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■22326 / inTopicNo.61)  Re[1]: すこしづつ…U-58
  
□投稿者/ 桃子 一般♪(41回)-(2018/07/21(Sat) 12:01:48)
    「でも…約束の時間に 手土産を持って現れた19歳は 私の想像を超えていました。
     和室で 座布団を外してキチンと挨拶するのを見た時点で 気後れしたのは 私の方でした。
     和室に通したのは 『足崩していいよ』で余裕をみせる という腹積もりだったのですが…
     これが 見事に玉砕で…(笑)」

    「坂本クン 全然 姿勢が崩れなかったの(^^♪ 『足崩していいよ』は 最後まで言えなくて…
      だから この人も ずっと正座のまま(笑)」

    母の言葉に ミカが少し微笑んだ。

    「結局…私は 坂本クンの『凛とした佇まい』と 理路整然とした発言に 圧倒されて 父親としての威厳を
     見せることが出来なかったんです。
     その代わり 坂本クンが 娘のことを 真剣に思っていてくれる姿を見ることができました。
     そこに賭けることにしたんです。もし 2人が上手くいかなくなったとしたら それは 坂本クンに
     非があるのではなく 娘が 坂本クンの気持ちに応えることが出来なかったからだろう…と…」

     父は そこで ひと息ついた。

    「ミカさん 南郷さん…私は 私の意地を通した結果 早々に坂本クンと会う羽目になりました。
     娘の気持ちを大切にする理想の父親 なんかじゃないんですよ。
     今 お父様は ご自分の意地を通そうとしていらっしゃる。
     お二人が その『意地』に対してどう向き合うのか…もしかしたら そこを見極めようとして
     いらっしゃるのかもしれませんね…」

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■22327 / inTopicNo.62)  すこしづつ…U-59
□投稿者/ 桃子 一般♪(42回)-(2018/07/21(Sat) 12:28:54)
    「南郷さんは 娘を送ってきてくれると 必ず 主人の様子を訊いてくれます。
     私が応えている間に 娘は 必ず 主人に「顔 出す?」と訊きに行きます…
     結果は いつも同じですが…」

    ミカのお母さんが 言った。


    「会いたくない意地 と 会わせたい意地 の 根比べね…」

    母が言った。

    「勝敗をつけるとしたら… 会いたくない意地 が 負ける」

    父が言い切った。

    「でも…会いたくない意地が 会う と言った時 しり込みしたら 会わせたい意地 の負け…
     次の機会は 2度と来ない」

    南郷さんが しっかりと 父の顔を見た。

    「ふたりは 今のままでいい。何も気負わず ただ 真剣であることだけを伝えればいい…
     坂本クンが 私の意地に応えたように おふたりも お父さんの意地を 正面から受けなさい」

    「ありがとうございます」

    南郷さんとミカが 父に頭を下げた。 
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■22328 / inTopicNo.63)  すこしづつ…U-60
□投稿者/ 桃子 一般♪(43回)-(2018/07/21(Sat) 12:37:58)
    みんなが帰ったあと

    コウちゃんが バーボンのロックを作ってくれた。

    「珍しいね…」

    「たまには…こんなカンジもよろしいのでは?(笑)」

    「うん」

    「あの2人 うまくいくよね」

    「大丈夫ですよ」

    コウちゃんの「大丈夫」には 不思議な安心感がある。

    「なんかおつまみ持って来ましょうか?」

    立ち上がったコウちゃんに…

    「うん…コウちゃん!」

    「はい?」

    「これからもよろしくね(^^♪」

    「恭子さん… そういうのは…冷蔵庫開けてる時じゃない時に言ってくださいよ(笑)」

    「バカ…もう言わないっ」

    戻ってきたコウちゃんが言った。

    「拗ねた顔も好きですよ(笑)」

    「あっ!」

    「何ですか?」

    「今…何て言った?」

    「えっ?…」

    「好き って言ったよね?」

    「ええ…言いましたけど…」

    「初めて聞いた!」

    「そんなことは無いと思いますが…(笑)」

    「ううん…初めて!だって…私…告白の時も 好きって言われてないもん!」

    「そうでしたっけ?(笑)」

    「うん! ねっ もう1回言って(^^♪」

    「言いません(笑)」

    「なんだ…つまんない…」

    「お風呂入ってきますっ(笑)」

    「うん」



    寝室に戻った時 コウちゃんは スヤスヤと寝息をたてていた。

    今夜は 本当に眠ったらしい。

    (お疲れ様でした…)

    私は コウちゃんの額に軽く触れてから 伸ばされた右腕に頭を乗せた。


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