ビアンエッセイ♪

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■16299 / inTopicNo.61)  行きませんか
  
□投稿者/ つちふまず ファミリー(168回)-(2006/09/03(Sun) 12:03:07)
    空いてる水族館に行きたいなぁと思ったり。





    アフター5に、
    天ぷらの美味しい店に行きたいなぁと思ったり。




    大それた願いじゃなく、割とささやかな願いを。




    そんな事を思ってたりする最近だけど─



    「………。」



    自分のスケジュールを見て思わず閉口。



    「はぁ……。」



    網カケがされている休日の少なさに思わずため息。



    仕方が無いのは、
    わかってるんだけど。



    もう新人じゃないんだから色々やらなきゃいけないのも、わかってるんだけど…。




    そんな彼女は─



    『そっか。仕方ないよ』


    『イイ子にしてるから大丈夫』



    『頑張って』




    何だか余計に切なくなっちゃう訳で。



    大それた願いじゃないのに。



    ホルモンの美味しいお店にもまだ一緒に行ってないし、



    麻布にあるお蕎麦の美味しい店にもまだ行ってないし。



    目覚ましをかけなくていい日曜日を、
    一緒に迎えたいし。




    割と普通な時間の過ごし方を望んでるだけなんだけど…。






    現実は─
    仕事があって、
    責任があって。
    やらなきゃならない色んな事があって。




    『休みをくれーっ!』




    叫びたくなる昨今です。




    そんな時に限って─



    喧嘩をしてしまう訳で…(ああ情けない)





    …あの、



    んー…。



    最近すぐに怒らせてしまう私なんだけど。




    ちゃんと考えてるから。




    いつも想ってるから。






    だから…。


    んー…。


    うまく言えないんだけど。






    『温泉行きたい』





    ってこの前行ってたよね?





    月末の連休は確定したから…。





    温泉予約しておきました。(恥)




    (実は8月中に予約は入れてあったんだけど)




    月末までまだまだ時間はあるけれど、




    機嫌、直してくれると嬉しいです。




    良かったらでいいから。一緒に行きましょう。





    もし一緒に行けたら、
    すごく嬉しいし楽しい気がするから。





    仕事も頑張れます。








    (ちなみに部屋に露天付いてます)







    (ちなみに離れです)







    一緒に。








    一緒に行きませんか?







    (ダメかなぁ)









    (行きたいなぁ)







    (携帯)
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■16306 / inTopicNo.62)  ちびさん
□投稿者/ エビ ちょと常連(95回)-(2006/09/03(Sun) 23:10:54)
    ニン♪
    エビ誕…。エビたん?(笑)
    ありがとうございます。
    ちびさんには一年近く前から“ブラックタイガー”疑惑を頂戴していた気がします。
    (ふむ…)

    甘エビちゃんに失礼な話やわ(笑)

    “賞味期限”はテーマが良かったです。
    私はお題を書く度に、次にナイスな題を残したいなと思い悶々…(*_*)

    あちら頻繁に更新されてて楽しいですねー。
    では♪




    (携帯)
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■16307 / inTopicNo.63)  言葉は
□投稿者/ エビ ちょと常連(96回)-(2006/09/03(Sun) 23:12:31)
    言葉は、
    言葉は。



    言葉は─




    饒舌は時に愚で。


    「もーいい」


    さんざ文句言った後電話を切って布団に横たわる夜。
    言葉の空々しさを思うんだ。



    数十分のブランク、
    冷えてきた頭で考えるの。
    文明の利器を開いて考えるの。


    あなたに届ける言葉。
    言葉。



    書いては消して。
    書いては消して。


    違う、
    違う違うって。


    言いたいのはこんな事じゃないって。
    全然違うって。




    眠りについて朝を待てば、新しい時間が来るんだろうって分かるし。


    「んな深刻になんなくていいんだってー」


    あなたはいつもの優しい顔で笑うかもしんない。



    でもね?
    ね。





    衝動にも似た感情に覆われてる身体から。






    熱はなかなか消えないの。








    ごめんね─



    がピンと来ないのは。


    あなたを傷つけても。
    どれだけ傷つけても。


    愛してもらえればいいなって思っちゃうから。


    どれだけワガママ重ねてあなたを傷つけても。



    申し訳ない、以上に愛していて欲しいから。




    自分勝手な私だけど、
    でもちゃんと課された任務はあるんだよ?


    触れて触れられて顔見て笑って過ごせれば、きっと何でもない夜。


    でも、
    飛び越えられない距離も私達にはあるから。
    確かにあるから。


    そんな夜は。


    持て余す感情に追い付く言葉を探して。


    違う、違う違うって。
    あれも違うこれも違うって探して。



    あなたの事を考えて。
    あなたへの欲も夢も抱えて。





    言葉と追いかけっこしながら過ごすんだ。







    “あなた”の違い、
    他の人とあなたの決定的な違い。


    見つけたよ。







    私をマジにさせるのは。




    私に負けてもいい勝負をさせるのは。








    世界中であなただけ。







    あなただけ。









    大切なものは少ないねって、
    しみじみ思うようになった私達だから。


    それでも毎日笑って。
    性懲りもなくケンカなんかしちゃって。





    それでも一緒にいようね。









    夏の終わりの太陽は随分優しくなったのに─


    私の薬指には、
    微かな日焼け跡ができてきました。





    T&CO(照)





    言葉は、
    言葉は。





    言葉は─










    温泉、行こ?








    楽しみです♪





    (携帯)
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■16315 / inTopicNo.64)  はじめまして
□投稿者/ 昴 ファミリー(174回)-(2006/09/04(Mon) 01:19:02)
    すいませんm(_ _)m

    次に残すお題を考えて悶々とされたのに…
    続いた『罠』があんなので…

    拝見させて頂いています!好きなのは『パンダと虎』でした

    (携帯)
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■16316 / inTopicNo.65)  ぬわぁぁぁぁあ
□投稿者/ たこ 一般♪(1回)-(2006/09/04(Mon) 03:12:33)
    エビさん

    つちさん

    仲直りしたんですね

    復縁ですねヽ(´ー`)ノ

    よかった。実は去年?一昨年?まぁ、とにかくお二人がお付きあいを始められた時から色々コッソリ盗み見していました(笑)

    やぁ、めでたい★

    お二人がこれから楽しく充実した時間を過ごせますように☆

    (携帯)
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■16317 / inTopicNo.66)   皆さんへ─のつちふまずさんにちゃっかり返信
□投稿者/ ゆらら 一般♪(37回)-(2006/09/04(Mon) 04:27:15)
    はじめまして。
    私が初めてここにお題小説を書いて落とした時
    つちさんは、何かと、お気持ちがお忙しかったようで
    書き物がここを出たり入ったりとしておりました(笑)

    「落ち着かない人だなぁ☆」と
    それが出会いの印象でした☆

    でも理由はどうあれ戻られて又書かれていると
    分かり嬉しく思います☆

    ここからは、私の勝手な独り言です☆^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

    ここはお江戸のど真ん中。「ビアンエッセイ長屋」には
    いろんな住人が所狭しと出たり入ったりをしながら自由に気さくに
    物を書きながら住んでいる。

    「よっ。つっさんお帰りかい?」

    「おお。あたぼうよぉ〜。ちょっくら、ひとっ稼ぎしに大阪までさぁ〜。」

    「また、世話になるぜぇ〜よろしくなっ。」

    「あいよ。まかせときっ。」

    こんな会話を繰り返しながら「ビアンエッセイ長屋」は

    今日も温かく、入ったばかりの新人さんも昔からの住人さんもごった返して

    物を書いたり読んだりしながら、楽しく賑やかに暮らしているのであった・・。

    めでたしめでたし。

    私がここに居て、ここで感じた、ここのイメージです☆

    仮装の麗人は、姿や名前を変えてその時どきに合わせて、鮮やかに現れる。

    けれどそのひとだけが漂わせる香りや感性は

    決して全てを消し去る事など出来ないのだ・・。

    どこかにそのひとの残り香が必ず漂っているから・・。


    「おかえりなさい☆」                            

    ※長文・意味不明等は・寝惚けているのでご容赦を☆
    感じるひとだけに感じとっていただければ幸いです。
    大変、夜分に失礼を致しました。

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■16318 / inTopicNo.67)  うれしぃぃぃぃ・・
□投稿者/ 葉っぱ 一般♪(3回)-(2006/09/04(Mon) 12:51:29)
    いつだっただろうか・・・
    この小説サイトでのエビさんからつちふまずさんへの告白・・

    その頃からずっと読ませてもらっていました。密かに(笑)
    別サイトでの日記のやりとりも・・・

    いつの間にか私の中で(仮想空間?)お二人のやりとりが
    シンクロしてました(←変)

    仲直りされたのですね
    すっごくうれしいです

    なんだか泣きそう・・(;_;)  (←アホです)

    よかったぁ〜・・また以前のような日記を読ませて頂けると嬉しいな・・・

    お二人がハッピーになれますように☆


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■16391 / inTopicNo.68)  皆さんへ
□投稿者/ つちふまず ファミリー(170回)-(2006/09/11(Mon) 23:01:48)
    ゆららさんへ─


    笑ってしまいました(笑)

    何に?ってゆららさんのコメントです。
    麗人と言うよりは、
    ただの黒人に近い私なんだけど(*_*)


    オーケー。
    答えましょう。


    今の私─


    「うぃー!今日は京都まで一稼ぎして来たぜ!」


    ってな感じです(笑)


    はい、
    京都に行って来ました。


    ええ、なもんですから、いい休日を過ごせた訳です。


    そう、なので。
    ちょっとノロケていいですか?


    文章で(もじもじ)
    喜ぶんですよ、
    彼女が♪


    改まってレスを立てて小説は書けない今の私ですが…。


    すんまそんバカで。
    感想ありがとうございました!






    葉っぱさん─


    私がレスっていいのかどうかはわかりませんが(笑)


    私じゃダメ?(ダメ?)


    ん、そですね。
    エビちゃんと何だかんだで…。
    もう一年になりますか。(早いですね)


    相も変わらず尻に敷かれてますよ。
    ええ、その方がいいんです。(いいみたいです)


    色々あったけどね(笑)


    いいんです。
    頑張ります。


    愛想尽かされないようにちゃんとします(笑)


    彼女と誕生日一緒らしいですね?


    遅ればせながら…。
    happybirthday♪


    おめでとうございます。お互いいい一年にしましょうね!




    ※お目汚し失礼しました。





    (携帯)
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■16392 / inTopicNo.69)  んーとかうんとか
□投稿者/ つちふまず ファミリー(171回)-(2006/09/11(Mon) 23:03:53)
    日付を跨ごうかとデジタルの時計が光るホテルの一室で。




    ベッドに潜り込んで、




    身を寄せ合うその瞬間。



    「んー…。」


    「……ん。」


    「…ふふ」


    「…ニシシ」



    ぼんやりと見える輪郭を確かめるように鼻を擦り合って。



    甘い言葉を囁くなら、多分こういう時なんだけど。



    「んー…」


    「…うん」



    んー、とかうんとかそんなんばっかりで。


    会話が成り立つもんだから不思議。




    “今夜は早く寝よう”




    明日は出勤─
    だから彼女を気遣ってそんなセリフを言ったんだけど。




    全然。


    ちっとも。


    眠ろうとはしない、
    私達の体。





    慣れて来た目、
    一瞬視線が絡んで。




    キスをした。




    合わせたまま、


    暫くそのままでいると。




    ペロ─




    舌唇が撫でられて。




    「んー…」


    「………ん。」




    キスをしながらも。




    んーとかん、とか。




    会話になるものだから、不思議だ。





    「………は」


    「………ん、ん」




    んーとかうんが段々、
    だんだん。
    熱を帯びれば、




    はーとかはぁとか。
    ため息の感覚が狭くなって。




    段々、
    だんだん。





    溶けてしまう。





    それなら。









    ヨーイドン─




    唇を合わせながら、




    着ていた浴衣が邪魔臭いから、




    帯をさっさとほどいて、




    二人何もかも脱いで、




    掛け布団も邪魔だから跳ね飛ばして、




    彼女の股に右膝を割り込ませて、




    上から下まで何もかも隙間無く、




    ぴったり合わさって、




    擦り合わせるように互いの体を揺らせたら、






    そこでやっと一息。
    深いため息を同時につく。




    「………んー…。」



    「………うん。」




    んーとかうんで、




    会話になるんだから。




    不思議でしょうがない。




    昼間に二回もしたはずなのに。




    会話は終わらない。









    甘い夜?


    いいや違う─










    「…………っ!」



    「………ああ!」





    んーとかん、とか。
    そんなんじゃ物足りない私達は─




    叫んで、




    濡れて…。









    ただの獣になる。




    (携帯)
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■16393 / inTopicNo.70)  その人となり
□投稿者/ つちふまず ファミリー(172回)-(2006/09/11(Mon) 23:07:52)
    雨が─



    「降ってきたね」


    「ホントだ」



    叩き付けるような通り雨。



    朝品川を出た時には眩しい位のピーカンだったのに…。




    久しぶりにやって来た街には雨雲が広がっていて─




    でも実は天気になんか左右されない、
    強い明るい気持ちがあって。



    足元が濡れても、髪が湿気を含んじゃっても。



    嬉しくて─



    「行こうか」


    「うん」



    小雨になったのを見計らって、


    彼女に付いて行く。





    一緒にいるっていう事が大前提に嬉しいのに、知らない土地へと案内される事は。


    この上無くワクワクする。




    見える景色が─



    「あそこでな、夏は花火が上がるんや」



    特別になる。




    ナイスロケーションで─


    山を臨む広い渓流にかかる橋を渡る。



    普段よりも跳ねた声で、


    彼女はいつもより機嫌がいい様子。





    「良く昔はあそこでボーッとしてたんやで」





    細い指で指し示した中洲はこれまた雅な場所。


    日本人である事に感謝したくなるようないい場所。




    環境が─
    その土地が、
    人となりを形成するんだと実感する。


    いい場所で育ったんだね本当に。






    いつか本で読んだ事があります─



    『京都の女性は』



    駆け引き上手で、
    プライドが高くて。
    緒突猛進なタイプは×。



    “押したら引く”



    なんだって(笑)





    当てはまるかそうで無いかは別として…。



    川風に髪を靡かせて先を見つめる横顔や。




    ウィットに富んだ会話の中に見られるクレバーさは。



    少なからずとも、
    育った土地や環境が大きく影響しているのでしょう。






    翌日─



    「行ってきます」


    「気を付けて」



    ホテルから直接会社に向かう姿を、抱き合いながら名残惜しみつつも見送って。




    今日はこの街を一人で歩きました。




    嵐山と太秦を歩いてみたんだけど。




    楽しかったなぁ。




    東京の人間の多くが京都に惹かれるのも、
    わかる気がします。





    来週は─
    平安の都に続く時代を築いた街へと。









    あなたが来る番。





    海風とカモメさんが、優しく迎えてくれるはずです。







    楽しいデートをありがとう。








    内股と腕が筋肉痛です(笑)


    (携帯)
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■16480 / inTopicNo.71)  皆さんへ─
□投稿者/ エビ ちょと常連(98回)-(2006/09/16(Sat) 12:05:21)
    昴さん─

    初めましてご主人さま(笑)
    お名前はよく存じ上げておりました。
    エビです。
    “罠”は昴さんが続いていただいたんですねー。光栄です♪
    「パンダと虎」は今でも時々ご感想を頂き。
    しっとりよりお笑い系だなと。
    自己を振り返る次第でございます(笑)
    ありがとうございました。


    たこさん─

    Toたこさん、
    Fromえび。
    イカさんが揃えば完璧…(笑)
    初めまして。
    長らくお目に留めていただいていたようで嬉しいです。
    一年って早いなぁと思う今日この頃…。
    何せまだまだ子供ゆえ、ジタバタしてる事も多いんですが(あれま)
    過ぎていく時間を大切にしていきたいなと。
    思っています。
    ありがとやんした♪


    皆さんへ─

    小説ちょくちょくアップしています。
    まとまりが無く申し訳ありませんが…。
    1〜番号のふってあるものは順に読んでください。
    宜しく♪




    (携帯)
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■16481 / inTopicNo.72)  でへ♪
□投稿者/ エビ ちょと常連(99回)-(2006/09/16(Sat) 12:08:25)
    んー……。
    ん。んん…。


    眠っているベッドの端が沈んだ事に気付いて目を開ける。


    そっとそっと。
    私を起こさないように布団を抜けていく彼女の背中。


    7時?8時?
    ふたり、明け方近くまで戯れに興じていても。
    彼女はいつもこうして私より先に起きる。


    …………。


    かすかな物音。


    パタン─


    冷蔵庫から冷たいお茶を出し。


    シュ─


    煙草に火をつけてる。



    寝ぼけた目を頑張って開くと…。


    座椅子に座る彼女は。
    天井に向かいふわっと煙を吐いていた。



    私と一緒にいる時には見せない、
    静かな瞳。静かな横顔。


    …………。



    何を。
    考えてるのかな。


    な。



    かまって欲しいなー。


    なー…なんて。



    パフパフ─


    枕の空いている部分を叩く。



    「ん?」


    気付いた彼女がこちらを見て煙草を消す。


    「おはよ」


    優しい声の後で。
    おでこに感じる、
    掌と唇の感触。



    そこには、いつもの笑顔と温かい声がある。



    …んふー。



    怠惰な朝─



    “おはよう”を心の中で呟き。
    ニヤつく私の顔。



    「おいで」


    ベッドの中、
    広げられた腕に吸い込まれるように頭を埋めると。



    ………んふ。


    また自然と眠くなって。
    …くるけれど。



    腰の辺りや胸に伸ばされた手に。
    身体は正直で─



    朧げな意識の中。
    定まらないキスを交わし。


    胸元に移動してきた彼女の頭を抱く。



    怠惰な朝─



    言葉少なに身体の欲求に身を任せ。
    白のブラインドから差し込む光を裸身に浴びながら。



    私は吐息を吐く。







    もそもそ…。


    昼前に届く時間。
    二度寝から先に目覚めるのもやっぱり彼女。



    「うん」


    「ん」


    「ん〜」


    「ん〜…」


    うん、とか。
    ん、で。
    会話が成立するのは私も不思議で。


    不思議な事は何だって答えを見つけたくなる私だけれど。



    怠惰な。



    怠惰な休日の朝─



    回らない頭で想うのは、これが精一杯。







    もう。








    もう離したくないよ。








    「お腹減った」


    私が言うと。


    「はーい」


    いそいそとベッドを出てキッチンに立つ彼女。





    パンを焼く彼女の横顔に─










    デヘ(謎)(赤)(幸)







    fin.





    (携帯)
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■16482 / inTopicNo.73)  1─Mail from
□投稿者/ エビ 常連♪(100回)-(2006/09/16(Sat) 12:12:39)
    「……デヘ」


    「……ちょっと」


    「今日も綺麗やわぁ」


    「ちょっと聞いてんの?」


    「こんな綺麗な人が世の中におるねんなぁ」



    ─ムカ。



    「ちょっと!人の話聞いてんの!?」
    ドンっとテーブルを叩く。


    「んー?」
    とこちらを向いた彼女の顔は。
    伸びきった鼻の下、
    ぬけさく先生みたいな三角目…。



    「何だらしない顔してんのよ!」


    キー!!


    「きゃあああ…」


    助けてぇ〜、
    鬼嫁がイジめる〜、と。


    ゆり子さぁ〜ん、
    と。
    ブラウン管の中の想い人に助けを求めた。






    「バカでしょホント」


    翌日、職場の昼休み─


    サンドイッチを食べながら、同僚ミチルに同居人の愚痴を漏らす。


    「まぁねー。ゆり子さんの熱狂的なファンの男って多いしねー」


    ミチルは紅茶をすすりながら笑う。


    「ま、ね」


    男…ではなかったりするんだけど。


    「でも同棲生活上手くいってんじゃん?平和な匂いがプンプン」


    ミチルは笑うけど。


    「そーでもないよ。何かどんどん緊張感なくなってきて」


    「そなの?」


    「カノ…、彼、昔はすっごいスマートで頭も良くて素敵に見えたのに…」


    「最近は?」


    「“ゆり子さんからメールが欲しい!”ってわめいてた」


    「ハハ。バカだねー」


    でしょ?
    「私が言っても聞きそうにないし」


    「じゃあここは…」


    ん?


    ミチルは私の耳元でゴニョゴニョ…。







    ヒロさんへ─

    たまには家のことを手伝ったり、彼女さんを大切にしなきゃ駄目ですよ?
    家の中でもちゃんと身だしなみに気を遣って…。


    ゆり子。




    バカにつける薬は、
    バカメール。
    (どうだコノヤロ)






    「ただいま」


    その夜帰ると─



    珍しく私より早く帰宅していた彼女、
    ご自慢のシャツを着てパスタを茹でていた。


    いつもジャージなのに…。
    日本人なら白米だろ、が口癖のくせに…。



    その更に夜─



    久々にムード満点で迫ってきた彼女。




    「好きだよ」




    似合わない標準語は、ま、まぁ許すとして。
    (ちょっとクラっときたし)





    「好きだよ、ゆり子さ……」





    さすがにそこは。






    「何ですってぇ?」


    キー!!





    「きゃあああ…」









    グーとパーで殴っておきました。









    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■16483 / inTopicNo.74)  2─Call to
□投稿者/ エビ 常連♪(101回)-(2006/09/16(Sat) 12:17:09)
    「お疲れ様でしたー」


    「お疲れ」



    PM7:00─


    定時より2時間が過ぎているけれど、ちょうどいい。
    ソワソワ待つよりはずっといい。


    着替えを済ませ地下鉄に乗り。


    ふと─


    ランチタイムを一緒に過ごした同僚の顔を思い出す。


    幸せな夕食を囲んでいるであろう姿を想像して。
    胸が暖まった。





    「……だいま」


    返事のない呟きを発し、暗い部屋の電気をつける。


    ─シュ


    缶ビールの蓋を開け一口舐めたら。





    ……RRR



    早めに電話しておこう。



    ─毎度ありがとうございます。



    私の恋人はよくモテるけど。



    ─かしこまりました。今夜10時ですね。



    電話をすれば、
    必ず駆けつけてくれるから。









    ピンポン─



    「どうぞ」



    「お邪魔します」



    その夜の彼女は、
    大きくスリットの入ったワンピース姿。


    …幼い顔に酷く似合わない華美な服。


    店の方針を恨みたくなる。



    「よかったらビール飲んで」


    「ありがとうございます」


    彼女と私、
    部屋のソファに腰かけるが。


    「…………」


    「…………」


    「シャワー浴びてくるね」



    この部屋での逢瀬はもう両手に届き。


    やましさから来るぎこちなさや妙な雰囲気作りは、不要なものになった。



    サー…。


    不要になった事は、
    良いのか悪いのか。


    熱いシャワーを浴びて思う。



    客。
    商売。
    お金。
    仕事。


    客観的事実と。



    私の中に生まれ始めた気持ち。






    「お待たせ」


    シャワーを出て部屋に戻ると─


    「…………」


    ベッドの縁に座り俯く彼女がいた。



    「どうしたの?」


    声をかけると。



    「……みたい」


    「ん?」


    「なっちゃった、みたい。予定より。大分早くて」


    申し訳なさそうにそう答えた。



    ………。



    「ごめんなさい」


    「んーん」



    嬉しくて。
    愛しくて。







    「ねぇ、肉じゃが余ってるんだけど。一緒に食べない?」






    その日初めて─


    彼女は家族の話をしてくれた。
    高校生になる妹がいるんだ、と。


    その日初めて─


    彼女は私の名前を呼んでくれた。
    ミチルさん、と。





    来週─





    ご飯に行こうと。






    約束をした。








    (携帯)
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■16484 / inTopicNo.75)  3─Perfume of
□投稿者/ エビ 常連♪(102回)-(2006/09/16(Sat) 12:20:48)
    「茜ー。ご飯行こー」


    彩からの誘いに。


    「ういー」


    と返事をして席を立った。


    カチャカチャと鳴るお弁当を下げ、向かう先。


    定番の屋上?
    残念。うちの学校屋上の扉にはデカい鍵。


    中庭のベンチ?
    残念。二年の私達にあの特等席に座る権利はまだない。


    グラウンド。
    その端の、
    大きな藤の木の影で。



    シュポ─


    まずは火を灯す。


    彩がふぅっと吐いた煙は太陽の白に交じり消え。
    私がふぅっと吐いた煙は砂の茶色によく映えた。




    「食べよっか」


    「うん」


    「茜のお弁当っていつも美味そうだよね」


    彩は羨ましそうだ。


    「そうかな」


    「色とりどり。お姉さんが作ってくれてるんだっけ?」


    「うん」


    「優しいー」


    「…そかな」



    ─デリヘルのバイトとかしちゃってるんだけどね。



    「あ、でも最近の姉ちゃんさ…」


    「ん?」


    「ん、何でもない」


    「何よー。ふふ」



    最近、さ。
    よく笑うようになったんだよね。







    藤の花が風に揺れ、
    彩の顔に影を落とす。


    大きな木にもたれていると、背中からエネルギーが伝わってくる気がして。


    「…………」


    「…………」



    気がつけばふたり、
    目を閉じていた。



    「彩とよく来たよねー。ココ」


    「うん」


    バカだなと思う。


    「彩の背中に毛虫落ちてきた時もあったっけ」


    「ハハ。あれはビビったー」


    バカだよ。


    「…………」


    「…………」



    口を突く言葉は、
    “最後”を意識させるものばかりだ。




    「彩。さ…」




    「ん?」





    「…………」


    「…………」



    ─その手を。



    「…………」


    「…………」



    ─握りたい。







    「彩、私さ…」




    お互い踏み込む事はできないだろうって、分かってたから。



    キーンコン─



    鳴り響いたチャイムも。


    言えなかった、
    “忘れないで”も。
    “手紙書くね”も。



    踏み込む事はできないだろうなって分かってたから。


    分かってたから。





    分かってたから、
    平気なのに─










    あの日からも変わらず。



    私の昼食の場所は
    藤の木の下。





    青空に溶けるSevenStarsの白い煙。






    何もかも。







    彩が教えてくれた。







    (携帯)
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■16485 / inTopicNo.76)  4─Fool with
□投稿者/ エビ 常連♪(103回)-(2006/09/16(Sat) 12:24:08)
    「あ、カテキョの時間」


    午後4時。
    そろそろ準備を始めなければ。


    「えーもう?」
    名残惜しそうに私の胸に触れてくる太い腕。


    「も1回シたいー」
    私の足の間に挟みこまれるすね毛の足をほどいて。


    「ダーメ。時給オイシいの」


    ラブホを出た。



    「じゃね」


    彼と別れターミナル駅に向かう。


    大学で授業を受けている時間とセックスに費やしている時間、
    果たしてどちらが長いんだろうとボーっと考えながら。


    快速を待つホームで─



    ひとりの少女に目が留まった。


    私が教えている生徒とは別の制服に身を包んだ女子高生。



    ……おいおい?
    飛びこんじゃ駄目よ?


    そうツっこみたくなるような目で。
    見つめる先。
    手元には。
    一通の白い便せん。


    ………?


    少女はキュっと唇を噛み。
    てく、てく…。



    ストン─



    丸めた手紙を、
    駅のゴミ箱にin。



    …あれま。
    ラブレター?
    渡せなかった手紙?


    小さなイタズラ心
    、ゴミ箱の前を通る時そっと一瞬中をのぞいてみる。


    便せんの表には。





    “茜へ─”



    そうあった。







    分かんないなぁ…。
    あー分かんね、
    最近の女子高生。


    カテキョ先の家へ向かう5分の道のり。
    そんな事を思いながら小さな石を蹴る。



    ピンプン♪



    「あ高瀬先生。今日お母さんいないんです」


    「そなの?」



    トントン、
    二階への階段を昇りながら。
    私が受け持ったこの子は分かり易い子でよかったなと思う。


    品行方正、
    成績優秀。


    ああ楽チン。





    「じゃあ英語から始めよっ…」
    か?


    「先生」


    「?」


    「キスマークついてる」


    「!?」


    「嘘」


    クスクスと笑い、
    ベッドに座るその子は…。


    「でも男クサいのはホント」


    その子は…。


    「止めてよね。ここ来る前にヤってくんの」


    その、子は……。






    「欲情すんじゃん」




    そう言って私の耳たぶを噛んだ。








    あー、
    分かんない。




    さっぱり分かんない。最近の高校生。








    こんな撫で方。


    こんな挿れ方。


    こんなかき回し方。


    こんな舐め方。


    こんな絡め方。





    こんなキス。







    「………っ」








    私はまだ教えてない。









    (携帯)
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■16486 / inTopicNo.77)  5─Silence is
□投稿者/ エビ 常連♪(104回)-(2006/09/16(Sat) 12:28:37)
    「乾ぱぁぁぁい」


    ガチガチとぶつかる3つのジョッキ。


    「じゃあ…。改めて自っ己紹介〜!」


    私の隣、友人のケイがハイテンションな声を上げた。


    「じゃあ私から。ケイです!24」


    ……ん?私?


    「タエ。同じく24」


    私達ふたりの顔を優しく見つめながら、向かいの彼女。


    「ユリ。歳は…。キミ達よりはだいぶオバさんかな。ふふ」


    長い睫毛を揺らす。


    「とーんでーもなーい!」


    ぶんぶん首を振るケイ。


    「ユリさんがこんな綺麗な人だったなんて…。鼻血出そうになりまつた。ナハハー!」


    ケイの言うことは正しい。


    出会い系。
    初飲み。
    2対1。


    今夜彼女が現れた時…。


    その巻髪に、
    その泣きボクロに。
    年上女の圧倒的な色気に。


    “ごくり─”


    私もケイも唾を呑んだ。



    是非とも一度お手合わせを願いたいのは、ケイ然り。私然り。


    まぁ正直。
    ケイに負ける気はしてないけど?





    「ユリさん営業されてるんだ〜。スゴいなぁ」


    「ふふ」


    「でもこんな綺麗な人に進められたらツボでも何でも買っちゃう!」


    「ケイちゃんてば」


    会話はケイのペース。
    これは想定内。



    「タエちゃんは大人しいのね。普段何してるの?」


    ほらね?
    お酒をくゆらせて時折微笑を浮かべていれば、興味はあちらから示してくれる。


    「バイトしながら音楽やってる。妥協した社会人にはなれない」


    ジンライムの氷をカランと鳴らして目線を落とせば。


    「そうなんだ…」


    完璧。


    肘をついた手に顔を乗せ私を見つめてる。


    …言うだろ?ケイ。


    沈黙は金なり。
    黙する事以上に、
    人を惹きつけることはない─


    ってな?



    その後も会話は。
    ケイ6、彼女3、私1。
    そんなペースで進み…。



    「トイレ〜」


    ケイがトイレに立った。



    ちゃー…。
    ンス。



    あくまでクールに、
    言葉は少なく。


    「………」


    「………」



    絡みつけ視線。



    「ねぇ、タエちゃん…」



    ほらキタ。



    今夜はこれから駅前のラブホ?




    「あのね…?」




    悪いねケイ。
    彼女頂くよ。







    「今ドキ流行らないわよ?カッコつけるの」





    …へ。






    「今夜はケイちゃん。頂くわね」








    Silence is,






    Gold?




    (携帯)
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■16487 / inTopicNo.78)  6─Because of
□投稿者/ エビ 常連♪(105回)-(2006/09/16(Sat) 12:32:24)
    5杯、否。7〜8杯は呑んだな。ああ呑んだ。
    それから…。
    あの子を送ろうと家まで行ったんだ。ああ行った。
    ほいでお茶くらい飲んでってって言われて部屋に上がって…。


    ん、上がったな。


    したらあの子“眠ーい”なんてベットに転がり始めたんだ。


    頬はほんのり赤くて、
    唇は濡れてて…。



    ガバチョ!



    ああ。
    いったな。



    やっちゃったよ。




    はぁ………。





    ダルーい身体を抱えて家に帰る途中。


    “今日何時にする?(ハート)”


    書いたメールと気分の重さのギャップにため息をつく。


    浮気明けの今日は、
    彼女と逢う予定。



    “何でもない日にデートをドタキャンしても、今日はちゃんと逢う理由”




    「はよ」


    「ふふ。おはよ」


    シャワーと着替えと、
    ファブリーズ代わりに香水を振って他の女の匂いを消し。


    彼女の家にやってきた。


    「何か食べる?」


    「んー、いいや」


    「昨夜は遅かったの?」


    ─心拍数が10上がる質問。


    「いや、ずっと寝てたよ。ユリは遅かった?」


    「友達二人と飲みに行ってた」


    コーヒーを作るユリの背中は、そう答えた。


    「そっか」


    “友達って誰?なんて今日は訊かない理由”



    「ユーリー…」


    「あら。甘えんぼね」


    “いつも以上にゴロゴロと甘える理由”



    「ユリ─」


    「ん…もう…。いきなり?」


    “いつもより優しく”
    “いつもより激しく求めてみる理由”




    理由。



    それは─






    贖罪。




    自分のやましさを消したいから、いつもより優しくなる。


    笑顔を見ることで相殺する後ろめたさ。



    “浮気”
    それは─






    罪と贖罪の、終わりなき旅。








    「あ」



    ん?



    「何。この背中の引っかき傷」



    ………え。



    「真新しいんですけど」



    …………。





    忘れてた。






    旅に終わりは必ずやって来る事。







    「何してたの?昨日」



    額に突きつけられた銃口。



    領海を犯しロシア船に囲まれた私に、
    逃げ場はない。







    何を、
    していたか、
    って…………?







    カ。








    カ…。











    「カニを穫ってただけなんですぅ…」









    つづく。


    かも(笑)




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■16493 / inTopicNo.79)  
□投稿者/ ちび 一般♪(4回)-(2006/09/16(Sat) 16:13:16)
    2006/09/16(Sat) 16:15:17 編集(投稿者)

    『ピンプン♪』



    ───?




    えーっ!

    ピンプンなの―?



    と、変なところに反応した、ちびです。

    すまん。バカで。



    ★祝『つちエビ』ちゃん再結成★

    (携帯)
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■16509 / inTopicNo.80)  お二方へ
□投稿者/ リトルK 一般♪(1回)-(2006/09/17(Sun) 06:09:09)
    どもどもm(__)m投稿が二回とも文字化けして削除もできなくてテンパったリトルです(笑)これも化けたらイヤだなぁ(*_*)
    ともあれ。
    歯車はまた、廻り始めたようですね。
    これからもその歯車が廻り続けることに、ささやかな祝福とエールを。
    リトルでしたm(__)m

    (携帯)
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