ビアンエッセイ♪

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■22267 / ResNo.20)  涼さんへ
  
□投稿者/ 桃子 一般♪(1回)-(2018/02/17(Sat) 20:24:32)
    長い間 放置したまま 感想に気付かずごめんなさいm(__)m

    仕事が落ち着いたら 続きをUPしたいと思っています。

    その時には また 覗きに来て頂けると嬉しいです(^^♪
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■22287 / ResNo.21)  Re[1]: すこしづつ…U-19
□投稿者/ 桃子 一般♪(2回)-(2018/07/18(Wed) 15:07:02)
    コウちゃんがベッドに入ったのを確認してから『駅裏』に電話した。

    今日のバイトを休むことだけは 伝えておかなければ…と思ったからだ。

    「一晩様子を見て 熱が下がらないようなら また 連絡します」

    電話の向こうのMadamは

    「面倒かけてごめんなさいね…今週は休むように伝えて」と言ってくれた。

    お昼頃 一度様子を見に寝室を覗いたら コウちゃんと目が合った…

    「汗 かいた? タオル持ってきたけど…自分で拭ける?」

    「はい…」

    コウちゃんは 上半身を起こしながら答えた。

    「着替えは どこ?」

    「そこのタンスの上から3番目です…」

    長袖のTシャツとハーフパンツが 何組かセットで入っていた。

    「下着は?」

    「右の抽斗です…」

    「じゃ 替えようか…」

    「はい…」

    「手伝った方がいい?」

    「いや 大丈夫です…」

    脱いだものを片付けるようにして コウちゃんに背中を向けたまま

    「拭けた?」

    「はい…さっぱりしました…ありがとうございます…」

    「熱 計って…」

    コウちゃんに体温計を渡した。

    「どう?」

    「これ…」

    デジタルは 38.7℃ さっきよりは 下がっているが まだまだ高い。

    「なんか食べる? それとも もう少し寝る?」

    「もうちょっと寝ます…」

    水分補給をして…

    「また あとで 見に来るけど…なんかあったら ワン切りでいいから電話して…」

    「はい…ありがとうございます」

    夕方 熱は37.8℃になった…

    「おなかどう?」

    「空きました(^^;」

    「おじや作ったけど 食べれそう?」

    「はい…」

    「ちょっと待ってて」

    サイドテーブルに 1人用の土鍋とお茶碗を乗せたお盆を置いた。

    お茶碗に軽くよそって コウちゃんに手渡した。

    「ゆっくりね…」

    「はい…」

    お茶碗は すぐ カラになった…

    「もう少し 食べる?」

    結局 コウちゃんは 全部 平らげた…

    「起きれそうなら 歯磨きしてから 寝た方がいいよ」

    「はい…」

    洗い物を済ませて 寝室を覗いたら

    コウちゃんは 安定した呼吸に戻っていた。

    この分なら 熱は 順調に下がるかも…と思ったら 体の力が抜けた…

    (明日は 休みだし…このまま ここに居ようかな… その前に 洗濯だけしておこう)

     
    一度 自分の部屋に戻り コウちゃんが脱いだ衣類を洗濯機に入れた。

    あとは 勝手に乾燥までしてくれる…

    (日に当てた方がいいけど…明日のお天気 雨だもんね…)

    食事を済ませ 乾いた衣類を持って コウちゃんの部屋に戻った…

    コウちゃんの寝顔を見て…思わず…デコキスをしたのは この時だ。

    コウちゃんが起きていたなんて 思ってもいなかった…
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■22288 / ResNo.22)   すこしづつ…U-20
□投稿者/ 桃子 一般♪(3回)-(2018/07/18(Wed) 15:11:31)
    「あの時 早くよくなぁ〜れ って言ってくれた?」

    「うん…」

    「やっぱり…(笑) ずっと起きてたわけじゃないんです…
     寝ている方が長くて…夢の中のことだったのか 現実のことか…よくわかんなかったんですけど…
     朝 目が覚めた時 恭子さんが 手 握っててくれたのをみて ああ アレは現実だったんだな…って」

    「それで ずっと デコキス だったの?」

    「ええ…まぁ…」

    「言ってくれたらよかったのに…」

    「いやぁ…」

    「ねぇ…」

    「ん?」

    「これからも ずっと デコキスだけ?」

    「えっ?」

    「この手も ぜ〜んぜん動かないし…」

    胸の上に置いた手を軽くたたきながら コウちゃんに覆い被さった…

    コウちゃんは 意を決したように 小声でひとこと…

    「何もかも ぜ〜んぶ 恭子さんが はじめてで めっちゃ ドキドキしてます…」

    それを聞いて 私の中のスイッチが入った。

    「コウちゃん…」

    「はい?」

    「力 抜いて…」

    あとは 私がコウちゃんにしたいと思ったこと

    コウちゃんにしてほしいと思ったことを繰り返し…

    人と肌を重ねて こんなに満ち足りた気持ちになったのは初めてだった。

    コウちゃんの腕枕の中で 思わず 涙が出てしまった。

    コウちゃんは 気がついているはずなのに 何も言わず 黙って 私の髪をなでていた。

    そして そのまま…寝つき良過ぎっ! でも…寝付きの良さなら 私も負けていない…
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■22289 / ResNo.23)   すこしづつ…U-21
□投稿者/ 桃子 一般♪(4回)-(2018/07/18(Wed) 15:14:38)
    目が覚めたのは 目覚ましが鳴る直前だった…隣のコウちゃんは まだ夢の中…

    軽く唇に触れてから ベッドから出た。

    朝食の準備をしながら お弁当も作ることにした。

    (コウちゃん 嫌がるかな…ダメだったら 今日のお昼にすればいいやっ)

    「おはようございますっ…」コウちゃんが起きてきた。

    「おはよう! 朝…パンにしたけど よかった?」

    「はい(^^♪ 美味しそうな オムレツっすねぇ(^^♪ コーヒー淹れますね」

    「うん おねがいっ」

    2人で 朝食を摂るのは お正月以来だ。

    「今日 遅くなる?」

    「バイトのあと まっすぐ帰宅なんで(笑) 7時半くらいかなぁ…

     それより遅くなるようなら 連絡します…恭子さんは いつまで休み?」

    「今週いっぱい…」

    「了解っす」


    支度を整えたコウちゃんが カバンにお弁当を入れている。

    「それ 持っていくの?」

    「はい…って言うか…作ってくれたんですよね? 違ってました?」

    「ううん…余計なことだったかも って思ったから 嬉しい♬」

    「こういうの…愛妻弁当って言うんですよね(^^♪」

    「バカ…」


    「行ってきます(^^♪」

    「行ってらっしゃい(^^♪」

    ドアノブに手をかけたコウちゃんが振り返った。

    「なに?」

    「ちょっと忘れ物っす…」

    そう言いながら 私を抱き寄せた。

    「行ってきます の ハグと…」

    コウちゃんの唇が 私の唇に触れた。

    (えっ?)

    咄嗟に言葉が出なかった私を置いて コウちゃんは 笑ってそのまま大学に向かった。

    (こういうこと出来るんだ…)は 心の声にしておこう(笑)

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■22290 / ResNo.24)   すこしづつ…U−22
□投稿者/ 桃子 一般♪(5回)-(2018/07/18(Wed) 15:18:08)
    一緒に暮らすようになって1年以上が過ぎた。

    コウちゃんは 大学3年生…穏やかな時間が流れていた。

    ミカに言わせると

    「ケンカしないカップルなんてあり得ない!」そうだが…

    実際 私達は 殆どケンカをしたことがない。

    それは 私が 大人だから…なのではなく コウちゃんが 私を受け止めていてくれるからだと思う。

    もちろん コウちゃんだって スーパーマンではないから(笑) 時々は 意見の食い違いだって生じる。

    そういう時は お互い 納得するまで 話すことにしている。

    言葉に出すことで ストレスが溜まらないのかもしれない。


    GWを迎える頃 大学の友人 啓子の結婚式前に 友人たちと会うことになった。

    久し振りに 啓子・和美・聡美・私の4人が揃った。

    和美と聡美は すでに家庭を持っている。

    話題は 当然『結婚』になる。

    「恭子は どうなの?」

    「なにが?」

    「なにがって 結婚…」

    「ああ(笑)」

    「ああって…恭子は 昔から 浮いた話がないけど…今も?」

    「今は ちょっと変わったかな?」

    「彼氏出来た?」
    「というか 一緒に暮らしてる人が居る…」

    「え〜〜〜っ?」

    3人が 声を揃えて驚いた。

    「そんなに驚く?」

    「だって…今まで そんな話 聞いたことないもん!」

    「ねっ どんな人?」

    「どんなって…今日は 私じゃなくて 啓子が主役でしょ!」

    「いやいや 私も聞きたい…私は ホラ ずっと 変わらずのあの人だもん(笑) それより 恭子の相手は?」

    啓子・和美・聡美の目が 私に集中した…

    「さっきから訊こうと思ってたんだけど…その右手のリングは…」

    「うん…一昨年 付き合い初めて最初のクリスマスにもらった…」

    「そういうこと?」

    「うん…左は もうちょっと先になるかな(笑)」

    「それでいいの?」

    「うん(笑)」

    「具体的な話は 無いの?」

    「無い」

    「なんで? 一緒に暮らしてるんでしょ?」

    「だって…ヒロ君 学生だもん…今 大学3年生」

    人は 本当に驚くと 目がまん丸になることを思い出した。
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■22291 / ResNo.25)   すこしづつ…U−23
□投稿者/ 桃子 一般♪(6回)-(2018/07/20(Fri) 12:13:02)
    「6歳下?」

    「うん」

    和美が言った。

    「ねっ 会えない?」

    「えっ?」

    「ヒロ君に…」
    間髪入れずに 聡美が言った。

    「会いたい!」

    啓子は 当然 と言う顔で 微笑んでいる。

    逃げられなかった。

    下手な言い訳はしたくなかった。

    「電話してみる」

    スマホを持って ロビーに出た。

    聡美もついて来た。

    コール2回で コウちゃんが出た。

    「もしもし? どうしました? 今日 お食事会でしょ?」

    「うん…そのお食事会で…ヒロ君のこと話したら みんなが 会いたいって…」

    「アハハハ」

    「無理だよね?」

    「うん…だって…こっちも今から 夕食ですもん(笑)
     食事の後の2次会になら合流することは出来ますけど?(笑)」

    聡美に

    「2次会になら 顔出せるって…」

    聡美は 笑顔で 頷いた。

    「じゃあ 場所が決まったら 連絡するね」

    「了解!」
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■22292 / ResNo.26)   すこしづつ…U-24
□投稿者/ 桃子 一般♪(7回)-(2018/07/20(Fri) 12:17:36)
    2次会は 啓子のリクエストで 駅前のホテルの最上階のバーに決まった。

    「ここから見る夜景が好きなの」

    「プロポーズもここ?」

    「ううん…プロポーズは…駅のホーム(笑)」

    「加藤君らしいね」

    席に着いて 10分程経った頃 入り口に コウちゃんの姿が見えた。

    係の人と 一言二言 話したあと まっすぐに 私たちのテーブルにきてくれた。

    「初めまして 坂本と申します。遅くなって申し訳ありません」

    「橋口と言います。今日は ありがとうございます。どうぞ お座りください」

    啓子が挨拶してくれた。

    「ありがとうございます。失礼します」

    6人掛けのボックス席に 3:1で座っていた私の隣に コウちゃんは座った。


    和美と聡美は コウちゃんを見つめたまま 何も言わない。

    コウちゃんは ミネラルウォーターをオーダーした。

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■22293 / ResNo.27)  すこしづつ…U-25
□投稿者/ 桃子 一般♪(8回)-(2018/07/20(Fri) 12:23:15)
    和美と聡美は コウちゃんを見つめたまま 何も言わない。

    コウちゃんは ミネラルウォーターをオーダーした。

    和美と聡美は まだ 黙っている。

    「恭子とは何処で?」

    啓子が会話を仕切り始めた。

    「図書館で 声をかけられたのが最初です(^^♪」

    「えっ 恭子から?」

    和美が 声を出した。

    コウちゃんは 和美の方に向かって

    「はい」

    「恭子って そんなタイプだった?」

    つられて 聡美が言った。

    「そんなタイプって どんなタイプよ?」

    悪態をついたら

    「自分から声をかけるなんて…ちょっと 想像がつかないというか…」

    「3年も片思いしてた人が お隣さんになって 図書館に1人でいたら 声かけるでしょ」

    「いやいやいや‥職場はどうかと思うよ(笑)」

    和美が反論した。

    「だって…ホントに好きだっただもん…」

    コウちゃんが 間に入ってくれた。

    「そんなこんなで お付き合いさせて頂いています(^^♪
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■22294 / ResNo.28)  すこしづつ…U-26
□投稿者/ 桃子 一般♪(9回)-(2018/07/20(Fri) 12:28:26)
    「一緒に暮らしているというのは 本当ですか?」

    聡美の質問に

    「はい 本当です」

    「どうして?」

    コウちゃんの答えを待たずに聡美が続けた。

    「…社会人と学生さんとじゃ どうしても 恭子に負担がかかるでしょ?
     それくらいのこと 考えたら スグわかるのに どうして 一緒に住むという発想が出来るんですか?

    「恭子さんに 生活の面倒を見てもらって平気なのか?ってことですか?」

    「ええ まぁ…」

    「ちょっと! 何てこと言うの!」

    思わず 語気が荒くなった。

    コウちゃんは 穏やかに そしてサラリと

    「話を切り出したのは 自分です。
     恭子さんと一緒に居たい という気持ちを ストレートに言葉にしました。
     それに… ウチの場合 家賃がかかりませんから(^^♪」と 言い切った。

    3人の目が 私を見た。

    「マンションのオーナーなの」

    私のひとことに さすがの啓子も 言葉を失った。

    そこから続いた和美と聡美の身辺調査のような遠慮の無い質問に コウちゃんは ひとつひとつ丁寧に答てくれた。

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■22295 / ResNo.29)  すこしづつ…U-27
□投稿者/ 桃子 一般♪(10回)-(2018/07/20(Fri) 12:34:57)
    「納得した? それとも まだ 何か不満ある?」

    私のひとことに 啓子が 真剣な声で コウちゃんに言った。

    「ひとつだけいいですか?」

    空気が 締まり 一瞬 緊張が走った。

    「はい」

    コウちゃんは 変わらない。

    「失礼ですが 坂本さん…」

    言い淀んだ啓子の言葉の続きを コウちゃんが拾った。

    「お察しの通り 男性ではありません」

    「えっ?」

    聡美と和美が 同時に小さく呟いた。啓子は 顔色を変えることなく

    「そのこと 恭子のご両親は?」

    「ご挨拶させて頂いた時は 驚かれましたけど 今は 可愛がってもらっています」

    「坂本さんのご両親は 恭子のこと…」

    「ウチは 両親も姉も兄も 恭子さんへの信頼度 半端ないです(^^♪」

    コウちゃんの言葉に 啓子は 安堵したように頷いた。

    「恭子 昔から 誠実な人が理想だ って…言ってたけど 坂本さん その通りの人じゃん!
     おまけに 超カッコ良いいし…(^^♪」

    「うん」

    「坂本さん! 恭子は 私たち4人の中では いちばん落ち着いていて 長女的な存在なんです(^^♪
     その分 自分のコトは 後回しにすることが多くて…これからも 恭子のこと よろしくお願いします」

    「はい お任せください」

    コウちゃんは 穏やかに 力強く言い切ってくれた。

    和美も聡美も 微笑んでいた。

    3人とは ホテルのロビーで別れた。

    車で送ると言うコウちゃんに 啓子が タクシー呼ぶから…と断ったので 私たちは 先にホテルを出た。
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