| 第二十三話 あのお仕置きの後、冴と玲の愛情はより深まっていた。 恥ずかしい姿を婚約者に見られ、膝の上で失禁までした玲を冴は優しく抱きしめた。 あの時から、玲は冴にすべてを委ねる気持ちになっていた。 だから冴に抱かれたい気持ちは、以前にもまして強くなっていた。 しかし、冴は性に対して潔癖で、キスより先には進もうとしなかった。 神聖な契約の儀式までは、処女を守る。冴は玲にも自分の信念に従わせていた。 だから、儀式の後の初夜が二人にとって、初めて肌を合わせる機会になるはずだった。 神聖な生贄に、選ばれなければ、二人は二人きりの甘美な初夜を迎えるはずだったのだ。 この美しい処女のカップルが、鎌田によりマザーに報告された時、二人の運命は変わった。 マザーが即座に生贄にするよう命じたのだ。 神聖な儀式の前に、処女でなくなる前に、マザーの生贄になる。 マザーの命令は絶対で、二人を生贄にする準備が、二人の知らない間に整えられていた。 生贄になる娘達は、その宿命を知らされない。 清らかな躰を、マザーに捧げなければならない宿命を。
|