■5542 / 2階層) |
悲しみの果てには悦びの楽園B
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□投稿者/ 李白 一般人(3回)-(2008/12/24(Wed) 07:09:59)
| それから時は早くも過ぎ去った。 そして、あの約束の日曜日。
朝、目覚めた夏樹は、1つ伸びをする。 遂に今日『優』と会うのだ。どういう人かは年齢しか分からないが、何故だろう。 夏樹は自分の気持ちがワクワクしている事に気が付いた。 でも、同時に元カノである秋と会うのは、やはり気が進まない。 なんとも言えない気持ちだった。
待ち合わせは、午前10時。 壁にかけてある黒い時計を見ると、ちょうど9時だった。少し急がなければならない。 夏樹は、白いシーツのベッドから身体を降ろす。
夏樹の自宅は、全体的に黒や白でまとめてある。好きな色だからだ。
*
夏樹の自宅から歩いて15分。結構近場にある駅が待ち合わせ場所だ。 あれから数回メールを今日のためにやり取りしたが、秋が優を連れて来るらしい。 夏樹には優はどんな人なのか、全く聞かされていない。
今日の夏樹の格好は、黒い太ももまでの長Tシャツ。シルバーのドクロが描いてある。 そして、下は流行の赤のチェック柄のスカート、そしてレギンス。茶色のエンジニアブーツ。 本当はもう少しボーイッシュだが、初対面という事で一応気は使った。 でもまぁ、優は夏樹を見たことがあるのだから余計な気だが。
待ち合わせ時間の5分前、駅の改札口で待っていた夏樹の目に、2人の女性が映った。 秋と優だ。
「ごめんなさいね、夏樹。久ぶり。待たせてしまったかしら?」
秋の今日の服装は、薄いピンクのトップスに白いカーディガン、白いロングスカート。茶色のパンプスを履いている。 茶色に染めた腰までの髪は軽くウエーブがかかっている。 夏樹と付き合っていた頃からずっとフェム系だ。
そして、その後ろにいたのが、どうも優らしい。 黒いショートの頭、胸元が開いたグレーと黒のセーター、赤のミニスカートに、黒いロングブーツ。 顔は夏樹的には可愛い方だ。
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