ビアンエッセイ♪

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■20416 / inTopicNo.1)  TIME ∞ LAG - V -
  
□投稿者/ Y 一般♪(20回)-(2007/12/17(Mon) 16:20:33)
    いやいや……


    来てしまいました
    part3…(o*。_。)o


    自分の予想を遥かに越えてしまい、収拾がつかない感じになってます(笑)


    ここまで来たら、まだまだ続けてやろうと思いますので、宜しくお願いします。。。


    Y

    (携帯)
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■20417 / inTopicNo.2)  あ〜たんサン♪
□投稿者/ Y 一般♪(21回)-(2007/12/17(Mon) 16:25:10)
    ご無沙汰してます☆

    またまたカキコありがとうございます( v^−゜)

    できるだけご期待に添える様な物語にしていきたいと思いますので、これからも応援宜しくお願いします!!

    (携帯)
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■20420 / inTopicNo.3)  NO TITLE
□投稿者/ れお 一般♪(1回)-(2007/12/19(Wed) 00:11:17)
    すみません…122と123が途中で切れているようで最後まで読めないのですが…。
    私だけでしょうか…。

    (携帯)
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■20441 / inTopicNo.4)  Yさんへ☆ミ
□投稿者/ あ〜たん 一般♪(2回)-(2008/01/02(Wed) 01:13:11)
    2008/01/03(Thu) 16:25:30 編集(投稿者)

    明けましておめでとうございます(*^o^*)
    昨年はYさんの作品に出会えて嬉しかったです。お忙しいとは思いますが、また更新頑張って下さいね☆

    (携帯)
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■20573 / inTopicNo.5)  NO TITLE
□投稿者/ いち 一般♪(1回)-(2008/02/16(Sat) 02:48:29)
    初めて書かせていただきます。偶然見つけたこの物語、めちゃめちゃ良いですね〜。で、ひとつお願いなんですが…ハッピーエンドで終わらせて欲しいデス颯とまなみがずっと幸せでいられますよぅに。続き待ってますね!

    (携帯)
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■20579 / inTopicNo.6)  お返事♪
□投稿者/ Y 一般♪(1回)-(2008/02/19(Tue) 05:07:04)
    れおサン♪

    すみませんm(T◇T;)m
    最初綴っていたのとは多少内容が変わってしまいましたが、122と123を編集しておきました♪


    あ〜たんサン♪
    明けましておめでとうございます(*・艸・*)
    そんな事言ってもらえて今年しょっぱなから幸せモンになれました!
    更新がまばらで申し訳ないですが…これからも宜しくお願いしますね☆


    いちサン♪
    初めまして!
    見つけて読んで下さってありがとうございます(≧∀≦)
    エンディングはまだ決めずに書いているので、正直どうなるか自分でも分かりません(笑)
    でも、悲しいだけのお話しにはしない様に頑張るつもりです☆
    良かったら最後までお付き合いください♪

    (携帯)
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■20580 / inTopicNo.7)  - 124 -
□投稿者/ Y 一般♪(2回)-(2008/02/19(Tue) 17:34:15)
    翌朝




    部員達とおはよう、と挨拶を交わす美帆の顔色は優れなかった。




    いつも通りストレッチをこなす私にもフラフラと走り寄ってきて




    力のない笑顔でおはようと笑い、ほどけかけていた私のバッシュの紐を結んでくれた。


    『はよ、ありがと。
    顔色悪いな…寝られへんかったんか?』


    ストレッチを続けながら
    美帆の顔も見ずにそう言うと


    「え…っ……ぅん。

    今日……言うつもりやけん色々考えよったら寝れんやった。。」


    『そか。

    ま…色々無理しなや?』


    そう言うと、奏音が私と美帆の名前を呼んで
    朝練の開始時刻である事を告げた。




    その日の朝練中
    3on3で美帆がシュートして着地したと同時に、貧血で倒れそうになった所を




    後にいた亜希が支えて2人で倒れ込み
    美帆が頭を打たずに済んだ分、亜希が右足を傷めてしまった。




    亜希を筆頭にマネージャー陣が2、3人寄ってきて、すぐに亜希の足に冷却スプレーをかけたりしたのだが




    どうやら傷めてしまったのはアキレス腱らしく、しばらく顔を苦痛に歪めて立てずにいた。




    美帆はまだ意識が朦朧としたまま床に倒れ込んでいる




    とりあえず2人を保健室に、と指示すると




    奏音ともう一人のマネージャーが亜希に肩を貸し
    美帆を残り2人のマネージャーで持ち上げようとするも、持ち上がらずで
    結局美帆は私がおぶって運んだ。




    保健室で足の処置をしながら先生が


    『とりあえずテーピングはしたから、このまま病院に行きなさい。』


    と、言う


    それは、すなわち
    インターハイ試合に出場できない事を意味していた。




    亜希は下を向いたまま少し黙って


    『颯。』


    と私の名前を静かに呼んだ。


    亜希の斜め後ろに立っていた私が返事をすると


    『今日任したけん…頼んだばい。』


    「……はい。

    どーにか決勝まで繋ぎますから。
    安心してそれまで休んどいて下さい。」


    がっくりと落ちた肩が
    小刻みに震えていた。


    その時
    怪我の連絡が行った亜希の親御さんが保健室に迎えに来た。


    亜希にそっくりな
    ボーイッシュでひょうきんな感じのお母さん


    『も〜…あんたは何でいつもこ〜怪我ばっかするかね〜……。
    もういい加減少しは落ち着きーよ!(笑)』




    (携帯)
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■20581 / inTopicNo.8)  - 125 -
□投稿者/ Y 一般♪(3回)-(2008/02/19(Tue) 18:33:56)
    座っている亜也を見下してそう言うと
    ふと目線を上げ、私に気付き


    『あらぁ〜お人形さんみたいやね〜♪
    初めまして、亜也の母です〜♪
    こいつ面食いやけん、食べられんように気-つけり-ね-!!(笑)』


    と、言って
    一人大声で笑っている。




    なんとなく




    この空気が読めないというか…
    端から読む気がないあたりが、自分の母にシンクロしなくもない。


    「ご挨拶が遅れてすみません。

    私は亜也先輩と同じバスケ部で、2年の櫻井 颯といいます。

    いつも亜也先輩にはお世話になってます。」


    と、挨拶すると
    亜也の母は一瞬キョトンとした後

    『亜也!!

    櫻井ちゃんのこの落ち着き用を見習いなさい!!

    あ〜お母さん恥ずかしか!
    ほらっ…行くばい!』


    と、自分より少し背の高い娘に肩を貸して
    保健室の出入り口に向かい




    最後にクルっと振り返り


    『じゃ〜ね〜櫻井ちゃん☆

    これからも亜也をよろしくね〜♪』


    と満面の笑みを浮かべて去って行った。




    …………圧巻




    まさかうちのおかんに似てる人がこんなに近くにおったなんて。




    今度会わせてみよ、うちのおかんと。




    さ、朝練戻って調子上げな…
    キャプテン不在の試合はなかなか際どいし。




    『あら、目覚めた?

    池田さんが助けてくれて、どうにか頭は打ってないみたいやけど…どっか痛い?』


    私も保健室を出ようとした時




    奥から先生の声が聞こえた。




    あ…せや
    美帆もおんねやった。




    ベットに近寄ると


    『颯ちん!』


    と、起き上がろうとする美帆


    私はその肩を支えて
    もう一度ゆっくり寝かせ


    「試合勝ってくるから、ちょっと寝とき。」


    そう言って
    布団をかけ、足のあたりをぽんぽんと叩いて体育館に戻ろうとすると


    『亜也先輩はどこ…っ……?』


    今にも泣きそうな声が背後から聞こえた。


    「念の為一応病院で診てもらってるけど、心配ないで。」


    それから
    私は自分にできる精一杯の笑顔で振り向き、今度は美帆の頭をぽんぽんと叩いて


    「ほな、朝練戻るわ。」


    と、小走りで保健室を出る




    何も考えないようにして精神を集中させる。




    いつもとは気合いが違うのを、自分でもひしひしと感じていた。




    さぁ、始めよか






    (携帯)
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■20582 / inTopicNo.9)  - 126 -
□投稿者/ Y 一般♪(4回)-(2008/02/19(Tue) 20:10:53)
    これまで自分の欲でしかなかったバスケを




    今は少なくとも
    亜也の為、美帆の為
    そして、私の帰りを待ってくれてるまなみの笑顔の為に




    必ずこの試合を勝ち抜く意欲に溢れていた。




    人に興味のなかった頃の私が見たら
    さぞ驚く事だろう




    なぜこうも変わった…いや、変われたのかは十分に理解しているつもりだ




    それは紛れもなく




    愛を知ったから。




    愛を教えてもらったから。




    ホイッスルの音とともに




    幼い頃から追いかけ続けてきたボールが高く上がる




    そのボールを掴み取り
    私は無心で戦った。




    試合終了のホイッスル音ではっと気が付くと




    奏音が泣きながら走り寄ってきた。


    『さくらぁ〜……。』


    あ-……あかんかったんかな。


    『ありがとう!

    本当にすごかった!!

    今日のさくらは怖い位すごかったよ!!

    こんなベスト4の試合見た事ないよ〜。。。』


    今の私が知りたい事はひとつ…


    「勝ったん?うちら。」


    肩にかけられたタオルでびしょ濡れになった髪を拭きながら問う


    『え…何言いよーと!?

    点数見てみーよ!』


    そう言って奏音の指が指した方向を見ると




    56―0




    目を疑った。




    どんな試合だったかは全く覚えていないけど




    とにかく




    私は約束を果たせたらしい。




    気が抜けると
    体にどっと疲れがきた




    そのまま床に寝転んで




    顔にタオルをかけ




    目を閉じて、ゆっくりと深呼吸をする。




    奏音が「ドリンク持ってくるね」と走っていく音が遠ざかると同時に




    激しい眠気に襲われて




    私は、その眠気に身を委ねた。




    目が覚めた時
    今度は私が保健室のベットにいて




    私を心配そうに覗き込む部員達の顔があった。




    そこには足の治療を終えて戻ってきたらしい亜也もいて


    『試合には間に合わんやったけど、話は嫌になる位皆に聞かされた!!

    さすがディゾンや〜!!
    決勝までには復活してみせるけん、もう一試合頼んだばい?』


    「おはようございます。」


    そう言って起き上がり、あくびをしながら大きくのびをすると


    『人の話聞いとるん!?(笑)』


    と頭を小突かれた。




    (携帯)
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■20583 / inTopicNo.10)  - 127 -
□投稿者/ Y 一般♪(5回)-(2008/02/20(Wed) 00:46:18)
    人の集中力というのは時として悍ましい




    らしい。




    確かにこんなに頭と体を酷使した事はなかったかもしれない。


    『ディゾン、お腹すいたやろ?

    ラーメンおごっちゃる♪』


    という亜也のお誘いを丁重にお断りして、私はまなみの元へと急いだ。




    病院に着くと
    人工呼吸器も外れたという事で、また元の個室に移されていたまなみ。




    ノックをして入ると、ハラハラした面持ちで私を見つめるまなみ。




    そんなまなみに近寄って、頭を撫でながら


    「大丈夫です。

    勝ってきましたよ。」

    と微笑むと


    『知ってる。。

    颯がミラクルプレーしたって奏音が興奮しながらメールしてきたよ??

    あと、亜也の怪我と美帆の貧血の事も聞いて……

    で……颯が倒れたって聞いて、私いても立ってもおられんくなって………学校行こうとしたけどダメって言われて…っ。

    怖くて、不安で…

    私ヨワムシやねぇ。。

    でもっ…颯…っ…の顔見た…ら…っあ…安心……じだぁぁぁ〜。。』


    と言い切ると
    子供みたいに泣きじゃくるもんやから




    なんか…可愛いくて




    笑ってもた。




    「何を泣く事があるんですか。笑

    普段使わない頭を使いすぎて眠くなったんで寝ただけですから、心配いらないですよ?

    ほら、こっち向いて。」


    まなみのあごを持って顔を上げると、一瞬笑ったかと思えばまた顔をくちゃくちゃにしながら涙を流した。




    私はそんなまなみの涙を拭って




    体温を伝えるように、優しく優しくキスをした。




    やっと落ち着いたのか、一度唇を離したまなみが幸せそうに笑って




    もう一度
    自分からキスをしてきた。




    いつも思う事。




    スイッチが入った時のまなみのキスはエロい。




    舌の使い方はもちろん




    手の回し方




    息遣い




    合間合間で小さく漏れる声




    全てが私の第六感を刺激する。




    『先輩、待って。』


    「先輩じゃない…。」


    『まなみ、ちょっと待って。』


    「いや…。」


    どうしたんやろう




    今日のまなみは
    いつに増して熱い。




    『止まらんくなったらどないしてくれるんですか。』


    するとまなみが私の手をとって、自分の左胸に当てた。




    柔らかい感触のその奥でまなみの鼓動が激しく、早く動くのが分かった。

    (携帯)
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■20585 / inTopicNo.11)  - 128 -
□投稿者/ Y 一般♪(6回)-(2008/02/20(Wed) 02:02:12)
    『こんなに激しく動かさないで下さい。

    また発作が起きたら苦しいですよ…。』


    そんな事を言いつつも
    本当は、私も同じ位ドキドキしていた。




    そして、自分と同じ様にまなみもドキドキしている事が




    少しだけ、嬉しかったのも確かだ。


    「もっと…

    どきどきしたい。

    颯に…どきどきしたい。」




    ずるいって。




    私はまなみを抱き締めて頭を撫でながら
    必死に理性を保つ為に自分の本能を抑えた。




    『颯にね、頭撫でられるの好きっちゃん。

    一番安心する。』


    「じゃあ、一緒に住んだら毎晩撫でてあげますよ。」


    『ケンカした日も?』


    「毎日です。

    なんなら、今ここで誓いますよ?」


    『信じる。

    颯は、嘘つかんもん。』


    「ケンカ…するんですかね?

    私達。」


    『そう言えばした事ないね。(笑)

    颯にはイラっとした事すらないなぁ…

    颯は?実はイラっとしても我慢してる事とかある?』


    「ないですね。

    先輩はいつでも私の味方でいてくれてますから。」


    『それはこっちの台詞やけん。

    正直、入院してると誰にも会いたくない日があるっちゃけど…

    そんな時でも、颯にだけはいつでも会ぃたぃもん。』


    「嬉しい事ゆ-てくれますね。」


    『本当だよ?』


    抱き合ったままで
    そんな話をした。




    私の胸元で


    『颯の匂いやぁ。』


    と言って嬉しそうにしているまなみの体は




    悔しくなる程にか細くなっていて




    まるで子供を抱き締めているようだった。


    『さ、先輩

    横になって。』


    そう言ってベットに寝かせると


    「え…もう帰ると……?」


    と、子犬の様な目で私を見つめるまなみ。


    『一回帰ってお弁当作ってきます。

    なにが食べたいですか?』


    すると目を輝かせて


    「ほんとに??
    やったぁ!

    何でも食べたいけど。。。

    じゃあね〜…美味しいスープが飲みたい♪

    あとはお任せっ!」


    と言って両手を広げた。




    私はもう一度まなみを抱き締めて


    「いい子で待っててください。」


    と言うと、荷物を持ってドアへ向かう。


    『颯…っ。』


    振り返ると
    不安そうな顔をしたまなみが


    「寂しいけん、はよ帰って来てね?」


    と手を振りながら言った。


    はい、と微笑んでドアを出た途端……

    (携帯)
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■20586 / inTopicNo.12)  - 129 -
□投稿者/ Y 一般♪(7回)-(2008/02/20(Wed) 03:04:42)
    まなみの前で耐え抜いた涙が溢れた。




    ドアからベットの距離で見たまなみは




    元々華奢な体が
    更に小さくなっていて




    真っ白できれいだった滑らかな肌は
    顔は青白くなり、腕には無数の注射痕が赤紫色に腫れ上がっていた。




    一番辛いのは、まなみだ。




    私が弱ってどうする




    両手で頬を叩き、ふっと息を吐き出す。




    帰り道




    小さな男の子が私に走り寄ってきて


    『オトシモノ。』


    と、私に小さな紙を渡して走り去っていった。




    折り曲げられた紙を開くと




    あいしてる




    そう書かれていた。




    見覚えのない字だが
    本当に私が落としたのならば




    きっとまなみがいつか鞄にでも入れておいたんだろう。




    私はそれを今後なくさない様に、財布に大事にしまった。




    家に着いて
    消化にいい様、野菜を小さく刻んで入れたミネストローネを煮込みながら、柔らかくてすんなり食べれるであろうリゾットを作っていると




    結希から電話がかかってきた。




    『もしもし。』


    「あ、もしもし颯ちゃん?
    おいら、ゆ-きやけど分かるかいな。」


    『はい、分かりますよ。

    こんにちは。』


    「今日すごかったらしいや〜ん♪

    今、亜也と一緒におるんやけど、興奮しすぎとって手におえんよ(笑)

    おめでとう☆」


    『ありがとうございます。』


    「あ!!そんでね?

    さっき清水ちゃんに電話して、例の颯ちゃんが姉ちゃんの病室に泊まれんかどうかの話してみたっちゃん。

    そしたらあっさりOKでたけん、是非今日と明日ごゆっくり〜♪

    てな事で、姉ちゃんはまだ知らんけん宜しくちゃ〜ん!」


    『ほんまですか?』


    「うん、嘘ついてどーするとよ(笑)

    今日頑張ったご褒美やね!!」


    『あの…ほんまありがとうございます!』


    電話を切って、適当に何着かの服を持ち




    出来上がったスープとリゾットを魔法瓶の水筒に入れ




    病院へと走って戻った。




    ハァハァ…と息を切らし病室に入った私に


    『早かったね?

    でも、そんなに急かしたつもりはなかったんやけど…ごめんね(笑)』


    とケラケラ笑いながらベットから出て私に近寄るまなみ。




    (携帯)
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■20587 / inTopicNo.13)  - 130 -
□投稿者/ Y 一般♪(8回)-(2008/02/20(Wed) 03:48:57)
    「あ…いや。

    私が早く会いたかっただけです。

    歩いて大丈夫なんですか?」


    息を落ち着けながらそう問うと


    「こんくらい大丈夫よ。

    颯ってば、心配しすぎ!」


    と、抱き付いてきた。




    この週末が終わると7月に入る。




    今年は暑くなるのが早くて、病院の中はもうほんのり冷房が効いていて
    汗をかいた私の体に心地よく冷たい風が当たる。




    私とまなみは2人掛けのボックスソファーが小さなテーブルを隔てて二つ置いてある双方に向かい合う様に座り




    まだ夕方の5時だが
    昼食を食べなかったというまなみに、スープとリゾットを持ってきた紙皿に移して出した。




    久し振りに食べる颯の料理だ♪
    と、ウキウキしながら匂いを嗅ぐまなみ。




    いただきます!
    と、手を合わせて




    それはもう美味しそうに完食してくれた。


    『まだありますけど、後にしましょうね。

    そんな急に沢山食べたら、胃がびっくりしてしまいますから。』


    「うん!

    颯っ…めっっっちゃ美味しかった!!

    本当にありがとう☆

    一緒に住んでも、料理は颯が作ってね(笑)」


    そんな事を言いながらこっちのソファーに移動して、私の方を向くようにチョコンと膝の上に座る。


    『たまには作って下さいね。

    私も先輩のポトフとか食べたいですから。』


    膝の上に乗っても、まだ私より頭の位置が低いまなみの顔を覗き込むと


    「ポトフ以外も作れるように練習せないかん(笑)」


    といたずらに笑い
    自分の作れる料理のレパートリーを指折り数えていた。




    軽い重みを膝で感じて




    それをどうしても失いたくなくて




    手放したくなくて




    何も考えずに
    【今】だけを感じたくて




    そのまま
    まなみを抱き上げ


    『散歩に行きませんか。』


    そう言って
    驚いているまなみをしっかりと抱き直し




    そのまま
    いつか一緒に福岡タワーを見た屋上へと連れて行った。


    『お姫様だっこ…

    こんな年なのに恥ずかしい。』


    なんて言ってるまなみに


    「まだ高校生じゃないですか。」


    と突っ込むと


    『それ…嫌味?』


    と鼻をつままれた。




    外はちょうど日が沈む頃で




    夕焼けの街が嫌になる位に綺麗だった。




    そして
    オレンジに染められた私の生きがいは




    腕の中で静かに目を閉じていた。

    (携帯)
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■20588 / inTopicNo.14)  ……あ(゜ロ゜;)!!
□投稿者/ Y 一般♪(9回)-(2008/02/20(Wed) 03:57:00)
    久し振りすぎて、- 124 -の【亜也】の名前を間違って【亜希】にしてしまいました!!笑


    じゃあ直せとお思いですよね?


    私もそう思います(笑)


    でも、なぜかauの携帯で編集しようとすると途中で文章が消えてしまうようなのでお許しくださいm(T◇T;)m


    では、よろしければこの先もお付き合い下さい。


    Y

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20589 / inTopicNo.15)  - 131 -
□投稿者/ Y 一般♪(10回)-(2008/02/20(Wed) 04:37:33)
    そのままいたのは
    2、30分だっただろうか。




    蒸し暑い位だが、少し風が強くて




    まなみが着ていたのが薄手のパジャマだったので、病室に戻る事にした。




    腕は
    ビックリする位に全く疲れていなかった。




    動こうとした、その時


    『連れてきてくれてありがとう。』


    と、まなみが私の首に絡められた腕に力を入れた。


    「綺麗でしたね。」


    そのまま
    まなみのおでこにキス。




    すると
    まなみが私の首筋にキス。




    一瞬力が抜けそうになり、危うくまなみを落としそうになった。


    『先輩、危ない。』



    「だってしたかったんやもん。」


    反則の上目遣いで見上げられると
    さっき抑えたばかりの欲望が、また私の頭をチラつき出す。




    病室に戻っても
    窓際に立ちながらまだ夕日を眺めているまなみに後ろから腕を回し




    まなみは回された私の腕を両手で握る。




    まなみの頭の高さは
    ちょうど私のあごの高さで




    頭にあごを乗せていると、まなみが


    『颯、また背が伸びたっちゃない?』


    と、前を向きながら穏やかな声で言った。


    「そ-かも分かりませんね。

    伸び盛りなんで。」


    と言って、今度は私が後ろからまなみの首筋にキスをした。




    まなみの体がビクン…と動いて




    私の腕に頭を寄せる




    私はもう一度




    今度はなぞる様に細くて長い首筋を舐めた。




    甘い吐息が漏れる




    耳たぶを軽く噛んでみると




    吐息は声に変わった。




    そのまま手をまなみの柔らかい胸に移動すると、さっきよりも強く心臓が高鳴っていた。


    『苦しくなりそうになったら、絶対に言って下さい。

    いいですか?』


    耳元でそう言うと




    まなみはもうそれだけでも感じてしまう状態で、やっとの事で首を縦に2回振った。




    首や耳を愛撫しながら
    胸に置いていた手をゆっくりと動かす




    その内まなみは立っていられなくなり
    また抱きかかえて
    さっきのソファーへと運ぶ




    今度は正面から




    鎖骨や手の指などを愛撫




    まなみの息が上がってくると




    クールダウンの為に
    濃厚で愛の溢れるキスをした




    パジャマのボタンを一つ、二つ…外していき




    現れた綺麗な体に




    挨拶代わりの軽いキスを重ねていく。






    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20590 / inTopicNo.16)  - 132 -
□投稿者/ Y 一般♪(11回)-(2008/02/20(Wed) 05:08:05)
    ここは病院




    いつ誰が入ってこようが不思議ではない。




    ましてや
    今はまだ消灯の時間にもなっていなければ




    面会の時間だって過ぎてはいない




    でも、私達は止められなかった。




    久し振りに感じるお互いのありのままの体温が、常識など打破って




    そのスリルさえも快感に感じてしまえる程だった。




    何度まなみが頂に達したのかは分からない。




    十分すぎるほど愛し合った2人は、冷房が効いた部屋でも汗をぐっしょりかいていた。




    まなみは放心状態で私にもたれかかり、幸せな時間の余韻に浸っている




    『ちょっと待ってて下さいね。』


    まなみの新しい替えのパジャマと、お湯で濡らしたタオルを持ってソファーに戻ると




    まなみは満たされた顔で眠っていた。




    起こすのは可哀相だが、汗をかいたままの状態で冷房に当たって風邪をひかれては困るので




    温かいタオルで体を拭いて、パジャマを着替えさせた。




    幸い、起こさずに済んだようだ




    ベットに運んで布団をかける。




    テーブルの上には、屋上に行っていた間に運ばれてきたのであろう
    カピカピになった病院の夕食と薬が置いてある……




    食事はともかく
    薬は飲ませなあかんよな。。。




    とても気持ち良さげに眠るまなみの寝顔と薬を何度か見比べて




    やはり一瞬だけでも起こして薬を飲ませる事にした。


    『先輩。

    ……せ-んぱい。

    まなみ。』


    うっすらと目を開けたまなみが私の顔を見てガバっと起きる。


    「私…ごめ…っ……

    寝ちゃった!!

    せっかく颯と一緒にいれる大事な時間やのにぃ………。」


    そう言って俯くまなみに


    『そりゃあれだけ疲れる事すれば眠くもなりますよ。』


    と声を掛けると


    「ちょ……っ…!

    颯のバカぁ………。」


    と、耳を真っ赤にし
    両手で顔を覆っていた。


    『先輩、薬飲んで下さい。

    食後30分以内て書いてますから…

    なんかちょっと口にできますか?』


    「颯のゴハン。。」


    『はい。

    じゃあちょっと待ってて下さいね、用意しますから。』


    さすが魔法瓶




    まだ湯気が立つ程に全然熱いままのスープとリゾットを病院食の隣に置く


    『どうぞ。

    熱いから気を付けて下さいね。』


    「一日ニ食も颯のゴハンなんて幸せすぎ!」


    (携帯)
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■20591 / inTopicNo.17)  - 133 -
□投稿者/ Y 一般♪(12回)-(2008/02/20(Wed) 05:43:12)
    そんな事を言う割に
    一向に手を付けようとしないまなみ。




    不思議に思って
    まなみの顔を見てみると




    私と目が合うなり
    にっこり笑って
    口を開き、あ-んと言って甘えてきた。


    『先輩…。

    お姫様だっこなんて恥ずかしい…とかゆ-てませんでしたっけ?』


    「ん〜…だって。

    あんな事した後ってなんか甘えたくなるっちゃもん。。

    一回だけ!……ね?」


    『そんなもんなんですか?笑』


    「そんなもんやでぇ〜(笑)」


    ムリヤリ真似た関西弁は、妙にうさん臭かったけど
    やけに可愛くて


    『はい、口開けて下さい。』


    「やった♪」




    やってもた




    完敗ですわ。




    こんな姿
    おかんやこのみが見たら目を丸くして固まってしまうやろう。




    いや、むしろ
    過去の自分が見てもきっと信じてもらえへんやろうな。




    そんな事を考えながら、気付けば結局最後まで食べさせてあげた激甘な私




    人間ここまで変われるもんやねんな。




    突然ふっと漏らした笑いに
    まなみが


    「颯、気持ち悪いよ(笑)」


    と突っ込む


    『自分でも気持ち悪いです。』


    と答えて薬を渡す。




    まなみはそれを受け取って飲むと
    私があげた腕時計で時間を確認して


    『もう時間だ。。』


    と寂しそうに呟く。


    「そうですね。

    そろそろ時間ですね。」


    と言ってあっさりと立ち上がる私に


    『私ばっかり寂しいみたい……。』


    と頬をふくらます。




    私は微笑んで
    簡易ベットを取り出す




    え………?




    と驚くまなみに


    『二日間ここにいますよ。』


    と告げると


    「なんで!?」


    と状況を飲み込めないまなみがセッティングした簡易ベットに飛び乗ってくる。




    いきさつを説明すると


    『嘘じゃないよね?!

    もう私…死んでもいい!!』


    とか言いながら抱き付いてきて


    「そんな事ゆ-なら、私帰りますよ。」


    という私のイジワルに


    『嘘っ…!!

    嬉しすぎて寿命が10年延びた!!』


    と焦って弁解していた。




    その夜まなみは
    興奮からか、なかなか寝付かず




    狭いね〜…なんて言いながらもずっと簡易ベットから出ずにくっついていた。




    やっと寝息が聞こえてきた後
    私も久し振りにまなみを抱き締めて眠れる幸せをかみ締めながら穏やかな眠りについた。


    (携帯)
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■20592 / inTopicNo.18)  待ってました
□投稿者/ あ 一般♪(1回)-(2008/02/21(Thu) 00:20:21)
    更新されるのずっと待ってました(^O^)
    続き楽しみにしてます。頑張ってくださいねo(^-^)o

    (携帯)
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■20593 / inTopicNo.19)  あサン♪
□投稿者/ Y 一般♪(13回)-(2008/02/21(Thu) 06:41:53)
    ありがとうございます(≧∀≦)

    忘れないでいてくれた事を何より感謝します(笑)

    これからも読み続けていただければ幸いです☆

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20597 / inTopicNo.20)  - 134 -
□投稿者/ Y 一般♪(14回)-(2008/02/21(Thu) 17:43:24)
    3時間ほどで目が覚めた私は




    まなみをベットに移して、簡易ベットをしまい




    一服しに屋上へと向かった。




    携帯の電源を入れると、留守電が入っていた。




    内容はおかんからで
    一言だけのシンプルな伝言だった




    【どこいてんの〜?】



    そうや
    おかんに何も言わんと来てたんやった。




    時間を確認すると、まだ朝の5時




    メールにしとこ




    【送信メール】
    宛先:おかん
    件名:無題

    本文:ごめん。
    この週末は泊まり込みでまなみの病院におるわ。
    一応○○病院やから。


    ―送信完了―




    煙草に火をつけて
    思いっきり吸い込む。




    ゆっくりと吐き出した白い煙が、晴れ渡った空に消えていく。




    朝独特の匂いと




    忙しく鳴きながら飛び回る鳥の声




    金色に輝く太陽の光が徐々に強くなるのを
    ただぼーっと眺めながら




    最高においしい煙草を味わった。




    部屋に戻ると
    スヤスヤと眠る愛しい人がいて




    しばらく眺めていると




    ヘラっと笑った。




    何の夢見てるんやろ…




    不思議




    こうやって見ていると




    まなみがいなくなってしまうかもしれない…なんていう不安など
    全く考える事ができない。




    私の根拠のない自信は、昔から突拍子もなく現れては現実化されていく。




    今もそう




    まなみは絶対死なない、という自信がふつふつと心に湧いてきて




    きっとそうなるであろう未来を信じる事が出来る。




    もちろん
    根拠なんてこれっぽっちもないけどね。




    それにしても
    綺麗な顔立ちやな…




    寝てるだけなのに
    どことなく色気が漂う感じなんかが




    いつもはすっかり忘れている4つの歳の差を思い出させる。




    まなみは、時々その事を気にしてはため息なんてついて大袈裟に落ち込んだりしてるけど




    私はこの歳の差を
    二人にとっての枷だと感じた事は一度もない。




    頬にそっと触れてみる




    温かい。




    安心しや…まなみ




    怖いもんなんて




    私が全部とっぱらったげるから。




    静かに目を開けたまなみが、頬に当てられた私の手を握ってこう問う


    『颯……眠れんやったと?』


    「すごく安眠できましたよ。」


    『私も。

    ここは病院で、私は病気だって事…

    忘れられた。』


    (携帯)
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