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■7881 / 2階層)   NO3 君の痛みと僕の痛み 再会編
□投稿者/ 沙羅改めレオン 一般人(3回)-(2016/08/19(Fri) 20:47:10)
    「会いたかった!」
    みゅうが抱きついてきた

    みゅう・・・

    気がついてないと思ったのに

    抱きしめたい気持ちを抑えて

    「みゅう・・、お店だよ。ここは」
    と笑いながら言った

    「店長・・。ずっと話してた人って・・。」

    店員の子が涙目で話している

    彼女で言って驚かなかったのは
    みゅうが話していたからか

    あぁ、そうか、と納得できた

    いつまでの抱きついている
    みゅうに
    「みゅう、店の中だよ」

    優しく言った

    みゅうは、ゆっくり顔を話して
    頷いた

    店員の子が
    「店長、明日お休みだし、もう、あがって下さい」
    と、かわいい笑顔で提案してくれた

    みゅうは、
    「う〜ん・・・。でも・・・」とためらっている
    「もう、大丈夫ですって。あがって下さい」

    みゅうは何か考えているようだ

    私は部外者なので、黙っていた

    「ありがとう」と短く、みゅうが答えると

    私に向って
    「ちょっと待ってて」とはっきりとした口調で言った

    「う、うん」

    私が答える前に、みゅうは
    テキパキと仕事をこなしている

    そんな、みゅうが眩しかった

    全然、知らないみゅうだった


    しばらくして、みゅうが
    「お待たせ」とバックを持ってきた

    「うん」

    「じゃぁ、すいません」と店員の子に頭を下げるみゅう

    私は
    「ありがとう」と言った

    店員の子は笑顔で答えていた

    店を出ると、みゅうが怒っている口調で言った

    「どこに行くの?」

    「え?どこって・・・」

    「何か食べたい?」

    「いや、食べたばかりかな。お昼・・」

    「そう・・・。じゃぁ、家でいい?お茶にする?」

    急に訪ねて、悪かったかな

    サプライズにならないか

    頭の中で、ぐるぐると考えを巡らした

    「うん、どこでもいいよ」

    逆らわないように話した

    「そ、じゃ、家ね」



    みゅうに家に行くまでは
    みゅうと、ほとんど会話がなかった

    二人とも黙って電車の景色を見ていた

    みゅうの部屋に着くと
    みゅうは慣れた様子で
    アイスティーを出してくれた

    みゅうらしい部屋
    ソファとテーブル、色が統一されていた

    ソファに座り、アイスティーを一口飲んで

    大きく息を吸うと

    あぁ、帰ってきた

    と、思えた

    みゅうがテーブルの脇に座って
    ソファに座っている私に向って
    話した

    「あのね」

    「は、はい」


    「びっくりさせないで」

    「あ、ごめん・・。無性に顔が見たくなってさ
     で、・・」
    焦って、早口になっていた

    「もう、びっくりした」

    「ほんと、ごめんね」

    「会えたのは嬉しいけど・・」

    「けど?」

    みゅうは、アイスティーのコップを見つめていた

    「けど、何?」

    その答えが気になった

    ふと、不安な気持ちになった


    みゅうは、黙っている

    「けど、何さ?」

    「うん・・・。あのね」

    「うん」


    みゅうの顔を見つめた

    みゅうは、まっすぐ私を見た

    「私たち、別れたよね」

    「うん・・・」

    あぁ、やっぱり

    不安があたったと、みゅうから目をそらした

    「私たち、別れてから
    もう大分経つよね」

    「うん、そうだね」


    私は観念した

    仕方がない

    「でね、別れた原因は、色々あると思うの
    でも、もう私たちは若くないし
    二度と同じ過ちはしないと思うの」



    驚いた


    はっきりとした口調で話すみゅうに

    あんなに幼かったみゅう

    時間を感じた


    私たちは「大人」になったのだ


    「だから、もう一度・・・」

    みゅうが話していたが

    もう構わない


    みゅうを抱きしめていた

    「あのね、ちゃんと聞いて」
    みゅうが言う

    「ちゃんと、聞いて
     ちょっと、離れて」

    「嫌だ。このままで聞く」

    子どものように駄々をこねた

    「もぉ・・」

    みゅうは、きっと笑っている

    見なくて判る

    「あのね、だから。もう一度、はじめから
     やり直したいと思ったの」
    「うん」

    抱きしめながら、大きく頷いた


    みゅうの髪の匂いがした


    あぁ、帰ってきた
    と、強く思った


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