ビアンエッセイ♪

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

[ 最新記事及び返信フォームをトピックトップへ ]

■20677 / inTopicNo.41)  犬に願えば 26
  
□投稿者/ つちふまず 一般♪(38回)-(2008/03/02(Sun) 10:17:43)
    息を整えつつ─




    サトが無事に駅に着いた事を鼻で確認した。




    滑り台に照らされた朝日が反射して、思わず私は目を閉じる。



    「おう、ハルカ」



    バサバサ、
    と羽が擦れる音。




    この匂いはゲンさんだ。



    「おはようございます」


    ゲンさんは滑り台の頂上に止まると。



    「おいっす。どうだ?調子は」



    「まだ良くわかんない事だらけですよ。ゲンさんは?」




    「今日は燃えるゴミの日だからな…。バカな輩がゴミを荒らさないように見張ってる訳よ」




    ゴミの日…。



    「カラスが、って事?」



    「ああ。これが俺の仕事。地味でやんなるぜ」



    カラスが。
    烏を見張る…。



    「大変、ですね…」



    「あ?まぁ楽しくはねーわな。この傷も思い起こせば五年前年末と言えば沢山出るのはゴミってな訳で、」

    「フジさんは?いないのかなー…」



    話が長くなりそうなので途中で遮る。



    「おう、フジか。んー…どうだろうな。あいつも対象がいないしな」



    「え?」



    どういう意味?



    「俺らは幸せを届ける特定の対象者がいないのさ。だからこうやって地道にポイント稼ぎするしか道はない」



    「そう、なんですか…」



    「俺は好き好んでここに止まってるけどな…。フジはもう長いぜ。なんせハトだしよ…」



    出来ることなんて、
    限られちまう、と。



    ゲンさんはため息混じりに呟いた。



    そうなのか…。



    ラフィもフジさんの業は重いって。


    言ってたっけ…。



    「でもおかしいよな。フジの意思で死んだ訳じゃないんだぜ?」



    イデオロギーのせいさ、とゲンさんは続けた。





    「………イデオロギー?」




    「フジはなー沖縄で死んだのよ、いわゆる戦死だ。…もう60年になる」




    せつねーよなぁ、と。
    ゲンさんは空を仰いだ。




    そんな。




    60年も…。






    「………。」





    胸がモヤモヤした。



    フジさん…。



    そんなの早く生まれ変わるべき、なんじゃないの?





    「これが俺らの世界よ。矛盾だらけだぜ。」









    こっちの世界と大して変わらねーよ、と。




    ゲンさんは言った。




    「そうだハルカ。」



    「はい?」



    「お前さんにいいものを見せてやろう」











    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20678 / inTopicNo.42)  犬に願えば 27
□投稿者/ つちふまず 一般♪(39回)-(2008/03/02(Sun) 10:22:09)
    するとゲンさんは─



    キョロキョロと辺りを見回した後。



    「あったあった」



    何かを発見し、羽を広げてふわりと飛ぶ。



    あの木を目指しているみたいだ。









    と。
    すぐにゲンさんは戻って来た。



    何かくわえて…。



    「あらよっと」




    大きな羽を広げて─




    ゲンさんは私の前で着地した。




    「こん中入れや」



    ゲンさんのくちばしから私の目の前に落ちた、
    とあるモノ。




    「…………。入る?」



    「おう、そうだ。楽しいぜ♪」




    …………。




    ま、まさか。




    「や、やだやだやだ。絶対無理!無理!」




    「いいから入れって」




    ぽこん(足)
    ↑ゲンさん




    ころん◎
    ↑私




    ガサガサ(in)





    「やだ!やだやだやだやだー!!」



    ゲンさんの持って来た、とあるモノとは。




    『7』のマーク。




    コンビニ袋。




    「っしゃ!行くぜ!」


    「いやーっ!!」




    ふわっと体が浮いた感覚。




    足を踏ん張りたくても、



    ビニールの中では…。





    「こわいー!ゲンさん!!」




    袋の中で上になったり下になったりする私に。




    「顔だけ出してみろやー」




    ゲンさんは言う。




    袋の隙間から上を見ると、




    ゲンさんは器用にくちばしの間に袋を挟んでいて。




    私は極めてそうっと、袋から顔を出した。




    小さく見える、
    朝日を浴びた街。




    流れて行く冷たい風。




    こわい…(ぶるぶる)




    でも、
    綺麗だなぁ…。




    凄い…。




    「空飛ぶ犬だぜ!ハッハー!」




    「揺れる揺れる!やめてゲンさん!」




    全く袋は安定しない。




    すると─




    「ゲンちゃーん♪最近来ないじゃなーい♪」




    ん?


    甲高い声に、
    また恐る恐る顔を出す。


    三羽の雀が、
    チュンチュンと声を合わせながら。



    列を成して飛んでいた。




    「おう!今夜行くよ♪待ってろよギャルちゃん達♪」




    「そのチビちゃんも一緒にね〜♪」




    バハハーイ、と。
    雀達は離れて行った。




    「ゲンさんモテるんだね!?」



    「女泣かせのカラスと呼んでくれや!ほっほーい!」



    「あああ危ない!!」





    ひーん(涙)




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20679 / inTopicNo.43)  犬に願えば 28
□投稿者/ つちふまず 一般♪(40回)-(2008/03/02(Sun) 10:26:06)
    「ほい、終了〜♪」



    ゲンさんはそっと─
    私の入ったコンビニ袋を地上へと下ろした。



    ガサガサ。



    「…………はー」



    「楽しかったろ?」



    「おえ゛ー(吐)」



    「おおっと!酔ったか?すまねぇ…」




    子犬は、
    良く吐く…。




    「だ、だいじょぶです…」


    シパシパ、と。
    まばたきを繰り返し。


    川沿いの、
    空き地に着いた事に初めて気付く。



    「いつでも飛んでやるからよ。言ってくれ」



    「もういいです、はい…」



    「じゃ、そろそろ…あ。今夜あの裏山で会合があるからよ。お前も来い!」



    羽ばたきながらゲンさんが示した先は。



    住宅地の向こうに見える小さな山だった。




    「会合?」




    「来りゃわかるよ!ほんじゃ夜にな!」




    あっという間にゲンさんは見えなくなった。




    会合…。




    って何だろ…。




    うっぷ。




    「おえ゛ー…(吐)」




    ヨタヨタと川面に向かい冷たい水に。



    頭を突っ込んだ。



    あー…、気持ちいー。



    ぷはっ。



    ぶるぶるぶるぶる。




    「体調が悪いのかしら…。」




    ん?




    上品な声、に。




    耳がピンと立つ。




    「ごめんあそばせ。入浴中でした?」




    声の主は。




    スラリとした細い足。




    真っ白の羽に覆われた、スタイリッシュな体。





    「あ……ども」




    「いいえ。こちらこそ。おはようございます。」




    白鷺………。




    細長いくちばしは、とても鋭いけれど。




    怖い雰囲気はしない。




    「ハルカです。」




    「シラトリ、と申します。」




    …………。


    会話が止まってもうた。




    「す、素敵な名前ですね…。名字ですか?」




    「ええ。そうですの。……よろしければこちら、いかが?」




    シュン、と。
    くちばしが川面を刺したと思った瞬間。



    再び上げたくちばし。




    ピチピチ─



    その端から小魚の尾が揺れていた。



    そしてゆっくりとした動作で…。



    私の目の前にシラトリさんは魚を置いた。




    「け、結構なお手前ですね……」




    「オホホホ、大した事ありませんのよ」





    はははは…。




    い。
    色んな人が、





    いるなぁ…。




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20680 / inTopicNo.44)  犬に願えば 29
□投稿者/ つちふまず 一般♪(41回)-(2008/03/02(Sun) 10:28:45)
    話を聞くと─



    シラトリさんは麻布に住んでいたとってもお金持ちのお嬢様で。



    (お父さんは白鳥物産の社長らしい)



    大学生の時に、
    心臓の病に侵され。



    二年の闘病生活の後─



    そのまま亡くなったらしい。




    「儚いですわ。人生なんて…そう思いません?」



    シラトリさんは静かな声でそう呟いた。




    「全くですね…。」




    私は伏せ、
    の状態で。




    シラトリさんに耳を傾けていた。




    「心残りは、無かったんですか?ご両親は悲しんだでしょうね…。」




    「もう10年も前の話ですのよ。妹もいますし…すっかり元気になっていますわ。」


    忘れる事は無いにしても、と。



    シラトリさんは優しい声で呟く。




    「そうですか」




    「ただ…。」




    シラトリさんは俯いた。



    「?」




    「好きな人が、いましたの。」




    照れ臭そうに、
    そう呟く姿を見て。




    シラトリさんに初めて親近感が湧いた。




    「そうなんですか。思いは伝えなかったんですか?」




    「手の届かない人ですもの。そんな事しません。」




    バサっ!




    照れ隠しか─



    大きな方翼が私の体にヒットして。



    ごろんごろん◎



    「あいちちち…」



    「あらごめんあそばせ。」



    「いえ…はは。」



    「実は毎朝、ここを通るんですのよ。ワンちゃんと一緒に…」




    まだかしら、




    と言わんばかりにシラトリさんは遠くを見た。




    「へぇ…」


    「やっとこの場所を見つけましたの。本当に長い年月をかけて…。」




    「すごいですね…」




    「10年の歳月は、あの方を更に素敵にしていましたのよ。見ているだけで本当に幸せ…」



    再び照れ隠しか─




    シラトリさんは巨大な羽を振り回したので。




    「おっと」




    私はそれをかわした。





    「あ、いらっしゃいましたわ!」




    途端にそわそわし始めたシラトリさんの視線を追うと。





    誰かがこちらに、










    向かって来ていた。







    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20681 / inTopicNo.45)  犬に願えば 30
□投稿者/ つちふまず 一般♪(1回)-(2008/03/02(Sun) 10:32:10)
    足の長い、人と。


    おっきな、犬…。




    見ると躾がキチンとしているのか。




    犬にリードはされていなかった。




    シラトリさんを見ると。




    「今日も素敵…」




    うっとりとその人に、見入っていた。




    「ウォウ!オン!オン!」




    え?


    見ると大きな犬は。




    ダダダダダ─




    砂煙を立てて、




    私に向かって、
    まっしぐら…。




    「ええっ!」




    こっち来るし!!




    と思ったらもう手遅れ。




    ドン─




    ごろんゴロゴロ◎


    「ギャン!(どわっ!)」



    襲われる!
    殺される!




    ジタバタしていると─









    「こらこら…。エリー。」








    落ち着いた声に、
    目を開けると。




    大型犬のでっかい頭と。


    小さな整った顔が。
    覗き込んでいた。




    「…………おや」




    私に気付いたその人は。




    私を両脇から抱えて、
    高く持ち上げた。





    「…………雑種?」



    ふりふり、
    と左右に揺らされる。




    こ、
    この人…。




    ゾクリと背筋に、
    鳥肌、否。




    毛が逆立つ。






    女?男?




    めちゃくちゃ、
    美形…。



    日本人離れしてる。




    形のいい眉と鋭い目の間が極端に狭い。





    短い金髪の髪が、
    似合っていた。




    思わず見とれる。




    鼻が拾った匂いは。
    何とも言えない、




    甘い匂い…。





    「可愛い。エリーも気に入ったのかな」




    目を細める顔に、
    心臓がドキドキした。




    下を見ると、
    エリーと呼ばれた犬は。


    尻尾をパタパタと左右に振っていた。









    「ナツさぁーん!待ってぇー!」





    ん?




    見ると遠くから、
    小さな女の子が駆けて来る。




    私と同い年位、だろうか。




    なかなか可愛い。





    「ハァ、ハァ。起こしてくれればいいのに…」





    追いついた女の子は、少々不機嫌な顔をして。




    超美形なこの人の事を見ている。




    「カズは起こすと不機嫌になるから。」




    はは、と笑いながら。私を胸に抱き直した。




    わ、


    わお。











    ぽっ(赤)




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20687 / inTopicNo.46)  面白いです
□投稿者/ 明 一般♪(1回)-(2008/03/02(Sun) 17:38:20)
    楽しみにしてます♪更新頑張って下さい☆

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20688 / inTopicNo.47)  つちふまず様
□投稿者/ みん♪ 一般♪(1回)-(2008/03/02(Sun) 18:23:01)

    ナツさんに、
    かずに、
    エリーだなんて…




    なつかしくて思わずレスしてしまいました(笑)
    本当は終わってからするつもりでしたが…


    すみません m(__)m




    お久しぶりです (*^^*)



    つちふまずさんの文章はやっぱりいいですね〜




    応接しています♪

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20690 / inTopicNo.48)  明さん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(42回)-(2008/03/03(Mon) 06:32:21)
    おはようございます♪

    初めまして(^0^)
    頑張りますですよ☆

    最後まで宜しくです!




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20691 / inTopicNo.49)  みん♪さん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(43回)-(2008/03/03(Mon) 06:41:28)
    おはよさんです(^0^)
    久しぶりですね!
    元気ですか?

    懐かしい人から言葉を頂けるのは嬉しいもので…。

    ってな訳で懐かしい三人を書いてみました(笑)

    あらま!と。
    ちょっとびっくりして頂けたなら、
    私も嬉しい訳です。

    またお待ちしてますね☆




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20693 / inTopicNo.50)  犬に願えば 31
□投稿者/ つちふまず 一般♪(44回)-(2008/03/03(Mon) 09:00:07)
    「あれ、この子どうしたの?可愛いー!」




    カズ、と呼ばれた女の子は私を見て。




    キラキラと目を輝かせた。




    「エリーが見つけた」




    「ウォウ!」




    この人達は…。




    家族?


    ………いや、


    違う。




    美形の人から女の子に私が移ったかと思うと。




    女の子も私を持ち上げ、左右に揺らした。




    「可愛いーむちむちしてる〜」




    頭だけ振り返って美形の人の顔を見ると、




    「……………。」




    考え事をしているように腕を組んで私を見ている。





    すると─






    「カズ。この子はここに置いて行くよ。」






    声に見上げると、



    美形の人の腕が伸びて、カズと呼ばれる子の頭に触れている。



    それからゆっくり私の体を受け取り、静かに土の上に下ろされた。




    「ええっ!なんでー?捨てられちゃってるかもよ?」






    「違う。」







    「何で分かるの?」








    「そう言ってる。ここでいいんだって」








    …………。






    この人…。








    「さ、帰って朝ご飯にしよう。」





    「ウォウ!」






    「えー…。」







    満足出来ない女の子の背中を柔らかく抱いて。




    その場を離れようと、足を動かし始めた。









    ふと、
    超美形の人がこちらを見る。










    笑顔で、




    バイバイ、と。
    小さく手を振りながら。




    “またね”






    口の動きだけが、
    確認出来た。




    「…………。」








    不思議、な人だ…。




    なんで。




    捨て犬ではないと、
    分かったんだろう。





    人間離れした、
    そんな人に初めて出会った驚きに。









    川面を見ると─






    「素敵…。素敵過ぎます」




    うっとりを通り越して、






    くねくねと体を揺らすシラトリさんを見て。






    「はは、は…。」










    私は苦笑いだった。




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20694 / inTopicNo.51)  犬に願えば 32
□投稿者/ つちふまず 一般♪(45回)-(2008/03/03(Mon) 09:07:57)
    「羨ましいですわ…」



    シラトリさんの羨望のくちばし…、


    否、眼差しが。
    少々心苦しかったが…。



    「素敵な人、ですね…」



    いるんだなぁ。
    あんな人…。



    「そうなんですの。昔の鋭い雰囲気も好きでしたけれど…。」



    笑顔も素敵で、


    とシラトリさんは再び照れ隠しか。



    巨大な羽をパタパタと上げ下げした。



    「ええ。素敵な笑顔、してましたよ。」



    「大切な人と一緒だから、でしょうね。雰囲気が柔らかくなったのも…」



    一緒にいた女の子。
    カズと呼ばれたあの子は恐らく、


    恋人だろう。




    私には何となく分かった。




    「………人って、やっぱり人によって変わるんですかね?」




    私も、
    そうなんだろうか。




    ふとした疑問をシラトリさんに投げかける。




    「どうでしょう?ハルカ様にはそんな経験がおありなの?」




    シラトリさんは首を傾げながら私を見下ろした。



    ハルカ様…。
    はは(苦笑)




    「うーん…。どうなんですかね。根本的には変わって無い気もしますけど…」




    「どちらにしても、人としての部分ですものね。今はこの姿。」




    「確かに。ははは」



    「オホホ。」



    シラトリさんの小さな瞳も心無しか細くなった気がした。




    高くなった陽が─
    私の鼻を温めていく。




    「あ、そうだ。今日、会合があるって聞いたんですけど…シラトリさん、知ってます?」




    ゲンさんに言われたっけ。




    「ええ。月に一度の会合…私も参加させて頂いておりますわ。」




    「そうですか。…私初めてなんですけど…」




    大丈夫かなぁ。




    「大丈夫ですわ。楽しい会ですもの…。あ、ただ…」




    「?」




    「気になる点が、一つだけありますわ。」




    大した事じゃ、
    ありませんけど。




    と。
    シラトリさんは川面からゆっくりと上がって、
    私の前に座った。




    「気になる点?」




    「ええ、少々とっつきにくい方がいらっしゃるの。私も苦手で…。」



    「ふーん…。そんな人いるんだ…」





    「人、ではありませんわハルカ様…正確にはスコティッシュフォールド。」




    「スコ…、スコティッシュ?






    簡単に言えば─










    猫です、と。





    シラトリさんは言った。



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20695 / inTopicNo.52)  お久しぶりです!
□投稿者/ 水マー 一般♪(1回)-(2008/03/03(Mon) 09:42:25)
    覚えてますか?
    水マーです(^o^)

    また始まりましたね♪久しぶりにつちふまずさんの文章が読めて嬉しいです♪つちふまずさんの文章の世界観大好きです!!

    続きがスゴい気になります!

    更新頑張ってください(^-^)v楽しみにしてます☆

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20696 / inTopicNo.53)  ファンより(笑)
□投稿者/ 匿名 一般♪(1回)-(2008/03/03(Mon) 20:03:13)
    面白いです♪
    やっぱりつちさんの書く小説好きだなぁ。
    久しぶりに楽しんでます。

    つちさん確か花粉症でしたよね。
    鼻つらそうだなぁ。
    私も目にきてます。
    今週、首都圏は飛散量多いらしいです。
    花粉症にヤクルトが効くと耳にしましたが、実際のところどうなのか(´ー`*)
    効果は人によるみたいです。
    まだでしたら気休めにでも試してみて下さい。

    面倒だと思うので、レスいりません。
    マイペースに更新して下さい。
    それでは、続き楽しみにしてます♪


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20698 / inTopicNo.54)  水マーさん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(46回)-(2008/03/04(Tue) 00:24:00)
    やぁ久しぶりですね!
    水マーさん(^0^)☆

    キャンパスライフは順調ですか?

    あ、そうだ。
    いつだったかなぁ…、去年の話になりますけど。

    休日に車で水マーさんの学校の近くまで波乗りしに行ったんですよ!
    へ○ラというポイントです♪
    波良かったなー…。
    (遠い目)

    偶然にも高校時の同級生がサーフショップをオープンさせてまして。

    近々また休みが出来たら行きたいなぁと思っている次第です。

    またお会い出来て嬉しいですよ!
    今夜は報告まで。
    明日更新します(笑)

    おやすみなさい。





    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20699 / inTopicNo.55)  ファン?さん☆
□投稿者/ つちふまず 一般♪(47回)-(2008/03/04(Tue) 00:32:06)
    レスいりません、

    と言われると返したくなる天の邪鬼。
    つちふまずです☆
    (^0^)

    初めまして、
    なのかな?

    そうではないような気もしますが…。

    それはさておき、

    そう。花粉症です。
    日によって症状はかなり差がありますが(+_+)
    でも元々鼻が詰まり気味の私なので…。

    両方詰まると何もかもやる気が失せるのは不思議ですよね。

    この時期は特に、
    コンタクトレンズの様に。パカッと外して…。

    鼻を洗えたらどんなに楽だろうなと。
    そんな事を真剣に考えてしまうもうすぐ29歳の私です。(あらやだ)

    鼻、だけで。
    意外と沢山の文章が書けそうですね(笑)

    私なりのペースで更新して行きます。
    最後までお付き合い、宜しくお願いしますね!





    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20702 / inTopicNo.56)  犬に願えば 33
□投稿者/ つちふまず 一般♪(48回)-(2008/03/04(Tue) 16:44:02)
    「スコティッシュフォールド、とニャ?」




    夜の会合まで─




    いったん天空へと戻ろうと思った私。




    シラトリさんと交わした会話の内容を、


    ラフィに伝えた。




    「ええ。シラトリさんは気を付けた方がいい、って言ってましたけど…」



    「ふニャ。うーん…」




    ラフィは首を傾げて、暫く考えた後に。




    丸めた手を、
    ポンともう片方の手に打って。




    「思い出したニャ。あの子の事ニャ」




    ラフィは口をもぐもぐと動かした。




    「誰です?」




    「3年位前だったニャ。シズカ、という子ニャ。事故で亡くなったニャよ」




    「ふーん…事故」




    人間の姿へと戻っていた私は腕を組んだ。




    「まだ産まれ変わって無かったのニャ…それはまた困ったニャ」




    「?」




    「ハルカ。シズカはニャ、人間に対して憎悪にも近い恨みを持っているはずニャ。」




    「なぜです?」




    「事情は知らニャいが…。確か手をこまねいた送り手が人の手に飼われやすいように、」




    わざわざ子猫へと、
    変化させたんニャ。



    と、ラフィは言った。




    「ふうむ…」




    複雑だ。




    「ちなみに、送り手が変わったと聞いておるニャ。」



    「変わった?」



    「担当が変わる事もあるニャよ。確かあの子の担当は今、ヴィンセント…」



    「ええっ!この前言ってた?」



    「どういう使い方をしてるか、によるニャが…」



    へ。


    使い方?




    良く分かんないなぁ。




    「…でもま、なんですか。大丈夫ですよ!」




    私は犬ですし、と。
    胸を張ると。




    「ふ…ふぉ!ふぉふぉふぉ!」




    「…何笑ってんですか」



    「いや、何でもニャい。」



    「さっき川っぺりで、コレ拾って来たんですよねー」




    じゃーん、
    とそれを見せると。




    「ニャ?」




    フリフリ、と。


    私が左右に揺らせた、




    “猫じゃらし”




    「………むむむ。…………ニャ♪ニャ♪」





    「はははー」





    「ニャ…って遊ぶニャ!こりゃ!」






    「そーれ」







    ポンと投げると、





    「ニャーっ♪」



    ダダダダダダ─










    ラフィはそれを目掛けて走って行った。



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20703 / inTopicNo.57)  犬に願えば 34
□投稿者/ つちふまず 一般♪(49回)-(2008/03/04(Tue) 16:47:42)
    午前0時過ぎ─




    裏山にて。




    っしょ………っと。


    ここ、かな?



    畦道を登ると、
    小さな神社があった。




    「ハルカー。」




    バサバサ、と木々を掠めてこちらに向かって来る。




    「フジさん。来てたんですかー。」




    「もちろんよ。もうみんな集まってるわ」



    パタパタと、
    羽を上下させながら。



    「みんな?」



    「そうよ。紹介するわ!先行くねー」



    神社の鳥居をくぐると、ざわざわと物音がする。



    「おうハルカ!こっちだ!」




    聞き慣れた声。
    夜の闇の中。


    ゲンさんだ。




    ゲンさんの声に、一斉にこちらを向く観衆達。





    一杯いるなぁ…。




    雀、鳩、狸、リス、
    鷹、鷲、鴨…。




    まるで祭りだわ。
    (異種格闘技戦)




    “珍しい…犬だぜ”


    “子犬…羨ましいわ”


    “さっさと飼われればいいのにねー”




    んー…。


    か、歓迎…。


    されてないような。




    うつむきがちに、
    輪の中を通ると。




    「ハルカ様。ようこそ来て下さいました」




    「シラトリさん。」



    闇の中でも、
    シラトリさんのくちばしはキラリと光る。



    良かったー。
    シラトリさんがいて。



    「何だ、もう知り合いなのかい?」



    チョンチョンチョン、と。


    ゲンさんが近付く。



    「あ、はい。」


    「今朝、知り合ったばかりですのよ」


    「そうかそうか。ハルカをみんなに紹介するぜ」



    するとゲンさんは高く飛び上がって。




    「おーい聞けや!新入社員を紹介するぜい!」




    し。
    新入社員?



    注目が集まる。




    「雑種のハルカだ!みんな仲良くしてやれよー!可哀想に事故で死んじまったらしい。因みにメスだ!盛ってるオスは狙わないよーに、」



    長くなりそうな挨拶に間髪入れずに、



    キーンと何かが飛んで…。



    「ぐはっ!!」



    フジさんの蹴りが、ゲンさんの脇の下辺りに。



    ヒット。



    “おおーっ!”



    盛り上がる観衆。



    「はーい、じゃあ今日は歓迎会ねー」



    フジさんは羽を揺らせながら、
    明るくアナウンス。




    「毎回、コレを見に来てるんですの。皆様。オホホホ。」



    シラトリさんが笑う。



    「はははは…」



    不思議な会だ…。




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20704 / inTopicNo.58)  NO TITLE
□投稿者/ ニンニン 一般♪(1回)-(2008/03/04(Tue) 17:00:48)
    初めまして!この小説すごい面白いです。犬のハルカが幸せになると良いなぁ…


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20705 / inTopicNo.59)  ニンニンさん
□投稿者/ つちふまず ちょと常連(50回)-(2008/03/05(Wed) 08:24:37)
    はいどうも(^0^)
    初めまして!
    ハットリさんでしょうか(笑)

    ハルカちゃん幸せになれるんでしょうかね…。
    ううむ作者も心配です(無責任)

    “面白い”シンプルにそう思って頂ければ幸いです。

    またどうぞ!




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20706 / inTopicNo.60)  犬に願えば 35
□投稿者/ つちふまず ちょと常連(51回)-(2008/03/05(Wed) 08:35:08)
    会と言っても、
    酒が出る訳でも無く。


    ご馳走に舌鼓する訳でもないようで。
    (そりゃそうか)



    「えーそうなんだー」
    「アハハ!」



    世間話をみんなただしているだけ。



    まぁ─
    生物の食物連鎖の図形を壊すにしても、



    どういう過去があるにせよ。



    仲間が集まる事は、ささやかな慰めになるのかもしれないなと思った。



    「ハルカ様。…あの子です。いらっしゃいました。」



    シラトリさんが、
    闇の先を示す。



    「はい?」



    良く見えない…。



    「今朝話した、シズカ様です。」



    ん?



    目を凝らすと。



    木々の間に、
    小さな何かが。



    ジっとこちらを窺っていた。



    …………。



    んー…。



    良く見えないので、
    そっと近付く。



    シルエットが確実なものとなるまで時間はかからなかった。




    金色に覆われた毛に、愛くるしい瞳。



    極端に耳が小さいのは、品種のせいか。



    か、



    か!





    超可愛い………☆





    思わず駆け寄る。




    私が人間なら、自然と手を伸ばしたくなるなるような。




    完全に、子猫だ。




    私が近付いてもお座りの状態で。




    逃げようとはしない。




    「こんばんは。」




    挨拶をすると、




    「…………。」




    あれ。




    「ハルカです。…その、私来たばっかりで。」




    「…………。」




    無言…。




    ???




    「シズカさん、ですよね?」



    違うのかな?



    「…………。」



    ジっと瞑らな瞳が。
    全然動かない。



    「あのー…。」







    すると─







    「………ふん。たかが雑種に。」



    何が出来るの?




    と。




    小さな声。が。




    聞こえた。




    するとくるりときびすを返して。





    ゆっくりと足音を立てずに、




    シズカは去った。









    ……………あ、




    あのー…。






    パタパタ─




    「感じが悪いでしょう?大丈夫ですか?」



    ハルカ様、と。




    いつの間にか背後に立っていたシラトリさん。





    「たかが雑種…。」





    かぁ。はは…。






    可愛い猫だったなぁ…。






    まぁ確かに…。






    性格は最悪、


    みたいだけど。




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/

<前の20件 | 次の20件>

トピック内ページ移動 / << 0 | 1 | 2 | 3 >>

[このトピックに返信]
Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -