□投稿者/ 無花果 一般♪(3回)-(2015/04/08(Wed) 10:26:32)
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少女たちの物語(3)「独占欲」
義理の母は今日も私を殴る、殴って殴って殴って、この身体を痛めつける。 ほんとうのおかあさんの妹である彼女は、私のことが心底嫌いなのだろうか。 何年も前から服で隠れるような場所を殴って抓って蹴って傷をつける。 だから先生も友達もみんな傷のことは知らない、義理の父は帰ってこない。
義理の母は言う、私の娘でありたいならば完璧な人間になりなさい、と。 とうの自分は完全ではない癖に、私に対しては常に完璧を求め続ける。 成績も一番、運動も一番、クラスの人気者で先生にも信頼される女の子。 それが私が被り続ける仮面であり、私が掲げ続ける努力の結晶だ。 周りの人間も私のことを完璧だと感心し、褒めたたえ、頼りにする。 それでも義理の母は私のことを認めてはくれないし、見てもくれなかった。 もとより私のことを義理の娘とすら思う気持ちが微塵もないのだから。
今日も義理の母は帰宅した私を呼び出し、制服姿のままの私を痛めつける。 拳で殴って、手のひらで叩いて、勢いをつけた足で殴って、そして床に転がす。 近所の人にばれないように口にはガムテープを貼って、私の全ての声を奪う。 そして自分の気が済むまで私のことを痛めつけた後、放置という名の解放。 私は自分の部屋で傷の確認と手当てをして、毎日毎日それの繰り返し。
本当はこのどこか狂った人に抗う術も、この人から離れる方法も知っている。 だって私は賢い子、勉強も運動もできて性格もいい完璧な子なんだもの。 それでも私はそれをしない、この痛みから抜け出す方法はずっと使わない。 それは私がこの人に義理でもいいから娘だと認めてもらいたいからじゃない。 この人に一度でもいいから褒めて欲しい、私のことを見て欲しいわけでもない。 実の姉に恋をしてその姉を亡くしてその姉の娘である私に恋をしたこの人に。 私が寝ている真夜中に、私の部屋の中でひとり淫らに乱れるこの人に。 寝た私の身体を使って自分の欲を発散し、日中は暴力を振るうこの人に。 本当は私の気持ちも部屋にある隠しカメラも盗聴器も全て把握しているこの人に。
おかあさんごめんなさい、私は悪い子です、なんて思ってもいないけど。
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