| 葬儀が終わっても、あなたは学園へは来なかった。 他のクラスメイトに聞いても、あなたを見かけたという人はいなかったわ。
葬儀の間、あなたはずっと遠い目をしていた・・・涙も流さずに。 心配になって、寮の部屋を訪ねたわ。
もう夜だというのに、部屋は真っ暗で、 暗闇の中でじっとうずくまっているあなた・・・ 話しかけても反応がない。
あの日校内を案内したときには、あんなにも笑顔で、 はにかんだように笑っていたあなたの面影もなく・・・ 青白くうつろな目をして・・・。
抱きしめて、無理やり顔を上げさせても・・・ その眼は私をみていない・・・否、何も映していない・・・。
ああ・・・天・・・こんなにそばにいるのに、 あなたの世界には、私は存在しないのね。 今のあなたの世界には、何も存在しないのかもしれない。 あなたにとって一番大切なものが消えてしまったこの世界には。
天・・・
気がつくと、私は泣きながらあなたを抱きしめていた。 何の反応もないあなたを・・・。
天・・・
あなたをこの世界に、取り戻してみせるわ・・・どんな方法を使ってでも。
うつろな瞳をした、あなたを抱きしめて、額にキスをした。
「まったく、あなたの親には失望したわ。」
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