
「ねえねえ、君、その制服聖クリストファー学園だよね。」
ニヤニヤとしながら、派手な格好の男二人が近づいてきた。
こんな公園にもこういうやつらがいるのか、まったく。
「俺ら今暇しててさ〜、一緒に遊びにいかない?」
うるさいな・・こいつら。
イライラしてたんだ、ちょうど良い。
なれなれしく肩を抱こうとする男を、わざと乱暴に振り払った。
「って、こいつ・・・せっかく人が誘ってやってるのに。
お嬢様だからってお高く留まってんじゃないのか?」
はっ、お嬢様ね。
偉そうなお嬢様がいて、それをやっかむやつらがいて・・・
「くだらないな。」
僕が言うと、本気で怒ったみたいだ。掴みかかってくる。
ちょうど良いや、むしゃくしゃしてたんだ。
掴みかかってくる男に、半歩近づくと、下腹部に掌底を入れる。
男はもがきながら、膝をついた。
ん〜・・・お腹殴るって痛いんだよね、ははっ。
「こいつ・・・ふざけるなよっ!」
もう一人の男も怒りの形相で僕にむかってくる。
ほんと、くだらないね〜・・・
横にかわして、足をなぎ払う。
男はそのまま地面に倒れこんでうめき声を上げている。
転がっている男をつま先でけりつける。
ははっ・・・こんなんじゃストレス解消にもならないよ・・・
「天・・・」
あいつが僕を呼ぶ声がした。
思いもしなかったあいつの声に、僕が顔をあげると、
公園の入り口にあいつが立っていた。
そのまま近づいてきて、倒れこんでいる男達を見渡し、僕のほうへ顔を向ける。
「あなた・・・なにをやっているの。」
なぜか、怒っているのに、泣きそうな顔をしている。
イライラするな・・・イライラする・・・
こいつの顔を見ているだけで、冷静でいられない。
「うるさいなっ、お前には関係ないだろ!」
「あなた・・・こんな喧嘩ざたを起こして・・・事件になったらどうするの。」
うるさいっ!うるさいっ!
ゆっくりと話しかけてくるあいつに、余計イライラする。
「だったら僕にかまわなければいいだろっ!
哀れみで拾った使用人が何しようと、どうだっていいだろ!
気に入らなかったら捨てればいいだろうがっ!」
「・・・」
怒鳴りつける僕に、あいつは何も言わないまま、
悲しそうな顔をして僕を見つめてくる。
なんなんだ・・・
あいつの視線に耐えられず、目をそらす。
「天っ」
急にあいつの鋭い声がして、次の瞬間、僕は突き飛ばされていた。
ふらついて、僕は振り返る。
「なにするんだ・・・」
そこには、さっき殴り倒したはずの男と、
あいつが重なり合うようにして立っていた。
なんだ・・・男のほうが目を見開いて、ふらふらとあいつから離れる。
手に何か持っている・・・
えっ?
あいつはわき腹を押さえるようにして、しゃがみこんだ。
な・・・に・・・?
「はっ・・・ははっ・・・ざまあみろ・・・」
男は興奮した口調で震えながら立っている。
手には・・・光るものが・・・ナイフ・・・
腕には血がついている・・・血って・・・あいつ刺されたのか・・・?
しゃがみこんでいるあいつの下の地面が、濡れたように染まっていく・・・
慌てて駆け寄り、抱きかかえると、僕の手に生暖かいものが伝って・・・
真っ赤に染まっていた・・・
血だ・・・血・・・抱きかかえたあいつはぐったりとして動かない・・・
あ・・あ・・あ・・・
「馬鹿なやつだ・・俺の邪魔するから・・・」
立ち上がる。
ナイフを構えている男に向かう。
右手でナイフを振り回してくる男の動きがすごくゆっくりにみえた。
左腕で受けると、下腹部から持ち上げるように一発。
ボキって鈍い音がした。
もう一発。
今度は顔。
次はどうしようか?
手当たり次第に殴りつける。
僕の手は、あいつの血なのか、男の血なのかわからないくらい、
真っ赤に染まっていた。
男がまったく反応しなくなって、なんだ・・・もう動かないのか。
のそっと立ち上がって、あいつのそばにもどる。
真っ白な顔で倒れている彼女・・・なんだよ、これ・・・。
「おいっ!ゆうきっ!」
肩を揺さぶって大声で呼んでも、返事はない。
遠くの方で、誰かの声がする・・・
救急車・・か・・・そうだ・・病院にいかないと・・・
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