| ドトールに入り注文していると背後から花が挨拶してきた
「おぉっ!!お久しぶりっ。」
「お久しぶりですっ。お邪魔しますっ。」
「はははっ。花さん髪バッサリ切ったんだね。」
「あっ、そうなんですよ!!ほらー、気づいてくれるんだよ。」と花が外見の変化に疎い四季に言うと
四季は苦笑した。
「海ちゃん髪茶色くしました?」
「そうそう。気づくの早いねぇ〜。」とあえて四季を見ながら笑った。
先に出てきた二人分のコーヒーを手に四季が席をとり、花の告白の話が始まった。
今日告白しに行ったのにどうしても言えなかった花と
昨日今日と背中を押した四季と
言えなかった気持ちが痛い程わかる海
海は四季に告白した時の心中や状況を交えてアドバイスし
四季は昨日と今日の朝に続き花の背中を押した
二人は花の告白を心から応援し
2つの灰皿がいっぱいになるまで話し続けた。
海は腕時計を見てタイムリミットが来たことを知っていたが
どうしても花の力になれないものかと時間を無視した。
しばらくして話が一旦まとまり
四季が時計を見ると
とうに海が行かなければならない時間が過ぎていた
『時間過ぎてんじゃん。』
「知ってる。これ吸い終わったら行くよ。」
「ん?」と花がキョトンと二人を見ると
四季が『こいつ仕事なんだよ。』と答えた
「こんな時間からですか?!」と相変わらず抜けない敬語で花が言う
『そーなんだよ。なんたって水商売だから。』
「意外でしょ?」と海は笑った
花は相変わらずキョトンとしながら「うん。」と正直にも答えてくれた
「はははっ。みんなそう答えるよ。」と笑いながら言い 海はタバコを消した。
海が鞄を腕にかけてトレーを持つと、既に準備していた花が「あっありがとうございますっ。」と言うと
四季が『力持ちさんだから大丈夫。』と笑って言った
まぁね
と思いながら海は笑った。
ドトールを出て駅に着きホームで海と四季、花で別れることになり
また花は「お邪魔しました」と別れ際に二人に言った。
『そんなことないよ。』と四季は優しく花に言い
海は笑って見送ったが
心の中で「花さんだったら邪魔とは思わないよ」と思っていた。
改めて
四季の大切な人に逢い
その人に向ける四季の優しさ
海の好きな四季の一面を目にして
海は幸せな気分になっていた
(携帯)
|