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■1825 / inTopicNo.41)  魅せられてE−7
  
□投稿者/ t.mishima 付き人(50回)-(2005/03/13(Sun) 01:29:14)
http://pksp.jp/mousikos/
    2005/03/15(Tue) 15:03:35 編集(投稿者)

     (信じられない。私がまだ、男性不信だったら、どうするつもりだった?)
     きっと険しい形相の聖は、那智から体を遠ざけつつ、物騒にもしっかりと傘の尖った先端をその喉元に向けたままの体勢を取りながらも、
     「私は降りる! 雨宮さん、車を停めて下さい」
     運転手には礼儀正しくお願いするのだが、車の走行速度は落ちる気配がない。
     それどころか車窓から街並みに視線をやると、明らかに中野とは別方向を走っている。
     「無駄ですよ、聖。雨宮は僕には逆らえませんし、貴女は僕を傷付けられない」
     殺気立った眼差しを露にする聖と相反した静謐な眼差しを向けながら、那智がにじり寄る。
     「近づくな! 私は本気だ!」
     言い切る声は毅然とした強さに満ちているのに、腕が震える。
     自分が男だと認識する音楽関連以外の人間なら、容赦の無い行動に出れたかも知れない。でも、那智は女で、どんなに憎んでも、屈辱を味わわせた存在であっても、自分をあの日助けたくれた人間である事に変わりはない。
     『離して・・・男は嫌だ・・・! 近寄らないで』
     チンピラ男を前に、泥酔しながら、確かに記憶に残る、過去の自分の悲しいまでに震えた声音。直後に現われた救い手。
     その相手をじっと見ている内に、聖は殺気も失せて、傘を模した護身用の武器をシートの下に放棄した。
     弱さだと指摘されればそれまでだが、正義感の強い聖にとって、女子供は守るべきもので、決して傷付けられない。況して那智は恩人なのだ。
     舌打ちする聖に、
     「ほら、貴女は優しい人だから」
     と予期していた那智の言葉。
     (優しいじゃなくて、易しいって言いたい癖に!)
     瞳にのみ剣呑な光を残しただけの聖と違って、那智には遠慮等ない。
     「僕があの夜、女性達だけのイベントに行ったのは、ほんの気紛れからでした。でも、其処で貴女を見つけた。弱ってはいたけれど、その瞳は悲壮な程真っ直ぐで犯し難いまでに純粋で・・・」
     そう言うや否や、華奢な体を捕まえると、陶酔しているかのような面持ちで、那智は聖に言い放ったのだ。
     「貴女を始めて見た時から、ずっと貴女が欲しかった」
     と。

    (STAGE7へ続く)
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■1867 / inTopicNo.42)  魅せられてF−1
□投稿者/ t.mishima 付き人(51回)-(2005/03/26(Sat) 22:56:11)
http://pksp.jp/mousikos/
    STAGE7 那智の告白

    --------------------------------------------------------------------------------
     車は、桃生家の屋敷で停車した。那智の部屋に通された聖は、壁に飾られたミュシャの「ダンス」に見惚れながら、それ以上に背後にいる貴公子然とした彼女の事が気になった。酔いは殆ど覚めたのに、件の麗人に酔わされているような妖しい心地がした。
     貴女がずっと欲しかった、と那智は言った。その言葉に、そう告げた瞳に、聖はただ悪戯に那智が自分に手を出した訳ではないのだと理解した。
     幾ら男装の麗人を装っているとはいえ、那智が同性愛者かどうかは不明である以上、純粋に惚れられているとは思えないし、もしそうであったとしても、軽々しく彼の美貌の悪魔がそれを認めるとも思えない。だが、那智は自分を一年間探したのだという事は想像出来た。たった一日見た人間の顔の記憶と、たった一枚の置手紙に記された聖という名前だけを頼りに。
     そうでなければ、あんなに熱っぽい眼差しを、那智のような狡猾な悪魔が自分に向ける筈がない。そうでなければ、那智のように清ましたお嬢様が、たかだが一目遠目に見た自分を、チンピラ男から守ったりしない。誰でも良かったのなら、手近な相手を選んだ筈だ。
     濡れたような黒髪、高く整った鼻梁、やや薄いが品の良い唇、長いストライドを描き出す二本の脚。そして、時に射るよう氷を放つ、謎めいた黒真珠のような双眸。大抵の男は、那智の水も滴る良い男ぶりに、完璧に男としてのプライドを傷付けられ、遠ざかってしまっているのが現状だろうが、恐らく、女性らしいとまでは行かなくとも男性の身なりさえしなければ、大多数の男性を虜にするだろうことは容易に想像できる。
     那智の気持ち次第で、一夜の情事を楽しむ相手から、真剣に付き合う相手まで、選り取りみどりなのだろうと。
     だが、と聖は思う。今のままでも十分女性相手になら、喩え相手がノーマルであろうと、那智の魅力は遺憾なく発揮されるのではないかと。そうでなければ、桃生家での一夜の自分の事が証明出来はしないのだ。
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■1868 / inTopicNo.43)  魅せられてF−2
□投稿者/ t.mishima 付き人(52回)-(2005/03/26(Sat) 22:56:41)
http://pksp.jp/mousikos/
     聖はある種の男性不信でありはしたが、断じて同性愛者ではない。確かに小学生で友人の女の子にファーストキスを奪われたり、女子高生時代は何かと女の子に追いかけられはしたが、一度として女性に見惚れたりした経験などない。好みは、映画「トロイ」でエリック・バナ扮するヘクトル王子と言い切る程、男の中の男が好みなのだ。幾ら強力な催淫薬を盛られようと、那智に一抹だろうと魅力を感じなければ、自分はとことん反発したに違いないのだ。何せ聖自身、自分の気性の激しさと強情さには呆れ返る位自信があったのだから。
     人生の辛酸を舐めて来たのだ。音楽の為に。スタジオ代を捻出する為に、食費をケチり物乞いのように空腹が続く時期もあった。一般的な女性の贅沢や楽しみからは、凡そ隔絶された生活を余儀なくされている。更に、バンドという体育会系の縦社会に身を置いている為に、時に好きでもない男とも付き合った。綺麗事が一般的な社会以上に罷り通らない世界だ。付き合えという一部の上の者の命令を聞かなければ、今頃喉を潰されて歌えなくされていた未来さえあっただろう。
     そんな裏のある世界に身を置きつつ、聖の心は何者にも、何に対しても屈する事がなかった。生き抜いてきた。それが、今日の聖がある証明だった。日本最大のインディーズ事務所・アクアレーベルに所属して、その社長の後ろ盾を持った時から、聖に害を及ぼす不埒な輩は、一人として現われていないのだから。
     聖は漸くバイトをしつつではあっても、飢えない生活をしながら、歌に、音楽に純粋に専念出来る環境を手にすると同時に、ステージを駆ける王になった。INSOMNIAという音の世界の王者に。
     だが、あの夜の聖は違ったのだ。ただの女でしかなかった。薬に誘発されようと、確かに那智の魅力に屈したのだ。そうでなければ、淫らな声等絶対に上げたりしなかった。
     承知している。だから・・・。
     「聖、こちらへ」
     ベットからそう誘う那智を聖は拒む事が出来ない。
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■1869 / inTopicNo.44)  Re[3]: 魅せられてF−3
□投稿者/ t.mishima 付き人(53回)-(2005/03/26(Sat) 22:57:06)
http://pksp.jp/mousikos/
     ただ己の立場に甘んじ、権力を盾に、暴力を振るう相手なら、逃げ切る自信がある。無骨な指を、体を這うざらついた舌を、暴力だと思える相手だったなら、屈する振りをすれば良いだけの話だ。体は与えても、声を押し殺し、表情を頑なにし、行為が終わるまでの無為な時間を耐え忍めば、済むだけの話だ。全く乱れない聖を前に、そういう輩は、「不感症の女なんてつまらない」と再び聖を望んだりしないから。
     だが、那智は違う。肉体的にも並みの男以上の強さを持ちながら、それを妄りに使ってこない。端麗な己の容姿の魅力を知り尽くし武器にしながら、用意周到に罠を張り巡らす、知能犯だ。
     一週間の間獲物を泳がせ、一見自由を与えつつ、心を解放してはくれなかった。律儀と言える程きっちり一日一通送信されて来るケイタイのメールに、聖は遠隔操作でもされているかのように追い詰められた。着信拒否すれば良かったのかも知れないが、自尊心が邪魔をした。「それじゃまるで、気にしていると言っているみたいじゃないか」と敢えてそうしなかった。恐らく、そんな自分の性も那智は理解している。
     「人の弱味に付込んで・・・酷いヤツだ」
     ベットに寝そべる那智の傍らに座りつつ、聖は拗ねたように言ったが、その瞳は鮮やかな彩りを見せてさえいる。それは、敗北を感じたことの無い者が持つ、敗北感を感じる事への好奇心と言えるものかも知れない。
     睡眠不足と多忙で体は疲労、心は那智の知能的な攻撃で負傷中の状態で、那智という蠱惑的な麗人は、聖にとって砂漠に咲いた花のように何時にも増して輝いて見える。生きようとする本能は、辛い現状を忘れさせられるものがあるなら、自ずとそれに靡いてしまう。
     「でも、逃げるのは、もう疲れたでしょう? そろそろ捕まえてあげないと、可哀相だ」
     腕を伸ばし、那智はあの夜そうしたように聖の頤に手を伸ばし、親指で唇をなぞる。体温の低い那智の指は、ひんやりとして心地良い。
     「僕からされた方が、貴女は楽かな?」
     桜色の艶めいた唇はそう象るが、明らかに別の意図を持ってそう言っている。
     その瞳が云っている。自ら口づけろ、と。自ら罠に落ちて来い、と。
     理解出来るのに・・・否、理解できているからこそ聖は、那智の傍らに膝を折る。操られてというより、新たに登るべき山を見つけて、嬉々としている登山者のように。
     「捕まえさせてやる。だけど・・・」
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■1870 / inTopicNo.45)  魅せられてF−4
□投稿者/ t.mishima 付き人(54回)-(2005/03/26(Sat) 22:57:43)
http://pksp.jp/mousikos/
    2005/03/27(Sun) 02:15:20 編集(投稿者)

     身を屈め、
     「あんたに夢中になったりはしない。最後に勝つのは私だから」
     聖は自ら、那智の唇に自分のそれを重ねた。お前に勝てたら私は大した者だ、と。疲れ果てて尚、戦を前に己を奮い立たせる戦士のようにな眼差しを那智に向けて。

     何度、口づけを交わしただろう。瞳を開けたまま、始めは啄ばむような浅い口づけ。それから、徐々に那智の唇を舌でなぞり、頃合を見計らって、口腔にそれを押し入れる。
     那智の表情を少しでも崩してやりたかったが、経験の浅い聖の方が分が悪かった。口腔を侵して主導権を握ったつもりが、舌を那智のそれに絡め捕られ、吸われ、延々三分程粘膜を嬲られて、聖の方が根を上げてしまった。気がつけば、体の位置も逆転して、那智が聖に覆い被さる状態になっている。
     「明日明後日とバンド練はないんでしたね」
     思い出したように言を紡ぐ那智に、聖は舌打ちする。
     確かに、バンドは新曲の編曲をメンバー各々がする為に、三日間休みなのだ。那智にはバンド練習まで邪魔する気はなかったとはいえ、同時にそれは那智が確信犯だという事実を色濃く感じられて、その余裕が聖は不愉快だった。
     「何もかもお見通しな訳?」
     「勿論。今月は今夜を逃せば、貴女の三日間を頂けませんからね」
     キッと睨みつける聖を目に、那智は唇の片方の端を起用に上げて起用に、不穏な笑みを作りながら、自分のベルトをスルスルと外す。
     「約束は約束ですからね。ちゃんと言うことを訊いて頂きます」
     にっこりと柔和な笑みを作れば、素晴らしく完璧な彼女の顔は誰をも幸せな気持ちにさせるだろうが、同時に凄みに使われれば人を平伏させずにはいられない。
     目の前の人間は何者なのだろうかと思う。すこぶるつきの美人なのに、女女した甘さは感じられない。かと言って、男男した荒っぽさもない。性別を超越したかのような、そのかんばせに魅了されてしまいそうになるのを抑制する聖。
     「言うこと? あんたのアソコでも舐めれば良いの?」
     「まさか。ストレートの貴女が冷めるような事を態々させたりしませんよ」
     那智の黒真珠を思わせる瞳が妖しく閃く。
     「それに僕は尽くすのが大好きですし」
     言うが早いか、那智は手馴れた手つきで、聖の両の手首を先程外したベルトで戒めてしまった。抗おうにも、予期せぬ那智の行動に、聖は目を見開くばかり。
引用返信/返信 削除キー/
■1871 / inTopicNo.46)  魅せられてF−5
□投稿者/ t.mishima 付き人(55回)-(2005/03/26(Sat) 22:58:47)
http://pksp.jp/mousikos/
    2005/03/27(Sun) 02:17:15 編集(投稿者)

     (なっ・・・?)
     手首に感じるのは、骨をも締め上げるような硬い皮の感触。視線をそこにやれば、戒められた、己の二本の手首が見えるのに、予想だにしない現実は現実として脳に認識されない。
     が。那智にズボンごと下着を剥ぎ取られ、突如女性のみが持つ窄まりに触れられると、これが夢ではないのだと思い知らされる。
     「クッ・・・」
     快感を齎(もたら)すツボを知り尽くしたかのような、那智のしなやかな那智の指の動きに、くぐもった声が聖の喉から漏れる。
     自分の性的欲求は稀薄な方だと勝手に思い込んでいたが、今となっては違うような気がする。薬を盛られた訳でもないのに、嫌って言う程長い那智の口づけに、淫らな欲求は誘発されていたらしく、程なく、クチュクチュと淫靡な音がその窄まりから溢れ出す。
     「とっても似合ってますよ、聖。戒められて、こんな所を濡らす様が。ステージで荒々しく歌っているより、余程ね」
     貶めるような言葉と意地の悪い視線に、だが、何故か聖は嫌悪感を覚えなかった。それどころか、皮膚の奥底から、体を形成する肉の裏側から、かっと火が燃え上がったような感覚に襲われる。戒められた手首を目に、その状況下で弄ばれる自らの体に、言い知れぬ快感を覚えてしまう。視覚から触覚から、長らく眠っていた快楽が揺り起こされていくようだ。
     貶められたかったのだろうか、自分は。ステージに立ち続ける夢を追い求めながら、ステージに立つことで精神的な充足感を覚えながら、もっともっとと上へ昇る事を願い続ける一方で、こんな風に誰かの意のままになりたかったのかも知れない。
     誰かに心から屈した事等なかったから。全てを自分で見出し決定してきたから。長らく押し殺されていた弱さが、歪に変貌して、他者に制服される事を無意識に望んでいたのかも知れない。強靭な仮面から解放してくれと。孤高に生きる自分にも人並みに存在する弱さを引きずり出してくれと、知らぬ間に渇望していたかも知れない。
     勿論、気位の高い自分にとって、それを許す相手は、怜悧で神をも凌駕する凄絶な美しさを放つ人間に絞られるだろうが。それならば、那智程の適任者は居ないと、聖は思う。
     「・・・や・・・め・・・」
     そう首を振っても、説得力など皆無だ。
     「縛られたい願望でもあったんですか?・・・ほら、もう一本」
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■1872 / inTopicNo.47)  魅せられてF−6
□投稿者/ t.mishima 付き人(56回)-(2005/03/26(Sat) 22:59:22)
http://pksp.jp/mousikos/
    2005/03/26(Sat) 23:00:44 編集(投稿者)

     危険な光を孕んだ那智の瞳の下、窄まりに蠢めかせる二本の指を三本に増やされて、聖は電流でも流されたように、体を戦慄かせる。肉体の裏側に潜んでいた得体の知れない何かが、熱を持ち、首を擡(もた)げ、聖自身を内側から操ろうとしている。
     ぴちゃぴちゃと粘着質な音を立てる下側の口は、それを穿つ他人の指が立てているというより、自ら進んで那智の指を食らっているのではないかと、錯覚さえしてしまう。
     「もう・・・ゆる・・・」
     もう許して――言ってみても、それは止めてと同意語ではない。寧ろ、それは――。
     「ああ。クリトリスも構ってあげないとね」
     ニヤっと意地悪く笑う那智には、聖の願望等見透かされていた。自分からはっきりと望めない、獲物の恥じらいをも理解して、彼女は親指に愛液を擦り付けると執拗に聖の小さな突起を弄り始める。
     瞬間、聖の火照った体は、更に熱を持ち、その頬は赤く染まる。
     「・・・ん・・・」
     寸でのところで理性を保ち、卑猥な声を押し殺しつつも、聖は押し寄せる快感に、瞳を潤ませる。自分の涙目が、どれほど、那智の嗜虐心を煽るかも知らずに。

     カシャっという音に夢から引き戻されて、聖は我が身を疑った。手首は戒めから解放されていたものの、今度は首輪を装着され、犬のようにリードで繋がれている。あの夜、カモミールを飲んだ、テーブルからだ。
     だが、それを問題だというのなら、下の口が銜えるバイブレーターの存在の方が大問題だ。
     「これ、取れよ!」
     昨夜の痴態等夢でしかなかったと言わんばかりに凄む聖に、
     「また、”撮って”欲しいんですか?」
     那智は、カメラ付きケイタイをちらつかせる。
     つまり、だ。さっきの空気を渇いた音は、カメラ付きケイタイのシャッター音だったという訳だが、今はそんな事を気にしていられない。
     「好い加減にしろ! バイトにも個人練にも行くんだ。ここまで、あんたの悪戯に付き合えない」
     怒気を込めて叫ぶ聖だったが、怒りより、こんな姿で凄んでも格好悪いじゃないか、という情けなさで一杯だった。
     生まれてこの方、初めて茫然自失の境地に立たされてしまったのだ。要するに、昨夜あのまま、襟元一つ乱さぬ那智に、一方的に追い上げられられ、オルカズムスに到達してしまったのだ。
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■1873 / inTopicNo.48)  魅せられてF−7
□投稿者/ t.mishima 付き人(57回)-(2005/03/26(Sat) 23:01:18)
http://pksp.jp/mousikos/
     信じ難いかも知れないが、この前は聖が普通の状態でなかった為、那智はそういう気になれなかったらしく、華奢な体が落ち着くまで延々と十分な快楽を与え続けただけだった。ある意味、持て余した体の熱を下げるのを手伝ってくれただけだとも言い訳が出来なくもなかった。
     だが、昨夜の那智は聖をイカせる事を狙っていたらしく、聖が半狂乱に泣いて喚いても、下の窄まりを、その上にある突起をいたぶり続けたのだ。蜜壺を痙攣させ、意識が飛ぶまで、ずっと。
     (五歳も年下の奴に・・・!)
     情けなさを怒りで武装させ、腸煮え返ってますという文字が今にも浮かび上がってきそうな面持ちの聖を前に、那智は、
     「約束は約束でしょう?」
     とからかうように笑うだけ。
     だが、そんな言葉で引く聖ではない。
     「約束なら、バイトの方が先約だ。それに、あんたは今から大学で・・・それとも、あんた、私が拘束された姿を想像してマスかくのが趣味?」
     腹立たしい気持ちを吐き出すように、一気に言い切る。
     折角捕まえたと想った相手に、性欲盛んな鬼畜な男と同じ扱いをされて、気分が害されない筈はないが、そこは余裕がお面を被っているような那智だった。
     「良いでしょう。では、取引しましょう」
     やんわりと言いながら、聖の首に装着された、首輪に手をやる。
     寧ろ、那智は聖が抗議し、自由にする代償だと、この言葉を紡ぐ機会を狙っていたのだ。自分から願える程、彼女自身が素直な人間ではなかったから。
     そして、「取引?」と首を傾げる聖に、那智は条件を言ったのだ。
     「ええ。三日間ではなく・・・本気で僕と付き合って下さい」
     と。
     当然、聖は面食らったものの、無断欠勤でバイト先の信頼を失う訳には行かず、首を縦に振るしかなかった。
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■1905 / inTopicNo.49)  NO TITLE
□投稿者/ 茜 一般人(2回)-(2005/04/10(Sun) 23:30:43)
    お久しぶりです☆なかなかサイトを見る時間が少ないのですが(T-T)続き楽しみにしてます(>_<)本で読みたいくらいのめり込んでしまいます(〃д〃)早く書いてくださいね(T-T)

    (携帯)
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