| 飴作りはやってみるとなかなか面白いものだった。
でも店員以外の人間がやることに対してお客さんが知ったら嫌だろうし
巻く飴の量のことも、これでいいのか と迷って
あまり手を出さないようにしていた。
やる時は四季がトイレに行く時位。
トロい手つきで無くなった飴を補充する。
お客さんが来ない間はたわいもない話をしていた。
『ふーんふーん。他人の前じゃノロケるのに本人の前じゃノロケないんだぁ〜。』
「ノロケませんっ。」
『ふーん』
「…
本人の前でノロケられる人は積極的な人。」
『あそぉ。(笑)』
『お前だってキャスター大好きな癖に。』
「…キャスターが好きな訳じゃねぇよ。…」
『あーあー四季ちゃんが吸ってるから好きなのね。(笑)』
「うっせぇっ。(笑)」
青い飴にミカンが乗って星型の砂糖菓子が乗っているのを指し
ぼーっとしていた私は何を思ったか
「…ねぇ」
『あん?』
「これ夜空?」
『へ?』
「ぬぁっ!!!!いやいや忘れて!!!!」
柄にもない発言を後悔してたのに
『かわいいこと言うね〜(笑)』
「いやいやいやいや忘れて!!!なかったことにして!!!!」
『かわいいかわいいね〜(笑)』
「うるせぇ!!!!!!!(笑)」
もう外も暗くなり
気温も低くなる
上着を羽織る四季をみて
赤く染まった四季の手をみたら
冷え性の四季の手が
余計に冷えてるように思えた
でも
私には
四季の手を握る勇気はなくて
「椅子動かして。」
『あん?』
「だから…」
ガタガタと四季の座っていた椅子を動かし座らせ
肩揉みを始めた
『んぁー。』
「…」
『いででででっ』
「この位?」
『んー。』
私が近づいて
肩揉みして
少しでも
温かくなってほしかった
(携帯)
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