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■5668 / 3階層)   拾われて 仕事
□投稿者/ 郭炉 一般人(4回)-(2009/04/07(Tue) 15:29:35)
    朝・・・・といっても、11時過ぎに目覚めると、最近はずっと降っていた雨が止んで晴天だった。
    隣を見ると、充流はすやすやと掛け布団の白いシーツを握り締めて眠っている。
    その寝顔は、年齢よりも少し幼い感じがする顔だ。


    私は起こすのも悪いなと思い、静かに布団を抜けると朝食を作り始めた。
    今朝は、コーヒーとブルーベリージャムをたっぷり乗せたトースト、ヨーグルトとバナナ。
    便秘がちな身体を気遣い、毎朝必ずヨーグルトとバナナを食べている。もう日課だ。



    食べ終わって、食器を洗い終えても彼女は起きなかった。
    よっぽど疲れているのだろう。
    もうちょっと家にいたいが、仕事があるので行かなければならない。
    私は不安になりつつ、メモを残していくことにした。


    『充流へ

       おはよう。これを読んでいる頃には、私は仕事中でしょう。
       起こすのが可哀想だったので、寝かせておきました。
       ご飯は、冷蔵庫にある程度は入っている食材で作ってね。
       テーブルにコーヒーとバナナを置いておきます。
       コーヒーは温めて飲んでね?
       いってきます。
       PS  困ったこととかあったら、下に書いてある電話番号に電話して。
       私のお店の電話番号です♪
        
                               美都』


    電話番号を書いて、私は薄い水色のシャツと黒いスーツに着替えてから仕事に向かった。一応、鍵は閉めていった。









                        *








    マンションから車で約20分。ちょっと離れた場所に、私が経営するチョコレートの専門店はあった。


    その店の外見は、黒い壁に白いドア。外からは中の様子は見えないが、横のほうに小さな出窓がいくつかついている。


    表の入り口から入ると、先に来ていた店員・・・ここで働いて3年目の葵さんが私に気が付く。



    「おはようございます、店長さん♪」



    「おはようございまーす。葵さん、なんですかソレ」



    葵さんは私の3つ上だ。一応私は店長だが、年上という事で敬意をはらって敬語で喋る。


    葵さんは、両手に大きなダンボールを抱えていた。
    確か、今日入荷したチョコレートは、そんなに多くは無いはずだ。


    「ああ、コレ?私の知人から頂いたの。蜜柑や苺とか、まあフルーツ系のチョコだって。いくらなんでも多いけどね」


    苦笑しながら、葵さんはそのダンボールを置いて、上に貼ってあったガムテープを剥いだ。
    中からは甘い匂いと、ダンボールの匂いが少しだけ混じった匂いがしてくる。



    「どうする?コレ売っちゃう?」



    「そうですねー・・・売りましょうか」



    ちょうどスペースが空いていたので、その場所に並べてもらった。

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