■5539 / 1階層) |
悲しみの果てには悦びの楽園A
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□投稿者/ 李白 一般人(2回)-(2008/12/18(Thu) 07:20:25)
| 封筒の中には、可愛らしい子犬の便箋が入っていた。 ああ、そういえば秋は犬が大好きだったっけ、とふとにわかに思い出した。
そして、肝心の内容は次のようなものだった。
『前略 夏樹、もう私達が別れてから1年半過ぎたわね。私はあの頃が懐かしいわ。 最近メールを送ったけど、元気そうで安心しました。 彼女はいない、彼氏もいないって言っていたけれど、私もいないの。 何だか夏樹をまだ好きな私がいるみたいで、駄目だったのよ。
・・・まあ余興はここまでにしておくわ。 夏樹、貴方に話があるの。
私の知り合いに優っていう子がいるの。私の4つ下で22歳。 ちょうど貴方とは2歳差ね。 その子が、夏樹と会ってみたいっていうのよ。何でも駅でたまたま会って、 優が一目惚れしちゃったみたいなの。
そこで、夏樹、優と会ってあげてくれないかしら。 優は完ビアンだから、気に入ったら付き合ってもいいわ。 好きにならなくても、友達として付き合ってくれないかしら? じゃあ、いい返事待ってるわ。
秋』
右上がりの角ばった綺麗な字は、確かに本人のものだった。
仕事はいつが休みだったか、壁にかけてあるカレンダー見た。 ちょうど今週の日曜日は何も無い。
最近暇だったし、まあいいか、と夏樹は思い、早速秋にメールを送る。
『手紙読みました。今週の日曜日が空いているので、その日に会いましょう』
すると、秋からは了解と言う返事が返ってきた。
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