ビアンエッセイ♪

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■22195 / inTopicNo.41)  すこしづつ…37
  
□投稿者/ 桃子 一般♪(40回)-(2017/03/01(Wed) 14:21:25)
    リビングでは マスターと コウちゃんのお姉さん・お兄さんが迎えてくれた。

    「その顔だと コイツ 何も言ってないみたいですね (^-^) 」

    マスタ−が 言った。

    「ハイ…今の今まで何も…」

    「言葉の足らないヤツで 本当に申し訳ない…」

    「いえ そんな…」

    「ようこそ…」

    お姉さんが お茶を出してくれた。コウちゃんの笑顔は お姉さん似だ…

    「お邪魔します」

    「ゆっくりしていってね(^^♪」

    「ありがとうございます…」

    「えっと…佐々木さんでしたっけ?」

    お兄さんが 声をかけてくれた。

    「はい…よろしくお願いします」

    「そんなに固くならないで(^-^)」

    (と言われても…)
     
    「ところで こんなキレイな彼女 どこで見つけたのかな?」

    お兄さんが コウちゃんに訊いた。

    「図書館で声かけられた…」

    お兄さんが 私を見た。

    「ホントです 先に声をかけたのは 私です…」

    「コレ 偏屈だから 大変でしょ? 佐々木さん 苦労してない?」

    コウちゃんは 困った顔でお茶を飲んでいる…

    「いえ 全然…いつも 楽しんでます(^-^)」 

    マスターとMadamは 何も言わず 微笑んでいる…
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■22196 / inTopicNo.42)  すこしづつ…38
□投稿者/ 桃子 一般♪(41回)-(2017/03/01(Wed) 14:24:44)
    「正月に言ってた ご両親に会うって…」

    お兄さんが コウちゃんに訊いた。

    「うん…」

    「なんか言われた? 罵倒されたり 張り倒されたり(笑)」

    「別に…特には何も… ご両親 驚いてたけど…」

    「そりゃ…驚かない親はいない と思うよ…」

    「うん…でも…」

    「何?」

    「お父さんが『これからは2人で遊びに来い』って言ってくれた…」

    「ほんと?」

    「いや 直接言われたわけじゃないけど…」

    お兄さんが 再び 私を見た。

    「はい…私が1人で帰ったら ウチには入れないそです(^-^)」

    「そんなこと言ってもらえたんだ…よかったな」

    「うん」
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■22197 / inTopicNo.43)  すこしづつ…39
□投稿者/ 桃子 一般♪(42回)-(2017/03/01(Wed) 14:28:25)
    「ヒロ! 今日のすき焼き 食べていくよね?」

    キッチンに立ったお姉さんの声に コウちゃんが 私を見た。

    (どうする?)

    (任せる)

    「うん…よろしく」

    「あのう…何か お手伝いさせてください…」

    思わず言ってしまった。

    Madamが

    「じゃ 甘えちゃおうかな」

    お姉さんが エプロンを貸してくれた。

    キッチンで 野菜の準備をしながら

    Madamとお姉さんが

    「ヒロ よく笑うようになったよね」

    と 盛り上がっていた。

    「去年の夏くらいからよ…」

    「それって 佐々木さんのお陰?」

    お姉さんに訊かれた。

    「いえ そんなことは…」

    「大いにあるわよ(^.^) 」

    Madamが 言った。


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■22198 / inTopicNo.44)  すこしづつ…40
□投稿者/ 桃子 一般♪(43回)-(2017/03/01(Wed) 14:34:20)
    「そうなんだ…ねっ きっかけは 何だったの?」

    「私が 押しかけました(^-^)」

    「ホントに? さっきの話 ホントのことだったの?」

    「はい…」

    「何処がよかったの?」

    「どこって…」

    「だって…アレだよ(笑) マイペース過ぎるほどマイペースで…愛想もない…」

    お姉さんの目は なかなか厳しい…

    「私…図書館に勤めているんですけど…
    3年前 そこで ヒロ君を見かけたのが最初でした…
    はじめは 同僚たちと『カッコいい人が来た〜』って 陰で盛り上がってたんです…
    で…気がついたら…いつも 目で追いかけてました。
    だけど…親しくなるキッカケなんて 何処にもなかったんです… ただ 見てるだけで…
    それが変わったのは…
    去年の春 ヒロ君が 私の隣の部屋に引っ越ししてきてからです…
     それから『駅裏』で アルバイトしていることを知って…
    少しづつ …押し切りました(^-^)」

    「そうだったんだ…あの子 口数少ないでしょ? それが気になって…」

    お姉さんの目には コウちゃんは どんな風に映っているんだろう…

    「私のおしゃべりに ヒロ君が 合せてくれてます(笑) それに…」

    「なに?」

    「ヒロ君との沈黙は 心が落ち着くと言うか…安心出来るんです」
    「そう…」

    お姉さんが 初めてホッとしたような顔になった。

    「今度『駅裏』のぞいてみたらいいわよ(^.^) ウチでは見せたことのない顔してるから…」

    Madamが 助け船を出してくれた…

    「ガキんちょが ひとり暮らし始めて最初の冬に こんなステキな人と 帰って来るとは…
     31歳と29歳 何やってんだろ…完全に 先を越されてしまった…」

    お姉さんの言葉が 微笑ましかった…

    「言いたいコト言って…って呆れてる?」

    Madamが 笑いながら訊いた。

    「いえ…ヒロ君が 末っ子扱いされているのを見て ちょっと安心しました…
     普段は 一匹狼 ってカンジですけど(笑) 」

    「あの子 外では 狼の毛皮をまとった狼 ってカンジだもんねぇ」

    お姉さんも Madamの言葉に納得しているみたいだ。

    (まんま 狼 って(>_<) )
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