ビアンエッセイ♪

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Nomal SolitudE /mixx (12/04/12(Thu) 00:26) #21484
Nomal Re[1]: SolitudE /mixx (12/04/12(Thu) 03:32) #21485
Nomal Re[1]: SolitudE /mixx (12/04/12(Thu) 05:12) #21486
  └Nomal Re[2]: SolitudE /mixx (12/04/12(Thu) 09:47) #21487
    └Nomal Re[3]: SolitudE /mixx (12/04/12(Thu) 23:32) #21488
      └Nomal Re[4]: SolitudE /mixx (12/04/13(Fri) 04:07) #21489
        └Nomal 感想 /さつき (12/04/16(Mon) 20:52) #21490
          └Nomal Re[6]: 感想 /mixx (12/04/28(Sat) 23:58) #21503


親記事 / ▼[ 21485 ] ▼[ 21486 ]
■21484 / 親階層)  SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(1回)-(2012/04/12(Thu) 00:26:15)



    「メイちゃん、時間だよ」



    控え室でくつろいでいるとこに、マネージャーのマキさんが迎えに来た。



    「はーい」


    元気に返事をして控え室を後にした。



    私はメイ。
    本名は上橋 メイ。
    うえはし、なんて言われるけど、かんばしが正解。
    人からはよくメイちゃん、って呼ばれる。
    っていうのも私がまだ15歳だからだ。
    でも仕事はしている。
    これでも人気アイドル、っていう肩書きもあったりする。



    今日は人気番組のゲストとして出演する事になっていたりする。
    仕事は楽しい。
    学校だって充実している。
    私の人生、なかなか充実しているなんて思ったりしている。
    仕事が恋人、なんて思って仕事に力を入れる。
    恋なんかしてたら、体がもたない。
    そう思っていた。







    だからまさか、この日恋に落ちるなんて思いもしなかった。







    今はリハーサル中だ。
    スタッフさんが立ち位置を指示する。


    「この線の手前でまっててくださいね。司会者が本日のゲストですっていったら〜」



    スタッフさんが説明を聞きながらそういえば、卒業式の日は仕事をいれないようにマキさんにいっておかなきゃな〜なんて考えていた。

    今は10月で少し肌寒くなってきた。
    私は今中学3年生。
    つまりは受験生で、来年の春には卒業式だ。
    まあ、中高一貫の学校だから、受験の心配はしなくてもいいし、友達と離れることもない。
    でもやっぱり卒業式には出たい!


    あれ?そういえば、明日までの宿題があったような・・・
    もしかして今日は徹夜かな?


    「メイちゃんっ!!危ない!!」


    いっきに現実に引き戻される。
    突然のことすぎて頭がついていかない。
    考え事をしていた私は反応が遅れた。
    ほんの一瞬だったはずだけど、スローモーションのように感じた。

    上からバチンとワイヤーが切れる音
    何かの破片が降ってくる
    避けるまもなく何かが落ちてくるのがわかる
    小さな破片の後に続いて、大きな影が頭上に迫る
    ダメだ、間に合わない


    誰かの悲鳴


    そう思ったのと同時に私の体は吹っ飛んだ。
    いや、正確には誰かが私をかばって、その勢いで倒れたみたいだ。




    「大丈夫?」


    静まりかえったスタジオに声が響く
    綺麗な声だと思った
    透明感があってハリがあって、よくとおる声


    「メイちゃん?大丈夫?」



    いつの間にか目をつぶっていたみたいだった。
    恐る恐る目を開けてみる。


    「どこか痛いところは?」


    私をかばってくれた人が優しい声で尋ねる。
    目と目があう。
    優しい目
    少し色素の薄い茶色の目


    「大丈夫...です」


    静まりかえっていたスタジオのあちこちから安堵のため息が遠くに聞こえる。


    その人は顔をそらし「マキ!」と呼ぶ。

    目をそらす事ができない。

    白い肌
    通った鼻筋
    大きな目

    本当に綺麗だと思う
    今はその綺麗な顔が不機嫌そうにゆがんでいた。


    「ナツ!!!大丈夫?メイちゃんも!」


    マキさんの声で我にかえる。


    「あたしは大丈夫。この子、いったん控え室に戻ったほうがいいと思うけど」


    「そうね。メイちゃん、控え室でしばらく休憩しようか」


    私は答える事ができなかった。
    まだ何が起きたのかよくわからなかったし、今は目の前で私の顔を覗き込んでる、ナツ、と呼ばれた人からなんとなく離れ難かった。
    私が黙っていると知ってか知らずか、マキさんがその人の細い手首を、がしっと掴んだ。



    「ナツもだよ!」


    当たり前でしょ、といった顔をするマキさん。


    「なんで私まで」


    どうやら二人は知り合いのようだ。
    マキさんはナツさんの腕を無言で指さす。

    その細い腕からは血がぽたぽたとたれていた。

    仕方ない、といった顔をしたとこで私とナツさんをひっぱってスタジオを後にした。

[ □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21484 ] / 返信無し
■21485 / 1階層)  Re[1]: SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(2回)-(2012/04/12(Thu) 03:32:26)


    控え室について5分後がたった。
    今はナツさんと二人きりだ。

    うん、、、、
    二人きり、、、



    めちゃくちゃ緊張するんですけど!!
    マキさんどこいったのーーー!!!




    〜5分前〜

    控え室までグイグイとマキさんに引っ張られて到着した。
    そこまではよかったんだけど、、


    「はい、メイちゃん!あとはナツよろしくね」


    と言いながら救急箱を渡すマキさん。


    「ナツ!今日はもういいから、しっかり休む事!」


    「あたしは平気」
    とナツさん。


    ハーっとため息をついてマキさんは真剣な顔をしてそっとナツさんの頬に手を添える。


    「私にあんまり心配かけさせないでよ」


    どこか悲しそうなマキさん。
    目と目があう二人。
    ナツさんを見るマキさんはいつもより綺麗で色っぽく感じる。
    なんだろう、この空気、、、


    なんだかこれって、恋人同士みたい。



    でも、その雰囲気もナツさんがすねたような顔をしてそっぽをむいたことで崩れた。


    マキさんは肩をすくめただけで、それ以上は何も言わなかった。


    「じゃあ私は用があるから時間になったらよびにくるね」


    そういってマキさんは控え室を出て行った。



    控え室にきて5分間の出来事。
    そういうわけで二人きりなんだけど、、、

    どうしよう、何話せばいいんだろう??
    あ!とりあえず応急処置しなくちゃ!


    「あの〜ナツさん?腕の手当〜」

    「なつき」

    喋っていた途中で遮られる。
    どこか不機嫌そうに見える。


    「私はナツじゃなくてなつき」


    「あ、はい、なつきさん!えっと腕の手当します」


    「大丈夫。自分でやる。」


    というと、返事も聞かずにスタスタと控え室を出て行った。
    もしかして私、怒らせた?
    ナツさんって読んだのが悪かったのかな?
    それとも、私と一緒いたくなかったとか?
    であって15分、早くも泣きたい気分になっていた。


    手をギュッと握り締めて、口も固く結ぶ。
    どうしよう、なんでこんなに泣きそうなんだろう?
    いつもなら気にしたりしないのに。

    なんでこれだけのことで、こんなに左右されるんだろう。
    頬を涙が伝う。

    ガチャ

    タイミング悪くなつきさんが戻ってきた。
    思わずうつむく。

    静かに私の隣に座る。
    グスンと私の鼻をすする音が静かな部屋に響く。

    どうしよう、顔をあげられない。
    なつきさんからしたら大した事じゃなかったはずなのに。
    本当にささいな事。
    でもどうしたんだろう、涙がとまらない。



    うつむいたままでいるとそっと頭の上に暖かい手がおかれた。
    無言のまま私の髪を撫でる。
    その手が怒ってなんかないよ、って言ってくれている気がしてすごく嬉しかった。


    「どこか痛むの?」


    優しく問いかけてくれる。
    よかった、怒ってないみたい。
    どうやら、どこかケガをしてると思ったようだ。
    安心すると止まっていた涙がまたかってに流れて行く。


    そっと手を添えて涙を拭ってくれた。
    なつきさんは、それ以上何も聞かずに私の涙が止まるまでずっと頭を撫でてくれた。


    「落ち着いた?」


    優しい声。


    「はい」

    笑顔で返事をするとなつきさんも少しだけ、フッと笑った。


    ドキッ

    やっと笑った顔が見れた。
    なんだか可愛い!
    でもやっぱり綺麗だな。

    やっと緊張もほぐれてきたのにまたドキドキするよ〜!!


    「じゃあそろそろ」


    え?もう行っちゃうのかな?


    「手当してもらえるかな?」


    「へ?」

    しまった、間抜けな声を出してしまったっ。
    でも、手当って、、


    「手当してもいいんですか?」


    確かさっきは自分でするっていってたような、、、


    「自分の事はなるべく自分でする主義だから。でも今回はお願いしようかな」


    なんだか、考えていることを見透かされたようだ。


    「お願いできる?」

    答えはもちろん

    「はいっ!」

    元気良く答える。
    うん、いつもの調子が戻ってきたみたい。


    〜10分後〜

    手当も、というより、なつきさんが指示した事をしただけど、何とか終わった。
    ケガは思ったよりも浅かったらしく、血も止まっていた。


    「なつきさん、さっきは助けてくれて、本当にありがとうございました!あたし、ぼーっとしてて、そのせいでケガまでさせてしまって、、、」


    もしあの時、なつきさんがかばってくれなかったら、今頃、、、
    と考えると血の気が失せる。


    「ああ、気にしないで。メイちゃんは悪くないんだから」


    と言って少し微笑む。
    ああ、やっぱり美人だなと思う。

    きっとまた泣きそうな顔でもしてたんだろう。
    なつきさんがまたそっと頭に手を置いて優しく髪を撫でてくれる。


    「そういえば、なつきさん、お仕事はモデルですか?長い間ここにいて大丈夫ですか?」

    この仕事をしてから今までに綺麗な人をまじかで見てきたけど、正直なところ、なつきさんが誰より綺麗だと思う。


    なつきさんの顔をじーっと見つめていると、なつきさんがクスクス笑い出した。


    「ただのスタッフだよ」


    今度はこっちがクスクス笑ってしまった。
    絶対にありえない!!!
    なつきさんでも冗談とか言うんだなー
    なんて思いながら笑っていると不思議そうな顔をしてなつきさんがこっちをみてる。


    「え?今のって冗談じゃないんですか?」
    まさかと思いながらも聞いてみる。


    「違います。今日からバイトで働いているスタッフのなつきです」


    急に敬語になるなつきさん。
    確かにスタッフさんのような格好をしている。
    ジーパンにTシャツという、ラフな格好だ。
    細くてすっと伸びた長い手足のなつきさんには、シンプルな格好でもすごく様になっている。

    ん?でもバイトって、、
    ここのスッタフはそんなに人でたりないいんだろうか?
    っていうか、バイト????


    「なつきさんっていったい、いくつですか?」


    そういえば、よくみたらまだ幼さが残る顔をしてる。
    18歳くらいかな?でも普通18歳でこんな色気を出せるものだろうか?
    品もあるし独特な感じで、、


    「いくつに見える?」


    なんだか楽しそうななつきさん。


    「んー18ですか?」


    素直にいってみる。


    「残念」


    「じゃあ、19?それとも20ですか?」


    クスクス笑うなつきさんに、見とれながらも考える。
    20歳以上は絶対ありえない!
    じゃあ17歳くらいかな?
    でもなんか雰囲気は若い感じもするけど大人の女性みたいな感じもするし。


    う〜ん、、
    と頭をひねっているところでコンコンとドアがノックされ、マキさんがはいってきた。


    「メイちゃん。そろそろだよ〜」


    残念。もうちょっと話していたかったな。


    「じゃあこれは」


    と言って立ち上がってドアの方へ歩いていくなつきさん。
    もうお別れか、、、


    「宿題ね」



    すれ違いざまにマキさんと何か話してなつきさんは控え室をあとにした。


    なつきさん。
    宿題ってことは、また会えるってことですよね?
    寂しさが楽しみに変わる。


    「どうしたのメイちゃん?いいことでもあった?」


    マキさんが笑顔で質問する。


    「えへへ〜。内緒です!」



    そう、これは内緒にしないといけない。
    相手は女性なんだから。


    そう、私はなつきさんが好きになっていたんだ。


    さっきなつきさんと話していて気づいた。
    私はこの人が好きなんだって。
    忘れていた感覚、感情。
    胸がキュンとしめつけられるような感じ。


    でもなつきさんをすきになって思い出した。
    恋愛は自分でコントロールできないって。
    好きにならないようにしても、結局とめることなんてできない。
    女の人だからって関係ない。

    それに、好きになった相手がなつきさんだからだろうか?
    女性を好きになった事をすんなりと受け入れている自分がいた。


    なつきさん、好きです。


    つづく

[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21484 ] / ▼[ 21487 ]
■21486 / 1階層)  Re[1]: SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(3回)-(2012/04/12(Thu) 05:12:18)


    今日からバイトが始まった。

    そんな事でドキドキしたりワクワクするような質じゃない。

    だいたい、目的もお金を貯めるためでも、このバイトをどうしてもしたかったわけでもない。もっと別のことのため。


    会社につき、事前にもらっていたIDをみせる。

    現在午後2:30
    今日のバイトは3:00〜6:00

    流れは説明されている。
    休憩の時に出演者に水を配る、弁当の配布など。
    簡単なこと。


    スタッフの部屋にはよらずに、そのままスタジオへと移動する。
    「おはようございます」

    挨拶をして回る。

    「あ、なつきちゃん!おはよう〜」

    声をかけてきたのは、いくみさんだった。


    「おはようございます」


    「今日も相変わらずかわいい〜〜!!」


    と言いながら抱きついてくるいくみさん。
    この人は、私がスタッフの顔合わせのため、ここへきた時からこうだった。


    ここにきたのは今日で3回目。
    初対面では可愛い可愛いと言って、次に会うときには、あった瞬間に抱きつかれた。
    今日で会うのは3回目。
    日に日にスキンシップが激しくなっていく。


    「なつきちゃん、本当に可愛いねえ!!肌も赤ちゃんみたいにすべすべだし!!」
    なんていいながらギュウと抱きしめられる。


    もしこれが、男の人だったらそれこそ本当の変態だっただろうな、とふと思う。
    正直、嫌な気はしないし、実際に嫌がったりしないことを本人も分かっているのだろう。


    いくみさんは、きがきくし見た目も可愛らしいかと思えば、大人の女性の雰囲気をかもしだしたりと、ころころと雰囲気の変わる人だ。


    「あはは。いくみさん、変態」


    そっと腕の中を抜けようとしたが、ダメっと言ってなかなか離してくれない。
    周りのスタッフも、慣れたのか、またか〜なんて笑いながら、通り過ぎていく。


    結局、ミーティングが始まるまで離してくれなかった。


    今日は今活躍中のメイちゃんがゲスト出演するとかいっていたな。
    ってことは、、、


    「おはようございます」

    スタジオにはいってきたのはマキだった。


    「おはようございます」

    スタッフに挨拶をしながらこちらに近づいてくる。


    「ナツ、おはよう」

    満面の笑顔でマキが話しかけてきた。

    「ん」

    と返す。

    「それだけ〜?」

    不満らしいマキが腕を私の首に絡めてくる。

    「ほかに何かある?」

    「ひっど〜い!!うちらのなかじゃん!」


    別に冷たくしているつもりはない。
    ただ、普通にしているつもりだ。


    うちらのなかじゃん!
    確かにそうかもしれない。
    マキと出会ったのは都内のビアンバーでだった。1年前くらい前。

[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21486 ] / ▼[ 21488 ]
■21487 / 2階層)  Re[2]: SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(4回)-(2012/04/12(Thu) 09:47:53)

    〜1年前〜


    「マキー!!!早く早く!」


    私の前を元気に歩くあやかが、私の腕を引っ張る。
    あやかとは付き合って2年になる。
    今日は約束していたデートの日。


    「早くしないと、売り切れちゃうよ〜」


    あやかが、前から見たがっていた映画が今日公開だったのだ。
    純愛ものの映画で、いかにもあやかが好きそうな映画だった。


    「大丈夫だって!まだ10時だし、夜の6時の映画でしょ!」


    今日は早起きしてきた。
    朝はあまり得意ではなくて少しだけ機嫌が悪かった。


    「まだ機嫌なおらないの?たまには早起きもいいじゃん〜」


    私とは正反対の性格。

    あやかに告白されてから、付き合い出すようになった私とあやか。
    告白された時は、驚いた。


    まさか、両想いだとは思っていなかったから。


    ケンカもしたりするけど、幸せだと思う。
    きっとあやかとはこの先もずっと一緒だと思う。


    「大人2枚下さい!!」


    元気よくしゃべる。
    ふわふわしているのに、意外なくらい自分のことをはっきりしゃべったりもする。


    チケットをとれた事に大はしゃぎで、そんな姿を愛しいと感じる。
    まだ朝の10:30


    「じゃあ、これからどうする?」


    映画までにはまだまだ時間がある。
    答えは決まってる。


    「やっぱり、ショッピングでしょ!!」


    〜3時間後〜


    お腹のすいた私たちはいきつけのカフェでランチをとっていた。


    「お腹ぺこぺこ〜」


    朝から歩き回ったせいで二人のお腹はぺこぺこだった。


    いつもと変わらないあやか。
    そんなに珍しくない、映画デート。
    二人のお気に入りのカフェ。
    その日もいつもと変わらない一日になるはずだった。

    「ねえ!今日も映画の帰りにバーに行く?」

    バーかそれも悪くない。
    明日は日曜だし、バイトもないし、久しぶりにクタクタになるまで遊んでもバチは当たらないだろう。

    でも、これが間違いだったのかもしれない。
    ううん、結果を知ってても私はバーに行くと思う。絶対に。


    結局そのまま映画の時間になるまでそのカフェでのんびりくつろいでいた。


    〜2時間後〜

    「あ〜楽しかったね!!」

    満足そうなあやかの横であくびをする。

    「そだね」

    実際は半分以上も眠ってしまっていた。
    もともと、興味のない映画だしね。

    「さてと、じゃあこれからバーに行きますか!」


    どうやら気づかれていないらしい。
    相変わらず鈍感だな。
    そこも可愛いのだけれど。


    「あ!そっちじゃないよ!!今日はこっち!!」


    行きつけのバーとは違う道へと進んでいく。
    暗い道に差し掛かった時だった。


    いきなり誰かにフェンスに叩き付けられた。
    衝撃が体中に広がる。


    前をみるとあやかが車の中に引きずり込まれそうになっている。
    レイプだ!
    わかったところで男の力にはかなわない。


    助けを求めてもみんな見てぬふり。
    警察を呼ぶ人もいるが、着く頃にはここにはもういないだろう。
    私も立場が違えば、見てみぬふりをしていたかもしれない。
    誰だって自分がかわいい。


    車に無理やり連れ込まれながら、パニックと恐怖の間でも、不思議と頭のなかには、冷静な部分が残っているようだった。


    ドアが閉まる音。
    泣き叫ぶあやか。
    ショックで呆然とする自分。


    「走らせろ!」

    誰かが叫ぶ。



    車は、、、動かない。


    「おい!何してんだよ!」


    イライラした声がする。
    ショックから立ち直ってきた私がフロントガラスの方をむくと、ボンネットの上に人が乗っかって、こちらを覗き込んでいた。


    まだあどけなさの残る顔。
    それでもどこか洗練された感じがして、一言では表す事ができなかった。
    ただ、綺麗だと思った。
    なぜそんなことを思ったのか自分でもよくわからない。

    その人は、何か言葉を待っているかのようにボンネットの上にのったまま動かずにこちらを見ていた。

    「早くそいつをどかせろ!車に乗せても構わないから!」

    違う声が叫ぶ。
    この子を車の中に載せる?

    絶対に嫌。
    自分はいい。
    ただその子を載せるのは絶対に嫌。

    「早く逃げて!早く!!」


    あやかが叫んでいる。
    違う。叫んでいたのは自分だった。


    「きちゃダメ!!」


    力の限り叫んでいた。
    よく考えたら変なはなしだ。

    自分がどうなってもいいと思うことも、助けて、じゃなくて出た言葉が、逃げてと思ったことも、何より、レイプ犯を前にしても微動だにしないその子も。


    運転席のドアをあけて男が女の子に向かう。
    危ない。嫌だ、逃げて。


    「おいテメエ!早く離れろ!それとも俺に襲って欲しいのか?」


    男がニヤニヤしながら女の子の細い手首を掴む。
    危ない!!

    そう思ったが実際に危なかったのは、男のほうだったとあとから気づいた。


    「巻き込まれたから、仕方ない」


    女の子は確かにそうつぶやいていた。
    まるで自分に言い聞かせているようだ。


    つぶやいたと同時に男が消えた。
    正確には、男がものすごい勢いで吹っ飛んでいった。


    何が起きたのかよくわからない。
    ただ、運転手がいなくなった車を走らせる事は無理だ。
    男たちが車から降りて女の子を囲む。


    こんな状況で思うようなことではないが、あの時のナツは綺麗だった。
    捕まえようとする手をよけ、よけては一人ずつ確実に倒していく。
    いや、気絶させていくという言葉の方が正しいか。


    あっというまに全員気絶した。
    こちらに近づく女の子。


    あやかも私も男たちがいないのに、車に乗ったままだった。
    ショックのためか、二人とも動けずにいたんだ。



    「大丈夫ですか?」


    答えない私たちに困ったような顔をしながら話しかける。


    「そろそろ警察もくるし、とりあえず車おりません?」


    すっと二人に手を差し伸べる。
    それが、ナツとの出会いだった。

[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21487 ] / ▼[ 21489 ]
■21488 / 3階層)  Re[3]: SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(5回)-(2012/04/12(Thu) 23:32:23)

    「どうしたの?」


    ナツが私の顔を見つめている。
    今は収録、本番中。

    事故があってからどうなるのかと思ったけど、なつきさんがいてくれるなら、という条件で続けられることになった。


    「全く、今日は帰っていいっていったのに」


    「ふ〜ん。私は帰ってもいいんだよ。マキのために仕方なく」


    わざとらしくため息をつくナツ。

    少しは私のことを考えてくれていたのかな。
    違うな。ナツはいつだって他人のことを考えている。
    ナツは優しすぎる。残酷なくらいに。


    「あたしの事心配してくれたんだ〜」



    ふざけてナツに後ろから絡みつく。
    実際にナツが帰っていたら困っただろう。


    メイちゃんはスタジオに入るなり、一歩も動けなくなっていた。
    このままでは撮影ができない、と困っていたとこでナツがきた。


    「私が付いてるから大丈夫」


    一言だけメイちゃんに声をかけると、さっきまではガチガチだったメイちゃんもようやく笑顔をみせた。
    全く、さらっとカッコイイ事をいってくれる。
    ナツが言うから様になってるし。
    効果絶大。

    メイちゃんだけでなく、周りにいたスタッフまで顔を赤くしていたのは気のせいではないだろうな。
    私は言うまでもなく、ドキドキさせられた。
    メイちゃんに少し嫉妬したくらいだ。


    「で?どうした?」


    ボーっとしていたのを見られていたのか。


    「ん、ちょっとナツと出会った時の事思い出してた」




    あの日、ナツに出会ってから、私は変わってしまった。
    警察がかけつけてきた頃には、すべて片付いていた。

    気絶していた男たちを警察が捕まえ、私たちも別のパトカーにのって警察署まで移動する。
    ショックで呆然としている私たちのかわりにたんたんとしゃべるナツ。


    それから3日後。
    私とあやかとナツの3人で、ご飯を食べにいった。
    どうしてもお礼のしたかったあやかと私は、食事をごちそうする、と言っても大したものではないが、落ち着いた雰囲気のレストランへきていた。



    あの時の私は、あまりしゃべらなかった。
    もっぱらあやかが喋って、ナツが答えて。
    その繰り返しだった。会話もほとんど覚えていない。
    熱にうかされたように、周りが遠くに感じて。色を失っていって。
    でもナツだけは鮮やかな感じがして。


    「マキ」

    ハッとした。
    また昔の事を考えていたみたいだ。
    きっと今日の事故と自分の経験が重なっているんだと思う。


    「さっきの事が原因?」


    ほらね、やっぱり。
    ナツは必要以上にカンが鋭い。
    ナツにはお見通し。


    「そうかもね」


    あの日から少しもたたないうちに、私とあやかは別れた。
    あやかが嫌いになった訳じゃない。

    ただ、知ってしまったから。
    ナツという存在を。
    あやかを求めるよりも、強く、比にならないくらい求めてしまったから。


    何よりも誰よりもナツが欲しい、と自分の気持ちに気づいてしまった。
    ナツがビアンかなんて知るはずもないし、どこにいるのかも知らないし。
    それでも、ナツが好きだときづいてから、あやかを抱くことができなかった。


    「ナツ。あのお店って、ナツの行きつけだったの?」


    あやかと行こうとしていた、普段とは違うお店。
    そこへはちょくちょく通うようになっていて、そこで偶然再会した。


    「ん?マキと偶然会ったバーのこと?あれは、たまたま店員に用があっただけ」


    そっか、偶然か。


    「何ニヤニヤしてんの。気持ち悪い」

    ナツが気持ち悪そうにこちらを見ている。


    「たまには気持ち悪くてもいいでしょ〜」


    なんて言ってナツの首に絡めていた腕に力を込める。
    私より少し小さいナツの肩にニヤニヤが止まらない顔をおいてみる。


    ナツ、偶然って言葉ってさ、運命って言葉とどこかにてると思わない?
    声に出さずに心の中でナツに尋ねる。


    ナツとバーで偶然あった日は、運命のように感じた。



    そして関係は、その日から恩人なんかじゃなくなった。


    ナツに抱かれたあの日、私は気づいてしまった。
    この気持ちを伝えれば、ナツは離れていく。

    なぜそう思ったかはわからない。
    あえて言うなら、ただのカン、女のカンってやつかな。


    「ね!今度ナツの家に行ってもいい?」

    少し間を置いて返事が返ってくる。

    「わかった」


    とだけ言って了解するナツ。
    ナツの家に行くと行っても遊びに行くわけじゃない。


    私たちの関係は求めて、求められて。
    あえて言うなら、セフレ。

    だから、家に行くって事は、抱かれに、もしくは抱きに行くって事。

    体だけの関係。
    それでも少しはナツの心の中に近づけたかなと思ったりする。


    ナツ、好きだよ、大好きなんだよ。

    愛してる。


    声にだしてはいけないから、せめて心の中で叫ばせて。
    カンのいいあなただから、私の気持ちにも気づいてるんでしょ?
    でも、こんなにもナツを愛おしく思ってることはさすがのナツも気づいてないでしょ。
    ナツと出会ってからこの思いは大きくなって、いつか爆発してしまいそうだよ、ナツ。


    愛してる、ナツ。


    つづく

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▲[ 21488 ] / ▼[ 21490 ]
■21489 / 4階層)  Re[4]: SolitudE
□投稿者/ mixx 一般♪(6回)-(2012/04/13(Fri) 04:07:46)



    「私が付いてるから大丈夫」


    なつきさんがかけてくれた言葉が何度も何度も頭の中で反響する。


    「メイちゃん、今のVTRどうでしたか?」


    司会者が私にふる。


    「すごい感動しました。私もこういう風に生きて行きたいって思いますね!」


    ふう〜。危なかった。
    今は収録中なんだからちゃんと集中しなくちゃ!

    とは思ってもなかなか集中できない原因。
    なつきさん。

    とマキさん。

    さっきから二人とも、正しくはマキさんがなんだけど、、、、、、


    なつきさんと近い〜〜〜〜〜!!!!!



    そりゃ二人とも知り合いみたいだし、
    年もあたしより近いだろうし、
    あたしはなつきさん、って読んでてマキさんはナツって呼んでて、


    だからって、、、近すぎでしょ!!!!!



    なつきさんは私と同じで163cmくらいな?
    で、マキさんは確か、、、167cm!

    で、今はマキさんが後ろからなつきさんをギュって抱きしめてるんだけど、、
    何だかお似合いな感じがして、それが悔しい!


    CMに入り、なつきさんとマキさんがようやく離れた。
    よかった〜なんて思ってたらマキさんが近づいてきた。


    「こらメイちゃん!ちゃんと集中しなさい」


    なんて怒られてしまった。
    どうやらしっかりと見ていたようだ。
    マキさんはカンもいいからな〜。


    「すみません〜」


    というと満足したのかそのままスタスタとなつきさん、ではなくスタジオの外へと歩いていった。


    やっと一人になってくれたなつきさんをちらっと見ると、なつきさんもこっちを見てて目と目が合う。

    ドキドキドキドキ

    鼓動が早くなる。
    顔が熱くなる。

    なつきさん、やっぱりなつきさんの事好きになったみたいです。

    目があったままなつきさんが軽く手を振ってくれた。
    何だか思いが届いたみたいで嬉しいな。
    もちろん私も元気に振り返す。


    つかの間の幸せも、CMが終わると同時に終わってしまった。



    「今日はありがとうございました〜!来月の16日にコンサートやるのでみなさん、ぜひ会場でお会いしましょう!」



    コンサートって言っても一人ではなくてグループでなんだけどね!
    なかなか楽しみだったりする。

    さっきと違って満面の笑みでコメントしたところで、収録は終了!
    お疲れさまです!
    なんて言いながらキョロキョロとなつきさんを探す。

    いたっ!
    でも今度は別の女の人に抱きつかれてるし、、、
    なつきさんモテすぎですよ〜、、、


    軽く落ち込むがここでめげてたらダメだ!
    一人で考え事をしていると、ドンっと誰かにぶつかる。


    「考え事?」

    前をみるとなつきさん!!
    驚きすぎて声がでてこない。
    どうやらなつきさんのところまできていたのに、止まらずにぶつかってしまったみたいだ。

    「あっ、すみません」

    というと口の端を片方だけあげて少しだけ笑った。
    すごく綺麗でついついに見とれていたら、なつきさんの細くて白いてが伸びてきて両方のほっぺを包み込む。


    ドキドキが止まらない。
    暖かい手。
    意外と大きな手に長い指。


    「あ、あのなつきさん?」


    一瞬真顔になったかと思おうと、また口の端を釣り上げて笑う。
    それから私のほっぺを、、、つままれる。


    「ひたひでふ、なふひさん」


    痛いです、なつきさん、っていったつもりだったけど、口からは変な言葉がでてきた。


    「収録に集中してなかったでしょ〜!」


    なつきさんも気づいてたんだ。
    マキさんもだけどなつきさんもカンがいいんだな。
    やっぱり二人は少しにてるなって思うと少し悲しくなった。
    マキさんもかなりの美人だし。

    「ごめん、痛かった?」


    顔が強ばっていたのかな?

    「痛いですよー」

    って言いながらわざとほっぺたをさする。
    ホントは痛くなんかないんだけど。
    暖かい手が頬に心地よくて、もっと触れていて欲しかった。


    思わずなつきさんの手を掴む。
    ん?と言う顔をして私からの言葉をまっている。

    なつきさん、すごく綺麗、長いふさふさのまつげ。
    きめ細かな肌は白くてロングの髪はツヤがあってサラサラ、ふわふわで。
    少しだけ色素が薄くて。
    見つめた目に、引き込まれそうな感じがして。

    こんなに綺麗なら彼氏くらいいるんだろうな、、、
    もしかしたら、彼女さんとか??
    ってことはもしかして、マキさん???


    「メイちゃん?」

    ハッと我に返る。


    「なつきさん!あのっ!」


    うん?と小さく聞き返してくれて、どうしても確かめずにはいられなかった。


    「、、、なつきさんは、マキさんと付き合っているんですか?」


    なつきさんの手をギュッと握りしめて蚊の鳴くような小さな声で聞く。


    「ぷっ、あははは!!!」


    大爆笑する声が聞こえてきたのは、なつきさん、、じゃなくてマキさん!


    「何それ〜?急にどうしたの?なんかのバツゲーム??」


    いつの間に!なんて思いながら固まる私。
    なつきさんも何だか呆れたように笑っていた。


    「ありえない」

    といったのはなつきさんで。

    よかった、なんて安心したものの、、

    「マキさん!笑いすぎですって!!」


    マキさんがこんなに笑うのを初めて見た。


    「メイちゃん、何でそう思ったのか知らないけど、それは絶対にないから」


    冷静に反論するなつきさん。


    「ひっど〜!!ナツ!私の事好きじゃないの〜??」


    なんておどけながら、絡みつくマキさん。


    「それですよ!!二人が抱き合ってるから恋人同士のようにみえたんです!」


    なつきさんに絡みつく腕に嫉妬しながら答える。


    「メイちゃん、よく見て。抱き合ってるんじゃなくてマキがかってにまとわりついてくるだけ。」


    半ばあきれ顔のなつきさんをよそに、マキさんはまだクスクス笑っている。


    「あたしはナツの事大好きなのに〜!!」


    ちょっとすねた顔のマキさんに向き直るなつきさん。


    「あたしも好きだよ、マキ」


    優しく微笑んでマキさんの頬に手をおくなつきさん。
    え??うそっ!!そんなあ〜、、


    「でもノアの方が好き」

    というと口の端をフッと持ち上げて笑った。

    、、、ノアって?
    外人??
    しかも男の人、、、
    やっぱりなつきさんって、、
    嫉妬と悲しさが心の中に広がっていく。


    「ナツ!さっきからひどいって〜!!もう二度とノアには合わせてあげないからねっ!」


    ??
    え?ノアってもしかしてマキさんのお兄さん?
    頭の中が疑問でいっぱいになる。


    「え?それは嫌だよ!ごめんごめん、マキの方が全然すき!大好き!!だからノアには会わせて!ね〜お願いマキ〜」


    いつになく必死ななつきさん、珍しく、甘えたような声を出す。
    そんなに好きなんだ、ノアさんのこと。


    「あのっ、ノアさんとなつきさんはお付き合いしてるんですか?」


    泣きそうになるのを抑えて精一杯の笑顔で尋ねる。
    少しの沈黙。


    「ぶっ!!!あははははは」


    さっきよりも盛大に吹き出すマキさん。
    今度はなつきさんまでクスクス笑い出す。


    「ノアとならずっと一緒にいたいかな〜」


    なんてなつきさんが言うから、我慢していた涙が頬を伝う。
    隣にいるマキさんもびっくりしながらも、まだヒーヒーと笑っている。


    「もう!マキ笑いすぎだって!!ごめんねメイちゃん」


    って言いながら私の涙を指で優しく拭ってくれる。
    ああ、こんな動作も好きだなって改めて思う。
    でもなつきさんには、大切な彼氏が、、、


    「メイちゃん、ノアっていうのはね、、マキのペットの事だよ」


    そっか、ペットかあ〜。
    いいなあペット。
    私も飼ってみたいなあ。

    、、、、、、、、、、え?
    ペット??つまりは動物ってこと?
    え?じゃあ私の勘違い??


    ってことは、

    「じゃあなつきさんはフリーですか??」


    「うん、そうだよ!!ナツ〜あんたいつからノアと付き合ってたの〜??」



    となつきさんの代わりにマキさんが答えて。
    何だかおかしくなって思わず笑い出した。


    「あんたは、ほんとにタラシなんだから〜、おまけにいつのまに女の子(ノア)に手出してたの〜?」


    ギロっとマキさんを睨みつけるなつきさん、、
    うん、結構迫力あるな、、ってか怖いですよ!なつきさん!
    ってかなつきさん、タラシなんですか?
    しかも女タラシ!!
    もしかして、、
    でもまた勘違いだったら?


    「マキ、あんたスタジオで私に絡みたいだけ絡んでもいいよ。うん。」


    突然の発言に思わずマキさんと顔を見合わせる。


    「恋人同士に見えたなら、マキ、いい女よけになる」


    やっぱりまた女って!!
    ここは普通男よけ、っていうよね??
    なつきさん、、、


    「なつきさんて」

    ごくっとつばを飲み込む。

    「女の人が好きなんですか?」


    返事は、、

    「そだよ」


    その一言にものすごく救われたきがする。
    今日一番の収穫だった。
    って事は私にもチャンスがあるってことだよね??
    嬉しくて顔が緩んでいく。


    「変な顔」

    と言ってまた少しだけ笑うなつきさん。
    でも今は全然気にならない。


    「そうだ!なつきさん、メアド交換しましょうよ!」



    〜1時間後〜


    「ただいま〜」


    やっと家に着いた〜。
    一軒家の家には母親との二人暮らし。
    小さい頃に父親は交通事故で他界した。
    そのため、母親は夜遅くまで働いていて、仕事を始めた今では、顔を合わせる事もあまり多くはなかった。


    とりあえずお風呂に入ろっと!

    湯船にお湯をためる間に携帯を取り出す。
    最近買ったばかりのスマートフォン。
    まだ使い慣れていないけど、シンプルなデザインが大人っぽくてお気に入りだった。

    まずは、、、
    マキさん宛にメールを作成!


    マキさん、今日もお疲れさまです(_´Д`)ノ~~
    今日は色々ありましたが、充実した一日でした。
    マキさんに質問なんですけど!!
    なつきさんっていくつですか??
    次に会う時までの宿題を出されました〜(^^♪


    よしっ送信!!


    それからカ行を開く。
    あったあった!

    黒矢 菜稀
    くろや なつき

    これでなつきって読むんだ〜!
    かっこいい苗字に可愛い名前!

    なつきさんそのものみたいだな〜!!
    やばい!!!顔が緩みっぱなし!!


    よし!!
    早速メールしてみよう!


    なつきさん、こんばんは\(^▽^)/
    お疲れ様です(´Д`)

    今日は助けていただいてありがとうございました!
    ケガは大丈夫ですか(+o+)??

    今日はなつきさんと色々話せて楽しかったです!
    また仕事でお会いできるのを楽しみにしてますね〜!!



    悩んで考えたのに、普通のメールになったな。
    まあいいか!
    送信っ!!


    ブーブー


    ドキドキしながら携帯を見ると
    ちょっと残念だけどマキさんからだった!


    メイちゃんお疲れ様(*´∀`*)
    今日は本当に色々あったね〜、、
    メイちゃんが無事でよかったよー!!

    ナツからそんな宿題出されたんだ〜(笑)
    ナツはね、普段あんまり笑ったりしないし
    雰囲気も落ち着いてるから、結構年上に見られるんだけど、、
    実は、、





    ここでメールが途切れていた。
    え〜マキさん!!それはないですよ!!
    って思ったけど、よく見たらメールは終わってなくて、
    どんどんん下にスクロールさせていくと、、



    15歳だよ〜!!
    びっくりした?
    来月の誕生日がきたら16だから、メイちゃんより
    一つ年上だよ〜!!

    じゃあお休み(=´ω`)ノ
    ゆっくり休んでね〜☆☆


    うっそお〜〜〜〜!!!!
    1つしかかわらないの?
    じゃあマキさんよりも私の方が年が近いんだ!!


    これから仕事が楽しくなるだろうな〜
    なんて期待に胸を膨らむ。
    実際にもう少し胸が膨らまないかな?
    なんて思いながらお風呂に入る。


    なつきさん、来月が誕生日なんだ!
    そうだ!!
    何かプレゼントしよっと!!

    なつきさんってどんなものが好きなのかな〜??

    やっぱり女の子ならアクセサリーとかだよね??
    でもであって1ヶ月でアクセサリーって重くないかな?

    なんかもっとこう軽い感じのもの、、、
    お菓子とか?

    ないないない!
    それは軽すぎる!

    ってことは、、、

    う〜ん、、
    まあ今日はまだ5日だし!
    あと一ヶ月あるし!
    その間に考えよう!!


    なつきさん、喜んでくれるといいな。


    つづく

[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21489 ] / ▼[ 21503 ]
■21490 / 5階層)  感想
□投稿者/ さつき 一般♪(1回)-(2012/04/16(Mon) 20:52:39)
    ドキドキします。
    続き楽しみにしています^^
[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/

▲[ 21490 ] / 返信無し
■21503 / 6階層)  Re[6]: 感想
□投稿者/ mixx 一般♪(7回)-(2012/04/28(Sat) 23:58:26)
    さつきさん、ありがとうございます。
    最近忙しくて更新率落ちていますが、これからも見守っていただけると嬉しいです(^^♪
[ 親 21484 / □ Tree ] 返信/引用返信 削除キー/


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