| 紅哉の部屋を出て、再び社長室に戻るように黒服に指示された。 愛はそれに従い、最上階へエレベーターを使った。 扉が開くと、そこには金髪のショートな飛龍がいた。 愛は少し驚いたが気にせず乗り込み、飛龍はエレベーターを降りた。 その一瞬のすれ違いざまに飛龍は愛に小さな紙を渡した。 愛がそれに気づいたときはエレベーターの扉が閉まり動き出していた。 紙には、紅哉の作戦はもう我々は知っている。無駄な抵抗はせず、おとなしく相沢さんの側にいなさい。こちらとしても条件をつけよう。詳しくは相沢まで。
愛は驚き、読み終わる頃には最上階に着いていた。引き返そうにも、扉は開き、前には相沢が立っていた。
「おかえりなさい、愛。どこへ行っていたの?私が居ない間に。」
冷たく、冷めた声が頭に響く。怖い…。
「すいません。紅哉さんに呼び出されてしばらく話をしていました。」
「そう、どんな話をしていたのかしら?興味があるわ。奥の部屋で聞こうかしら。」
そういって相沢は愛の手首を掴んだ。
「っ…痛い。。」
相沢は構わず、社長室とは別の部屋に入った。 そこは普通の応接間のような感じがした。
(携帯)
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