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■3848 / 2階層)  隣人 2
□投稿者/ まや 一般人(3回)-(2006/09/13(Wed) 03:04:47)
    警察に引き渡された男を眺め、腰が抜けたように咲子は通路に座り込んだ。

    向こうの方で留依と大家が話をしている。
    早く家に入りたい。
    ぼーっとする頭で咲子は警察が男の部屋に入っていく姿をじっと眺めていた。


    雨に打たれて体調を崩した咲子が最後に見た記憶は、留依が走って自分に駆け寄ってきた姿だった。





    「ん…………ぅ」

    うっすらと目を開け、周りの様子を見る咲子。
    見慣れない家具が置かれ、留依が奧のキッチンで何かを作っている。


    「こっ‥ここどこ?!」

    ガバッとベッドから起き上がり、キッチンにいる留依に答えを求めた。


    咲子の質問には答えずに、留依はマグカップ二つを持って熱そうに机のうえに置いた

    とまどう咲子をよそに、留依はコンポの電源を入れて机の前にあぐらをかいて座った。


    「あの……。隣の梅田さん?ですよね?」

    ホットココアが入ったマグを、ずずっと啜りながら留依がうなずき、カタンっとマグを机に置いた

    『留依でいいよ。あたしも咲子って呼ぶから』

    にこっと留依は笑った。
    その笑顔は咲子が想像していた清楚な留依の笑顔とは全く違い、はにかんだような、無邪気な笑顔だった。

    「あ、うん、分かった留依…。」

    笑顔にときめいた咲子は肝心な自分が何故ここにいるかを聞きそびれてしまった

    体を気遣われ、男は前科があり刑務所に入れられた話や、前々から咲子をと話をしてみたかったことなど、留依と咲子はいつのまにか元から知っていた仲のように話ていた。


    何時間か経った頃、ふいに留依の家の扉がノックされた。

    『ちょっと待っててね』

    玄関に向かい、扉を開いて留依が話をしていた。


    しばらくして留依が咲子の元に戻ると、タバコに火を点けながら灰皿を近くに置いた。

    「なんだったの?」

    何も言わない留依に不安になったのか、咲子の方から口を開いた。

    『ん〜、大家さんが来て。鍵は明日になりそうだからって』

    ふぅっと煙を吐き出して留依が咲子の答を待っていた。

    「そっか、どうしよっかな…。」

    泊めてくれる友人を探そうと咲子が大きな鞄をガサガサと探り出す。


    『泊まってけば?』

    携帯を捜し出して手に持った瞬間に留依から思いもかけない言葉がでてきた。


    『決まり、明日には鍵が届くんだから自分の家の近くにいたほうがいいでしょ?』

    戸惑っている咲子を尻目に、留依は部屋着になるような服を差し出した。


    こうして咲子は留依の部屋に泊まることになったのだった。

    (携帯)
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Nomal おもしろい!!! / 宀 (06/09/14(Thu) 07:29) #3850

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